あらすじ
神出鬼没・変幻自在の怪盗・雲霧仁左衛門。政争渦巻く八代将軍・吉宗の治世、江戸市中で、一人の殺傷もなく一万両を盗み出すという離れ業を成し遂げた雲霧一味は、次の狙いを尾張・名古屋の豪商・松屋吉兵衛方に定める。雲霧の命により、七化けのお千代は、四年前に妻を亡くした吉兵衛に近づく。金蔵をめざして、江戸から名古屋へ盗賊一味の影が走り、火付盗賊改方の一団が追う。
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正統派の盗賊対熱心な火盗改め。
どちらかといえば火盗改め方に正義があるのはわかっていても、盗賊雲霧一派の成功を祈ってしまう。
真剣に仕事に取り組む姿は、善悪を超えてかっこいい。
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ドラマの方を先に見ちゃいましたが、原作、読みました。
独特のリズムと言いますか、あっという間に雲霧仁左衛門の世界に引き込まれてしまって一気に読んでしまいます。面白い。
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池波さんの本は、約30年前の学生時代に、ほぼ読破。ほとんど内容を覚えていないが、この本は、とても面白く夢中になって読んだことは、良く覚えています。
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神出鬼没で変幻自在の怪盗・雲霧仁左衛門。
江戸市中で一人の殺傷もなく1万両を盗み取り、無益な殺傷はせずに大仕事を成し遂げる。次には名古屋の大店・松屋吉兵衛がターゲットに・・・。
池波氏の大作「鬼平犯科帳」とは正反対の「悪党」の大活劇、池波作品の中の最大のピカレスク小説。
我々男どもには「七化けお千代」の色香と怪しい魅力がたまりません。
ただ今、NHK-BSで中井貴一仁左衛門が登場していますよ。
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天下に知れた大盗賊・雲霧仁左衛門一味と、火盗改め方との対決!
火盗改めの面々は、キャラ的には地味ながらも、ジワジワと雲霧一味を追い詰めていく。
雲霧方は、小頭の木鼠の吉五郎、七化けのお千代など、個性的な面々。
特に小頭が渋い!
おもしろいなぁ、そうやって狙うの?、そうやって連携取るの?、と雲霧流を楽しみました♪
そして最後はそうなるか(笑)!!
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仁左衛門もイキで時に冷徹で素敵だが、木鼠がいい味を出してた。
様々な組織が、それぞれの信念や思惑をもってぶつかり合って行く様は緊張感満載で楽しめました。
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八代将軍吉村の治世、江戸で、ひとりの殺傷もなく、大金を盗みだす雲霧仁左衛門。
火付盗賊改方の探索を逃れ、今度の舞台は名古屋の豪商松屋吉兵衛へ。
雲霧一味を追いかけて、火盗改方が名古屋へと迫ってくる。
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(上下巻、全編の感想です)
▼大盗賊・雲霧仁左衛門一味と、火付盗賊改方一党の、バチバチの対決です(火付け盗賊改は、鬼平ではない。鬼平より数十年以前の話)。これが大変に面白かった。正直に言うと、池波正太郎さんの代表作はほぼ読んできてるんですが、「これ第一位なのでは?」というくらいの徹夜本でした。ただ・・・・惜しむらくは。
▼描き方は、なんだかんだとありますが、雲霧仁左衛門という親分のことを非常にカッコよくスーパーに描いているんです。そして、前半戦の終わりでは、「おおっ、雲霧仁左衛門、絶体絶命?!」と思わせておいて、素敵な機転で大逆転。圧倒的勝利とは言えないまでも、「雲霧一党、判定勝ち」くらいのカタルシスなんです。
ところが、もう、圧倒的に面白かったのに、ラストが・・・。
▼ラストも、「雲霧仁左衛門、大ピンチ!これをどう切り抜ける!?」というところに追い詰めておいてですね。そのまんま、雲霧一党が大敗北、捕まって終わっちゃうんですよ。かろうじて偶然もあって、親分の仁左衛門だけは逃げ切った。けれども他は一網打尽。これぁもう、仁左衛門もグループとして再起するのに10年かかるんぢゃないか・・・という感じで。
▼正直、「えっ・・・・これで終わるの?!」という衝撃でした・・・。いまひとつ、楽しく留飲が下がらない・・・。うーん。
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雲霧仁左衛門率いる盗賊一派と、それを追う火付盗賊改方。
どちらも信念を持っていて、読んでいるとどっちも応援したくなる。
追い詰められたと思いきや、するりと逃げられ、またそれに肉薄して…と読んでいて面白い。
またテンポ良く進むため分厚いけれどするする読める。
後編が楽しみ!
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池波先生でいうところの正統派盗賊と主役然とした人はいないが正義に燃える火付盗賊改との戦いを描いている作品。
両サイドともに魅力的なので、勝者が誰か予測が難しく先が気になります!
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プレミアムドラマを観て原作が読みたくなりました。原作よりもいろんな人物が絡み合っていて面白いけど、
“一方、そのころ…”というような場面展開が多いのが気になりました。
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七化けお千代が、何とも言えないほどの
色っぽい雰囲気で、かかれているのが、すごいね。
表現の仕方が、並々ならぬものがある。
松屋吉兵衛のお千代への溺れ方の描写もいい。
雲霧仁左衛門の仕事が、4年も5年もかけて、
おこなうことが、すごいね。
それは、何よりも、人を殺めないというポリシーに、
もとづくもの。
得体のしれない雰囲気を醸し出している。
お千代が、心ときめかせるのも、無理はない。
それぞれの人物が、生き生きとしている。
木鼠の吉五郎 確かに、右腕的存在。
因果小僧六之助 若くて短い刃物の使いて。お千夜に惚れる。
ちょっと、てぬかりが・・・
三坪の伝次郎 イライラしている。
山猫の三次 金と女にに目がないことで、しくじる。
それにしても、構成の仕方が重層的で、
盗みへ集約していくのが、うますぎる。
火付盗賊改方が じわじわと迫る。
さて、後編 がどうなっていくのかですね。
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エンタメ感が強い内容で、漢臭さくない。上巻を読んだ限りでは、中心に据えた主人公が登場しないので少し薄味。尾張家の秘密と火盗改めと雲霧一味がどう絡むのか、後編に期待。
それはそうと、手元の上下巻のうち、下巻の方が近年に近い刷りのようで、本文の級数が少し大きい。文字が大きいことで、読みやすいようにも思えるが、紙面が文字で埋まり過ぎているように感じる。
級数を下げ、17行/頁ではなく20行/頁でいいのではないかと思った。
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作者は、鬼平犯科帳の池波正太郎氏。
鬼平が、火付盗賊改方の活躍を描いたのに対し、
こちらはその追われる側である盗賊側にスポットを当てた作品。
盗賊側にも火付側にも、そしてどちらにも属さない、
人物が大勢登場するが、誰一人似ている者はいない。
一人一人個性が強く、それぞれが抱えている都合があり、
信条があり、それらがぶつかり合って生み出す火花が熱い。
雲霧仁左衛門といい、盗賊一味は、
皆、悪者なのに魅力的だ。
人としての弱さを持ちつつも、
自分の稼業や生き様を誇りにして、
何かにつけて潔い。
前編が読み終わり、いよいよ後編。
火付盗賊改方は雲霧一味を捕らえる事が出来るのか。
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過去に何度か映像化されている池波小説。人を傷つけず、金を盗って雲霧のようにいなくなるので「雲霧仁左衛門」。色々な意味で「にくい」盗人の物語です。盗人というのは人の心を揺さぶるものなのか、時代劇になると作り込みがえらく半端なく思えるのは、私がルパン三世(しかも不二子ちゃん)が好きだからでしょうか。池波小説が元々さらりとした文章なので、映像にするとこういうことになるのだなあ……という味わいが、他よりも深いように感じられます。時代劇も併せて読むのがお勧めです。
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池波正太郎の描く江戸話は、あくまでも身の丈の世界、んでもってゴテゴテした装飾やら内面の描写やらを取っ払った、客観的な話の展開。短い言葉のやり取りが、下手な説明を付け加えていない分、すんなりと臨場感をかもし出してるし。
時代は江戸ながら、まさに現代に置き換えても通じるストーリーだと思う。逆に余計な科学捜査のウンチクやら犯人の心理描写がないので、さらに本質的なところに目が行くな。面白いよ、これ。
火付盗賊改メ側にせよ雲霧側にせよ、いずれも鉄の意志を持ってことにあたる姿勢は、文句なしにカッコいい。しかも登場する人々の中には「こいつは許せねぇ悪党だ」ってのが殆ど居ない。その辺が数百年前の話なのに、やけにリアル。
鬼平は読んでないけど、そのうち読んでみよ。
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前半だるくて読む気がせず後半からスリリングで取り憑かれたように読んでしまうというこのギャップはなんだろ。
まあとにかく古い。テレビドラマを意識したであろう説明の際に登場人物のものらしきセリフを多用するのがダサいし、ドラマが常に偶然から始まるのも昭和ですか?(そうだが)って感じだし、警察側の成果が泥棒側のミスからしか生まれないのも現代の様々な作品で作られた一種のプロフェッショナルである「怪盗」像からかけ離れていてかっこ悪い。
盗賊の首魁がもと武士という設定も、なんだよ結局権威主義かよサムライカッコイーかよって思っちゃう。
ただし後半読んでいくと魅力的な陰影が出てきて、衰えてゆく初老男と時代に呑まれつつある古い生き方と肥大してガバナンスが効かなくなった組織の落日の話なんだなーという、なんというか晩秋の寂しさが物語りの通奏低音であることに気付かされる。昔日の栄光はそこここで見え隠れするのだけど、緩んでしまった絆とかきちんとケアできなかった女とか、結局首魁がきちんとしてないから起きるミスなんだよね。
結末は爽快感のない陰惨なものになると予想。
Posted by ブクログ
これも、中井貴一でドラマ化されると云うので読んでみたが、前編を読んだ限りでは雲霧仁左衛門一味に魅力を全く感じないなあ・・・
誰が主人公なのかはっきりしない話。
後編は面白くなるか?