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祖父の代から目黒に道場を構えていた小野派一刀流の剣客・波切八郎は、御前試合の決勝で敗れた秋山小兵衛に真剣勝負を挑み、小兵衛は二年後の勝負を約した。それを待つ身でありながら八郎は、辻斬り魔に堕ちた門弟に自首を促すことができずに成敗してしまう。道場を出奔し浪々の身となった八郎は、想いを通じた座敷女中のお信にそそのかされるまま、お信の敵、高木勘蔵を討つ。
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Posted by ブクログ
波切八郎を中心に、謎めいた人物が多く登場する物語だった。小兵衛と妻・お貞の夫婦になるまでと、夫婦になって後の息の合った姿が読者には嬉しい。八郎に関わる人物として、橘屋忠兵衛、お信、岡本弥助などは、八郎にしてみればまさに得体の知れない者たちだ。それぞれが自身の真の姿を隠し、表面だけで繋がっている。読者...続きを読むには、場面転換をし、時間軸を遡りしながら少しずつ彼らの正体を教えてくれる、そんな楽しみのある時代小説である。
ちょっとしたズレから転落していく主人公。でも性根は正しいので、いつか修正したいともがく中で、人情味あふれる人間関係が出来上がっていく過程がまた良い。秋山小兵衛ほど完璧ではないからこそ、共感できるこの人生がまた良い。
若き日の秋山小兵衛を描く長編。しかしこの物語の本当の主人公は、小兵衛に真剣勝負を申し込んだ剣客、波切八郎と言える。転変してゆく運命の中で、人には変わってゆく部分と変わらない部分がある。他にも魅力的な登場人物が多い。
番外編でありながら、大変な傑作というか、最高でしょう。あくまでも、主人公は波切八郎なのですが、若き日の小兵衛の姿もそれなりに魅力的に描かれています。新装版となり、シリーズの一部であることが以前よりも明確に示されるようになっていますが、この作品のみでももちろん堪能できる完成度です。タイトルもニクイな〜...続きを読む。
剣客商売番外編だけに、主役は秋山小兵衛と真剣勝負を約束した波切八郎。真っ直ぐ過ぎる性格なのか、読んでいる方がハラハラしてくる。小さい頃から八郎の世話をしてきた市蔵がいじらしく、気の毒に思えてくる。早く下巻を読まないと。
この「黒白」は剣客商売の秋山小兵衛の若いころを描いていて、作者の池波さんは「剣客商売」が始まってから10年後にこの長編を書いたそうです。 小兵衛の若い姿をも読者に紹介したくなったのでしょうね。 この作品を読み終えたら蕎麦を食べたくなったので、その名も「小兵衛」というお店に行ってきました。
時代小説。「剣客商売」シリーズ番外編。上下2巻。 小兵衛の若かりし頃(32歳~)、剣客・波切八郎との出会いとそれぞれの過ごした日々が描かれている。 波切八郎と真剣の勝負を約束した小兵衛は、勝負に勝った暁には、師の道場の後をつかず自らの器にあった道場を開き、お貞と夫婦になろうと思い、精進している。...続きを読む しかし波切八郎の方は、ふとしたことから剣の道を踏み外して黒幕からの刺客として動くことになる。そのため小兵衛との約束も果たせなくなり・・。 冒頭から小兵衛ではなく、波切八郎のことがたくさん書かれており、その合間に小兵衛の今は?というような書き方になっているので初読の折は少し読みづらかった。 もう上下巻読み終わり、全体としては非常に読み応えのあるものだった。
はじめて 池波正太郎の本を読む。 次々に いろんな人が出てくるので・・・ 読みにくいなぁ。 波切八郎 という 無垢な剣客が・・・・ 純粋培養されすぎた 剣客 ということだろう。 物語のテンポがよく読みやすい小説だ。 それが 何よりも楽しい。 時代小説も 結構いけるね。 時代劇の独特の表現が オツ...続きを読む である。 これで だいぶ 読むことができる本が うまれた。
秋山小兵衛というよりは、波切八郎の話。秋山小兵衛が際立っていました。 最後のエピソードもほんわかと、人は色々な所で繋がっているとしみじみ。
剣客商売の番外編 小兵衛とは対極的な魅力的な主人公を設定し、 二人の生き様が綾なす物語は剣客商売フアンに とっては答えられないだろうな (kitanoは最近のフアンだもん) 小兵衛の生き様を形成した物語としても秀逸!
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