池波正太郎のレビュー一覧
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漫画版剣客商売の52巻です。
老剣客の秋山小兵衛と道場師範の秋山大治郎、かつて女剣士で今は大治郎の妻である三冬を中心に泰平の世で生きる武士が描かれる時代小説のコミカライズです。
真剣にて!、花吹雪、翁舞う、筺、が収録されています。
『真剣にて!』は永瀬孝一郎が妹の無理矢理な縁談を破談とするために、大治郎と真剣による勝負を強いられるお話です。
孝一郎はそうなった経緯も秘密にするものなので生き死にを賭けた勝負を大治郎が受けるはずもなく…。
『花吹雪』は渡し舟と町中で父親らしき男から厳しい折檻を受ける幼子の咲を三冬が助けるお話です。
昔と違い若衆姿ではありませんが女性の格好をしていても流石は“佐々木”三冬、強い。
今回も気持ちよく世直しが成されています。 -
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老剣客の秋山小兵衛と道場師範の秋山大治郎、女剣士の佐々木三冬を中心に泰平の世で生きる武士が描かれる時代小説の第3巻です。
東海道・見付宿、赤い富士、陽炎の男、嘘の皮、兎と熊、婚礼の夜、深川十万坪が収録されています。
副題の『陽炎の男』は佐々木三冬に女らしさが芽生え、秋山大治郎を異性として意識し始めるお話です。
三冬の将来に悩まされている父・田沼意次を早く安心させてほしいと思います。
『深川十万坪』には金時婆さんと呼ばれる怪力の“おせき”が登場しますが、これは藤田まこと主演のドラマ版で見て特に印象に残っているお話でした。
仕官している風体の侍3人を川へ叩き込んだり、落ちた米俵を一人で元に戻したり…とにかく凄いのですが、川へ落とした侍たちから仕返しを受けてしまいます。
これには小兵衛が動かずにはおれず…。
4巻にも期待します。 -
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老剣客の秋山小兵衛と道場師範の秋山大治郎、女剣士の佐々木三冬を中心に泰平の世で生きる武士が描かれる時代小説の第2巻です。
鬼熊酒屋、辻斬り、老虎、悪い虫、三冬の乳房、妖怪・小雨坊、不二楼・蘭の間が収録されています。
秋山小兵衛は孫くらいの歳である百姓娘のおはると、あいも変わらずお盛んな日々を過ごしています。
息子の秋山大治郎は剣客として成長を続け、弟子を取り師範としての“商売”を少しずつ軌道に乗せていきます。
今回のおはるは小兵衛の手配や成り行きにより関屋村の実家へ帰る事が多く、その最中に小兵衛の隠宅が“小雨坊”により火付けされ全焼してしまいます。
小雨坊の話では1巻の因縁が災いし命を狙われることになるのですが、どの斬り合いとも変わらず淡々と人が死に新しい朝が来ます。
殺し殺されるその命の儚さと潔さが、剣客としての生き方に美しさを添えていました。
3巻にも期待します。 -
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この巻では「盗賊の仁義を守り、隠居した盗賊」のその後の身の振り方が印象的でした。時効とかないだろうから、身元が割れたら捕縛されたり財産没収されたりする。しかしそれを覚悟で盗賊やっていたり、また鬼平と仁義でつながることもある。
もちろん盗賊はやってはいけないことですが、物語として読むと仁義を守る盗賊たちは隠居したら穏やかに暮らしてほしいなあって願ってしまいますよね。
あと、時代柄しょうがないんですが、池波正太郎の「女ってのは…」の価値観が現れていて、女の私としては複雑(-_-;)
『おしま金三郎』
今は小さな飲み屋の主人松波金三郎は、かつて同心として鬼平のもとで働いていたが、手段を選ばない探りの方法が問題視されて放逐されていた。
その松波金三郎のもとに元盗賊一味の引き込み役「おしま」が訪ねてくる。
松波金三郎は、同心だった頃に小柳安五郎とともに日陰の長右衛門一味を捕らえるきっかけを作った。その時に利用したのがおしまだった。おしまは「あのときの生き残りが小柳同心の命を狙っている」という。だがこの女を信じてよいのか。
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時代柄しょうがないんだろうけど、池波正太郎の「おんなというものは…」の決めつけがちょっと気にはなる…
『二度ある事は』
元勘定方で今では市中見回りに取り立てられた細川峯太郎は、逢引き現場を二度も鬼平に見つかっている。その浮ついた心根をきつく叱られたために大人しくしていたが「二度ある事は…」である。
そっとかつての逢引き相手の様子を見に行った細川峯太郎は、怪しい老人を見かける。実は老人は引退して眼鏡師になった盗賊の市兵衛だった。
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名物同心で、木村忠吾からも「最近の長谷川様のお気に入り」と嫉妬されてる細川峯太郎ですが、やっぱりまだまだ考えが甘かったですね。
そして引退しても盗賊仕事から離れられない盗賊の身の振り方、一度盗賊になった者の覚悟も書かれます。
『顔』
市中見回りに出た鬼平は、死んだはずの道場の先輩井上惣助を見かけた。道場長が跡継ぎにとも望んだほどの腕利きだが、家を継ぐために道場を辞め、だが不始末のため切腹を申し付けられ家も断絶した井上惣助。死んでいなかったのか?
あとを探る鬼平は、井上惣助が浪人たちに襲われる現場を見る。かつてあれほどの腕利きだった井上惣助なのに、あまりに情のない逃げっぷり。やはり彼は井上ではないのであろうか…。
『怨恨』
大滝の五郎蔵は今は鬼平の密偵だが、かつては盗賊の頭であり、仁義の人として盗賊たちからも慕われていた。大滝の五郎蔵は大切な情報源がある。隠居した元盗賊の老人、桑原の喜十だ。その桑原の喜十の元に、見知りの老盗賊・今里の源蔵が訪ねてくる。大滝の五郎蔵へも、今里の源蔵へも義理を立てる桑原の喜十は…。
『高萩の捨五郎』
鬼平の密偵の中でも、相模の彦十は鬼平が若く無頼漢だった頃からの知り合いだ。その相模の彦十は馴染の老盗賊・高萩の捨五郎を見かけた。後をつけた鬼平は、高萩の捨五郎が通りすがりの百姓親子を助けて大怪我を負った現場に助けに入る。高萩の捨五郎は昔なじみの相模の彦十と、その連れ合いである鬼平にすっかり気を許してある使いを頼む。
『助太刀』
こ・れ・は!池波正太郎の「まったく女というものは」という観念が現れていて、女の私としてはひじょーーに複雑ではある(-_-;)
鬼平は男女の揉め事を目にした。なんと男は若い頃に知っていた横川甚助ではないか。横川甚助は、鬼平や今は与力の岸井左馬之助が通っていた道場の金を持ち逃げしたことがある。まったくどういう暮らしをしているのやら。
横川甚助に声をかけてみると、今ではお峰という女と夫婦のような暮らしをしているらしい。そのお峰から「母を殺した市口又十郎を討って欲しい。謝礼はする」と声をかけられてからの関係らしい。
だが市口又十郎の様子を覗いてみたらたいそう強そう。横川甚助はこっそり逃げようとしていたのだった。
鬼平は横川甚助に「喝!!」を入れて、いざとなったら俺が助太刀してやるから、と言って市口又十郎のところに向かわせる。
『寺尾の治兵衛』
鬼平の密偵となった大滝の五郎蔵は、かつては多くの手下を率いて昔気質の仁義を守る盗賊の頭だった。いまでも昔気質の盗賊たちからは「最近は血を見る盗みばかりで嫌になる。大滝の五郎蔵親分のような方のもとでまた働きたいものだ」と言われるくらいだ。
その大滝の五郎蔵に声をかけてきた者がいる。口合人(盗賊のお頭に、一人働きの盗賊を斡旋する)の寺尾の治兵衛だ。寺尾の治兵衛は引退前に、今度は自らが指揮を取る大仕事を計画している。その仕事にぜひとも大滝の五郎蔵に力を貸してほしいというのだ。
密偵としてその申し出を受けた大滝の五郎蔵は鬼平とともに、寺尾の治兵衛の盗みの計画を進めてゆき…。
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もちろん盗みは絶対ダメなんだけど、寺尾の治兵衛があまりにも大滝の五郎蔵と、彼から紹介された鬼平(浪人のふりをしている)を信じ切っているために、盗賊の計画が全部バレまくってるのでなんだか痛ましくさえ…(-_-;)
密偵って、ここまで自分を信頼する者を裏切ることでもあるんだよなあ。
最後は、うん、まあ、切ないですがこれが一番良かったのだろう。 -
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面白くないはずがない。
池波正太郎にさいとう・たかを の組み合わせとなると、面白くないはずがない。さいとう・たかを が描くとなると皆ゴルゴ13のイメージが先行してしまうが、長谷川平蔵は結構よく喋り、ゴルゴ13とはまた全く異なる魅力がある。テレビや映画で何度も映像化されたことでもわかるように、実に「絵」になりやすい作品である。付け足し、この時代の江戸城には天守閣はなかったはず、ちょっと気になった。
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Posted by ブクログ
ゆったりした描写もあるるんだけど、全体的にはなかなか厳しい話の運びかも。江戸時代って今よりもさらに明日の保証はまったくないから、その場の欲望に従ったり、すべてをなくすことを覚悟して生きていたのかな。
『霧の朝』
桶屋の亭主富蔵は町奉行所の御用聞きの手伝いをしている。そのため桶を作るのはもっぱら女房のおろくの仕事となっている。火付盗賊改方長官の鬼平も、この夫婦の働きを好ましく思っているのだ。
そんな富蔵とおろく夫婦が赤子の頃から養子にもらった幸太郎が拐かされた。実の親が攫ったのか、富蔵の働きで捕縛された盗っ人の恨みか。
冒頭が<髪の毛を無造作に櫛巻にして鉢巻をしめ、着物のもろ肌をぬぎ、手ぬぐいを縫い合わせた肌着からふとやかな腕を剥き出しにし、あぐらをかいたような座り方で左足のつま先で桶を抑え、桶の底をはめこむための細い瑞を掘っているさまは、到底、女とも思えぬ。だが、女であることに間違いはない。(P7)>という女職人おろくの生き生きした逞しさで始まるのが良いです。
最後のオチは、桶や家族にとっては良かったんだけど、もう一つの家族のほうは大丈夫だろうか…(^_^;)
『妙義の團右衛門』
馬蕗(ゴボウのこと)の利平治は、かつて盗賊の嘗役(盗賊に、ターゲットとなる家屋敷の図面や内情を調べて売る)だったが今では鬼平の密偵となっている。利平治は盗賊親分「妙義の團右衛門」を見かけた。團右衛門は地方を荒らし回っていたが、長谷川平蔵の評判を聞き「一度腕試しがしたい」と江戸での仕事に取り掛かっているのだ。利平治が密偵になっているなどと知らない團右衛門は、利平治に協力を求める。そして火付盗賊改方役宅に一味の者を紛れ込ませているというのだ!
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鬼平の使用人に手下を忍ばせるなど、なかなか面白い敵との知恵比べかと思ったら…、話の方向が厳しくなってしまった(-_-;)
『おかね新五郎』
鬼平は小料理屋で働く老婆に見覚えがあった。まだ鬼平が粗くれていた若い頃、スアイ(売女の一種)をしていたおかねだった。しかしおかねは小料理屋の客の後をつけて刃物で襲いかかったではないか!
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売女なんだが鉄火の女で、今では出世した鬼平にへりくだりながらも一本筋が通っているおかねが良い女。彼女となにかがあったらしい、鬼平の道場の先輩原口新五郎も良い男。
…しかし私には、鬼平たちが若い頃おかねに仕掛けた「いたずら」は笑えない…(-_-;) これは未遂だったけど、別んところでヤッてんじゃないのって思っちゃうよ、、、この時代はこういうことが公になったとしても「若いんだから☆」で済まされるただろうなあ(-_-;)
『逃げた妻』
鬼平の同心の木村忠吾には同じ店の酒飲み友達浪人の藤田彦七がいる。木村忠吾が同心であることは伏せてある。その藤田彦七から悩みを相談された。「二年前に子供をおいて他の男と出ていった女房りつから助けを求める手紙が来た。でも自分は後妻をもらっているのだ」という。
同心としての木村忠吾は鬼平に報告する。もしかして、りつはもしや盗賊の女になったが逃げ出したがっているのではないか?
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最後のオチが…、なにやってんのよ…(-_-;)
同心の中堅なのに、いつまでも「長谷川様の小坊主でいたいのに、最近他の同心をかわいがっちゃってさーー」とむくれる木村忠吾が一応の癒やしどころ。
『雪の果て』
前の『逃げた妻』の続きです。前の話のラストが(-_-;)な気分だったので続いてよかったけどさあ、やっぱり(-_-;)な気分…
なにやってんのよ…(-_-;)
「雪の果て」という題名だけれど「行の果て」って感じ。
江戸時代って明日の保証はなにもないから、その場の欲望に全力になるものなのかなあ…(-_-;)
『引き込み女』
鬼平の女密偵おまさは、かつて盗賊の引き込みを勤めていたころの知り合いで女賊のお元を見かけた。今でも引き込みとしてどこかの店に入り込んでいるのだろうか?だが明るいお元の様子はどこかおかしい。もしかしたら盗賊暮らしに嫌気が差しているのではないか。鬼平に報告し、お元に声をかけたおまさは、お元から驚くような悩み事を打ち明けられる。
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鬼平の密偵たちには「長谷川様のためには命をかけるが、この盗賊だけは売れない」という盗賊がいることがあります。鬼平もそれを承知で見逃します。
おまさは同じく女賊で仲も良かったお元の力になりたいけれど、簡単に自分の正体を明かすこともできないというジレンマがあります。
心苦しくも、よい短編だった。 -
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『俄か雨』
市中見廻りの途中で俄か雨に振られた鬼平は百姓やに飛び込んだ。どうやらそこは空き家らしい。だが隠れ暮らしている人間がいる気配もする。
そんな鬼平の耳に、絡み合いながら駆け込んでくる男女の声がする。その男の声に聞き覚えがあった。火付盗賊改で勘定方の同心細川峯太郎だ。外に出て捕物をする他の同心からからかわれても言い返しもせず一日中算盤を弾き帳簿を着けているまだ若いが控えめな男。その細川峯太郎が女と抱き合うようにして空き家に入ってきたではないか!
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なんか新しい名物同心が増えそうです。
『馴馬の三蔵』
鬼平の密偵の粂八は、昔盗賊だった時に知り合いだった馴馬の三蔵を見かける。昔気質の盗賊で、一人働き。血腥いことなどしない。
盗みの下見なら鬼平の旦那に伝えなければならない。だが粂八は馴馬の三蔵には大いに迷惑をかけたことがあった。密告などできない…。
『蛇苺』
鬼平は夜道で中年商人風の男に斬りつける人影を見た。「盗賊改方長谷川平蔵だ!」の名乗りに、斬り付けた人影は消えた。だが斬り付けられた中年商人風の男も消えた。
鬼平の名前を聞いて逃げるとは、あの男も盗人関係なのだろうか?
鬼平は同心、密偵たちに探りを入れさせる。
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盗賊に入る商家や民家を探す「嘗役(なめやく)」という役割、好色な女、殺しも厭わない盗人そして辻斬りなど、いろいろな人たちが絡み合って、事件が複雑になっていた。
『一寸の虫』
密偵の一人、仁三郎は、かつて船影の忠兵衛というお頭のもとで働いていた。船影の忠兵衛は「盗まれて難儀するものは手を付けない。殺さない。女を手籠めにしない」を守り、一つのお努めに何年も準備をする昔気質の盗人働きをしていた。だが仁三郎がその禁忌を犯したために船影の忠兵衛に叩き出された。仁三郎はお頭を恨むどころか、むしろ自分の未熟さを反省してお頭に感謝すらしている。
そんな仁三郎に声をかけてきた者がいる。やはり禁忌を破って船影の忠兵衛に叩き出された鹿谷の伴助だ。伴助は忠兵衛を恨み、仁三郎に共に復讐をしようと誘ってきたのだ。
忠兵衛は売れない。伴助は生かしておけない。だが鬼平への恩義も感じている。悩んだ仁三郎は、ある結論にたどり着く。
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鬼平の密偵たちは、以前は盗賊だったが鬼平に見込まれて密偵になった者たちが多い。そんな密偵たちは、鬼平の人柄に感服して命懸けで働いている。でも「どうしてもこの人だけは売れない」という恩のある盗人仲間(お頭)もいる。
この18巻では『馴馬の三蔵』では粂八が、『一寸の虫』では仁三郎がそんな恩ある相手と鬼平の間で悩む姿が出ています。そして粂八と仁三郎はそれぞれ違う決断をします。
『おれの弟』
鬼平が若い頃通っていた本所の高杉道場に、鬼平の弟弟子の滝口丈助がいた。次男の滝口丈助は継ぐ家もなく、四十に近い年齢の今まで真面目に、剣術道場の師範を勤めている。
鬼平は、その滝口丈助が、人妻と密会している場を目撃した。あの真面目で剣一筋の滝口丈助が、おれの弟のような滝口丈助が!?
気になった鬼平は滝口丈助の家を見張ると、夜中に身支度をきっちりした姿で家から出てきたではないか。そしてその気魄。どうみても決闘に向かう様子だった。剣に生きるとはいえ、太平のこの世に真剣の立ち合いだなんて。
そっと後をつける鬼平と同心たち。
だが決闘の場で、滝口丈助に向かって放たれた矢、そして刀を持った複数の男たちが襲ってくるではないか!
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弟のように大切にしている男のために鬼平が「似合わぬこと」をします。
『草雲雀』
一人働きの盗賊(非専属と書いて、「フリー・ランス」の振仮名が・笑)の盗賊、友次郎は絶望していた。かつてある親方に仕込まれた盗っ人の掟を破り人を殺してしまったのだ。悩み抜く友次郎に、引退した老盗賊は「これを機に足を洗って気質になれ」とだけ言った。
ところが家に帰った友次郎に襲いかかった男がいて…。
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『俄か雨』に出てきた勘定方の同心細川峯太郎は、市中に出て盗っ人探索の役目を賜りました。細川峯太郎が先輩たちから教わることで、読者にも「こんな捜査するのね」ということが分かります。
なお細川峯太郎は『俄か雨』の最後で鬼平の紹介(ほぼ命令)で女房をもらって新婚ですが、新しいお役目に得意になって早速浮気心を起こします! なにやってんだー!読者は許さないぞー! と思っていたが、鬼平にバレまくり、厳しく叱咤されます。曰く「市中に出て盗っ人と対峙するというのは、いままでのように休みの日の逢引きを楽しみに算盤はじいていれば良いわけではない。いざとなったら命懸けだ。その覚悟を持て!」
命懸けで働く者たちにはただの「浮気☆」では済まないのですね。他の話でも同心が女に迷って道を外す話もあったしなあ。 -
Posted by ブクログ
17巻は特別長編です。
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鬼平は評判の飲み屋「権兵衛酒屋」に立ち寄ってみた。口数の少ない初老の夫婦がやっている小さな店。だが亭主は、昔はそれなりの侍だったのではないか…。
店を出た鬼平は怪しい男たちを見かける。そのまま見張ると男たちは閉店した権兵衛酒屋に押し入ったではないか!
すぐに駆けつけ「火付盗賊改方 長谷川平蔵だ!」
だが、賊と一緒に、亭主も逃げ出していたではないか。残されたのは、賊に斬り付けられた女房だけ。
権兵衛酒屋に何が?逃げ出した亭主は侍から盗賊になったのか?
鬼平は同心たちに見張り、聞き込みを指示する。だが同心が事情を聞いた近所の老人は殺され、鬼平の乗った籠も襲撃される!
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今回は旗本家の相続問題が発端です。
徳川将軍直轄家臣の旗本の家の内情は、幕府の監察により厳しく監視されている。しかし人脈とか金の使い方で融通も効く。
石高の大きな武家が、弱小武家を利用したり、それにより小さな武家も縁故が生まれたり…。しかしその影には追いやられた人間の哀しみもある。
物語としても、捕物、殺陣、登場人物たち、人の情、全体的に良かったです。
「鬼火」は最後の最後に出てきますが、はたして言いたいことがあって出てきたのか、科学現象なのか…。 -
Posted by ブクログ
新選組と言えば、鬼の副長·土方歳三や天才剣士·沖田総司の名前が挙がりますが、私はこの小説の主人公である永倉新八さんが1番好き。
彼の遺した記録や隊士の供養などの活動により、かの有名な池田屋事件から160年以上経過した現代を生きている私たちですら、彼らの名前や個性を知ることができる。
もちろん、後世に創作された部分も多くあるし、この物語もどこまでが史実でどこからが創作なのか不明瞭ですが、"近代化を阻害した壬生狼、人斬り烏合の衆"として後世に伝えられてもおかしくなかった新選組という存在を、彼らと共に生きた永倉さんの記録が、大げさに言えば救ったのではないかと思っています。
カラッとした江戸っ子気質の剣士が、仲間と共に日々鍛錬。大仕事があると京都へ赴き、時代の波に呑まれていく……
これまで新選組に触れてこなかった人にもオススメできる、幕末物語です。ぱっつぁんのファンが少しでも増えたら、推してる身としては嬉しい(本音)