あらすじ
得体の知れぬ目眩に襲われたその日、小兵衛は、恩師・辻平右衛門ゆかりの侍・井関助太郎を匿うことになる。井関は手負いで、しかも曰くありげな小さな男の子を連れていた。小兵衛にすら多くを語らぬ井関に、忍びよる刺客の群れ。小兵衛は久しぶりに全身に力の漲るのを感じるのだった。一方江戸城内では、三冬の父・田沼意次が窮地に……表題の特別長編に、短編「おたま」を併録。シリーズ15弾。
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秋山小兵衛 66歳 おはる 26歳。
立ちくらみがする年頃となった。
井関助太郎が 豊松という子供を携え
小兵衛の家にやってきた。
井関助太郎の父 井関平左衛門は 同じ門下生だった。
その因縁から 助太郎を助けようと 獅子奮迅の努力をする小兵衛。
小兵衛が 老人になったと感じ
先妻のお貞が 夢で出迎えにくるようにまでなった。
66歳。そのチカラを 発揮する。
剣客商売も終わりに近づく。
作者と小兵衛の年齢が近づくことで、
老いることへに抗う姿が見える。
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時代小説。「剣客商売」シリーズ第15弾。短編1作と長編。
「おたま」 かしこい猫がいたものだ。
この剣客シリーズで何作か猫の話があるのだが、小兵衛やおはるが猫好きなのかどうか食い違うような気もする。
「二十番斬り」
昔の弟子、井関助太郎が小兵衛宅へ逃げ込んでくる。連れていたのは豊松という小さな男の子。二人を追ってくる者たちからかくまうが、助太郎は仔細を言わない。
一方、三冬の父、意次は時代の流れにて窮地に立たされる・・。
冒頭で「やっと老人の体になったしるし」の眩暈に襲われた小兵衛。
シリーズはこの巻で終わりのよう。
この後の小兵衛や大治郎たちはどう生きたのだろう。分からないけれど想像するのは楽しい。しかし寂しい。
(かと思ったら、16もありました。得した気分です)
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中学校時代から何度も読み続けている池波正太郎もの。
たぶん一番最初に読んだのがこのシリーズ。
食べ物に対する興味も、江戸時代の言葉、作法も全てこれで覚えた。
読まないと人生損だぜ。
同じ時期から池波正太郎が好きだった人を人だけ知っている。
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剣客商売もシリーズ第15弾。冒頭で得体の知れぬめまいに襲われる、秋山小兵衛。小川宗哲医師は、小兵衛が老人の身体になったと診断。しかし、安静にしている事も忘れるほど事件解決に奔走。やはり並の老人ではなかった。さすが大先生。
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二十番斬りというタイトルから予測していたものの、小兵衛66歳にして、しかもたった一人で一度に19人斬りとは凄すぎる。果たして二十番目は?
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〈目次〉
略
〈内容〉
短いネコの話を巻頭において、そこから「二十番斬り」の長編で終わる。意次の息子が殺され、いよいよ『剣客商売』も終わりである…
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池波正太郎 著「二十番斬り」、剣客商売(十五)、2003.2発行。「おたま」と特別長編6話。「おたま」はとても賢い猫の話。もっと登場して欲しかったですw。特別長編は、66歳小兵衛の立ち眩みから始まり、最後は二十番斬りの立ち回りに。剣客商売シリーズもそろそろ完結が近づいたようです。
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田沼意次が活躍したころの江戸時代中期に、剣術ひとすじに生きた剣客父子の活躍を描いた池波正太郎の代表作の一つ。
主人公が若かった頃に関わった人物が登場する事件を解決していくが、その一方で老中の田沼が窮地に追い込まれていく時代背景も描いている。シリーズの中で読み残していた15巻をようやく読み終えた。
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シリーズ第15弾。
頭に「おたま」という短編を登場させ、「二十番斬り」は読みごたえのある長編です。秋山小兵衛も年齢を重ね、読み進むうちに読者に不安も・・・。でも、小兵衛はさすがスゴイ剣客です。
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剣客商売シリーズ15作目
得体の知れぬ眩暈に襲われたその日、小兵衛は、恩師・辻平右衛門ゆかりの侍、井関助太郎を匿うことになる。
井関は手負いで、しかも曰くありげな小さな男の子を連れていた。
小兵衛にすら多くを語らぬ井関に、忍び寄る刺客の群れ。小兵衛は久しぶりに全身に力の漲るのを感じるのだった。
一方、江戸城内では、三冬の父、田沼意次が窮地に。
前作から1ヶ月後くらいのお話です。
小兵衛は66歳。口では弱気な事を言っていても小兵衛に限って…と思っていたら、今までにない眩暈でこの物語は始まる。
宗哲先生によると、「ようやく老人の躰になった」とのこと。
ほっとされられたのも束の間、大きな事件が小兵衛に降りかかる。
でも、その事で小兵衛の眼が輝きを取り戻したのも事実で、なんだか複雑な心持ち。
今までも大きな力と相対してきた小兵衛だけれど、今回は九千石の旗本。そのお家騒動に巻き込まれた形である。
詳しい事も知り得ぬままに、小兵衛の頼みなら、と何も聞かずに働いてくれる人たちがいる。それと同時に「侍」と呼べる人たちがどんどんいなくなっているのもこの時代。
小兵衛をして、「もはや武家の世は終わりじゃ」と言わしめるほど、武士の世界は腐りきってしまった。
幕府解体までまだ80年余りあるのに…。
残すところあと一冊になってしまった剣客商売シリーズ。
一冊読み終わるごとに寂しい気持ちになります。
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20120714 シリーズも終わりに近い。小兵衛の老いが実感される。人と共にあるシリーズだからこそなのだろう。さすがに小兵衛の歳を越すことはないだろうがまだ繰り返し読みたい。
20141015 又、読み直してみて前回気にしなかった少しづつが気になって来た。やはり作者と主人公の関係は重なるようだ。
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得体の知れぬ目眩(めまい)に襲われたその日、小兵衛は、恩師・辻平右衛門ゆかりの侍・井関助太郎を匿うことになる。井関は手負いで、しかも曰くありげな小さな男の子を連れていた。小兵衛にすら多くを語らぬ井関に、忍びよる刺客の群れ。小兵衛は久しぶりに全身に力の漲るのを感じるのだった。一方、江戸城内では、三冬の父・田沼意次が窮地に……。
表題の特別長編に、短編「おたま」を併録。シリーズ第15弾。
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剣客商売 十五
今回は短編「おたま」特別長編「二十番斬り」の二本立てとなっております。
「おたま」は小兵衛さんが猫の“おたま”に導かれて行った場所での出来事がサクッと描かれています(勿論ちゃんと味わいあります)。
「二十番斬り」は小兵衛さんが謎の目眩で倒れてしまうという、心配な場面から入ったのですが、その後小兵衛さんの元門人・井関助太郎と彼が連れていた豊松という男の子を匿ったことから、ガッツリ騒動に巻き込まれていくという、いつもの小兵衛さんに戻り、探索もさることながら、終盤では圧巻の二十人を相手にした大立ち回りを見せてくれます。
中盤で三冬の父・田沼老中の子息が城中で襲撃されて、田沼老中が窮地に追い込まれつつあるという時世に、小兵衛さんが“武士の世は終わった”と憂うのが、寂寥感を誘いました。
楽しく読んでいた、このシリーズも残すところあと一冊となりました。ずっと読んでいたいのに、寂しいですね。
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剣客商売15作目。
小兵衛さんが、身体的にもメンタル的にも老いてきた感じがして、とても寂しくなるスタート。
次の作品が最終話だと分かっているので、もしや。。。と、心配をしながら読んでいたが、途中から、いつもの小兵衛さんになったので、安心した。
と言っても、1桁台の作とは違うけど。。
作を重ねる毎に、侍の時代の終焉が顕著になってくる。
それに伴い、小兵衛さんの憂いも深まる。
さあ、次作は最終巻。
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ますます老いを感じる小兵衛。
しかし、剣はますます鋭さを増しているようにも見える。
もうちょっと殺陣のシーンが長くてもいいのになとも思いますが、
このホドホド感がいいのでしょうか?
最後の剣客との戦いも読者の想像にお任せするような書き方。
田沼意次の権勢にも陰りが見え始め物語が収束していく感じを残念に思いながら読み進めました。