池波正太郎のレビュー一覧
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収録された話は、
「雨乞い庄右衛門」、「隠居金七百両」、「はさみ撃ち」、
「掻掘のおけい」、「泥鰌の和助始末」、「寒月六間堀」、
「盗賊婚礼」の七篇。
真っ当な(?)盗賊であっても、その引き際は難しい。
組織の維持というのも難しい。優秀な「右腕」がいるのはいいことだけれど、それが大きな野望を抱いていると怖いことに。
本巻も様々な盗賊の人間模様が見られる。
気になったのは、巻末の「解説」。いらないと思う。
解説を請け負った人は、それがずーっと残るということをよくよく考えて書いてほしい。何刷目であろうと、残るわけだから。
冒頭で「池波さんの文章は映画的である」と述べながら、結局その話ができずに終わ -
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今回収録されている話は、
「礼金二百両」、「猫じゃらしの女」、「剣客」、「狐火」、
「大川の隠居」、「盗賊人相書」、「のっそり医者」の七篇。
「礼金二百両」は、話の冒頭で火盗改メの運営資金捻出について触れられている。仕事内容に反比例するような予算額のため、長官に就任した者の私財を売らないと十全な捜査ができないというのは、誠に大変な話。「寛政の改革」の時期にあたり、倹約が尊ばれたのだから、さらに困難といえる。
「剣客」は同心沢田の剣の強さを実感できる話。お気に入りのキャラになった。酒井祐助もいいけど、沢田小平次の出番もこれからさらに増えるといいなぁ。
「のっそり医者」は敵討ちに関係する話だが、1 -
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ネタバレ過日、書生だった佐藤隆介さんが亡き師を思い、味を再確認するエッセイを書かれた本を読んだ。
これは、池波正太郎氏がエッセイを書き、まとめたものです。
第一部 味の歳時記
タイトル通り、一月から十二月までの、旬のものを扱ってまとめたもの。読みながら、その料理を思い描き、口中に唾が出る。
第二部 江戸の味、東京の粋
食を通しての書く著名人との対談をまとめたもの。
作家の山口瞳氏との対談は、考えさせられるものがある。122ページの、池波氏の言葉が忘れられない。
第三部 パリで見つけた江戸の味
パリへ取材を兼ねた旅行でのあれこれ。同行者や、パリ在住の日本人写真家とのやりとりが楽しい。中でも、写真家 -
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時代小説。「剣客商売」シリーズ番外編。上下2巻。
小兵衛の若かりし頃(32歳~)、剣客・波切八郎との出会いとそれぞれの過ごした日々が描かれている。
波切八郎は岡本弥助、伊之吉と暗殺を繰り返す。
波切家の元老僕、市蔵は新しい小兵衛の道場に引き取られたが、八郎とお信の元へ向かう。
一方小兵衛は、ある大名の血を引いた少年、高松小三郎の指南することになり、八郎と思わぬ再会をする・・。
小兵衛の若いときのエピソードというよりは、波切八郎の生き様の方が鮮明に描かれている。
下巻に入ると人間関係が分かりやすくなり、引き込まれる。
上巻で諦めずに下巻まで読んでよかったです。 -
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時代小説。「剣客商売」シリーズ第16弾。長編。
「浮沈」
シリーズ最終巻。小兵衛は66歳となった。事件が終わるのは67歳である。
四谷時代の門人、滝久蔵と蕎麦屋で出会う。久蔵は父の敵を討ち、その助太刀をしたのが小兵衛である。
しかし久蔵は小兵衛の姿を見てもそれと気づかない。
一方、そのとき小兵衛が討った山崎勘介の息子、勘之介とばったり出会う。
その勘之介が夜の闇討ちに遭い、小兵衛らに助けられるが重傷を負う。
久蔵は金貸しの平松多四郎からの借金をなかなか返さず、ついに死に陥れるのだ・・。
勘之介も多四郎の息子の伊太郎も、敵討ちはせぬという。
新しい時代の幕開けで、武士の時代の幕引きと言え -
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時代小説。「剣客商売」シリーズ第15弾。短編1作と長編。
「おたま」 かしこい猫がいたものだ。
この剣客シリーズで何作か猫の話があるのだが、小兵衛やおはるが猫好きなのかどうか食い違うような気もする。
「二十番斬り」
昔の弟子、井関助太郎が小兵衛宅へ逃げ込んでくる。連れていたのは豊松という小さな男の子。二人を追ってくる者たちからかくまうが、助太郎は仔細を言わない。
一方、三冬の父、意次は時代の流れにて窮地に立たされる・・。
冒頭で「やっと老人の体になったしるし」の眩暈に襲われた小兵衛。
シリーズはこの巻で終わりのよう。
この後の小兵衛や大治郎たちはどう生きたのだろう。分からないけれど想像