あらすじ
冷え冷えとした闇の幕が裂け、鋭い太刀風が秋山小兵衛に襲いかかる。正体は何者か? 小兵衛・大治郎が非道に挑む表題作。江戸に出たまま帰らぬ息子を探しにきた信州の老剣客へ温かい手をさしのべる秋山父子――「老虎」。暴漢にさらわれた老舗の娘を助ける男装の武芸者・佐々木三冬――「三冬の乳房」ほか「鬼熊酒屋」「悪い虫」「妖怪・小雨坊」「不二楼・蘭の間」。シリーズ第2作。
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老剣客の秋山小兵衛と道場師範の秋山大治郎、女剣士の佐々木三冬を中心に泰平の世で生きる武士が描かれる時代小説の第2巻です。
鬼熊酒屋、辻斬り、老虎、悪い虫、三冬の乳房、妖怪・小雨坊、不二楼・蘭の間が収録されています。
秋山小兵衛は孫くらいの歳である百姓娘のおはると、あいも変わらずお盛んな日々を過ごしています。
息子の秋山大治郎は剣客として成長を続け、弟子を取り師範としての“商売”を少しずつ軌道に乗せていきます。
今回のおはるは小兵衛の手配や成り行きにより関屋村の実家へ帰る事が多く、その最中に小兵衛の隠宅が“小雨坊”により火付けされ全焼してしまいます。
小雨坊の話では1巻の因縁が災いし命を狙われることになるのですが、どの斬り合いとも変わらず淡々と人が死に新しい朝が来ます。
殺し殺されるその命の儚さと潔さが、剣客としての生き方に美しさを添えていました。
3巻にも期待します。
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ふと、思いたち
10年以上前に読んだのを再読
全部手放してしまっていたので、再購入
1巻が売ってなかったから、2巻から…
読みながら、藤田まことがよぎる…
渡部篤郎も…
まだ山口馬木也さんじゃない…
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わしが金を恐れ、金を避けているにすぎないのしゃよ。そこを行くと、さすがは秋山小兵衛先生。大金をつかんでも、たちまちこれを散らし、悠々として、小判の奴どもをあごで使っていなさるわえ
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池波作品は読み出すと止まらなくなる。2巻は表題作をはじめお上の御用として裁くべき案件が多かった。『三冬の乳房』で本所の軍鶏鍋屋〔五鉄〕が出てきた時には、嬉しいやら懐かしいやら。それもあって、全体に「鬼平」の雰囲気を感じた。小兵衛の道楽が過ぎて、この巻ではおはるを可愛がっていないようにも思う。心配ですぞ、先生。
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大きな展開やドラマがあるわけではないが、秋山親子を中心として、人間味溢れる登場人物たちのやり取りや小兵衛の老練さが、痛快!!
決して外れでないと安心して読める。
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「悪い虫」から溢れださんばかりに漂う801臭は一体どういうことだろうか。それはそうと『剣客商売』では様々な人間の様々な死に様が描かれているが、その中でも「鬼熊酒屋」の熊五郎の静かなる死に様がたまらなく「好き……」なのである。
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三冬の乳房の章で、老剣客秋山小兵衛が岡っ引き弥七と落ち合うのが本所の軍鶏鍋屋「五鉄」。ここで鬼平が通う軍鶏鍋屋が登場するわけでちょっとしたシャレかな、なんて思う。
「五鉄」に限らずさまざまな江戸の市井のグルメがふんだんに登場して、食の面でも楽しんだ。
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「池波正太郎」の連作短篇時代小説『剣客商売(二) 辻斬り』を読みました。
『新装版・梅安針供養 仕掛人・藤枝梅安(四)』、『剣客商売(一) 剣客商売』に続き、「池波正太郎」作品です。
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老剣客「秋山小兵衛」とその息子「大治郎」が悪に挑む!
累計2400万部突破の大人気シリーズ。
冷え冷えとした闇の幕が裂け、鋭い太刀風が「秋山小兵衛」に襲いかかる。正体は何者か?
「小兵衛」・「大治郎」が非道に挑む表題作。
江戸に出たまま帰らぬ息子を探しにきた信州の老剣客へ温かい手をさしのべる「秋山父子」――『老虎』。
暴漢にさらわれた老舗の娘を助ける男装の武芸者「佐々木三冬」――『三冬の乳房』ほか『鬼熊酒屋』 『悪い虫』 『妖怪・小雨坊』 『不二楼・蘭の間』。
シリーズ第2作。
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『剣客商売(一) 剣客商売』が面白かったので、引き続き、『剣客商売(けんかくしょうばい)』シリーズの第2作… 1973年(昭和48年)に刊行された作品です、、、
読み進めていると、中心人物の「小兵衛」と「おはる」、「大治郎」、「三冬」の4人だけでなく… 不二楼の調理人「長次」と座敷女中の「おもん」、「大治郎」に弟子入りした「粂太郎」、町医者「小川宗哲」、御用聞きの「弥七(武蔵屋の親分)」等々、周辺のお馴染みの登場人物にも、どんどん親しみが湧いてきて、『剣客商売』の世界に引きずり込まれていく感じです。
■鬼熊酒屋
■辻斬り
■老虎
■悪い虫
■三冬の乳房
■妖怪・小雨坊
■不二楼・蘭の間
■解説 常盤新平
客を客とも思わずあしらい、土地の無頼漢も恐れている「鬼熊」の亭主「熊五郎」… 「小兵衛」は、意外なことから「熊五郎」の優しい気持ちを知り、そして最期を看取る『鬼熊酒屋』、
夜道を歩いていた「小兵衛」を襲った辻斬り… 「小兵衛」難なくその襲撃をかわし、さらに、辻斬りが御目付衆の「永井十太夫」の屋敷に入ることを目撃し、首謀者等を「大治郎」とともに懲らしめる『辻斬り』、
「大治郎」が諸国を渡り歩いていた際に稽古をつけてもらった「山本孫介」と再会… 江戸に出て行方知れずとなっている「孫介」の息子「源太郎」探しを手伝い、敵討ちを手助けする『老虎』、
「大治郎」のもとに、鰻の辻売りをしている「又六」が訪ねてきて、なけなしの5両を納め、10日で剣の腕を鍛えてほしいと懇願… 「又六」の熱意にほだされた「大治郎」と「小兵衛」は剣を教え、自信を持った「又六」は腹違いの兄で、店の売上をかっぱらっていく無頼漢の「大首の仁助」に立ち向かっていく『悪い虫』、
「三冬」が、怪しい者どもが駕籠を運んでいこうとするところに遭遇し、駕籠の中で猿轡をかまされ、目かくしをして押し込められていた「山崎屋卯兵衛」の娘「お雪」を助けるが、この拐かしの裏を調べてみると意外なことが分かり始めてくる… 「三冬」が女性だということを知らずに恋心を抱く「お雪」に、自分が女性だと悟らせるエンディングが印象的な『三冬の乳房』、
「嶋岡礼蔵」を卑怯な方法で襲った「伊藤三弥」(第1作に収録の『剣の誓約』で腕を切り落とされた男)が江戸に戻り、妖怪・小雨坊のような面妖の男ととも「秋山親子」を狙う… 「小兵衛」の隠宅が火を放たれ全焼してしまう『妖怪・小雨坊』、
隠宅を焼かれた「小兵衛」が不二楼に身を寄せている時、「小兵衛」は、偶然、「横川鉄五郎」という金貸しの御家人を襲うという話を耳にする… 「小兵衛」は、「横川鉄五郎」から金を借りたことがあり、借金の返済に苦労した思いがあることから、知らぬ仲ではないが、どう立ち回るか迷い、ある判断をする『不二楼・蘭の間』、
第1作に続き、どの物語も外れがなくて面白かったですねー 読めば読むほど、『剣客商売』ワールドに浸っていく感じです、、、
イチバン印象的だったのは、「又六」の成長が頼もしい『悪い虫』ですね。
次も本シリーズを読もうと思います。
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おはると三冬が同い年だったの?ほんとに昔は「住む世界が違う」のね。単純で可愛いな、おはる。先生はホッとする女が好きなんだろうな♪~(´ε` )
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池波正太郎 著「辻斬り」、剣客(けんかく)商売シリーズ№2、2002.9発行。枯淡の域に達している60歳の秋山小兵衛、息子の大治郎、小兵衛の妻おはる20歳らの物語。滅法強い小兵衛の生き方、なかなかのハードボイルドです。鬼熊酒屋、辻斬り、老虎、三冬の乳房など9話が収録されています。池波正太郎、遅ればせながら楽しく読んでいますw。
Posted by ブクログ
剣客商売二作目
小兵衛は、剣も強いが、人情の厚い人。
それをこの二作目でとても感じた。
一作目でも感じていたけれど、二作目はそれが表立ってきているという感じ。
「鬼熊酒屋」で、その人情をとても感じた。
「三冬の乳房」の最後は、気の毒に。。。
相当ショックだったろうな。。。(読んだ方にしかわからない感想)
「妖怪・小雨坊」は、想像をしすぎて気持ち悪くなったシーンがあったけど。。。
「不二楼・蘭の間」の最後のシーンは、クスリと笑ってしまった(笑)
一作目に比べると、頭の中で登場人物が自由に動くようになり、スラスラ読めるように。
作中に、五鉄が出てきたときは、「五鉄!!!」と、テンションがあがった(笑)
鬼熊酒屋
辻斬り
老虎
悪い虫
三冬の乳房
妖怪・小雨坊
不二楼・蘭の間
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鬼熊酒屋 訳あり店主
辻斬り 小兵衛の人誅
老虎 行方不明の道場息子
悪い虫 弱い鰻屋に授けた秘策
三冬の乳房 三冬男に間違われ惚れられる
妖怪・小雨坊 異形の兄、三弥事件解決
不二楼・蘭の間 金貸し殺害事件
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書くことが無いんですよね。剣客商売は剣客商売。一作ずつに感想をつけるようなものでもないし。
まあ、池波さん独特の文体ですかね。
(もしや・・・・・?)
と、浅茅ヶ原へまわってみると、
(いた!!)
のである。独特の括弧の使い方ですよね。想いを書くというのか、声にならない会話の表現。
なんとも魅力的です。
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小兵衛に傷を負わせるなんて!
と、恐ろしいものも出て来ましたが、さすがの面白さ。
大治郎を思う親心にも温かい気持ちになれます。
大治郎の活躍にも期待が膨らみます。
また次の話が読みたくなったので、感想もそこそこに。
Posted by ブクログ
剣客商売第2巻。秋山父子に降りかかる数々の事件。それを事も無げに片付けていく。もちろん、1巻の登場人物も話に出てくるから剣客の世界が広がっていきます。どの話も妙があってぜんぜん飽きない。。。
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だんだんと登場人物の魅力がわかり、第一巻よりも面白く感じました。
1話1話は短いけれど、内容は読みごたえがあっていいです。
夢枕獏の陰陽師シリーズと似た感覚でさくさく読めます。
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剣客商売シリーズ第2弾。
秋山小兵衛、秋山大治郎、佐々木三冬、田沼意次。
小兵衛の手足となって貴重な情報をつかんでくる御用聞きの弥七、本所亀山町に住む町医者小川宗哲、浅草橋場の「不二楼」の料理人長次と座敷女中のおもん、等々登場人物のそれぞれの描き方が自然で読んでいて、楽しい。
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一作目よりも、主人公「小兵衞」の世界は広がってくる。
その中でも、名脇役は弥七と粂太郎ではないだろうか?
一作目の三冬、大治郎以上の存在感を出している。
又六、鬼熊などのニューフェイスの登場があるが、その時々に合わせた配役は見事で、無駄のない出演陣と思う。
小兵衞の身内たちの、これからの関わり具合も楽しみになる一冊だった。
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20110114 小兵衛が若い。
20150312 親はどんな時も子供の事を第一に考えている。小兵衛も同じ。シリーズが進むうちにこの関係が逆になっていくのも楽しみ。
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「剣客商売」シリーズ第ニ巻。全7編を収録している。
主人公•秋山小兵衛、行きつけの居酒屋の主を描いた「鬼熊酒屋」。小兵衛を襲った武士を追う「辻斬り」。行方知れずの老剣客の手助けをする「老虎」。大治郎に入門を申し出た鰻屋を鍛える「悪い虫」。大店の娘と佐々木三冬の邂逅を描いた「三冬の乳房」。第一巻で姿をくらました悪人が復讐に戻ってくる「妖怪•小雨坊」。同じく第一巻で女中のおもとが密談を聞いた場所に小兵衛が足を踏み入れる「不二楼•蘭の間」。
どれも味があり、気楽に読める。今調べたら、全部で16冊くらいあるんだ。手に入ったらゆったりと読み継ごうかな。
Posted by ブクログ
▼収録されているのは以下。
鬼熊酒屋
辻斬り
老虎
悪い虫
三冬の乳房
妖怪・小雨坊
不二楼・蘭の間
▼印象に残るのは、「妖怪・小雨坊」。とにかく見た目が醜悪という妖怪染みた「悪の剣客」との対決なんだけれど、この悪が池波節で、なんとも善の表裏一体と言いたくなる業に満ちている。そして強い。小兵衛宅炎上、という仕掛けにはちょっと「へえっ」と思いました。
▼「鬼熊酒屋」の悪態親父が死ぬところのくだりも面白かったです。「人も殺したろうな」「・・・五人ばかり」こういうやりとりのエンタメが池波節だなあ。
Posted by ブクログ
安定したおもしろさです。印象的だったエピソードは『鬼熊酒屋』『三冬の乳房』『妖怪・小雨坊』あたりでしょうか。とにかく、小兵衛の自由な生き様は、男なら誰でも憧れることでしょう。主人公の親子がこんなに強くても、話がスリリングなのが不思議な魅力です。
Posted by ブクログ
冷え冷えとした闇の幕が裂け、鋭い太刀風が秋山小兵衛に襲いかかる。正体は何者か? 小兵衛・大治郎が非道に挑む表題作。江戸に出たまま帰らぬ息子を探しにきた信州の老剣客へ温かい手をさしのべる秋山父子――「老虎」。暴漢にさらわれた老舗の娘を助ける男装の武芸者・佐々木三冬――「三冬の乳房」ほか「鬼熊酒屋」「悪い虫」「妖怪・小雨坊」「不二楼・蘭の間」。シリーズ第2作。
Posted by ブクログ
剣客商売 二
前巻で自殺をとげた、飯田平助の息子・粂太郎が、大治郎の道場に入門。なかなかの頑張り屋で性格も良い少年という事もあり、早速小兵衛さんに色々こき使われています。
そして、大治郎に右腕を切り落とされたまま逃走中だった伊藤三弥が、“隠し兄”・郁太郎を引き連れて、秋山父子へ復讐しに戻ってきます(「妖怪・小雨坊」)。
三弥も狂気をはらんだ人でしたが、郁太郎はそれを上回る程のクレイジーモンスターです。こんな“どうかしている奴”と小兵衛さんの対決は見ものです。
で、この伊藤兄弟に家を焼かれてしまった小兵衛さんですが、とくに嘆きもせず、馴染みの料亭での仮住まいを、ホテル暮らしよろしく楽しんでいるようで、本当、どこまで肝が据わっているのでしょうね・・。
Posted by 読むコレ
再読。短編集。
漫画の様に、と言ったら漫画に失礼なのかも知れませんが、そのくらい軽く読める娯楽シリーズの2冊目です。
当然の社会背景として暴力や理不尽が横行する中にあって、人や社会の機微が見える小兵衛と純粋一途な大治郎という二人の英雄像の対比は本当によく映えます。
全篇通じ痛快の一言です。
平凡な鰻屋が店を守るために最強親子に剣を教わる「悪い虫」、またラストに見える小兵衛の人間らしさが微笑ましい「不二楼・蘭の間」がお勧めでしょうか。
個人的にはまだ大治郎の活躍が足りず不満かな。
彼の成長と三冬との関係が今後の楽しみ。