池波正太郎のレビュー一覧

  • 鬼平犯科帳<番外編> 乳房

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    ネタバレ

    すーっと一気に読める小説が読みたくて,手に取りました。ちょっと前に古本屋で手に入れていた,鬼平犯科帳の番外編です。とにかく面白いです。解説で常盤新平さんが「この小説を読んだら,『鬼平犯科帳』をはじめから再読する読者がきっと多いことだろうとだけ最後に申し上げておく。」と書かれてました。確かに,ふつふつとそんな気持が湧いてきます。でも,仕事に差し支えるんだよなぁ。困りました。

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    2014年01月20日
  • 食卓の情景

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    今では数多く出版されている池波正太郎氏の食に対するエッセイですが、昭和47、48年に週刊朝日に連載されたこの「食卓の情景」が氏の食を通じて人生、時代を語る嚆矢です。
    昭和の初期、戦前、戦中、そして戦後を池波氏の生活の中から、一文一文が光彩を放ち心に響く。
    この一冊は、時代を超越し何度も何度も読み返してしまう。

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    2014年01月05日
  • 食卓の情景

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    男の作法よりリファレンス。作法より情景な訳で、こちらの方が「折りの中で、まだ濡れ濡れしているねぇ」である。

    家族の料理、一人の嗜み、それから友との旅情。結局、人生って誰とテーブルを囲んだか、なんだよなーと念押しされる。

    何を食べたかでは無い、どう食べたかでもない、まして何処で何時食べたかでもない。なぜ美味かったかに尽きる。試みに「今日、義父が釣った鯛の刺身を食べた。」に池翁ジェネレーターを噛ませてみる。

    ー頬の渇きを感じながら帰宅すると、まず一声に義父の釣果を知らされる。加太の海を思い出せば、単調な暗い海に煌めく手応えを思い出さずには居られない。一日と置かずに卓に上がるこの鯛は、その香り

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    2013年12月04日
  • 鬼平犯科帳(五)

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    時代小説。鬼平シリーズ5。短編7作。

    「深川・千鳥橋」「乞食坊主」「女賊」「おしゃべり源八」「兇賊」「山吹屋お勝つ」「鈍牛」

    人は見かけによらぬもの。お縄になった盗賊のうち、これという者は密偵として使おうとするのが平蔵流だがこの巻もそれが多い。
    「鈍牛(のろうし)」が切ない。あと、女は恐ろしい。

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    2013年11月30日
  • 鬼平犯科帳(四)

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    時代小説。鬼平シリーズ4。短編8作。

    「霧の七郎」「五年目の客」「密通」「血闘」「あばたの新助」「おみね徳次郎」「敵」「夜鷹殺し」

    江戸に戻り再び火付け盗賊改方に任ぜられた平蔵。
    平蔵の長男・辰蔵や妻・久栄の伯父天野彦八郎など、平蔵の身内の者が関わる事件が多い。
    あと、平蔵を慕ってやまないおまさが登場。「血闘」以降、「夜鷹殺し」など密偵として働くことになる。

    連続して読まないと人物関係の把握が少し難しいが、適度な補足もあり次第に鬼平の世界へ引き込まれていく。

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    2013年11月30日
  • 剣客商売二 辻斬り

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    やばい〜。止まらない〜。
    面白すぎる〜。
    一気にシリーズを読んでしまいそう。
    読みたいような、もったいないような。

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    2013年11月29日
  • 剣客商売番外編 黒白(上)

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    若き日の秋山小兵衛を描く長編。しかしこの物語の本当の主人公は、小兵衛に真剣勝負を申し込んだ剣客、波切八郎と言える。転変してゆく運命の中で、人には変わってゆく部分と変わらない部分がある。他にも魅力的な登場人物が多い。

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    2014年02月18日
  • 鬼平犯科帳(七)

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    ネタバレ

    やっぱり引き込まれてしまうなぁ。読みだしたらとまらない面白さ。
    平蔵の魅力もさることながら、脇役陣に活躍の場が与えられているのも、このシリーズの良さ。特に平蔵の男気に惚れ込んですすんで密偵をやる元盗賊の面々。彼らの元仲間を思う気持ちと平蔵への忠義の間で揺れ動く葛藤が人間くさくて好きです^^ そんなお話の「掻掘のおけい」や元盗賊とは知らずに盗みに入り逆に、となった「はさみ撃ち」など、この巻もとても面白かったです。

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    2013年11月07日
  • 剣客商売四 天魔

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    剣客商売シリーズ第4弾。 収録されているのは、雷神、箱根細工、夫婦浪人、天魔、約束金二十両、鰻坊主、突発、老僧狂乱、の8篇。

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    2014年11月09日
  • 剣客商売三 陽炎の男

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    収録されているのは、東海道・見付宿、赤い富士、陽炎の男、嘘の皮、兎と熊、婚礼の夜、深川十万坪、の7篇。

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    2014年02月18日
  • 剣客商売二 辻斬り

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    収録されているのは、鬼熊酒屋、辻斬り、老虎、悪い虫、三冬の乳房、妖怪・小雨坊、不二楼・蘭の間、の7編。

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    2014年02月18日
  • 雲霧仁左衛門(後)

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    尾張名古屋で盗めを成功させ再び江戸へ戻り暗躍を始める雲霧一味。
    それに対抗し雲霧一味の探索に心血を注ぐ火付盗賊改方・安部式部とその部下達。池波氏の代表作「鬼平犯科帳」の長谷川平蔵よりおよそ半世紀前の長官安倍式部、雲霧仁左衛門は最後の盗めばたらきを成し遂げられるのか?最後の戦いは読む人間を吸い込んでいく。

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    2013年10月18日
  • 雲霧仁左衛門(前)

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    神出鬼没で変幻自在の怪盗・雲霧仁左衛門。
    江戸市中で一人の殺傷もなく1万両を盗み取り、無益な殺傷はせずに大仕事を成し遂げる。次には名古屋の大店・松屋吉兵衛がターゲットに・・・。
    池波氏の大作「鬼平犯科帳」とは正反対の「悪党」の大活劇、池波作品の中の最大のピカレスク小説。
    我々男どもには「七化けお千代」の色香と怪しい魅力がたまりません。
    ただ今、NHK-BSで中井貴一仁左衛門が登場していますよ。

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    2013年10月16日
  • 池波正太郎の銀座日記[全]

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    川口松太郎さんから「・・・・・銀座日記をよむと、少し食べすぎ、のみすぎ、見すぎ(映画)という気がする。とにかく大切に・・・・・」と言われたという。
    銀座日記を読んでいると、本当に池波さんは映画を見ることと美味しいものを食するのが好きなんだなぁと感心する。
    そんな池波さんも平成2年5月3日午前3時逝去なされる。享年67歳。
    まだまだ、書いてもらいたかった。
    池波さんは「死」について作品の中でいろいろ書いている。
    「人間は生まれた瞬間から、死に向かって歩み始める。死ぬために、生きはじめる。そして、生きるために食べなくてはならない。何んという矛盾だろう。」

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    2013年10月09日
  • 鬼平犯科帳(五)

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    ネタバレ

    今回も平蔵の魅力満載(笑) 『深川・千鳥橋』の万三や『女賊』の小兵衛への、平蔵の計らいがいい! 清濁併せ呑む平蔵の男気を沢山感じることが出来て、爽快な巻でした。

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    2013年09月22日
  • 食卓の情景

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    いろんな作家のエッセイを読む中で、
    意外と気に入っているのが歴史作家物。
    そこに描かれている場所や時代に、
    幅と深みがあるのが興味深い。
    たとえば司馬遼太郎さんのエッセイは、
    ときに時間をぐんと遡るかと思えば、
    ときに取材で訪れた世界各国のことを記したり、
    読んでいて様々な情景が浮かんできます。

    池波正太郎さんの「食卓の情景」は、
    まさにそんな古今東西の食について
    多彩な視点で描かれたエッセイ。
    昭和48年創刊のこの古い一冊を
    今さらながら読んだのは、
    たまたま知人の事務所の本棚にあったから。
    食にまつわる仕事をしている人だけに、
    そこに並んでいる本は食が中心。
    個人的な興味にストライクな書

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    2013年09月20日
  • 鬼平犯科帳(四)

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    この前、多分初めて鬼平をテレビで観ました。今だから、じっくり観ることが出来るのかもしれません。若い時は黒か白かどちらかはっきりしていないと許せない気持ちでしたが、今は灰色もありだと思っているし、むしろ灰色のことの方が多いということも分かっています。だから、鬼平いいです、とても。
    悪いことをした人にも救いがあるというか、罪を犯したことは悪いけれども、それを裁くことが良いとは限らないという柔軟な始末のつけ方がかっこいい!平蔵の周りの人間も、そんな平蔵だから慕っているというのを強く感じた巻でした。

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    2013年09月19日
  • 鬼平犯科帳(三)

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    ネタバレ

    平蔵の男気に感服♪ 懐の深さというか人間味溢れる采配にほっこりします。
    この巻は平蔵の京都・奈良への旅での話ですが、休暇のつもりが事件に巻き込まれてしまう(事件を引き寄せてしまう)あたり、因果というか目が利きすぎるというか…(笑) 終盤に平蔵が左馬之助のことで忠吾を諭すところが好きです。

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    2013年09月18日
  • 鬼平犯科帳(六)

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    この巻も良かったです。どの話も平蔵らしいおさめ方で、安心して読めました。特に『大川の隠居』等で、平蔵のお茶目な面も見られて楽しかったです。

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    2013年09月16日
  • 鬼平犯科帳(二)

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    ネタバレ

    最近、後味の良くない話を続けて読んだので、「癒されたいー」と無性に思いました。鬼平、読んで正解でした。罪を犯してしまう弱さ、女に溺れる弱さなど、人間には脆い部分もあるけれど、立ち直れるしなやかさ柔軟さをもっていると気付かされる展開が好きです。悲しい結末の話もありますが、平蔵の男気に安心します。

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    2013年09月16日