【感想・ネタバレ】鬼平犯科帳[決定版](六)のレビュー

あらすじ

江戸の盗賊たちに「鬼の平蔵」と恐れられている、「鬼平」こと火付盗賊改方(ひつけとうぞくあらためかた)長官・長谷川平蔵の活躍を描く時代小説の金字塔。

火付盗賊改方とは江戸の特別警察とでもいうべき組織。その長官を務める旗本の平蔵は、いまでこそ人あたりもよく笑顔を絶やさないが、若い頃は「本所の銕(てつ)」と呼ばれ、無頼の者からも恐れられた乱暴者だった。「悪を知らぬものが悪を取りしまれるか」と、人情の機微に通じた鬼平が悪を退治する。

中村吉右衛門が鬼平を演じたテレビ版をはじめ、映画、舞台、マンガと様々な形で愛されてきたが、2017年に放映されたアニメ「鬼平 ONIHEI」も大きな話題に。
2017年は「鬼平」が誕生して50周年。これを記念して全24巻を、ふりがなを増やして読みやすくなった決定版で順次、刊行。

第6巻に収録されているのは以下の七作品。

自腹をきって探偵の費用を捻出する鬼平と配下の苦衷が伝わる「礼金二百両」
伊三次、粂八といった鬼平自慢の密偵がめざましい活躍をみせる「猫じゃらしの女」
鬼平の部下で小野派一刀流の剣士、沢田小平次が、師の仇と対決する「剣客」
女密偵おまさが、平蔵への思いと、昔の男との間で悩む「狐火」(「アニメ鬼平」第13話原作)
病で伏せる平蔵の寝間から大事な煙管が消えた。老人の酔狂を描く「大川の隠居」(「アニメ鬼平」第8話原作)
ふとしたことから火付盗賊改方の御用をつとめた絵師が悩んだわけが明らかになる「盗賊人相書」
昔の過ちが二人の人生を大きく変えた。その顛末をつづった「のっそり医者」

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Posted by ブクログ

ネタバレ

ハイ嵌っています(^^;)
江戸の治安を守る鬼平とその同心と鬼平の配下の手先の者たちの連携とどんどん進化しています。
この沼は深いなぁ~あと何巻あるのかな??

0
2024年09月03日

Posted by ブクログ

池波正太郎 著「鬼平犯科帳 6」、2017.3発行。7話が収録。第4話「狐火」は、おまさと又太郎の二人に対する平蔵のはからい、秀逸。第5話「大川の隠居」での老船頭と平蔵の駆け引き、とても面白かった。「大川の隠居」、最高です!

0
2021年01月07日

Posted by ブクログ

旗本の若様がかどわかされ、家に伝わる名刀が盗まれた。
背景には、昔主人の子供を身籠ったまま家を追い出された娘の因縁話が合った…。
 / 「礼金二百両」
平蔵にとって盗賊改めという職は、好きでもないしこのままでは長生きできそうにないけれど、あまりにもぴったり自分自身の性にはまっていて、辞めるにやめられない、という平蔵のつぶやきがあります。
またこの役目の長官にもなると、自腹を切って密偵を使ったり情報を仕入れたりしなければならないという当時の事情も書かれています。
鬼平の修行仲間の岸井左馬之助は、やりたくて盗賊改めを手伝っているけれどまったくの無給って最初に書いてありましたね。
この時代は賄賂とも違って金が動くのは当たり前だったんですね。


腰に猫じゃらしの鈴をつけて客と激しく交わる娼婦のおよね。
およねの客である平蔵の密偵伊三次は、彼女の言葉から大がかりな盗み働きが行われるということを感じ取る。
 / 「猫じゃらしのおんな」


剣の師匠、松尾喜兵衛老人が斬り殺された。
下手人は大掛かりな盗みをし遂げようとする盗賊一味の見張り役だった。昔自分を倒した喜兵衛老人を見ていても経ってもいられなくなったのだ。地域からも慕われる喜兵衛老人ですが、剣客には剣客同士の意地と確執が生まれる。
喜兵衛の弟子の同心沢田小平次は、師匠の仇を取らんとする。
 / 「剣客」


鬼平の女密偵のおまさは懐かしい顔を見る。自分が昔組していた盗賊一味の老人と、初代首領狐火の勇五郎の忘れ形見の娘だった。初代狐火と、その手下たちとは、まだ若くぐれていた頃の鬼平とも親しい交わりがあった。
そのころ江戸には、二代目狐火の仕業と思われる残虐な盗み働きが発生する。
おまさは、大恩ある鬼平に黙ってでも、自分一人で事の次第を突き止めようとする。
 / 「狐火」


鬼平の寝所から父の形見の品が盗まれた。
寄りにもよって江戸を震え上がらせる火付け盗賊改長官長谷川鬼平の鼻を明かすとは!
極秘に調査を進める鬼平と密偵たち。
下手人が「引退した老盗賊の腕試しのいたずら」と突き止めた鬼平は、老盗賊との知恵比べに。
 /「大川の隠居」
題名の「大川の隠居」は、江戸川に何十年も住まう巨大な鯉で、馴染みの船頭を声で聞き分け、その泳ぎは正確な天気予報にもなる。月夜に光る眼差しは、鬼平の心胆寒からしめる。
人に知られず潜んでいる油断ならない動物と人間の”御隠居”の存在。


火付盗賊改方から、一家殺しの下手人の人相書きを頼まれた絵師の石田竹仙は括目した。
今は家庭を持ち平穏な生活を送る竹仙だが、かつては強盗と組んで盗み働きをしていたのだ。
唯一の生き残りの証言に沿って描いた下手人の顔が、当時の相棒だったとは…。
 /「盗賊人相書」


「盗賊人相書」で唯一生き残った小女およしは、下町で医師を営む萩原宗順老人の元で働いていた。
貧乏人からは金をとらず人々から慕われる宗順老人だが、ここ数日怪しい人影に付き纏われている…。
 /「のっそり医者」
かつて人を斬って出奔した男が、そのために真人間になったことと、
斬られた身内が、そのために人斬りになった皮肉。

0
2019年09月27日

Posted by ブクログ

ネタバレ

悪人に近づいてから平蔵と明かすパターンは時代小説ならではのオチだがやはり面白い
狐火も名作だがラストは賛否あると思う
帰ってこない方が物語としては完成していたが連作の短編と考えると致し方ない面もあるかも

0
2025年04月30日

Posted by ブクログ

今だったら経費で落ちそうなところも自腹でまかなう鬼平さんの仕事は大変だなぁ…と思いました。

経費じゃないからこそ、細かいところまで目を届かせられるし、お金の使い方を公にしないで、やりたいようにやれるんだろうけれど…。

今の国会議員のように抜け道わんさか、機密費で何やってんだか…、なクセに、実際はたいした仕事をしていないヤツらと鬼平さんは全然違うなぁ。

オトコが惚れる男なんだろうね。
このシリーズの魅力は、まさに鬼平さんの魅力に尽きると思いました。

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2018年08月23日

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魅力的な密偵たちの名を挙げると、小房の粂八、おまさ、伊三治、相模の彦十、大滝の五郎蔵、舟形の宗平など。「礼金二百両」「狐火」「大川の隠居」などを収録。

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2017年07月30日

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内容(「BOOK」データベースより)
舟の上で“隠居”を待ちながら、のんびりと交わす老船頭と平蔵のかけ引きの妙味(「大川の隠居」)。密偵としての任務と、かつて愛した男への思いに揺れるおまさ。じっと見守っていた平蔵が動く(「狐火」)。シリーズ屈指の名作二篇ほか、「礼金二百両」「猫じゃらしの女」「剣客」「盗賊人相書」「のっそり医者」の全七篇を収録。

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2021年12月24日

Posted by ブクログ

20170407 歳を取ると寝不足が、いちばん応える。なのだが、鬼平には言ってほしくなかった。何回目か読み直してこんな話があったんだと新鮮に感じました。

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2017年04月08日

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