【感想・ネタバレ】鬼平犯科帳[決定版](二十三) 特別長篇 炎の色のレビュー

あらすじ

江戸の盗賊たちに「鬼の平蔵」と恐れられている、「鬼平」こと火付盗賊改方(ひつけとうぞくあらためかた)長官・長谷川平蔵の活躍を描く時代小説の金字塔。

火付盗賊改方とは江戸の特別警察とでもいうべき組織。その長官を務める旗本の平蔵は、いまでこそ人あたりもよく笑顔を絶やさないが、若い頃は「本所の銕(てつ)」と呼ばれ、無頼の者からも恐れられた乱暴者だった。「悪を知らぬものが悪を取りしまれるか」と、人情の機微に通じた鬼平が悪を退治する。

中村吉右衛門が鬼平を演じたテレビ版をはじめ、映画、舞台、マンガと様々な形で愛されてきた作品で、2017年に放映されたアニメ「鬼平 ONIHEI」も大きな話題に。

2017年は「鬼平」が誕生して50周年。これを記念して全24巻を、ふりがなを増やして読みやすくなった決定版で順次、刊行。

第23巻は、平蔵の身辺に大きな変化あり。謹厳実直な亡父・長谷川宣雄の隠し子が出現。平蔵は、腹違いの妹・お園のためにひと肌脱ぐ(「隠し子」)。夜鴉がしきりに鳴いた翌日、おまさは旧知の盗賊・峰山の初蔵に声をかけられる。「新しい荒神のお頭を手伝ってもらいたい。二代目は女だ。先代の隠し子さ」。先代の助太郎親分を思い出し、おまさの心が騒ぐ(特別長篇「炎の色」)。二人の隠し子登場で、新たなる物語が始まる。

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ネタバレ

池波正太郎鬼平犯科帳シリーズの19巻
池波正太郎にハマったので仕方ない(^^;;;
読み始めると止まらないシリーズもあと1巻
最後まで読み続けます。

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2025年01月08日

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 二人の隠し子が登場する「鬼平犯科帳 23」(2017.11)、隠し子と炎の色。平蔵の父の隠し子、平蔵の腹違いの妹、お園が登場。30歳で男知らず、男勝りで彫りの深い大柄な女性が大活躍! 鬼平犯科帳、ぐっと盛り上がりました(^-^) 平蔵の計らいで、妻子を亡くし剣に生きるダンディな小柳安五郎と一緒になるのでしょうか~w!

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2021年02月07日

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いよいよ鬼平犯科帳も終盤、「特別長編 炎の色」は平蔵の謹厳実直な亡き父・長谷川宜雄の隠し子出現から始まり、おまさが大活躍し、彼女の心を騒がさせるストーリーで大展開する。大作です。

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2020年04月04日

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「隠し子」23巻にして濃いキャラクターが初登場。まさか平蔵に異母兄弟がいたとは。肝の強さは平蔵と似ている。「妹め、…」と言うのは新鮮。

「炎の色」平蔵の妹 お園が早速活躍。お園が父と似ているところがあったり、小柳への片想いを平蔵が見破ったり…。お園と小柳の今後の話をもっと読みたかった。
ところで、おまさは荒神のお夏に好意を抱いていたんだろうか。こちらも続編が気になる。
今回の長編は前巻ほど重たくなく、平蔵の采配や勘ばたらきが冴えていてスイスイ読めた。残り1巻というのが本当に惜しい。

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2018年10月10日

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▼一冊丸ごとの特別長編「炎の色」。なんですが、大まかは前半と後半で二つの話。
そして、個人的には「鬼平」「剣客」の特別長編の中でいちばん好きでした。
(「梅安」は割とすぐに、シリーズそのものが連作短編ではなくなるので、ちょっとカテゴリが違いますね)



▼前半は、「鬼平に、今まで知らなかったが、腹違いの妹がいた」というお話。

(以下ネタバレ)




・古老が妹がいることを告げに来て
・その妹は男勝りに居酒屋をひとり切り盛り
・その妹に悪い奴が絡んできたので
・鬼平が助けて自家の女中さんにしてあげる(「妹」とは明かさない)

というのが前半です。

▼後半は、よくあるパターンですが、きっかけは「密偵おまさ」です。

(通読してみて分かるのは、つまり池波さんは「おまさ」が大好きでたまらないということですね。真田太平記の「お江」と同じで、脇役なんだけど、作者愛情的には完全にナンバーワンです)

・おまさがかつての盗賊仲間に声をかけられて
・当然、まだ現役の盗賊のふりをして仲間に入り
・そこからじわじわ鬼平たちが調べて、最後はみんなお縄にしました

というよくあるパターンなんですが、趣向があって。

・女性の、盗賊首領が出てくる。それがまだ色気のあるイイ女で、
・その女盗賊がどうやら同性愛者で、おまさに惚れて良い寄る。

という趣向です。

それからもう一つの趣向は、

・この後半の事件で、前半に出てきた「鬼平の妹」が、盗賊改めの一員として活躍する。
・そして盗賊改めのレギュラーと添うことになる。

というもの。

▼この二つの趣向以外は、実は連作短編の世界観とあまり変わりません。そこが個人的には「いちばん好き」な理由だと思います。

 なぜだか、「鬼平」も「剣客」も、特別長編になると、悪役がものすごく強く、凶悪になる(笑)。
 従って、ひとがいっぱい死ぬ(笑)そうぢゃないと「悪役強いぞ」感が出ない。
 そして主人公にとにかく死の危険が押し寄せる(笑)。

▼というのがパターンで、なんかこう、「暢気さ」みたいなものが無くなりますね。でも実は池波さんの勧善懲悪ヒーローものは、その「暢気さ」が大きな魅力のひとつなのです。だって、少なくとも悪い奴と肉体的に戦う段になれば、「絶対負けない、絶対死なない」のだから(笑)、リアリズム的なストレスとは無縁で、それが魅力。

▼「梅安」の場合はちょっと違いますが。主人公そのものが、ときには罪のない人でも殺してしまうという「殺し屋稼業」なので、そこの胃のもたれ具合はあります。だから、あんまり分量を書けなかったんぢゃ無いかと。まして、途中から完全に連作短編では無くなり、「殺し屋から足を洗おうとする梅安と、それを許さない闇社会」のやりあいになってしまう。つまり「カムイ外伝」方式とでも言いますか。

▼というわけで、「炎の色」はそのあたりのバランスが程よかったです。そして、女盗賊首領のキャラも楽しくて。捕まらずにこの話は終えているので、池波さんが生きていたら、きっと「新宿鮫シリーズ」の「悪役・仙田」みたいに、彼女であと何冊か書いてたんだろうなあ。

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2025年06月15日

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特別長編、炎の色。
亡父の隠し子、平蔵の妹が出現する。いろいろ苦労してきた身の上であるが、さすがに平蔵の妹、度胸はすわっていて、早速に平蔵の手助けとして、潜入する働きを見せる。
おまさが、旧知の盗賊のお頭に声をかけられたのを、きっかけにして、一網打尽にすべく、探索がはじまる。怪しい魅力の女盗賊のお頭、お夏も登場する。
江戸情緒に、どっぷりと浸れる池波正太郎先生の名作。

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2023年01月23日

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平蔵の差配が神がかっている。

ただ、浪人の丹羽庄九郎の絡みがちょっと唐突感あった。あと岸井左馬之助や息子の辰蔵の活躍も丁寧に書かれているともっと良いのにな、と。

おまさと因縁がついた登場人物は今後への伏線?

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2022年11月13日

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後味スッキリ!
と思いきや、お夏だけが気になります。
本当にどうやって、逃げたのでしょう?
おまさか!?とも思ったけど、そこは書かれていなかったし、平蔵さんなら見破るはずなので、お夏はお夏なりの勘が働いたのかな?
荒神一味を乗っとる計画もあったし、初蔵を警戒したのかもしれない。

あと1冊で終わり
鬼平ロスが近づいている…

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2022年06月26日

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特別長篇『炎の色』
&この人間関係の前提として、鬼平さんの半分血の繋がった妹であるお園さんを登場させた短編の『隠し子』が収録された1冊。

リリーな盗賊のお頭が登場し、密偵のおまささんの心も妖しく揺れてしまう…なんてお話だったけど、男性が好きそうな百合モノって感じがちょびっとしました。

それよりも最後に亡くなった奥さん一筋だった小柳さんが…。

やはり周りのお膳立てがあれば、ムリそうな恋愛も成就するし、それなりに顔を合わせる機会を多く持たせて接近させるってのは男性をゲットするのに有効なのだな…と思いました。

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2018年10月18日

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内容(「BOOK」データベースより)
謹厳実直な亡父・長谷川宣雄の隠し子出現に、平蔵は苦笑い(「隠し子」)。夜鴉がしきりに鳴いた翌日、おまさは旧知の盗賊・峰山の初蔵に声をかけられる。「新しい荒神のお頭を手伝ってもらいたい。二代目は女だ。先代の隠し子さ」。先代の助太郎親分を思い、おまさの心が騒ぐ(「炎の色」)。二人の隠し子登場で、新たなる物語が始まる。

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2021年12月24日

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