【感想・ネタバレ】鬼平犯科帳[決定版](十)のレビュー

あらすじ

江戸の盗賊たちに「鬼の平蔵」と恐れられている、「鬼平」こと火付盗賊改方(ひつけとうぞくあらためかた)長官・長谷川平蔵の活躍を描く時代小説の金字塔。

火付盗賊改方とは江戸の特別警察とでもいうべき組織。その長官を務める旗本の平蔵は、いまでこそ人あたりもよく笑顔を絶やさないが、若い頃は「本所の銕(てつ)」と呼ばれ、無頼の者からも恐れられた乱暴者だった。「悪を知らぬものが悪を取りしまれるか」と、人情の機微に通じた鬼平が悪を退治する。

中村吉右衛門が鬼平を演じたテレビ版をはじめ、映画、舞台、マンガと様々な形で愛されてきた作品で、2017年に放映されたアニメ「鬼平 ONIHEI」も大きな話題に。
2017年は「鬼平」が誕生して50周年。これを記念して全24巻を、ふりがなを増やして読みやすくなった決定版で順次、刊行。

第十巻に収録されているのは以下の作品。

捕らえられていた賊が逃げ出した。手引きをしたのは役宅の内部を知る者。『犬神の権三』
借金取りになった元盗賊が人生の最後にとった思いがけぬ行動とは。 『蛙の長助』
盗賊の一味を尾行する平蔵。その後をつける男の姿が。『追跡』
かつて平蔵に助けられた絵師が、賊の探索のために腕をふるうことになった『五月雨坊主』
平蔵とは昔なじみの老密偵、相模の彦十が人情にからめとられて。『むかしなじみ』
名与力・佐嶋忠介が偶然、再会した男の数奇な運命が描かれる『消えた男』
平蔵が若い頃からなじみの老婆、お熊が事件に巻き込まれる『お熊と茂平』

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Posted by ブクログ

「お熊と茂八」が一番面白かった。
妖怪ババアといった様相のお熊と平蔵の絶妙なパワーバランスからくる掛け合いが軽快で心地良い。

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2025年10月02日

Posted by ブクログ

池波正太郎の連作時代小説『決定版 鬼平犯科帳〈10〉』を読みました。
池波正太郎の作品は先日読んだ『新装版 鬼平犯科帳〈9〉』以来ですね。

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相模の彦十の様子がこのごろ何となくおかしい。
むかしとった杵柄というやつかもしれぬ。
いまはお上の御用ではたらく身ながら、人のこころの奥底には、おのれでさえわからぬ魔物が棲んでいるものだ。
鬼の平蔵、自分でさえ、妻を捨てお上の御用を捨て、岡場所の女と駆け落ちをするかも知れぬ、という。
彦十をみはる平蔵、密偵たちの活躍を描く「むかしなじみ」他、「犬神の権三」「蛙の長助」「追跡」「五月雨坊主」「消えた男」「お熊と茂平」の七篇を収録。
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文藝春秋が発行する月刊娯楽小説誌『オール讀物』に1973年(昭和48年)4月号から1973年(昭和48年)10月号に連載された作品7篇を収録して1981年(昭和56年)に刊行された作品……実在の人物である火付盗賊改方長官・長谷川平蔵を主人公とする捕物帳、鬼平犯科帳シリーズの第10作です。

 ■犬神の権三
 ■蛙の長助
 ■追跡
 ■五月雨坊主
 ■むかしなじみ
 ■消えた男
 ■お熊と茂平

人のこころの奥底には、おのれでさえわからぬ魔物が棲んでいるものだ……このところ様子がおかしい老密偵・相模の彦十から目が離せない「むかしなじみ」ほか、密偵に盗賊、同心たちの過去と現在を縦横に描き、心揺さぶるシリーズ第10巻、、、

「犬神の権三」「蛙の長助」「追跡」「五月雨坊主」「むかしなじみ」「消えた男」「お熊と茂平」の7篇を収録。

テレビドラマでもお馴染みの鬼平犯科帳シリーズ……原作となる小説も面白いです! 本作品の収録作では、

昔捨てた女との間にできた自分の娘と出会い、死の間際に忘れがたみの娘に金を残した蛙の長助の親心に泣けてしまう人情モノの『蛙の長助』、

盗賊を追跡する平蔵、平蔵を追跡する謎の剣客……錯乱した下氏九兵衛に平蔵が翻弄されるものの、幸運な結末を迎えるドタバタ劇の『追跡』、

平蔵の前任・堀帯刀に仕えていた高松繁太郎……仕事熱心だったが故に、同心から盗人に転じることになったが、平蔵に逢ったことで密偵になるも落命するという切ない物語の『消えた男』、

笹やのお熊は婆さんは、図らずも寺男の茂平の臨終に立会ったことでお盗めの一端に巻き込まれるが、58両もの大金にも目が眩むことなく平蔵に事実を知らせ、そこから密偵として活躍することで事件の解決に貢献する……随所にユーモアが溢れ、チャーミングなお熊婆さんの立ち振る舞いが読んでいて気持ちの良い『お熊と茂平』、

が印象的だったかな……連作短篇のカタチを取っており、1篇ずつでも愉しめるのですが、それぞれの短篇が繋がって大長篇としても読める構成なので、順番に読み進めると大河ドラマ的な愉しみがありますね。

平蔵を取巻く登場人物の存在感も幅広く、関係性も濃くなり、それぞれの人間味に深みがでてきて、巻が進むに連れてどんどん面白くなっていきますね……第11作以降も順次、読んでいこうと思います。

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2025年09月14日

Posted by ブクログ

内容はもちろん面白かった。古地図を参照しながら読んだ。現在の地図との比較をして想像を膨らませて面白かった。

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2023年12月07日

Posted by ブクログ

人の心の奥底には、おのれでさえわからぬ魔物が棲んでいるものだ。「むかしなじみ」、「犬神の権三」、「蛙の長助」、「追跡」、「五月雨坊主」、「消えた男」、「お熊と茂平」の全七篇を収録。

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2018年12月18日

Posted by ブクログ

内容(「BOOK」データベースより)
人のこころの奥底には、おのれでさえわからぬ魔物が棲んでいるものだ―。このところ様子がおかしい老密偵・相模の彦十に、何が起こったのか(「むかしなじみ」)。密偵に盗賊、同心たちの過去と現在を縦横に描き、目が離せない。全七篇を収録。

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2021年12月24日

Posted by ブクログ

ボスがしっかりしたヤル気のある人なのか、やっつけ仕事でダメダメなヤツなのかで、仕事のやりがいも全然違うってお話がありました。

確かにそうだよね~。
今の40代はバブル世代とバブル崩壊世代が混じっているから、バブルで質は悪いけれどその職場に入り込めたってヤツが上にいるとやりにくいこともあるんだろうな~。

……なんて思いながら、良い上司や同僚に恵まれたいものだと我が家の中年女性陣がボヤいております(笑)

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2018年08月29日

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