池波正太郎のレビュー一覧

  • 剣客商売九 待ち伏せ

    Posted by ブクログ

    表題作「待ち伏せ」にしても、「秘密」にしても殿様と呼ばれる者の所行が家臣に累を及ぼす切ない話だ。小平衛が歩けば事件に当たる「或る日の小平衛」は、本シリーズを通底する面白さがある。剣客として成長している大治郎が遭遇する悪者とも思えない相手と、行きがかり上真剣勝負をしなければならない流れとなるが、その相手が時に別の悪者に、時に病に斃れるというパターンが多いが、それでさえ読者は安心をし剣客商売を楽しめるのだなぁ。

    0
    2017年08月28日
  • 剣客商売十 春の嵐

    Posted by ブクログ

    十巻にして長編。それとは気付かずに読んだのは、本棚から出すやいなやブックカバーをかけてしまうので、表装裏のあらすじを読まないからだが、こんな展開も初読みならではで面白い。一章「除夜の客」から二章に移る時に、これは二話完結なのだなと軽く思ったものだが、物語は徳川宗家を巡る陰謀に、剣客商売フルキャストで大治郎の無実を晴らすべく立ち働く様は感動的だ。初登場・菓子屋の芳次郎が愉快なキャラなだけに、今後の活躍が期待される。

    0
    2017年08月28日
  • 剣客商売十一 勝負

    Posted by ブクログ

    「勝負」の大治郎の生真面目さが判る気がする。御前試合でわざと負けるというのは、何より剣客として相手に失礼だ。幸いなことに周りからの様々な働きかけで大治郎は力を発揮できなかった。これはこれで剣客としてどうかと思うが、この物語の良いところでもある。最終話「小判二十両」での『親と子というものはな、生み落し、生まれ出るということだけで成り立つものではないのじゃ。生んだ後、生まれた後の親子の暮らしあってこそ、親であり子であるのじゃ。』という一節に心打たれた。

    0
    2017年08月28日
  • 剣客商売十二 十番斬り

    Posted by ブクログ

    「浮寝鳥」「十番斬り」などの短編を収めた本巻は切ない話が多かった。「逃げる人」では大治郎が小平衛に判断を強いられる修行の姿が印象深い。「罪ほろぼし」の永井源太郎の潔くもさばさばした態度に好感を覚え、結びの妻を娶ったことを小平衛に報告に来た様を読むと、ついホロリとしてしまった。

    0
    2017年08月28日
  • 剣客商売番外編 黒白(上)

    Posted by ブクログ

    波切八郎を中心に、謎めいた人物が多く登場する物語だった。小兵衛と妻・お貞の夫婦になるまでと、夫婦になって後の息の合った姿が読者には嬉しい。八郎に関わる人物として、橘屋忠兵衛、お信、岡本弥助などは、八郎にしてみればまさに得体の知れない者たちだ。それぞれが自身の真の姿を隠し、表面だけで繋がっている。読者には、場面転換をし、時間軸を遡りしながら少しずつ彼らの正体を教えてくれる、そんな楽しみのある時代小説である。

    0
    2017年08月28日
  • 剣客商売番外編 黒白(下)

    Posted by ブクログ

    下巻の始まりは、お信と八郎が「情を通じる」仲になった場面からで、小兵衛に引き取られている市蔵と三人で上方へ行くという無難な選択肢もあったはず。しかし、八郎がずるずると岡本弥助の行く末を気にするところから大きく物語は動き出す。本編と違うのは八代将軍・吉宗の逸話や、真田家の騒動という史実を交えて進行することだ。著者の『真田騒動-恩田木工』は未だ積読だが、読む楽しみが増えたというものだ。結びに、小兵衛の好奇心から命を救われた少年が大名となり、小兵衛の隠居祝いを送ったくだりでほろりとさせられた。

    0
    2017年08月28日
  • 剣客商売十四 暗殺者

    Posted by ブクログ

    番外編『黒白』を読んだがゆえに深まる理解。終盤でキーパーソンとなる滝口を、かつての秋山道場へ弟子入りさせたのも、小兵衛の「人が変わった」ためであり、その発端は波切八郎の一件があったためだ。本書に登場する剣客・波川周蔵も、不幸な事件から出奔して裏稼業に身をやつすまでは波切と一緒だったが、結末に救われた。さて、本シリーズも残り本編2冊、番外編2冊となった。奥付の出版年から『二十番斬り』『ないしょないしょ』と進もう。

    0
    2017年08月28日
  • 剣客商売番外編 ないしょ ないしょ

    Posted by ブクログ

    波乱万丈のお福の人生だ。初めは奉公先の主人・神谷に凌辱され、恨みしか抱かなかったはずの神谷が何者かに殺されたところから、物語は大きく展開し舞台を江戸に移す。お福の急成長は、終盤で水茶屋の女主人となるところで、これまでの苦労と引き換えの結果として自分の胸にすとんと落ちた。お福の仇討に助太刀した小兵衛が、お福にとどめを刺させなかったことに感動した。これが他の時代劇であれば、とどめを刺させて目出度しで終わらせるのだろう。人にはその後の人生があり、人を殺めた過去を背負わせるようなことをさせない筆者の愛情を感じる。

    0
    2017年08月27日
  • 真田騒動―恩田木工―

    Posted by ブクログ

    時代小説の雄である著者の作品を久しぶりに読む。本書購入のきっかけは宮脇俊三氏の鉄道紀行本だった。折しも「真田丸」が人気を博しているが、大御所の作品の筆致の素晴らしさと、5編の作品を選び配した編集者の妙を感じた。真田幸村(信繁)の兄・信幸のしたたかさに胸打たれた「信濃大名記」。しかし、現代も財政難で苦しむ地方自治体の姿を重ねてしまう恩田木工を描いた表題作は、財政再建のヒントが多いと思う。

    0
    2017年08月19日
  • 殺しの四人 仕掛人・藤枝梅安(一)

    Posted by ブクログ

    『日曜日の歴史学』で教材となっていた梅安シリーズを読む。時代考証からすると、梅安の住居がやや江戸の端にあることに難があるようだが、そんなことを微塵も感じさせない著者の筆致はさすが。初めは冷酷な仕掛人として梅安を描いているが、回が進むにつれて人情味のあるものに変わってきた。

    0
    2017年08月19日
  • 池波正太郎の銀座日記[全]

    Posted by ブクログ

    「銀座」を舞台にしたエッセイ。読んでいると「粋」というものを感じる。ただのエッセイではなく昭和末期から平成になるまでの世相を写した現代史でもある。

    0
    2017年08月09日
  • 鬼平犯科帳 1巻

    非常に面白かった
    若い人でも十分に楽しめます

    1
    2017年08月06日
  • 鬼平犯科帳(一)

    Posted by ブクログ

    すっごく久しぶりに再読。昔読んだときにはあまり感じなかったけれど、鬼平って問答無用切り捨てごめん的な結構凄い裁きかたなんだなって。時代には流されてないつもりでも世間に染まっていることを痛感。

    0
    2017年08月03日
  • ワイド版 剣客商売 (1)

    面白い🤣

    0
    2017年08月03日
  • 真田太平記(七)関ヶ原

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    関ヶ原なのでこの巻では真田はあまり出てこず、草の者と関ヶ原本戦の話がメイン。

    すごく面白かった。
    戦の手に汗握る臨場感があって先が気になってどんどん読めた。
    草の者たちの活躍もすごかったが、戦死者も多く悲しい。

    島津の退却戦も逃げてるだけなのにあんなかっこいいとは…。

    大谷吉継があの位置に展開したのはやはり小早川を抑えるためだったのかなぁとか、負けるだろう裏切られるだろうと思いながら参戦してのあの最後を思うとどうしても胸が痛くなる。

    石田三成は真面目で筋の通った人で根が悪い人なわけではないと思うが、どうしても人情にかけるというか人との駆け引きや決断力がないと思う。
    もしそこが家康ほどで

    0
    2017年07月30日
  • 鬼平犯科帳[決定版](一)

    Posted by ブクログ

    「鬼の平蔵」こと火付盗賊改方長官、長谷川平蔵が颯爽と登場。「本所・桜屋敷」「血頭の丹兵衛」「老盗の夢」「暗剣白梅香」などを収録。

    0
    2017年07月30日
  • 仕掛人 藤枝梅安 2巻

    購入済み

    最高です!

    今の世の中にも悪いことをして、懲らしめなければならない人がいっぱいいると思いますが、梅安先生みたいな方が今の世の中にも居られたらもう少しましな世の中になるんだろうかと思いつつ拝見いたしております。私にとっては最高の時代劇コミックと思っております。

    0
    2017年07月25日
  • 鬼平犯科帳<番外編> 乳房

    Posted by ブクログ

    鬼平犯科帳・番外編「乳房」は火付盗賊改方のお頭となった長谷川平蔵が不思議な縁でお松という裏切った男を殺した女とつながる人情噺である。

    0
    2017年07月24日
  • 鬼平犯科帳(二十二)

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    このシリーズの中で長編は少なく、短編の方がキレがあって好きなのですが、この巻は読み応えがありました。平蔵に近しい者が次々と殺され平蔵自身も襲われる、というハラハラの展開。平蔵の苦悩と、それを目にし何とか力になろうと必死で働く密偵達。平蔵が如何に部下や密偵達に慕われているのか、読んでいて胸が熱くなりました。あと二巻で終わりだなんて寂しい…。

    0
    2017年06月26日
  • 真田太平記(十二)雲の峰

    Posted by ブクログ

    最終巻十二巻「雲の峰」
    豊臣は滅び徳川の天下となり、家康も死去。
    二代将軍秀忠の時代となります。

    さて、時代劇などにおいて、大阪の陣での豊臣家家臣たちは「数年籠城して、家康が死んだら、有利な状況で和睦、千姫の父である秀忠は家康より交渉しやすいだろう」と考えていた…ように描かれますが、
    あくまでも「後世からみると」ですが、
    大名家も公家も押さえつけ取り潰し、風紀が乱れたと朝廷の女官たちも処罰させるような秀忠のほうがよっぽど怖い。
    やっぱり”大阪の陣”というものを起こした時点で豊臣家に行く末はなかっただろう…。

    …とまあ、こんなコワい秀忠政権下で、真田信之は真田家の行く末に暗いものを感じ、ます

    0
    2017年06月22日