池波正太郎のレビュー一覧
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購入済み
読み応え有り。
鬼平は、永遠。厳しさも優しさも、バランス良く持ち合わせた人だと思います。どの話も全部好き。選べない。「瓶割り小僧」は、ドラマでも印象的な物語でした。ラストは、涙無くしては、読めません。
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すごく面白く読んだが、この本のどこが面白いのかを説明するのはとても難しい。
一言で言えば、筆者が好きな、あるいは好きだった料理屋について語るだけの本。時代は筆者の若い頃、戦前から、おそらく昭和50年代まで。場所は、都内各所・京都・大阪・横浜・名古屋・近江・パリ、などバラエティに富んではいるが、それでも書いていることは、料理屋のことである。
近江、八日市の「招福楼」という料亭についての文章を引用する。
【引用】
招福楼へ、はじめて入って昼食をしたためたのは、十三、四年前のことになるだろう。
そのときのうまさ、おどろきについては、あらためて書きのべないが、この店の主人・中村秀太良の、料理と接客に -
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『男色一本饂飩(なんしょくいっぽんうどん)』
なんか強烈な題名で始まった(笑)「鬼平犯科帳11」
今回ちょっと危ない目に合うのは、火付盗賊改方同心の木村忠吾、うさぎ饅頭に似ているのであだなは兎忠(うさちゅう)。
体力も胆力も足りなくお調子者でしょっちゅう女に引っかかりおっちょこちょいちょいだが、いざとなったら夢中で働き裏表なくて愛嬌もあるので、与力同心たちからも鬼平からも可愛がられている。
そのうさ忠が好物の「一本饂飩」を楽しんでいるところに強引に同席してきた巨漢で毛深い男。野太い声をみょ〜に柔らかな口調でうさ忠の耳元に囁きかけてくる。
店を出たところで、うさ忠は数人の男たちに拉致されて…。
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購入済み
鬼平犯科帳の全てが一冊にまとめられているので、次はどれだ?と迷うことなく読み進めることができる。作者の文体はリズム感に溢れていて、本の選択をしなくても良いので、暇があるときなど一気に読み進んでしまうが、大部な本なので読み応えじゅうぶんである。
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購入済み
痛快
時代小説が大好きで、ベットに入って寝る前にタブレットで読んでますが、池波正太郎さんの時代小説は時代の背景が明確で且つ主人公が圧倒的に強く痛快の一字です。以外性とハラハラドキドキと女が絡み寝る時間が過ぎても呼んでしまい睡眠時間が多少少なくなっているのが贅沢な悩みです。今後も読み続けたいです。梅安針供養では、襲われて怪我をした上に記憶を喪失した若者を助け、守り最終的に旗本の家に帰すことが出来たが、その為に母親と腹違いの兄を殺害する手立ては尋常では考えられないが、それが「家の安定」に結びつくと考えて、仕掛人としてお金で殺害する非情さが、何か正常化されるのがこの小説の神髄なのかも知れない。とにかく痛快
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Posted by ブクログ
『雨引の文五郎』
まるで名物のような盗人だった。雨引の文五郎は、昔は西尾の長兵衛親分の片腕だったが、長兵衛が死ぬと跡目を断りきっぱりと一人働きへ鞍替えした。そのおつとめ(盗み)の見事さは「隙間風」と呼ばれるくらいだ。
こんなに有名なのに誰も顔を知らない。その文五郎の人相書きを鬼平に送りつけてきたのは文五郎自身だった。こうして鬼平をからかう洒落っ気に鬼平は苦るしかなかった。
その文五郎に恨みを持つ落針の彦蔵という押し込み強盗がいた。鬼平はまとめて彼らを相手にすることにして…。
※※※芸達者で他の盗人から「お縄にさせるにはもったいない」と言われるようなひょうきんな顔立ちで筋の通った盗賊。鬼平も真剣