あらすじ
その試合「負けてやれ」。秋山大治郎が義父・田沼意次から一刀流の道場を構える谷鎌之助との試合を命じられた経緯を報告すると、小兵衛は即座にそういった。鎌之助はその試合に仕官がかかっていたのである。勝負を前にして苦悩する大治郎には、まもなく初めての子が授かろうとしていた……。初孫・小太郎の命名をめぐる小兵衛の意外な一面など面白さがいよいよ冴えるシリーズ第11弾。
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「勝負」の大治郎の生真面目さが判る気がする。御前試合でわざと負けるというのは、何より剣客として相手に失礼だ。幸いなことに周りからの様々な働きかけで大治郎は力を発揮できなかった。これはこれで剣客としてどうかと思うが、この物語の良いところでもある。最終話「小判二十両」での『親と子というものはな、生み落し、生まれ出るということだけで成り立つものではないのじゃ。生んだ後、生まれた後の親子の暮らしあってこそ、親であり子であるのじゃ。』という一節に心打たれた。
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時代小説。「剣客商売」シリーズ第11弾。7作。
「剣の師弟」「勝負」「初孫命名」「その日の三冬」「時雨蕎麦」「助太刀」「小判二十両」
「剣の師弟」の黒田精太郎と「小判二十両」の小野田万蔵は、両者ともに小兵衛の弟子である。黒田は師の手にかかり討たれ、小野田は見逃される。この違いは小兵衛の中では明白なのだろう。
「その日の三冬」もこの2編と似ている。
「勝負」は表題作でもあり、どのような結末になるのか楽しみにしていたが、なるほど。と思った。
「助太刀」が泣ける。
バイブル的存在感
池波正太郎ワールドにはまって25年。
何度も読み返して文庫本はバタバタになり
再購入中に思い切って電子版へ変更しました。
紙活字の方が愛着感じますが、それは大事に保管します。
全巻持ち歩けるのは魅力大きいかなぁ…。
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中学校時代から何度も読み続けている池波正太郎もの。
たぶん一番最初に読んだのがこのシリーズ。
食べ物に対する興味も、江戸時代の言葉、作法も全てこれで覚えた。
読まないと人生損だぜ。
同じ時期から池波正太郎が好きだった人を人だけ知っている。
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大治郎の妻であり、田沼意次の妾腹の娘である三冬がいよいよ子を産む。剣の師弟では小兵衛のかつての弟子をその手にかけ成敗することになり大治郎にも会いたがらないほど気が滅入っていたのが一点、孫の誕生で破顔一笑。「初孫命名」では小兵衛が孫の名前をつけようと頑固親父ぶりを発揮。「その日の三冬」「助太刀」「小判二十両」は切なさ満載。「時雨蕎麦」はクスッと笑えた。
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▼剣の師弟 勝負 初孫命名 その日の三冬 時雨蕎麦 助太刀 小判二十両
を収録。 大治郎・三冬夫婦に子供が生まれます。
▼「剣の師弟」は、小兵衛の弟子が悪に落ちていたパターン。このパターンはやはり評判が良いのか、何作かありますね。これも良作。苦く、おいしい。
▼「勝負」は滋味深かった。これも同主題の話はあった気がしますが。対戦相手にとっては、就職がかかった試合があり、大治郎が相手。大治郎は別に就職は必要なく。小兵衛が「負けてやれ」と秒で言い切る。大治郎はもやもや。当日、色々あって結局負ける。ところが相手が「わざと負けたのでは」と疑心暗鬼になり…。これはなかなかコクがありました。
▼「その日の三冬」これがいちばん印象に残りました。いちばん、「メグレ=シムロン味わい」が横溢。かつての三冬と同門の、大変に屈折して醜い男がいて、爪はじきものだったが、三冬はフラットに付き合っていた。その男が幾星霜、表面的には悪に墜ち。そして三冬と再会し…という内容で。世間の残酷さ、不公平さ、切なさ、理不尽さがとても良く伝わります。
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「池波正太郎」の連作短篇時代小説『剣客商売(十一) 勝負』を読みました。
ここのところ8冊連続で「池波正太郎」作品です。
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相手の仕官がかかった試合に負けてやることを「小兵衛」に促され苦悩する「大治郎」。
初孫「小太郎」を迎えいよいよ冴えるシリーズ第11弾。
その試合「負けてやれ」。
「秋山大治郎」が義父「田沼意次」から一刀流の道場を構える「谷鎌之助」との試合を命じられた経緯を報告すると、「小兵衛」は即座にそういった。
「鎌之助」はその試合に仕官がかかっていたのである。
勝負を前にして苦悩する「大治郎」には、まもなく初めての子が授かろうとしていた……。
初孫「小太郎」の命名をめぐる「小兵衛」の意外な一面など面白さがいよいよ冴えるシリーズ第11弾。
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やめられなくて、どんどん次が読みたくなる『剣客商売(けんかくしょうばい)』シリーズの第11作… 1979年(昭和54年)に刊行された作品です、、、
初孫の「小太郎」が誕生して、「秋山家」に賑わいがでましたね… 初孫の命名に関して「小兵衛」がああでもない、こうでもないと悩む姿が印象的でしたね。
■剣の師弟
■勝負
■初孫命名
■その日の三冬
■時雨蕎麦
■助太刀
■小判二十両
■解説 常盤新平
「小兵衛」が、以前、弟子として可愛がっていたが、殺しをして行方知れずとなっていた「黒田精太郎」と再会… 「小兵衛」は、殺しの技を教えたようなものだと悔やんでおり、江戸に戻ってきた「黒田」と対決し、自ら決着を付けようとする『剣の師弟』、
「大治郎」は、江戸の剣術界でも名を知られる「谷鎌之助」と試合をすることになったが、この勝負には「谷」の仕官がかかっており、「小兵衛」や「三冬」は「大治郎」に「負けてやれ(負けておやりなさいませ)」と言い、「大治郎」は心に迷いを抱えたまま勝負に挑むことに… 試合が終わったあとには「三冬」のお産がおわり、無事に男子が生まれていた『勝負』、
「大治郎」は息子の名を「小太郎」と命名したかったが、父「小兵衛」は、小さいという字が気になり、それはならぬと言う… しかし、「小兵衛」も名を決めかねており、「松崎助右衛門知恵」を拝借しようと出かけた途中で、「小兵衛」は自分の隠宅に押し込もうと相談している連中の話を偶然聞いてしまうという『初孫命名』、
産後久しぶりに出かけた「三冬」が、墓参りをした帰りに、白刃を揮ったままの浪人が若い町女房を攫ったまま逃げているところに出くわす… その浪人は「三冬」が井関道場の四天王とよばれている時に、稽古をつけてやった「岩田勘助」であり、それに気付いた「三冬」が、小さな家に逃げ込んだ「岩田勘助」を諭そうする『その日の三冬』、
相手は京桝屋の後家を後添いをもらうことになったと、「川上角五郎」が「小太郎」に嬉しそうに話す… しかし、それは「川上角五郎」の勘違いで、京桝屋には後家が二人おり、若い当代の義妹ではなく、60歳を越えた先代の妻「お崎」が相手だったという喜劇風の『時雨蕎麦』、
「大治郎」が一年ぶりに扇子や団扇を売っている男を見かけ、乱暴をはたらく侍から男を救う… この男を「大治郎」は再び見ることになるが、男は「林牛之助」という浪人で「中島伊織」という若い侍を連れており、ある理由から「中島伊織」の敵討ちの助太刀をしようとしていたという『助太刀』、
「小兵衛」が「鯉屋」の隠し部屋で覗いたのは「小野田万蔵」とある男との会話だった… その内容というのが、二十両で或る人物を気絶させて欲しいというものだったが、「小野田万蔵」は恩師「辻平右衛門」が生きている時の「小兵衛」の弟弟子で、「小野田万蔵」は出生に秘密があったことから、「小兵衛」は今回の件をどうするか思案する『小判二十両』、
本作品も愉しめましたねー コミカルな『時雨蕎麦』が印象的でしたが、「三冬」らしさの感じられる『その日の三冬』や、「大治郎」の迷いが勝負に影響を及ぼす『勝負』、「小兵衛」が弟子や弟弟子と出会う哀しい運命を描いた『剣の師弟』と『小判二十両』も良かったんですよねぇ、、、
『剣客商売』シリーズの在庫も、残り僅かですが… 次も本シリーズを読みますよ!
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<目次>
略
<内容>
10巻は先に借りられていたので、11巻を先に読む。小兵衛には孫が誕生。そしてホンワカするような話がいくつかあるのがこの巻。
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剣客商売 十一
大治郎、三冬夫妻の息子・小太郎が誕生。小兵衛さんも初孫の顔を毎日のように見に行くほど可愛がっている様子が微笑ましいです。
さて、今回は「剣の師弟」「小判二十両」のように“昔の弟子がやらかす系”の話が印象に残りました。
とくに、切なく悲しかったのが「その日の三冬」。
三冬のかつての“弟弟子”にあたる、岩田勘助との思わぬ再会と彼の悲しい境遇がやるせない話です。過去に岩田が三冬へした“行為”は、彼が三冬のことをすごく、すごく好きだったのだろうな・・という想いがひしひしと伝わってきます。だから三冬も不快に思わなかったのでしょうね。
三冬が去った後、彼がどのような最期を迎えたか、大治郎が何気に話す世間話で知るというのが、何とも皮肉ですが上手いなぁと思います。
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剣客商売11作目。
おはるじゃないけれど、気落ちする小兵衛を見ると、心配になってしまう。。。
長生きしてくだされ、大先生。。
「剣の師弟」も「その日の三冬」も「小判二十両」も人の縁の深さを感じる。
そしていずれも、悲しい気持ちが残る。
唯一、「小判二十両」は、ほっとした気分にもなったが。
いよいよ、小太郎も出てきて、楽しい秋山家。
剣の師弟
勝負
初孫命名
その日の三冬
時雨蕎麦
助太刀
小判二十両
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剣の師弟 弟子を斬って鬱
勝負 負けてやれ
初孫命名 強盗が入る
その日の三冬 手にキスに萌えた
時雨蕎麦 茶飲み友達
助太刀 扇売り
小判二十両 身代金未遂
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ついに大治郎に子供が生まれる。そのこと自体を話の軸に置くことはなく、あくまで日常の中のひとこまとして、さらに季節の移り変わりも織り交ぜて時が流れていきます。
いや、めでたい。話の中のことではあるけれど、ついに生まれたか!と自分ごとのように嬉しいですね。
小太郎がこのあとどのように成長していくのか、どのように話に出てくるのか楽しみです。
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第11弾、剣客商売助走のついた短編の醍醐味登場。
まいちゃうよなぁ、だから池波作品に戻っちゃうよなっ!という作品の集まりです。次は池波さんのエッセイを読もうかなぁ。
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剣客商売もはや11巻
ついに大治郎の息子「小太郎」が誕生。
小兵衛の爺さんぶりに拍車がかかる。
話としてはなかなかヘビーで、「剣の師弟」「小判二十両」ではかつての愛弟子や弟弟子と相対するし、「その日の三冬」でも旧知のものが命を落とすことになる。
「時雨蕎麦」では一点のほほんとしたバカ話だが、やはり武芸者の矜持を問われる「勝負」と「助太刀」の2篇が秀逸。
しかし、小兵衛と暮らしているせいかおはるの腹の据わり具合は大したもんだと思うところも。
初期に比べて、だんだん小兵衛が老いていくようで少し寂しい感じがしました。
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20120415 シリーズも中盤を超えて一番充実している頃の話、みんな元気だ。何回読み直ししても元気つけられるありがたいシリーズだ。
20141204 過去の出来事が繋がって今の事件になっている。今回の話しはそのパターンが多い。小太郎の誕生で又内容が膨らみそうだ。
20200704 小太郎誕生。シリーズ中盤。みんなが元気。因縁話しが多いのが少し気になったが産後の大切な時期にあたっているのでちょうど良いのかも。
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その試合「負けてやれ」。秋山大治郎が義父・田沼意次から一刀流の道場を構える谷鎌之助との試合を命じられた経緯を報告すると、小兵衛は即座にそういった。鎌之助はその試合に仕官がかかっていたのである。勝負を前にして苦悩する大治郎には、まもなく初めての子が授かろうとしていた……。
初孫・小太郎の命名をめぐる小兵衛の意外な一面など面白さがいよいよ冴えるシリーズ第11弾。
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池波正太郎 著「隠れ蓑」、剣客商売(七)、1991.9発行。春愁、徳どん逃げろ、隠れ蓑、梅雨の柚の花、大江戸ゆばり組、越後屋騒ぎ、決闘高田の馬場 の7話。「隠れ蓑」秀逸です。「徳どん逃げろ」も良かったです。でも、全体的には中だるみの感がしました。そういえば、本巻では、三雪の活躍がないですねw。
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池波正太郎の<剣客商売シリーズ>第11巻。
本書では、ついに秋山大治郎と三冬の子が生まれます。つまり秋山小兵衛にとっては初孫。明るい話題に微笑む反面、小兵衛がかつての愛弟子を成敗する「剣の師弟」や苦しい境遇にある同窓の非行を処する「小判二十両」など、小兵衛にとっては、悲しい出来事も多かった模様。忍び寄る老いの影響もあるのか、「小判二十両」の最期にみせる小兵衛の姿は、哀愁を漂わせます。
そんな小兵衛に可愛らしさを感じつつ、久しぶりに(?)活躍した三冬の姿、そして悲しみの涙に心をうたれるのでした。
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剣客商売シリーズ第十一弾
ついに、大治郎と三冬の子が誕生。
小兵衛から一文字とって小太郎。
みんなから愛されて、行く末が楽しみです。
鯉太郎とか鯛の助とかにならなくて本当によかった…。
「その日の三冬」が一番好きでした。
ある一日、小太郎を預けて用事を済ませに出た三冬。そこで見かけたかつての弟子。辛い境遇から大きく身を落としてしまった弟子に三冬は何もしてやれなかった…。
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「勝負」で大治郎と三冬の子が生まれる。大いに喜ぶ小兵衛の様子が剣客を思わせない好々爺で非常な親近感を感じる。「剣の姉弟」と「その日の三冬」は題材が似ている。10.12.7