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秋山小兵衛の若き日の愛弟子が斬り殺された事件と、江戸市中の三か所で女が殺され、陰所と左の乳房が抉られていた事件。二つの事件の接点に浮かび上がった異常な殺人鬼の正体を、復讐の念に燃えた小兵衛が追う「白い鬼」。試合に負けたらその相手の嫁になるという佐々木三冬の話にうろたえる大治郎を描く「三冬の縁談」。もう一人の女剣士「手裏剣お秀」の登場など、シリーズ第5弾。
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Posted by ブクログ
表題作「白い鬼」でまたも出てきた不気味な剣士。このような相手に対する小兵衛の奇抜な戦い方は天晴れだ。「暗殺」での身勝手な旗本の当主によって危ういところまで追い込まれてしまう大治郎。まだまだ修行が足りないね。それでも大治郎の成長は目覚ましいものがある。三冬への想いにも目覚めたようで、先が楽しみだ。
剣客商売は、血生臭い話や人間臭い話、情に溢れた話や、恋心、ミステリー、色んな要素が詰まった作品。 最初からずっと時間の流れを感じさせてくれる。
時代小説。「剣客商売」シリーズ第5弾。7作。 「白い鬼」「西村屋お小夜」「手裏剣お秀」「暗殺」「雨避け小兵衛」「三冬の縁談」「たのまれ男」 「白い鬼」の金子伊太郎は訳あって女性を異常に憎み異常な殺戮を繰り返す。「雨避け小兵衛」は過去に自分が負けてやらず落ちぶれた浪人の哀れと後悔がなんとも。三冬と...続きを読む大治郎の恋もそろそろ大詰めか。
相変わらず、という表現は適切では無いかもしれんけど、面白い。 ハラハラドキドキ的な。 すごい悪い金子が出てきたり、三冬に縁談があったり、大治郎がドギマギしたり。面白いわー。
白い鬼 西村屋お小夜 手裏剣お秀 暗殺 雨避け小兵衛 三冬の縁談 たのまれ男
文句なしの面白さ。「三冬の縁談」が最高。次回作のタイトルは「新妻」。ついに若先生と三冬が結婚するのかな?早く読まねば。
中学校時代から何度も読み続けている池波正太郎もの。 たぶん一番最初に読んだのがこのシリーズ。 食べ物に対する興味も、江戸時代の言葉、作法も全てこれで覚えた。 読まないと人生損だぜ。 同じ時期から池波正太郎が好きだった人を人だけ知っている。
秋山小兵衛の若き日の愛弟子が斬り殺された事件と、江戸市中の三か所で女が殺され、陰所と左の乳房が抉られていた事件。二つの事件の接点に浮かび上がった異常な殺人鬼の正体を、復讐の念に燃えた小兵衛が追う「白い鬼」。試合に負けたらその相手の嫁になるという佐々木三冬の話にうろたえる大治郎を描く「三冬の縁談」。も...続きを読むう一人の女剣士「手裏剣お秀」の登場など、シリーズ第5弾。 【感想】
秋山小兵衛の弟子で高崎藩士の竜野庄蔵が討たれた。犯人は、藩内で陰惨な事件を起こしていた「白い鬼」 佐々木三冬の住む寮に賊が侵入する。三冬がその日見かけた男女が事件のきっかけだった「西村屋お小夜」 鰻売りの又六の情報を元に、小兵衛が無頼旗本や浪人たちを打ち倒す「手裏剣お秀」 秋山大次郎が夜更けに出会っ...続きを読むた人斬り事件。犯人を差配していたのは大身旗本で槍の名手だった「暗殺」 農具小屋で一人、雨宿りをすることになった小兵衛。そこに飛び込んで来たのは、かつての剣術試合の相手だった「雨避け小兵衛」 女武芸者の佐々木三冬は老中•田沼意次の娘。父には、自分より強い相手以外とは結婚しないと申し入れてあるが「三冬の縁談」 大次郎は大川に投げ込まれそうになっていた旧知の小針又三郎を助ける。小針はある女に依頼された品を弟に届けようとしていた「たのまれ男」 油ののった第五巻。秋山小兵衛•大次郎親子とその取り巻きの人物造形が確定し、生き生きと動き回る姿が小気味よい。 ただ、長編連作に有りがちな同趣向の展開も増えてきた。ちょっとだけ気になったのは、"隠れた場所に入り込んで事件を覗き見する"というパターンがこれで3回目。それでも、登場人物たちは、覗き見した自分が嫌になったりはしない。覗き見することが趣味じゃないので、その気持ちがよくわからん。知らんけど。
▼収録されているのは以下。 白い鬼 西村屋お小夜 手裏剣お秀 暗殺 雨避け小兵衛 三冬の縁談 たのまれた男 ▼印象に残ったのは「雨避け小兵衛」。小兵衛が雨よけでとある小屋に入る。その小屋にあとから、誘拐犯が入ってくる。小兵衛は隠れていて様子を見る。誘拐犯は、かつて鎬を削った剣客...続きを読むだった男。いまは落魄して暮らしに困っているらしい。 で、小兵衛は当然ながら腕でこれを退治解決するのだが、やるせない想いに襲われる。この誘拐犯が落魄するきっかけになったのは、自分との注目の試合だったからだ。 ラスト、若い女房のおはるに慰めを求める小兵衛、という一幕が印象的。 ▼つまりは、剣客商売の業。これはスポーツとか芸能と一部似ているところもある。「いちばん強い」から金が稼げる。「負けたらすべてを失いかねない勝負」だから、人が注目するし、勝者にはお金・地位・名誉が入る。 だがその「美味しいポジションのマーケット」があまりに小さいのでは、ほとんど全員が「いつか惨めになるために、必死で修行している」ことになってしまう。その道を、そうとは思わず歩んできた自分。たまたま自分は上手く生き残ったけれど。 という感慨ですね。 ▼そして、この物語は田沼時代で、それはつまり1770年代〜1780年代だと思われます。江戸時代は1603年〜1868年なので、ちょうど江戸江戸中期。元禄時代(1700年前後)を経て、剣術は以前のようには流行らなかったでしょう。 ちなみに恐らく、江戸時代後半というか終盤に多少盛んになります。具体的には千葉周作以降、1830年代以降でしょうか。幕末の乱世が1853年以降です。
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