池波正太郎のレビュー一覧
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2025 食欲の秋 〜私の知らない昭和の美味しいもの そして池波正太郎さんの人生〜
タイトルは『食卓の情景』ですが、私の生まれる前の「昭和の情景」も伝わってきます。池波正太郎さんのエッセイです。“うまい、うまい”と書いてあると、出てくる食べ物が美味しそうに感じ、味わいたくなってきます。食べ物のみならず、文章も味わい深く読みやすいです。絵が見えるような文章だなと思います。
私が好きなお話は、“梅雨の湯豆腐”“チキンライス”“とんかつとカツレツ”“カレーライス”“縁日”“菓子”です。
“カレーライス”のお話の中の先生と、10歳の池波くんの心温まるエピソード。じーんときました。池波さん流カレー -
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『泣き男』
前巻で、やらかしてしまった同心の細川峯太郎が頑張ってちょっとだけ成長する話。
座頭の辰の市と女房のお峰は、それぞれが盗人働きをしていたが今では気質となっている。腕の良い按摩の辰の市を呼ぶ同心や与力もいるくらいだ。
だが辰の市は浪人盗人の青木源兵衛に見つかってしまった。盗みの協力を断る辰の市に対して、青木はお峰を人質に取り…。
==足を洗った盗賊は何度か出てきて、密偵になったり、死んだり、捕縛されたりします。今回の夫婦は恩に対して筋を通す人たちなので無事でいてほしいなあと思いながら読みました。
『瓶割り小僧』
鬼平は捕らえられた盗賊、石川の五兵衛に見覚えがあった。正確には顔ではな -
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人気時代小説第8巻
もはや説明不要ですらある人気時代小説第8巻。
火付盗賊改方の長官である長谷川平蔵とその部下や元盗賊の密偵たちの活躍を描く今作。
この巻で、見逃せない話は見かけは鍾馗さまの様にイカツイのに剣術はからっきしダメの見掛け倒しの用心棒高木軍兵衛が登場する「用心棒」と、平蔵の親友岸井左馬之助がいよいよ結婚!?しかしお相手の女性には前夫の影しかも盗賊?という「あきらめきれずに」が見どころと思われる。
オール読物という雑誌に連載されていたためか1話完結の短編で書かれており、好きな話から読み進められるのがこういう時代小説のいいところだなと思う。
近年でも松本幸四郎氏主演のドラマが放送されているみたいなので気に -
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老剣客の秋山小兵衛と道場師範の秋山大治郎、女剣士の佐々木三冬を中心に泰平の世で生きる武士が描かれる時代小説の第4巻です。
雷神、箱根細工、夫婦浪人、天魔、約束金二十両、鰻坊主、突発、老僧狂乱が収録されています。
副題の『天魔』は笹目千代太郎という小柄で無害に見える危険人物が登場するお話です。
尋常の親から生まれた化け物のような人斬り、この笹目千代太郎はドラマ版でも一際目立つ悪でありましょう…私は好きです。
『夫婦浪人』は男色の内容ですが、小兵衛のようにそういった嗜好に疎くても楽しめるお話でした。
全てお話したいところですが、これからお読みになる方の楽しみを奪わないためにもこの辺で…。
5巻にも -
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漫画版剣客商売の52巻です。
老剣客の秋山小兵衛と道場師範の秋山大治郎、かつて女剣士で今は大治郎の妻である三冬を中心に泰平の世で生きる武士が描かれる時代小説のコミカライズです。
真剣にて!、花吹雪、翁舞う、筺、が収録されています。
『真剣にて!』は永瀬孝一郎が妹の無理矢理な縁談を破談とするために、大治郎と真剣による勝負を強いられるお話です。
孝一郎はそうなった経緯も秘密にするものなので生き死にを賭けた勝負を大治郎が受けるはずもなく…。
『花吹雪』は渡し舟と町中で父親らしき男から厳しい折檻を受ける幼子の咲を三冬が助けるお話です。
昔と違い若衆姿ではありませんが女性の格好をしていても流石は“佐々木 -
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老剣客の秋山小兵衛と道場師範の秋山大治郎、女剣士の佐々木三冬を中心に泰平の世で生きる武士が描かれる時代小説の第3巻です。
東海道・見付宿、赤い富士、陽炎の男、嘘の皮、兎と熊、婚礼の夜、深川十万坪が収録されています。
副題の『陽炎の男』は佐々木三冬に女らしさが芽生え、秋山大治郎を異性として意識し始めるお話です。
三冬の将来に悩まされている父・田沼意次を早く安心させてほしいと思います。
『深川十万坪』には金時婆さんと呼ばれる怪力の“おせき”が登場しますが、これは藤田まこと主演のドラマ版で見て特に印象に残っているお話でした。
仕官している風体の侍3人を川へ叩き込んだり、落ちた米俵を一人で元に戻したり -
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老剣客の秋山小兵衛と道場師範の秋山大治郎、女剣士の佐々木三冬を中心に泰平の世で生きる武士が描かれる時代小説の第2巻です。
鬼熊酒屋、辻斬り、老虎、悪い虫、三冬の乳房、妖怪・小雨坊、不二楼・蘭の間が収録されています。
秋山小兵衛は孫くらいの歳である百姓娘のおはると、あいも変わらずお盛んな日々を過ごしています。
息子の秋山大治郎は剣客として成長を続け、弟子を取り師範としての“商売”を少しずつ軌道に乗せていきます。
今回のおはるは小兵衛の手配や成り行きにより関屋村の実家へ帰る事が多く、その最中に小兵衛の隠宅が“小雨坊”により火付けされ全焼してしまいます。
小雨坊の話では1巻の因縁が災いし命を狙われる -
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この巻では「盗賊の仁義を守り、隠居した盗賊」のその後の身の振り方が印象的でした。時効とかないだろうから、身元が割れたら捕縛されたり財産没収されたりする。しかしそれを覚悟で盗賊やっていたり、また鬼平と仁義でつながることもある。
もちろん盗賊はやってはいけないことですが、物語として読むと仁義を守る盗賊たちは隠居したら穏やかに暮らしてほしいなあって願ってしまいますよね。
あと、時代柄しょうがないんですが、池波正太郎の「女ってのは…」の価値観が現れていて、女の私としては複雑(-_-;)
『おしま金三郎』
今は小さな飲み屋の主人松波金三郎は、かつて同心として鬼平のもとで働いていたが、手段を選ばない探 -
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面白くないはずがない。
池波正太郎にさいとう・たかを の組み合わせとなると、面白くないはずがない。さいとう・たかを が描くとなると皆ゴルゴ13のイメージが先行してしまうが、長谷川平蔵は結構よく喋り、ゴルゴ13とはまた全く異なる魅力がある。テレビや映画で何度も映像化されたことでもわかるように、実に「絵」になりやすい作品である。付け足し、この時代の江戸城には天守閣はなかったはず、ちょっと気になった。
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ゆったりした描写もあるるんだけど、全体的にはなかなか厳しい話の運びかも。江戸時代って今よりもさらに明日の保証はまったくないから、その場の欲望に従ったり、すべてをなくすことを覚悟して生きていたのかな。
『霧の朝』
桶屋の亭主富蔵は町奉行所の御用聞きの手伝いをしている。そのため桶を作るのはもっぱら女房のおろくの仕事となっている。火付盗賊改方長官の鬼平も、この夫婦の働きを好ましく思っているのだ。
そんな富蔵とおろく夫婦が赤子の頃から養子にもらった幸太郎が拐かされた。実の親が攫ったのか、富蔵の働きで捕縛された盗っ人の恨みか。
冒頭が<髪の毛を無造作に櫛巻にして鉢巻をしめ、着物のもろ肌をぬぎ、手ぬぐ -
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『俄か雨』
市中見廻りの途中で俄か雨に振られた鬼平は百姓やに飛び込んだ。どうやらそこは空き家らしい。だが隠れ暮らしている人間がいる気配もする。
そんな鬼平の耳に、絡み合いながら駆け込んでくる男女の声がする。その男の声に聞き覚えがあった。火付盗賊改で勘定方の同心細川峯太郎だ。外に出て捕物をする他の同心からからかわれても言い返しもせず一日中算盤を弾き帳簿を着けているまだ若いが控えめな男。その細川峯太郎が女と抱き合うようにして空き家に入ってきたではないか!
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なんか新しい名物同心が増えそうです。
『馴馬の三蔵』
鬼平の密偵の粂八は、昔盗賊だった時に知り合いだった馴馬の三蔵を見かける。昔気質の盗