あらすじ
「名は秋山大治郎」とわざわざ名乗って辻斬りを繰り返すずきんの侍。しかも狙われるのは、幕閣の中枢で対立する田沼意次と松平定信の家臣ばかり。意次の娘・三冬の夫である大治郎は窮地に追い込まれ、身の証を立てるため、家から一歩も出ない暮らしを余儀なくされる。小兵衛は、四谷の弥七と傘屋の徳次郎だけを頼りに必死の追跡を始めるのだが……。シリーズ初の特別長編、第10弾。
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十巻にして長編。それとは気付かずに読んだのは、本棚から出すやいなやブックカバーをかけてしまうので、表装裏のあらすじを読まないからだが、こんな展開も初読みならではで面白い。一章「除夜の客」から二章に移る時に、これは二話完結なのだなと軽く思ったものだが、物語は徳川宗家を巡る陰謀に、剣客商売フルキャストで大治郎の無実を晴らすべく立ち働く様は感動的だ。初登場・菓子屋の芳次郎が愉快なキャラなだけに、今後の活躍が期待される。
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このシリーズを読み始めて 初めての長編。
やはり 私は長編のほうが落ち着いて読むことができる。
秋山大治郎と名乗るものが 人を惨殺する。
しかし、それは 小兵衛の息子 大治郎ではなく
ニセモノ大治郎だ。
なぜ?
大治郎に対して 恨みがあるものか
それとも 小兵衛に対して 恨みがあるものか。
松平越中守定信と田沼意次との確執を巧妙に
利用しようとする 人物がいた。
一橋治済が フィクサーなのだ。
松平越中守定信の激情で直情型。
田沼意次の私情を挟まない公平な姿勢。
それが 際立ちながら・・・物語は進む。
今回は 傘屋の徳次郎の自分の勘に愚鈍なほど忠実さが
なんともいえないほど 素敵だった。
戸羽平九郎の 悪そろしいまでの必殺技。
杉原秀の 謙虚な姿勢。
ごぼう 松の 精を吸いつくす魅力
歩をわきまえた しっかりした人たち。
いい作品だ。
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剣客商売のシリーズ10。
初めての長編物。
登場人物勢揃い、しかも政が絡んでの筋書きでかなりおもしろい。
小兵衛がなぜおはるを嫁にしたのか、なんだかわかる気がする。
若いけどしっかりした、できた嫁だと思う。
見習いたいなぁ(*^^*)
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中学校時代から何度も読み続けている池波正太郎もの。
たぶん一番最初に読んだのがこのシリーズ。
食べ物に対する興味も、江戸時代の言葉、作法も全てこれで覚えた。
読まないと人生損だぜ。
同じ時期から池波正太郎が好きだった人を人だけ知っている。
Posted by ブクログ
▼剣客商売シリーズを特に予備知識なく読んできまして。このシリーズは基本的に「連作短編」です。鬼平犯科帳もそうです。そうなんだけどこの十巻を読み始めてしばらくして、「あ、これ長編だ」。
▼いきなり壮大なネタバレを書きますが、
要は
・秋山大治郎を名乗って次々に殺人を繰り返すヤツがいる。
・それも、秋山大治郎と田沼意次の関係を知ってか、わざわざ田沼の家来や、
あるいは田沼と犬猿の仲の松平定信の家来を殺す。
・当然大治郎も疑われるし、いろいろガタガタしてくる。
・結局、黒幕は「徳川一橋家」だった。一橋家が、今権力者の田沼と、ライバルの定信の間を翻弄して、次期将軍の座を狙いたい・・・みたいな。
・最後は小兵衛が犯人と戦って勝つ。
▼なんだかなあと思うくらい、ミステリ的に「何も分からない状況」に客を置いてけっこうな分量が進みます。そして、毎回思うけど、結局は岡っ引きの弥七と徳次郎の「尾行」、または色々な偶然で徐々に真相が分かる。
▼池波さんのものは全般、歯ごたえが物足りないような気がしつつも味わいがまろやかで楽しめてしまう。今回も同様だった。
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<目次>
略
<内容>
『剣客商売』の第一長編。秋山大治郎の偽物が辻斬りを繰り返す。それは御三卿一橋家の陰謀であった。秋山小兵衛が脇キャラを総動員しつつ、事件を解決していく(特に傘徳は大活躍!)。読み始めると止まらない…
Posted by ブクログ
「池波正太郎」の長篇時代小説『剣客商売(十) 春の嵐』を読みました。
『新装版・梅安針供養 仕掛人・藤枝梅安(四)』、『剣客商売(一) 剣客商売』、『剣客商売(二) 辻斬り』、『剣客商売(三) 陽炎の男』、『剣客商売(七) 隠れ簑』、『剣客商売(八) 狂乱』に続き、「池波正太郎」作品です。
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老剣客「秋山小兵衛」とその息子「大治郎」が悪に挑む!
累計2400万部突破の大人気シリーズ。
わざわざ「名は「秋山大治郎」」と名乗って辻斬りを繰り返す頭巾の侍。
窮地に陥った息子を救う「小兵衛」の冴え。
シリーズ初の特別長編。
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やめられなくて、どんどん次が読みたくなる『剣客商売(けんかくしょうばい)』シリーズの第10作… 1978年(昭和53年)に刊行された作品です、、、
シリーズ初の長篇… 読み応えがありましたね、もっと長篇も描いてほしかったと思いますね。
■除夜の客
■寒頭巾
■善光寺・境内
■頭巾が襲う
■名残の雪
■一橋控屋敷
■老の鶯
■解説 常盤新平
頭巾をかぶった立派な体格の侍が「あきやま、だいじろう」と名乗って旗本「井上主計助」を斬り殺した… 「井上」に付き添っていた小者はこの難を逃れたため事が発覚した、、、
当然、「大治郎」がしてのけたことではないが、剣客たるものどこでどう恨みを買っているかもしれない… 「秋山大治郎」を名乗る侍の凶行はさらに続く。
「田沼意次」中屋敷の門前に現れて門番を斬り殺し、次には「田沼意次」と敵対する「松平定信」の家来がその凶刃に倒れる… 「大治郎」が窮地に立たされるが、「大治郎」自身に嫌疑が及んでいるため、「大治郎」が先頭になって犯人捜しに出ることは出来ず、父「小兵衛」に任せるしかない、、、
しかし、「小兵衛」もなにやら雲を掴むような思いでの探索だった… 犯人は狡猾でその姿を見せない。
難敵を迎えた秋山一派の結束が見事でしたね… オールキャストといって良いほど、主要な脇役たちが登場しますが、その中でも特に「傘屋の徳次郎」の地道な活動が実を結ぶという展開が印象的でしたね、、、
「小兵衛」に頭を下げられた「徳次郎」が感動して涙する場面は、本シリーズの魅力を象徴しているシーンだと感じました… 「田沼意次」と「松平定信」の確執や、「一橋治済」の陰謀、「徳川家」の跡継ぎ問題を絡めるあたりのスケールの大きな展開も愉しめました。
面白かったー もっともっと長篇を読みたかったですね。
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除夜の客
寒頭巾
善光寺・境内
頭巾が襲う
名残の雪
一橋控屋敷
老の鶯
長編。
秋山大治郎を名乗り辻斬りをする侍を何とかする話。
弥七と徳次郎がすてき。
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4年ぶりに続篇を読むことになった剣客商売シリーズ。
10巻目となる本書はシリーズ初の長篇ですが、いつもながらのテンポのよい展開、読みやすい筆致でスイスイ読み進めることができました。
今回はあらすじがあらすじなだけに、秋山小兵衛を中心に話が進みます。相変わらず元気なおじいちゃんだ。したがって、大治郎や三冬は殆ど活躍しません。このふたりが好きな自分からすると少し物足りなく感じるところ。
また、若干のしこりが残る結末は、今後どのように決着されるのか気になりますね。
とはいえ、あらためて火がついた剣客商売。続篇を読み進めることとしよう。
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剣客商売第10巻。これまでになかった長編物です。1巻丸々続いているので、話の続きが気になって気になって結局一気に読みきってしまった。。。弥七と傘徳の捜査にもかかわらず惨殺がくり返され、大治郎は取り調べのため評定所に呼ばれて一行に好転の兆しが無い。どう犯人を追い詰めていくのか?どういう結末になるのか?を考えると読み進めないと気になってしょうがなかったです。
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20141227 シリーズ中盤で初の長編。小兵衛が元気。ストーリー的に大治郎の出番が少ないのが残念。以外の脇役の揃い踏みで飽きない。安心して読める本。
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剣客商売シリーズで初の長編。秋山小兵衛の息「大治郎」を名乗る辻斬り男を捕えるため、秋山チームが勢ぞろいで結集。
この作品は食べ物の描写が多く、上手い池波作品には珍しく食べ物のシーンは冒頭にしか登場しない。しかし、その鯛と軍鶏の食事の描き方はやはり秀逸!
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読み始めてびっくり。長編ではないか。
ハラハラ、そして、もどかしい思いをしながら、読み進めました。
総力戦で、見えざる敵と戦う。堪能致しました。
不二屋の芳次郎、いい味出してるなー。
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剣客商売では珍しい長編。とはいっても幾つかの話に分かれているので短編集のように読みやすい。
大治郎の名を騙る辻斬り?が暗躍し田沼、松平を巻き込む大事件に。。。
ってなかんじですが、今まで出てきたキャラクターも再登場。三冬さんもどこかしら母親の感じが出てきてさすがにうまいなぁと。
大治郎がイマイチ活躍しないのと、最後の斬り合いはあれでいいのか?と思わないこともないですが、やはり剣客商売は面白いと思わせるに十分でした。
しかし史実では、松平定信の遺恨は尾を引いて結局田沼さんは酷い目に遭わされるんだよねぇ。。剣客商売の中ではとても良い人に描かれているのでかわいそう。
悪いやつランキングでは一橋の治済がトップか?
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読書完了日2008年06月06日。初の長編。小兵衛さんが大活躍〜!人物相関でも作らなくては。そろそろ誰が誰だったかわからなくなってきた……(^^;;)
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剣客商売9巻までは秋山親子の周りで起きる様々な事件や出来事が短編で語られていたのに対して 10巻目春の嵐は秋山大治郎を騙る武士が次々に殺人を犯しすので大治郎本人に疑いがかけられてしまう。背景には幕府転覆をも起きかねない政治的背景もあり大作ミステリーで面白い作品です。
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「名は秋山大治郎」とわざわざ名乗って辻斬りを繰り返す頭巾の侍。しかも狙われるのは、幕閣の中枢で対立する田沼意次と松平定信の家臣ばかり。意次の娘・三冬の夫である大治郎は窮地に追い込まれ、身の証を立てるため、家から一歩も出ない暮らしを余儀無くされる。小兵衛は、四谷の弥七と傘屋の徳次郎だけを頼りに必死の追跡を始めるのだが……。
シリーズ初の特別長編、第10弾。
Posted by ブクログ
剣客商売 十
今回は特別長編「春の嵐」です。
“秋山大治郎”を名乗る連続辻斬りが現われ、全く身に覚えのない大治郎が窮地に陥ります。
小兵衛さんと、弥七、徳次郎が懸命の追跡を行うのですが、特に徳次郎の執念には胸が熱くなりました。
さらに八巻「狐雨」に登場した杉本又太郎や、女武芸者・お秀さんも加勢します。
この事件の裏に、田沼老中と松平定信の対立を深めることで漁夫の利を得ようとする巨悪の存在が浮かび上がりますが、結局闇に葬られる事になり、仕方ないとはいえ、とんだ目にあった大治郎のことを思うとモヤモヤします。
せめて辻斬りの男を大治郎に退治させてあげたかったと思います。
そんな中、今回登場して杉本又太郎さんのところに押しかけ弟子のように居ついてしまった、芳次郎がなかなか面白いキャラでした。
Posted by ブクログ
剣客商売10作目。
初の長編。
小兵衛の執念が伝わる作品。
でも、ラストは、なんとも有耶無耶な結末。
あれは、小兵衛にとっても、関わったものたちにとっても、もやっとした結末だったろう。
大人の事情で仕方ないとは言え。。
剣客商売を読み始めた当初、おはるは、単なる年下女房で、あまちゃん。みたいなイメージだったが、ここにきて、たくましいおっかあのイメージになってきたな。
除夜の客
寒頭巾
善光寺・境内
頭巾が襲う
名残りの雪
一橋控屋敷
老の鶯
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剣客商売シリーズ第十弾
今回は長編。
秋山大治郎と名のる男が江戸の町で暗殺を繰り返す。
この男は果たして誰なのか。
その裏には、田沼、松平を巻き込む大きな陰謀が渦巻く。
大治郎と名のる男が暗躍しているせいで、本物の大治郎は身動きがとれず…。ほとんど出番がなくて残念。偽大治郎が本当に憎らしい。でも三冬は本当にいい奥さんになったなぁと感じます。早く三冬さんの母親姿も見たいものです。