あらすじ
小兵衛の剣友を見舞った帰途、大治郎の頭上を一条の矢が疾った。心当たりはなかったが、これも剣客商売ゆえの宿命か。「お前が家を出るときから見張られていたのではないか」小兵衛の一言で大治郎は、次の襲撃を呼び寄せるように、下帯ひとつの裸身で泰然と水浴びをはじめた――「波紋」。旧友内山文太を想う小兵衛の心情を描き格別の余韻を残す「夕紅大川橋」など全5編。第13弾。
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剣客商売第13弾。この作品を小説新潮に連載された頃、池波さんは還暦を迎えられたそうである。「波紋」の中には5編の作品が書かれているが、「消えた女」は秋山小兵衛の若かりし想い出が登場し楽しめる。
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時代小説。「剣客商売」シリーズ第13弾。5作。
「消えた女」「波紋」「剣士変貌」「敵」「夕紅大川橋」
「波紋」で傘徳の手下、岩戸の繁蔵が活躍。
「夕紅大川橋」では小兵衛の兄弟弟子の内山文太、医者の横山正元などが登場する。
1遍が少し長く登場人物も増え、1度読みでは読み落とすことが多かった。
「敵」の中沢春蔵が爽やか。
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剣客商売もはや13巻。あと5冊くらいか・・?
巻を追うごとに老いが感じられる小兵衛さん。
本巻も随所に出てて冬より夏がツライだの言ってるし、序盤に出てた好奇心旺盛な素振りも少なくなてきたように思う。なんとも寂しい限り。
今回は「波紋」という巻名の通りいろいろな人の生きざまがお互い様々に干渉しまう様があってなかなか趣深い。
大治郎と三冬さんの登場が少なかったのがちょっと残念。
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20120505 小兵衛が主役。何となく老境が近付いて来ている予感。前より読んだ後の余韻が寂しい。自分が近づいているからだろうか?
20141028 感情の高ぶりは老人も若者も一緒。体がついていくかどうかが問題。小兵衛でなければ形にならなかったかも。
20200712 小兵衛の人生を回想するような短編集。作者の心情も出ているようで哀しい話しが多い。大治郎一家がほとんど登場しないのも淋しいが分岐点なのかも知れない。
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13巻目では秋山小兵衛が「わしも、老い果てたものよ」と自嘲気味に呟く。
第一話の頃に比べると老いに対する考え方が変わってきたように感じる。作者池波正太郎氏の気持ちが表れているよう。
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▼消えた女波紋剣士変貌敵 夕紅大川橋
▼「鬼平犯科帳」が面白くて、するすると11巻まで読んだところで、読み終わるのが惜しいなあと思って中断し。「仕掛人梅安」に移動して、そっちを読み終えてしまい。いかんこのままでは鬼平を読み終わってしまうと思って「剣客商売」に移動。するすると読んでるうちに気がつけば13巻を読み終え「げ。あと3冊で終わってしまう」と青ざめています。いずれ再読するにせよ、やっぱり初読は格別、終わっちゃったら寂しいだろうなあ。
▼どの話も読みやすくそれなりにオモシロく、「消えた女」という、小兵衛が昔の恋人の娘を見た気になって…という話から、割と定番の「かつての弟子筋が身を持ち崩し」「旧友の老いに心を痛め」などなど、突っ込めばいくらでも偶然の産物だと言えるんですが味わい健在。
▼「敵」の一篇、身を持ち崩した剣客が、知らぬ間に殺人に利用され…という内容を小兵衛大治郎親子が解決するのですが、ちょっとしみじみした物語の末尾、小兵衛大治郎が歩く江戸の町の風景描写で終わります。
”三河町四丁目へ二人がさしかかったとき、稲荷ずしの売り声が近寄って来て、右側の商家の潜り戸から小僧が二人あらわれ、その売り声は向って走り出した。
店を仕舞った後の、これが小僧たちのたのしみなのである。”
これで終わるんです。これは唸りました。これ、池波節の尤も甘美な刹那なんぢゃないかしらん。
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小兵衛の剣友を見舞った帰途、大治郎の頭上を一条(ひとすじ)の矢が疾(はし)った。心当たりはなかったが、これも剣客商売ゆえの宿命か。「お前が家を出るときから見張られていたのではないか」小兵衛の一言で大治郎は、次の襲撃を呼び寄せるように、下帯ひとつの裸身で泰然と水浴びをはじめた――「波紋」。
旧友・内山文太を想う小兵衛の心情を描き格別の余韻を残す「夕紅(せきこう)大川橋」など全5編。第13弾。
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剣客商売 十三
本巻は全5編ということもあって(いつもは7編ほど)各話、筋立てが入り組んだ読み応えのあるものでした。
どれも過去の因縁や、思わぬ縁の繋がりが絡んでくる話でしたが、「剣士変貌」「夕紅大川橋」は小兵衛さんの知人や友人の思わぬ一面が明かされるという点で共通していたと思います。人というのは、たとえそれが長年親交のある友人であっても、秘めた部分があるものなのですな。
そして、「消えた女」では、御用聞き・弥七が直属していた同心の永山さんが殺されてしまい、結構いい人だっただけに、残念です。
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剣客商売12作目。
「消えた女」で思ったのは。。。
小兵衛さん。。。。昔からだったのね。。。ということ。
まったく、男というものは。。。(笑)
今回は、人の縁の不思議さを感じるストーリーが多かったかも。
袖振り合うも他生の縁。という感じかな。
消えた女
波紋
剣士変貌
敵
夕紅大川橋
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消えた女 永山同心が殺害される
波紋 バカ殿と刺客と繁蔵
剣士変貌 一城の主の器じゃなかった
敵 金をもらって倒した相手は悪人じゃなかった
夕紅大川橋 友人の過去の女性関係ゴタゴタ
なんかグダグダになってきたように思う
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剣客商売シリーズ13作目
消えた女
波紋
剣士変貌
敵
夕紅大川橋
おはるより前に女中として雇われていたおたみ。その女にそっくりな娘を囮にある捕物が繰り広げられる
傘徳の手伝いをしている岩戸の重蔵の兄七介が殺人を犯してしまい、匿う弟。
命を狙われる大次郎。
それは旗本、阿波守光俊との数年前の事件の逆恨みであった。
阿波守の悪事が露呈して一件落着となった後、小兵衛のはからいで重蔵は小商いをさせてもらうことになる。
これまでの子飼いの衆ではなく、本格的に下っぴきになるのでしょうか。これからが楽しみ。
剣が好きで師からも可愛がられていた横堀喜平次。だが一城の主となれる男ではなかった。転落の一途をたどる男。
お金の為に人をひとりこらしめてくれと頼まれ、人殺しでないのなら、と引き受けた中沢春蔵。
しかし、その人物が死体となって発見された。秋山親子とも縁の深い仕法家、笠原源四郎であった。
小兵衛と同門で関わり合いの深い内山文太が岡場所の妓と失踪した。四十年来の友人であった内山の秘密。
事件が解決した後、内山が呆けてぽっくりと逝ってしまったのがすごく寂しい。でも、心残りは片付けて皆に愛されて逝ったんだろうからよかった…のかな。その分、内山の孫と町医者の正元さんが結婚したのは、ちょっとうれしかった。