池波正太郎のレビュー一覧
-
購入済み
未完の大作。
池波正太郎と云う作家は、『真田太平記』のような歴史小説より、本作のような時代小説の方が面白い、といった評価がよく聞かれます。確かに『鬼平犯科帳』『仕掛人梅安』も有りますから、そういう意味では当たっていると思います。
しかし自分は「歴史小説」から入ったクチなので、池波正太郎の作品に触れたのは遅い方でした。『真田太平記』がドラマ化されていなかったら、もしかして未だに一作も読んでいなかったかもしれない。
何せ、中学時代に司馬遼太郎『竜馬がゆく』『燃えよ剣』から日本史にドドーンと目覚めたものですから、ソレ等と「小兵衛さんの話」では、まるで正反対ですもんね…ww。
そんな訳で、大分回り道をして本作と -
TVドラマが素晴らしい
この「鬼平犯科帳」、故・中村吉右衛門氏主演のTVドラマになっていましたね。彼が演じていました主人公の長谷川平蔵の「火付盗賊改め長谷川平蔵であるぞ」と言う台詞がとても素晴らしかったですし、弱きを助け強きを挫く長谷川平蔵の姿にもとても感動しました。また、「大江戸捜査網」の「芸者小波」の役で有名な梶芽衣子さんも長谷川平蔵の妻の役を見事に演じていましたね。
-
Posted by ブクログ
▼「剣客商売」ラストの巻。感無量。池波正太郎さんが逝去したので終わったんです。ですが、「鬼平」「梅安」が、ほんとにぷっつり未完で終わっちゃったのに対して、「剣客」はそうぢゃないんですね。
▼連作短編(長編だったりも)なんですが、きちんと一つの話が終わったところで、絶筆になったそうで。しかもその<切れ目>が、どうやら池波さん自身が、<秋山小兵衛主人公のシリーズはここで終わり>という区切りだったそうで。なんとかくちゃんと完結した感じがあってありがたりです。それがつまり、この一冊「浮沈」です。
(どうやら、<小兵衛の孫を主人公にして、小兵衛は脇役として、シリーズを続けたい>という構想を持っておられ -
Posted by ブクログ
老剣客の秋山小兵衛と道場師範の秋山大治郎、女剣士の佐々木三冬を中心に巡る人生が描かれる時代小説の第1巻です。
女武芸者、剣の契約、芸者変転、井関道場・四天王、雨の鈴鹿川、まゆ墨の金ちゃん、御老中毒殺が収録されています。
かつては凄腕の剣客であった秋山小兵衛は、孫くらいの歳である百姓娘のおはると男女の仲となっています。
息子の秋山大治郎は太平の世における剣客となり、父の小兵衛は敵討ちに生涯付き合っていく剣客の生き方を息子が歩んでいくことに虚しさを覚えるのです。
女剣士の佐々木三冬は小兵衛の剣技に惚れ、老人であるにも関わらず男性としても好くことになります。
様々な生き様が紡がれていきますが、刻々と