【感想・ネタバレ】黒幕のレビュー

あらすじ

徳川家康のめぐらす謀りごとを実現すべく働き抜いた山口新五郎は、江戸開府後、六十歳を過ぎて初めて女体に接した。そして二度も十代の嫁を娶ることになる、この男の生涯を描いた「黒幕」。夫の仇と襲った相手が従容として、己れの左腕を斬り落とさせる姿に心を打たれ、その男の妻となる戦国の女を描いた「猛婦」。他に「勘兵衛奉公記」「槍の大蔵」など、初収録4編を含む11編を収録。

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Posted by ブクログ

短編集、11編ある。戦国時代のものから、幕末期まで多岐にわたっているが、それぞれが読み応えあり、まさに池波小説らしい。
池波小説に登場するのは、悪役であっても、どこか物哀しく、人間味がある。
人の一生には、思いもかけぬものが待ち受けているものとし、人生のさまざまな経緯にもまれていく様が、人間愛に基づき暖かく表現されている。
作品に入り込んでいく事で、生きる力を与えてもらっているような気さえします。素晴らしい。

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2022年11月03日

Posted by ブクログ

軽い命と重い命があるようだ。
昔も今も。
本物の夫婦とはどういうものか、なんとなくわかったような。
おもしろい本だった。

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2019年02月21日

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どれも存分に楽しめました。山中鹿之介、福島正則のような有名な武将の話から名も知らなかった者の話までバリエーションに富んでいて良かったです!印象に残っているのは、福島正則を主人公にした『霧の女』と、『黒幕』の山口直友。ググると確かに山口直友って武将が、活躍していたことがわかりました!そして最後の『開化散髪どころ』は、この作家にしては珍しく明治初期の話。これも味のある作品でした。

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2024年08月17日

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敵討ちの相手の男とくっついてしまった女性を書いた「猛婦」を池波氏のエッセイで知って読みたくて手に取りました。戦国の世だから男も女も血が燃えているから、思いがけない結び付きが生まれる、とは氏のエッセイの言ですが、面白かったです。

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2022年04月15日

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昭和36年から41年までの間に小説雑誌の御三家といわれた「小説新潮」「オール読物」「小説現代」等に発表された作品が11編収録されている。なかでも、「猛婦」「槍の大蔵」「命の城」「獅子の眠り」は池波さんの得意な真田物。その他も池波さんらしく男と女の描き方が卓越!

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2014年06月23日

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戦国の世を中心とした短編11の作品。女性でありながら戦乱の世で毅然と生き抜く逞しさや強さに感動する「猛婦」、「夫婦の城」が良かった。また、時代背景が違う「開花散髪どころ」では幕末の志士たちの不思議な運命や実直さを感じる。

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2013年03月01日

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山中鹿之介 渡辺勘兵衛 福島正則 真田昌幸 真田信幸等 戦国の世と後世とに生き様示す短篇集。池波作品代表格の一である『鬼平犯科帳』が “勧善懲悪” でないのと同様 戦乱の世に 必ずしも勝敗ではなく自己貫徹を第一義とする 氏の人生観が展開される。

個人的には此は継父の遺品で 彼の書架に見つけた時は意外な共通項をも発見したような心地になった。生前 戦国時代や池波作品に関して語り合ったことは殆ど無かったが だから唯一 「福島正則や加藤清正」のような猛将が好きだ と言っていたのは忘れられない。

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2012年05月17日

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なぜか美女が出てこない、美しい顔は男ばかりである。 さんはよく、女は化け物、扱いをするけれど、男の方が社会的害悪が大きいなぁと読みながら思った。最後の「開化-」が生気があってしぶとくたくましく面白かった。

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2011年09月11日

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戦国期から江戸へかけての短編集。ここから「英雄にっぽん」「戦国幻想曲」「真田太平記」など、長篇小説につながる短編もあります。夫婦愛をテーマにした短編が多く、どれも粒ぞろいだが、特にお勧めは毛利勝永が主人公の「紅炎」だ。

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2009年10月04日

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 戦国の世、幕末から新時代にかけて、それぞれの時代に生きた人間模様、生き様を描く表題作含む11編収録の短編集。特に戦国から江戸初期にかけての話がほとんどを占めており、登場人物もそれぞれの作品中に多いので、時々「この人はどこの誰だっけ?」となってしまうが、読み応えは十分。
 それぞれの生きた時代に、どのように自分の在り方を見出すか、抗えない流れにあえて抗ってみるのか、それともその時代の流れに沿った生き方を選ぶのか、そういった流れへの対応も種々様々で面白いと感じる。
 こういう現代に、あえて読んでみるのもいいと思う。

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2024年12月24日

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ネタバレ

<目次>


<内容>
池波作品を読むのは久しぶり。鬼平や剣客商売、梅安のように、架空のお話(鬼平自体は実在したけど)ではなく、実在の戦国から江戸期(一つだけ明治の開化期)を舞台に、実在の人物(ばかりではないが)のちょっとした部分を描き込んだ短編集。登場人物が人間味豊かなのが、池波節か?最初は久しぶりで、やや戸惑ったが、最後は心地よく読み終えた。

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2024年04月20日

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初めて読んだ。
云わずと知れた時代小説の大家が著した数多くの短編小説。その中から、女性の活躍や夫婦の絆をテーマに編まれた珍しいアンソロジーの一冊。
これまで長編ばかリ読んで来た著者の短編を読むのも今回が初めてではないか。そのくらい、ある意味新鮮な気持ちでリズム良く読み進めたのも良かった。
重厚な長編も良いが、この紙数の短編にも実に読み応えがあることに感銘を受ける。中にはNHKの大河ドラマでおなじみの主人公も数多く登場し、読みながら、その映像とシンクロしながら味わえたのも思わぬ一興だった。
他にも同著者の短編集を手に取ることがあれば、また是非読んでみたい。

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2023年05月28日

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「家は人が生まれ、人が育つところ、これ一個の国。」

これは、大阪の陣で活躍した毛利勝永(かつなが)を主人公にした「紅炎」からの一節。
勝永は真田幸村と共に徳川家康を、後一歩まで追い込んだ武将。
豊臣家に多大な恩を感じていた勝永は、秀頼公のために一命を捧げたいと思っていたが、自分が大坂に味方すれば、残った妻子が難儀すると一度は大坂入りに難色を示した。

しかし、妻より「君の御為の働くは家の名誉です。残る者が心配ならば、私達はこの島の波に沈み一命を絶ちましょう」と励まされ、大阪入りする。

近頃、躾のため置き去りにされた子供が行方不明になる事件があったが、家庭はしっかり運営する必要がありますね、

表題の「黒幕」の他「猛婦」「勘兵衛奉公記」「槍の大蔵」「紅炎」など11編が収録されている。

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2017年09月18日

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たいへん読みやすいです。
真田好きな方には定番の一冊です。個人的には、毛利勝永メイン(稀少!)の代表作『紅炎』がおすすめ。

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2010年06月10日

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真田話を読みたくなったら池波さんですね。さすが。個人的には「紅蓮」のシャープな感じの毛利勝永と小幡信定の話とか面白かった。池波さんは外れの心配なく安心して読める御仁なので重宝します。

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2010年05月22日

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