「おれの死に水を取ってくれないか」
大工の万三は、屋敷の見取り図を盗人に売りつけることで稼いでいた。
結核で余命が短いことを悟った万三は、自分と同じ匂いのする女と出逢い、女のために最後の稼ぎを狙う…
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人情的なオチで読者としては安堵した。
第1巻の頃だったら、万三も女も破滅していただろうなあ。
作者が丸くなったのか鬼平が丸くなったのか。
/深川・千鳥橋
「ある乞食坊主を殺してほしい」
菅野伊介は依頼を受けた。
しかしその乞食坊主に襲いかかってみて驚愕した。
かつて同じ道場で刀を振るい合った先輩の井関録之助だったのだ。
そしてその同じ道場では、若き日の鬼平も共に稽古に励んでいた。
/乞食坊主
隠居した老賊に知らされた急、赤子の頃に里子に出した息子が危機にさらされている。
どうやら女賊に誑し込まれ、押し込みの片棒を担ぐことになりかけているようだ。
女賊のお千代は、その身体を男たちによって育て上げ、男たちを操り押し込み強盗を繰り返している、一筋縄ではいかない女だ。
/女賊
鬼平の手下の久保田源八は、心臓を患い、鬼平のために余生を生きようと決意していた。
そんな源八が、密偵の最中に賊に襲われ、今までの記憶を失ってしまった…
/おしゃべり源八
ひとりばたらきの老盗賊、鷺原の九平は、たまたま鬼平の殺害計画を耳にする。
盗賊なら知らないものはない、火付け盗賊改め鬼の平蔵、鬼平。
九平の表向きの仕事は芋酒呑み屋だ。
たまたま訪れた鬼平の男っぷりに惚れ込んだ九平は、鬼平を亡き者にしようとしてる相手を探ろうとする…
/兇賊
鬼平の親族の三沢仙衛門は、今年で五十五になる。
そんな仙衛門が若い女を嫁にとりたいと言い出した。
女を探る鬼平は、その身のこなしに堅気でないものを感じる…
/山吹屋お勝
火付けの犯人として捕らえられたのは、”鈍牛(のろうし)”と呼ばれる亀吉だ。
精神薄弱だが真面目でお人よしで近所の人々からも可愛がられていた亀吉が、果たして本当に犯人なのか…?
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いわゆる冤罪事件。
検挙率を挙げるため、拷問などで罪人を仕立て上げた場合、取り調べに当たったものたちも処罰される、というシステムがあったようだ。
/鈍牛