Posted by ブクログ
2012年09月07日
剣客商売シリーズ16作目
小兵衛66歳の秋から翌年にかけての物語。
26年前、門弟の滝久蔵の仇討ちの助太刀をした小兵衛。
久蔵は無事に敵討ちを成し遂げ、小兵衛も同じく助太刀をしていた山崎勘介と死闘を繰り広げた。
それから26年たち、蕎麦屋で久蔵を見かけることになる。
その直後、自分が斬った山崎の...続きを読む遺児、勘之介とも出会うことに…。
ついに、最終巻となってしまった剣客商売シリーズ。
顔のせいで人から誤解され、処刑された金貸し平松多四郎。その息子の伊太郎は仇討ちはしないと言う。そんなことは古めかしいと。
そして、田沼も失脚。
本当に時代はどんどん変わっていく。
これからあと数十年もすれば世の中はひっくり返るのだから。
最初の頃の明るい雰囲気と変わって、段々と生きることの哀しさを感じることが多くなったこのシリーズ。
この巻の最後には小兵衛は75歳。少し小さくなってしまった小兵衛が切ない。
でも、これからまだ彼は18年も生きることになる。
自分より随分と年下のおはるを見送り、弥七も見送り、宗哲先生も見送ることになるのだ。どれだけ辛いことを見てきただろう…と考えてしまう。
そんな中で、又六とお秀さんの結婚は一際うれしいニュースでした。