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Posted by ブクログ
「雨避け小兵衛」の出だしに思わずにやりとする。飄々とした小兵衛だが、家庭人としては四十も年下のおはるにいいようにあしらわれている、そういうのもまたいいなあという書き方なのである。これに続いて起きる事件のやりきれなさとはじつにうまい対比である。同じような道を歩いてはいても、人というやつの運命はどこでどのようになるやもしれない。この編の末尾で小兵衛が噛みしめる思いは……。それにしても、おはるはけっきょくのところ小兵衛を「先生」と呼んでいるのだね。
続く「三冬の縁談」、めずらしく大治郎の右往左往さる様が面白い。このような筋で解決しなかったとしたら、大治郎がどのように行動しただろうかと意地悪く考えてしまうのだが、どうだろう?三冬にふさわしい男が縁談の相手であれば黙って身を引いたんだろうか?まあ、それでは物語にならないけれど……。
Posted by ブクログ
秋山小兵衛の弟子で高崎藩士の竜野庄蔵が討たれた。犯人は、藩内で陰惨な事件を起こしていた「白い鬼」
佐々木三冬の住む寮に賊が侵入する。三冬がその日見かけた男女が事件のきっかけだった「西村屋お小夜」
鰻売りの又六の情報を元に、小兵衛が無頼旗本や浪人たちを打ち倒す「手裏剣お秀」
秋山大次郎が夜更けに出会った人斬り事件。犯人を差配していたのは大身旗本で槍の名手だった「暗殺」
農具小屋で一人、雨宿りをすることになった小兵衛。そこに飛び込んで来たのは、かつての剣術試合の相手だった「雨避け小兵衛」
女武芸者の佐々木三冬は老中•田沼意次の娘。父には、自分より強い相手以外とは結婚しないと申し入れてあるが「三冬の縁談」
大次郎は大川に投げ込まれそうになっていた旧知の小針又三郎を助ける。小針はある女に依頼された品を弟に届けようとしていた「たのまれ男」
油ののった第五巻。秋山小兵衛•大次郎親子とその取り巻きの人物造形が確定し、生き生きと動き回る姿が小気味よい。
ただ、長編連作に有りがちな同趣向の展開も増えてきた。ちょっとだけ気になったのは、"隠れた場所に入り込んで事件を覗き見する"というパターンがこれで3回目。それでも、登場人物たちは、覗き見した自分が嫌になったりはしない。覗き見することが趣味じゃないので、その気持ちがよくわからん。知らんけど。
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