池波正太郎のレビュー一覧

  • 真田太平記(一)天魔の夏

    Posted by ブクログ

    <文庫全12巻を通してのレビュー>

    天正10(1582)年3月、織田・徳川連合軍によって戦国随一の精強さを誇った武田軍団が滅ぼされ、宿将真田昌幸は上・信二州に孤立、試練の時を迎えたところからこの長い物語は始まる。
    武勇と知謀に長けた昌幸は、天下の帰趨を探るべく手飼いの真田忍びたちを四方に飛ばせ、新しい時代の主・織田信長にいったんは臣従するのだが、その夏、またも驚天動地の事態が待ち受けていた。


    以前から真田氏に興味があったので、シリーズ全巻、一気に読み進めちゃいました。
    たぶんこれで、真田マニアの仲間入りです。
    父:昌幸と兄:信幸、弟:信繁(幸村)の誰一人が欠けても、真田家の名前をここまで

    0
    2019年03月29日
  • 散歩のとき何か食べたくなって

    Posted by ブクログ

    読んでいるだけでお腹が空いてくる…。こういう人のことを、美食家と言うのだろう。出てくるお店は、必ずしも高級店だけではないけれど、どれもとても美味しそうで、そしてそれは単に食べ物の味が良いだけではなく、お店の佇まいや、主人のこだわりや、そこにいる人々の会話や、それらが作り出す空間とそこで過ごす時間全てが、「美味しい」のだと思う。

    そして、馴染みのない店や時代なのに、描かれた情景がどこか懐かしく感じられるのは、亡くなった祖父と著者が同世代を生きた人だからだと気づいた。いつのまにか、祖父がお酒を飲むと時折語ってくれた昔話と重ね合わせて読んでいた。東京の西の郊外の貧しい家の出で、家族の誰よりも倹約家

    0
    2019年03月03日
  • 黒幕

    Posted by ブクログ

    軽い命と重い命があるようだ。
    昔も今も。
    本物の夫婦とはどういうものか、なんとなくわかったような。
    おもしろい本だった。

    0
    2019年02月21日
  • 散歩のとき何か食べたくなって

    Posted by ブクログ

    池波正太郎の「鬼平犯科帳」のドラマが好きだったが、本で一冊も読んだことがない作家だった。エッセイなので読みやすい。単なるグルメ本っていうより、時代と町の風景、お店の佇まいなどを感じつつもおいしいものを読むことで堪能できる。いわゆる一見さんでは尻込みしちゃいそうなお店もあるけれど、蕎麦屋など本当に日常的に通ってらしたところも良く出てくる。東京は縁がないからあまりよくわからないけど、行ったことない浅草方面にも興味が湧いた。たまたまだけど、仕事で「剣客商売」のあらすじを書いた直後に読んだのもあって、作品が生まれた背景が出て来た時、おお〜っという感動があった。あと松本の「まるも」は、卒業旅行で旅館に泊

    0
    2019年02月07日
  • 鬼平犯科帳[決定版](十一)

    Posted by ブクログ

    三度目の鬼平もこれで、第11巻。全七話収録されているが、圧巻は同心・兎忠木村忠吾が誘拐される「男色一本饂飩」その他は引退した老盗がお盗めへの情熱から再び盗めを行う「穴」、家を捨て、盗人になった男が実家の危機を救う「雨隠れの鶴吉」など。

    0
    2019年01月23日
  • 散歩のとき何か食べたくなって

    Posted by ブクログ

    "懐かしい昭和の料理屋を著者が思い出とともに語ってくれる。今はどれくらいのお店が残っているのだろうか?昭和の地図と今の地図を見比べて、池波正太郎さんが愛したお店を訪ね歩きたくなった。
    東京オリンピックに関する記述もあり、感慨深い。
    2020年に56年ぶりに東京オリンピックが開催される。
    最初の東京オリンピックで、東京は都会に変わったとの記述がある。よきものを残すことなく破戒と創造を経たものが現在の東京らしい。
    これからの7年でどんな都市を構築していくかは、われわれの世代の責任なのだ。"

    0
    2018年10月28日
  • 映画を見ると得をする

    Posted by ブクログ

    "映画が好きな池波さんの映画に関するエッセイ集。映画好きは、同じような感覚でいるのではないかなぁ~。
    時代劇の時代考証などに触れているところは、さすが池波さん、なるほど~とうなってしまった。"

    0
    2018年10月20日
  • 鬼平犯科帳[決定版](二十二) 特別長篇 迷路

    Posted by ブクログ

    特別長篇『迷路』なる1冊。
    今まで読んだ鬼平さんのお話で、一番読みごたえがありました。

    それなりに鬼平さんに出てくる人たちの人間関係を知っていたほうが良いけれど、忘れていても楽しめました(笑)

    心の弱い人ほど視野や人間関係が狭いから、人を怨む力が強くて困りモノなんだよなぁ…。

    0
    2018年10月18日
  • 鬼平犯科帳[決定版](二十三) 特別長篇 炎の色

    Posted by ブクログ

    「隠し子」23巻にして濃いキャラクターが初登場。まさか平蔵に異母兄弟がいたとは。肝の強さは平蔵と似ている。「妹め、…」と言うのは新鮮。

    「炎の色」平蔵の妹 お園が早速活躍。お園が父と似ているところがあったり、小柳への片想いを平蔵が見破ったり…。お園と小柳の今後の話をもっと読みたかった。
    ところで、おまさは荒神のお夏に好意を抱いていたんだろうか。こちらも続編が気になる。
    今回の長編は前巻ほど重たくなく、平蔵の采配や勘ばたらきが冴えていてスイスイ読めた。残り1巻というのが本当に惜しい。

    0
    2018年10月10日
  • 鬼平犯科帳(一)

    購入済み

    すごく面白いです

    鬼平犯科帳はドラマでは観ていて、好きなドラマだったので、小説も読んでみようと思いました。軽い気持ちで購入したのですが、読み始めると話に引き込まれてしまい、「面白い!」と思いました。この調子で次巻と、どんどん読んでいきたいと思います。ありがとうございました。

    0
    2018年10月05日
  • 剣客商売 18巻

    購入済み

    最初に原作を読んだのは…

    15年程前だった。私にとっては「剣客商売」では珍しい事だったが、当時は軽く笑って読み飛ばした「時雨蕎麦」のエピソード。小兵衛や角五郎の歳になった今、何やら身につまされる。
    案外、還暦と云っても、簡単には枯れられないものなのだと、実感する。

    0
    2018年09月19日
  • 鬼平犯科帳(一)

    Posted by ブクログ

    啞の十蔵
    本所・桜屋敷
    血頭の丹兵衛
    浅草・御厩河岸
    老盗の夢
    暗剣白梅香
    座頭と猿
    むかしの女

    「本所・桜屋敷」剣友、岸井左馬之助との再会。
    「血頭の丹兵衞」小房の粂八が初めて密偵として動く。

    0
    2018年09月15日
  • 鬼平犯科帳(五)

    Posted by ブクログ

    「おれの死に水を取ってくれないか」
    大工の万三は、屋敷の見取り図を盗人に売りつけることで稼いでいた。
    結核で余命が短いことを悟った万三は、自分と同じ匂いのする女と出逢い、女のために最後の稼ぎを狙う…
    ***
    人情的なオチで読者としては安堵した。
    第1巻の頃だったら、万三も女も破滅していただろうなあ。
    作者が丸くなったのか鬼平が丸くなったのか。
     /深川・千鳥橋


    「ある乞食坊主を殺してほしい」
    菅野伊介は依頼を受けた。
    しかしその乞食坊主に襲いかかってみて驚愕した。
    かつて同じ道場で刀を振るい合った先輩の井関録之助だったのだ。
    そしてその同じ道場では、若き日の鬼平も共に稽古に励んでいた。
     

    0
    2018年09月14日
  • 鬼平犯科帳[決定版](四)

    Posted by ブクログ

    鬼平全24巻の中でも自分のお気に入りの一冊。幼少の頃からの平蔵への恋心が忘れらず、自ら女密偵となったり「おまさ」を描く「血闘」、大滝の五郎蔵と舟形の宗平が密偵になるまでを描く「敵」等々全八話。

    0
    2018年07月09日
  • 鬼平犯科帳[決定版](一)

    Posted by ブクログ

    昨年1月の「鬼平」アニメ化で話題沸騰、シリーズ誕生50年になる「鬼平犯科帳」がより読みやすい文庫・決定版で刊行開始。自分も「鬼平」3度目の挑戦。

    0
    2018年05月14日
  • にっぽん怪盗伝 新装版

    Posted by ブクログ

    著者みずから「悪漢(ピカレスク)小説」と銘打った短編集。世の中の裏街道を歩く人間たちの、生き様/死に様、成功/破滅のコントラストが、鮮烈に描き出されている。ちなみに、火付盗賊改方が登場するつながりか、本書に収められた短編の大半は、ドラマ版『鬼平犯科帳』にて映像化されていたりする。

    0
    2018年01月08日
  • 忍者群像

    Posted by ブクログ

    非情な世界に身を置きながら、血も涙もある忍者たちの生き様。主人公の忍者が中二病こじらせた主君に呆れながら付き添う様がコントみたいな「戦陣眼鏡」がお気に入り。

    0
    2018年01月08日
  • 仇討群像

    Posted by ブクログ

    「仇討」という徳川時代特有のシステムによって、人生を狂わされる男女の、凄絶なる群像劇。短篇集だが、いずれのエピソードも、煮えたぎるような人の情念が物語を動かす核となっており、物足りなさは感じなかった。他の著作も読んでみよう。

    0
    2018年01月08日
  • 幕末新選組 新装版

    Posted by ブクログ

    『近藤勇白書』でも主役(近藤勇)を食う勢いで大きな存在感を見せていた、思い定めれば一直線の剣術バカ:永倉新八を主人公に据えた新選組ストーリー。最初から最後まで、政治的野心とは無縁に、己の信ずる清い道を進まんとする新八の気勢が爽やかに描かれている。「日本人を見損なっちゃいけねえな、藤堂さん??徳川にしろ薩長にしろ、互いに喧嘩はしていても、外国に色眼をつかいすぎて、ドジをふむようなまねはしないよ」。

    0
    2018年01月08日
  • 西郷隆盛 新装版

    Posted by ブクログ

    西郷どんは実際に魅力的な人物だったのだろうと感じさせる筆致。明治維新を西郷の視点で見る小説だ。あまりにスムースに政権交代が行われたかに外国には見えた維新だが、内実は維新の原動力となった薩長土肥の有力者同士の反目、各藩・士族の不満に政府は傾注せざるを得なかった状況がよく判る。政治経済について旧幕府に代わって近代化を推し進めたい明治政府の役人、今でいう国会議員、国家公務員の命懸けの働きが伝わってくる。それにしても西南戦争で西郷を失った重大さが惜しまれる。

    0
    2017年12月22日