池波正太郎のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
流石は池波正太郎先生!!!
と言っても過言ではない新選組の話。
主人公として、永倉新八を取り上げてるのも
また面白いなと。
近藤勇、土方歳三、沖田総司、藤堂平助などなど
新選組といえば〜な人々ももちろん出てくるのだけども
ここは敢えての永倉新八。
知らなかった生涯を淡々と。
江戸での若かりし日々、京都での生活、そしてまた江戸
最後は蝦夷へ。
それでも最後まで剣を捨てない男。
いろんな場所へ転々としながらも、もっと強く!という葛藤や
色恋沙汰もあり、明治維新までどう生きたのか?何を思ったりしたのか?を
代弁しているような。
終わり方も爽やかすぎて、なんとも言えない爽快感。 -
Posted by ブクログ
「真田太平記」を読んだことがある人には、かなり面白い本だと思います。
読んだことが無い人にとってどうなのかは、ちょっと判んないです(笑)。
ただ、発表順は、全然逆なんですね。この本に入っているのは、
「真田騒動~恩田木工~」(発表1956) ※これで、「時代小説を書くぞ」という方針が決まったそうです。
「信濃大名記」(発表1957)
「碁盤の首」(発表1958)
「錯乱」(発表1960) ※直木賞をこれで受賞されたそうです。
「この父その子」(発表1970)
の、5編。
そして、池波正太郎さんの年譜で言うと、
「鬼平犯科帳」1967~
「剣客商売」1972~
「仕掛人梅安」1972~
「真田太平記」1974~
と、なっています。だから、「真田太平記を書いた余波で書いた短編」では、全然ないんですね。
池波正太郎さんの、オンリーワンと言って良い持ち味が良く出ていますね。
悪事に落ちる悪者の、業の凄味…怖さ…人間的な味わいにまで思えてしまう…。
悪事と欲と怖れに満ちた浮世の中で、思いを曲げない男女の佇まい…。
人間臭さ…清濁併せたぬくもり…。どこか俯瞰なもののあわれ…。と、でも言いましょうか。
簡単に内容の備忘録を。
「真田騒動~恩田木工~」
武骨な年代記のような形で、「江戸時代。暗愚な殿様、逆臣のせいで混乱する大名。地味に建て直しに粉骨する主人公」というお話。
暗黒時代のストレス感、主人公がヒーローではない生身な生活感。
乱れ落ちる大名家の様子がリアルで、かなり面白い。
悪に傾き、落ちていく人間像を体温ごと描くような持ち味は、池波節が初期からキラキラしていたことが判ります。
「信濃大名記」
大阪冬の陣と夏の陣の間に、真田幸村と真田信幸の兄弟が、お忍びで会った。久闊を叙した。
そしてその後の歳月を、信幸の視点で描く。
豊臣滅亡、天下泰平の後で。忽然と信幸が、父昌幸と弟幸村と同じく、戦場と抵抗への欲求に駆られる、その不条理な心情が実に生で面白い。
ただ、歴史的な予備知識がないと、手触りが楽しめない掌編だと思います。
「碁盤の首」
良く出来たオハナシ。
信幸在世時代の真田家を舞台に、悪者の家臣を成敗するまでの気の利いた短編。
強姦で捕まえた人格破綻者の家臣。脱走して幕府に讒言。
お家安泰のために成敗したい。
名君・信幸の策は。悪者の碁仇だった家臣に、悪者をおびき寄せさせるために…。
「錯乱」
これまた、時代小説なんだけど、良く出来た大人のミステリー小説、と言って良い。
事件は、真田家の後継ぎ騒動。君主が病死。幼年の子供か、悪者な弟か。
進む悪者側の陰謀。追い詰めれらる子ども側。悪者側の糸を引く徳川幕府。
真田家の中に潜む、「実は幕府のスパイ」という家臣。
その家臣の人間的な、スパイとしてのストレスと苦悩。この辺はグレアム・グリーン顔負けの人間ドラマ。
名探偵は、90代の!隠居の信幸。(ほんとに長生きだったんですね。すごいですね)。
敗色濃厚、絶体絶命の真田家を、どう救うのか。
これは確かに、絶品の中編。
名探偵の老人・信幸の人間像と、プレッシャーの中でもがくスパイの心情が、どっきどき。
「スパイ中心の悪漢小説、信幸が鬼平だ」と、考えたら、素晴らしい鬼平モノだ、とも言えますね。
「この父その子」
これは、淡い味わいの心情ドラマ。
信幸死後の真田家。
貧乏な家の為、倹約に努める質素な若殿(と、言っても、もう中年)が覚えた、初めての恋、情事。
道ならず生まれたその男子の数奇な運命。
人の弱さ、狡さ、疑い。その中で芯を貫く泥中の蓮。ままならない浮世のあわれさ。人の体臭が匂うような温かさ。
でも、残酷とか悲惨とか、というところまで落ち込まない、独特の湿度というか。
肩の力の抜けた、物書きとしての熟度を感じる掌編。 -
Posted by ブクログ
13の短編が。
オンナのすごさを 痛感させる。
池波正太郎は やはり、オンナのキレがいい。
蕎麦切おその
そばしか食べることができない おその。
おそのの そばで 店が繁盛するが、
店の旦那と つきあったと勘違いされて。
おそのは,いいわけもしなかった。
烈女切腹
りつは 評判の悪い 側用人 渡辺茂太夫とその息子を 切り捨てた。
それは、父親の仇だけでなく、ある想いがあった。
御家の大事と保身に走るサムライを尻目に 道を通す。
おせん
おせんは 弥四郎というオトコとつきあったことがある。
弥四郎の妻は おせんのお陰で 生活ができなくなったと
弥四郎の母親を おせんにおしつけるのである。
おせんは 最初は いやがったが
弥四郎の母親に興味を抱くのだった。
力婦伝
さつは 人並みはずれた 力を持っていた。
それで、嫁に行く先もないが、武家奉公することになった。
道女はいじめられてばかりいたが、さつは それをかばった。
御菓子所・壺屋火事
惣次郎は 気だてのいいオトコでよく働く。
そんな惣次郎に対して 冗談を言うやつがいたのだが
それを真に受けた 旦那がいた。
そのことで、牢屋に送られるのだった。
それを慕う お伝は。
女の血
八千代は 貧乏な食い扶持の金之助と結婚できたが、
横恋慕した弥十郎に 金之助が殺されてしまう。
八千代は 女だてらに 仇をとろうとする。
それで,道場に 剣術を習いにいくが。
その道場主に手込めにされる。
三河屋お長
不作の生大根と言われた お長は そのことが気にかかっていた。
あいびき
お徳はものたらない生活に、はけ口をもとめた。
それを 文吉にみつかって、25両を要求された。
お千代
大工職人松五郎は、お千代という猫をかっていた。
嫁なんかいらないと思っていたが 棟梁から結婚しろと勧められる。
梅屋のおしげ
おしげは 顔一面のあばたができていた。
そのことで、辛い想いをしたが お姉さんが励ましてくれていたのだが。
平松屋おみつ
おみつは キセル職人の父親と暮らしていたが、
父親が 斬殺された。
そして奉公にでて おりんと言うしつけの厳しいおかみさんに
教育を受けて、りっぱに 成長する。
おきぬとお道
オンナは 顔だけで判断してはいけないのだ。
狐の嫁入り
枕元に キツネがでて,結婚ができないので
おいておくれと懇願された弥次郎は、承知したが。
いずれにしても オンナが 生き生きとしているのだ。