【感想・ネタバレ】真田太平記(五)秀頼誕生のレビュー

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秀吉がついに死に、豊臣政権が大きく揺らぐ、政治的には激動の巻。
真田一族の活躍はさほどでもない。
家康直参、本多忠勝の娘を妻とした兄・信幸と、石田三成の無二の友、大谷吉継の娘を妻に迎えた弟・幸村。
兄弟の絆に変わりはないが、力を増す家康とそれを危険視する三成の政治的な対立は、後の流れを暗示する。

お江、又五郎、佐助ら草の者の活躍が歴史と並行して描かれるのが、真田太平記の見どころ。
三成の危機に真田の草の者が密書を運ぶ!という展開にはニヤリとさせられる。

歴史ものとしてのリアリティ、人間ドラマ、忍者も含めた戦国エンタメのバランスがいいのが、池波正太郎作品の特質か。
真田一族や草の者たちはもちろんのこと、佐平次、右近、角兵衛といった個性的なキャラクターたちが、今後どのように歴史の荒波を生きていくのか。
先が気になる第五巻である。

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2023年12月21日

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天下人秀吉が死に、徳川家康がしたたかに己が野望へと踏み出す。この巻を読んでいていちばん感じたのは、時に、物語の進行を止めてでも叙述する、社会や政治、人間存在への透徹した洞察のすごさ。真の作家のなんと博識で慧眼なことか! 震える。

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2022年07月14日

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中央政権では秀頼誕生から秀吉・利家の死まで、真田家としては右近の帰還・佐助の成長など、てんこ盛りの回。
秀吉の死はアッサリ描かれていて少し拍子抜けだったが。
いよいよ真田家は時代の大きなうねりに飲み込まれて行くのか、次回も気になるところ。

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2022年05月11日

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5巻秀頼誕生
豊臣家に生まれる命と、失われる命。

昌幸は秀吉がお気に入りです。
秀吉の息子の鶴丸君が生まれますが、幼くして亡くなります。
昌幸は「惚れた男の天下は短い」と嘆き、豊臣の天下を諦め、今後は徳川に着くと真田家の意思が一致します。
秀吉の朝鮮出兵は泥沼化。
その数年後にまたしても男児、のちの秀頼が生まれます。
昌幸の秀吉贔屓心がまた首をもたげます。

しかし豊臣家を支えてきた秀吉の弟秀長、秀吉の母なか、秀吉の甥秀勝、秀保が亡くなります。
そして秀吉の跡継ぎとされていた関白秀次の自害。
秀吉はただただ秀頼の行く末に心を痛めますが…豊臣家は内部から崩れかけています。

そして秀吉も衰えて生涯を終えます。
 「五人の大老たちよ
 秀頼のことを、くれぐれも、たのみまいらせる。たのむ、たのむ。
 自分は間もなく死ぬるが、まことに、名残おしいことじゃ。
 秀頼が大きくなり、立派に豊臣家のあるじとなるよう、たのみまいらせる。
 このほかには、おもい残すことはない。

 八月五日

 秀吉

 いへやす(※家康)
 ちくぜん(※前田利家)
 てるもと(※毛利輝元)
 かげかつ(※上杉景勝)
 ひでいへ(※宇喜多秀家)

 まいる」

この遺言は亡くなる直前に残したもので、
有名な辞世の句の
 「つゆと落ちつゆと消えにしわが身かな なにはの事もゆめの又ゆめ」
は死の数か月前の醍醐の花見のあとに詠んだものとしています。
天下人に登りつめた秀吉が辿り着いた達観の境地としてこの辞世の句は秀吉の評価を高めていると思うのですが、
私にはどうも秀吉の最晩年の未練と怯えの様子とこの達観さが一致せず…。
事前に作っておいたとしてもやはり最晩年の様相と、この辞世の句がイマイチ一致しない。。
ある作家の考察で「祐筆の代筆だろう。秀吉はこのような句を詠める心境ではなかった」と書いていたけれどそっちの方がわかる。

さて。
この時昌幸53歳、信幸34歳、幸村33歳、向井佐平次36歳。
壺谷又五郎は50歳くらいでお江さんは41歳くらいかな。徳川からの嫁を迎えた信幸と、秀吉贔屓の昌幸の関係はそっけなくなっています。

信幸の家臣として重要な人物として鈴木右近がいます。秀吉による小田原攻めの発端となった名胡桃城城主鈴木主水の息子です。名胡桃城が真田に戻ってからは城主に推挙されますが、右近は信幸の部下となることを望みます。
鈴木右近と信幸はこの先長い長い長い主従関係を築いていきます。

そして昌幸父子のアドバイザー的存在、昌幸の叔父の矢沢頼綱が亡くなります。
年と共にさらに頑強に皮肉になって行く頼綱は病床で
「これよりは重苦しゅう思案なさるまい。真田の家ひとつ、天下にあってもなくとも、どうでもよいと、いまこそ、それがしは分かり申した」と嘯きます。
秀吉が自分の息子による天下体制をただただ憂いてこの世に無念を残した無残な心情とは対照的となります。

しかし読者としては、たしかに「あってもなくても歴史は大きく変わらない」人物が動かした歴史というのはかなり面白いのですけれどね。

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2017年04月09日

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ネタバレ

秀吉の朝鮮出兵がグズグズな感じ。。
そんな中、秀吉とキーマン前田利家の寿命

そして
秀吉の側室、淀君の懐妊と出産。
一方、真田家では
佐助や角兵衛、鈴木右近がいい感じです。
あと本家・分家との関係が微妙になってきます…
だいぶハラハラドキドキ。

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2013年03月20日

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ネタバレ

子供の頃、児童文学で真田幸村を読み、子供ながら真田十勇士の活躍に胸躍った記憶がよみがえりました。
私の中での歴史小説ベスト5に入ります。
大好きな作品です。

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2012年03月28日

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(全巻合わせての感想)
私の読書人生で、一番読んでいる時が幸せだった本。
狂ったように食べるのも寝るのも惜しんで、次へ次へと読み進み、あっという間に全巻読み終わってしまった。

何がとかじゃなく、ただただ読むのが楽しく幸せで読書の醍醐味を身にしみて体験させてくれた作品。

乗り物に弱い私がバスの中で読んでも唯一酔わなかった本で、後にも先にもその様な本には出会ったことが無い。

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2012年02月08日

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・秀吉、利家の死。何か感慨深い。
・『あの時もしこうしていれば歴史かわってたんじゃ…』とかいう詮無い推測が楽しい。
・清正かっこいいよ清正

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2009年11月21日

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21歳のときに読んだ本。
時代物をきちんと読んだのはこれが初めてでしたが、サラサラと読めたので、
女の人にもおすすめです。

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2009年10月04日

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前田利家の最後が、とても勿体なくそして夫婦のやり取りに少しくすっとできたました。確かにあと5年あれば何かが違ったかもしれない。でもそれは変えられない事なので。秀頼誕生で今が変わったのかもしれないし、結果は大きく変わらなかった気もするし。でも、当時の人達の命運は相当大きく変わったであろう、と思うので一人の命の重みを感じた読後でした。続きも楽しみ。

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2024年01月08日

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秀頼が誕生し、秀吉が没する。
朝鮮出兵を端に発した加藤清正等武断派と石田三成等文治派の対立が深まるり、三成は家康に助けを求めた結果佐和山で蟄居することになった。

晩年の秀吉が哀れ。
どのように権勢を得ていても老いるという事は哀しく酷い。

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2023年11月26日

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人が1人死ぬだけで、状況が一変してしまうような過酷な時代を生きる戦国大名たちの生き様に、とても心撃たれました。

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2020年08月14日

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豊臣秀吉亡き後、真田家が取る道とは。
豊臣秀頼か。
徳川家康か。
ここで、真田家の運命が決まってしまうのか。
巻を追うごとに、面白さが増していく。
次巻も期待大。

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2020年02月25日

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秀頼誕生から関ヶ原前夜までというところ。

話が急展開している感があるが、実際、秀吉の死から2年後に関ヶ原が起きていることから、それを反映しているともいえるだろう。

豊臣政権に大きな影響を与えたであろう秀次事件も出てくるが、当事者視点ではなく真田の忍び同士の会話に語らせている。真田がこの事件の当事者でないことは事実なので、それを強調するために、大事件であるにも関わらず忍びの会話を通じて語らせた池波の描写は見事だと思う。

秀吉が加藤清正へ謹慎を命じた一連のくだりは、情報を鵜呑みにしてはいけないという著者のメッセージでもあろう。情報過多の現在では一層顕著である。

有力政治家の死が政局に大きく影響するのはいつの世も同じであるということも本巻から思った。

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2020年01月03日

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2017.2.21
秀頼が生まれ、権力闘争が落ち着くかに見えたが、秀吉が死に、各武士の思惑が動き出す。
家康の動きは面白い。前田利家が牽制役になるが、利家も死ぬ。
朝鮮出兵からのしこりが、反三成派作る一方、三成は反家康の旗幟を鮮明にする。

そんな二人だが、利家が死んだ後の、三成の前田邸からの脱出劇は面白い。肝が座っている。虎穴に入らずんば虎子を得ずか。

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2017年02月22日

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秀吉歿後をにらんで武将たちが動き始めるが、そんな時秀吉側室の淀の方が懐妊し秀頼が誕生する。そして世継ぎの秀頼の将来を案じながら秀吉が63歳の生涯を閉じる。
天下の行方は混沌に・・・。真田家では秀吉の世継ぎに命運を賭ける昌幸と徳川から嫁をもらった長男・信幸との関係が。

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2015年12月16日

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秀吉が亡くなり、周りが揉めだして後半は真田家はあまり出てこず、三成や家康の出番が多かったように思います。
個人的には佐助のこれからが楽しみ。

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2014年12月25日

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豊臣秀吉という覇者の死により時代が一気に動き始めます。
豊臣勢対徳川勢という大局的な流れの中で真田がどう生き残っていくのか…。
先が楽しみです。

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2012年03月23日

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何かと二項対立的な回だったな。
秀頼と秀次、猫田とお江、角と佐助、文治と武断。
まあ物語ってそういうものって言えばそうなんだけど、対立が目立つ印象だった

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2024年02月11日

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秀頼が生まれ秀吉が亡くなり家康が動き始める。

佐助が色々な意味で大人になる。
第一巻が佐平治だったことを考えると、
ちょうど折り返し地点ということか。

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2019年09月16日

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ネタバレ

秀頼誕生、お江回復して信濃へ、秀次切腹、慶長大地震、慶長の役、鈴木右近帰参、秀吉没、樋口角兵衛信幸の家臣に、向井佐助忍び仕事を開始、家康と前田利家会見、家康向島へ、前田利家没、石田三成失脚家康伏見城へ 角兵衛って信幸より幸村を好きになったんじゃなかったっけ?

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2018年04月09日

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秀吉の終末が近づき、世は秀吉後の動向を探って動き出す。
真田家、そして忍びの軍団も次を睨んで準備を始める。何となく昌幸と分家となった信幸の間が変わってくる。立場が人を変えるのはいつの時代も一緒だね。

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2016年10月23日

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豊臣秀頼誕生、秀吉、前田利家の死、石田光成の佐和山蟄居まで。向井佐助少年が成長していく。2016.1.9

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2016年01月09日

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何の利益も生み出さなかった朝鮮出兵と秀吉の死まで。
やっと国内の戦乱が終わったところなのに、朝鮮に出兵して明まで征服しようとは、完全に気がふれたとしか思えない。
それも7年もそんなことをやっていて、結局は秀吉さんの死で終焉したなんてねぇ…。
あれだけ女狂いでたくさんの女性を手にしていた秀吉さんが60歳近くなってから連続して同じ女性からだけ子どもが生まれるだなんておかしいし、いろんな意味で秀吉さんの晩年は狂っていたんだと思いました。
日本のトップなんて、ずっとこんなもんなのかな~。

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2015年03月07日

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ネタバレ

朝鮮出兵が失敗に終わる中,老いさらばえていく秀吉.幼子秀頼の運命は前田利家に託すのだが,秀吉を追うように利家も没する.替わって蛇のように勢力を伸ばして行く家康.一方,真田一族も長老頼綱がなくなり,父と息子二人も微妙に見据えているものが違っていくように思える5巻.

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2014年06月11日

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豊臣秀吉が亡くなる巻。

考えてみれば、織田、豊臣、徳川と権力が推移していくのは20年に満たない期間に起こったこと。

たくさんの人が、大きな流れに翻弄される姿が印象的。

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2014年02月09日

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ネタバレ

1~5巻まで読みました。長い!!まだまだつづく・・・。
全部読みたいのですが、いったんここで休憩とします。
時代は、戦国、今一番興味があるところなので、とてもおもしろいです。でも今まで歴史小説は、ほぼ司馬遼太郎を読んできていたから、池波正太郎に慣れるのに時間がかかったかな。細かいし、詳しいし、長い気がして・・・司馬遼太郎のほうが勢いよく読めます。
でも、真田一家のいろいろもおもいろいし、今後どうなっていくのかも気になるので、またしばらくしたら再開しようと思います。

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2014年02月02日

Posted by ブクログ

前巻が 息もつかないドキドキハラハラだっただけに
今巻は 平坦な感じでした。

が、これからの情勢で 真田家がどうなっていくかを
語る上で ここは 押さえておきたいところなんでしょう。

先の展開が 早く知りたくなります。

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2012年06月09日

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ネタバレ

石田三成がちょっとカッコイイです。猿飛佐助をモデルにしていると思われる、佐助がいよいよ表舞台に登場してきます。

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2012年02月06日

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真田の忍びの活躍が壮絶でそれでいて人というものを生々しく描き出している作品。
颯爽と往く真田幸村の姿はかっこよすぎる!!

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2009年10月04日

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