池波正太郎のレビュー一覧
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ネタバレ剣客商売シリーズの番外編で秋山小兵衛がまだ自分の道場を建てようとしていた時期のもう一つの物語。
この話の小兵衛以上に主役となっているのが波切八郎という剣客で、御前試合の決戦で秋山小兵衛に敗れたことにより、はたしてこの勝負が真剣であったら!?そして秋山小兵衛という剣客と戦ったからこそそれを試したいと剣客ならではの思いがあり、その勝負を申し入れる。
秋山小兵衛は快くその申し入れを受け入れるが、道場を起こしたりの事情もあり一年後にその約束の日時を指定して挑むことに決める。
その間波切八郎の弟子が辻斬りをするのでそれを止めようとするが抵抗され切り殺す事に成った事などもあり、一旦波切八郎は修業も考え道場 -
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池波正太郎は、1956(昭和31)年に、『牧野富太郎』の劇団新国劇の脚本を書くために、練馬の自宅で病床にいた94歳の牧野富太郎に取材に行く。池波正太郎は、東京都の職員で、目黒税務所で収税をおこなっていたが、1955年に退職。演劇の脚本を描いた。
この作品は、1956(昭和32)年3月に『小説倶楽部』で発表された。文章も初々しい。
この作品は、土門拳の『風貌』という写真集に収められた牧野富太郎の肖像を見た感想から始まる。「90余歳の博士の、大きな巾着頭や、」耳まで垂れ下がった銀のような髪の毛や、強情我慢的な鼻や、女のようにやさしくしまった唇や、痩せぎすな猫背を丸めて、両手に何気なく持った白つ -
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ネタバレ剣客商売シリーズ第16弾で最終話。
ついに読み終わっちゃいました。
秋山小兵衛の関わりのあった門弟や同門の剣客が絡み合い、小兵衛が道場を開くときにお金を借りた金貸しやその息子、様々な人たちが小兵衛の75歳を迎える時にこの剣客シリーズを締めくくる物語をパズルのように組みあがっていく。
小兵衛の周りの人たちがその後どうなったかもそれぞれが何歳まで生きたかなどが語られ、このシリーズが終わるんだと何か思わせる結末に向かう。
いや本当に楽しませていただきました。
そしてまた、このシリーズを読み返したいと思わせてくれる剣客シリーズでした。 -
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ネタバレ懸隔商売シリーズ第12弾
とにかく引き込まれる秋山小兵衛と大治郎の二人の剣客。
今の時代で言うとというたとえる人物はいないけど、いわゆる嬢王陛下の007のような存在だろうか。ほぼスーパーマンでお上ともつながり弥七など手下もいて、難題が起こってもそれをすいすいと解決して悪を倒す(^-^;)そんな秋山親子が素晴らしい。
江戸時代のしきたりの仇討ちという決まりがこの時代の人たちの大変な生き方を(主に侍だが)垣間見るにつけ、この本の逃げる人でその定めが如何に難しく酷なものかとこの一遍で思い知る。
小兵衛と大治郎おはると三冬にその息子の家族が中心に必ずいて、様々な人を助けたり事件を解決していく痛快ドラマ -
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ネタバレ・顔…人間とか人生とかの味わいというものは、理屈では決められない中間色にあるんだ
男の顔をいい顔に変えて行くということが男をみがくことなんだよ
・目…何の利害関係もない第三者の目に映った自分を見て、普段なかなか自分自身ではわからないことを教えられる、それが旅へ出る意味の一つですよ
・旅行…やっぱり求心力というのは大事なものだね、何かこうしたいと思ったら絶えずそのことを思っていれば、何かにつけてそのことを目指して、無意識のうちに少しずつ段取りを進めていくからね、だから自然にそうなるということになるんだよ
・靴…人間というのはやっぱり、一つまいた種がいろいろに波及して行くわけだよ、外にも波及して行 -
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『門の外まで、牛堀九万之助は小兵衛を見送って出た。
道を曲がるとき、小兵衛が振り向くと、いつものように九万之助が権兵衛と共に、まだこちらを見送って立っており、頭をさげた。
小兵衛も礼を返してから、道を曲がった。』
池波正太郎「剣客商売」八巻(狂乱)
人を人として認め、友を終生の友として想う心根。
これは時の流れのゆるやかな江戸の世にあってのみ、あり得たことでしょうか?
激流の社会の現代ではこうした様はすでになくなった、希有なことなのでしょうか?
ひょっとして、今の人々は時の流れに翻弄されているからとエクスキューズしている、
言い訳にしているにすぎないのではないかもしれない。
と、ひま -
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ネタバレまずは作者の池波正太郎さんのプロフィールは、
1923-1990年を生き抜いた浅草生まれのチャキチャキの江戸っ子である。
下町、下谷西町小学校を卒業後、
株屋に勤めて、
戦後に下谷区の役所に勤務。
長谷川伸さんの門下に入り、
新国劇の脚本、演出を担当し、
後に直木賞を受賞し、
【鬼平犯科帳】などの膨大な作品群を発表している。
そんな昭和のダンディーな男である、
池波正太郎さんの会話形式のエッセイ本。
この本には昭和の日本人の漢の作法が
十二分に詰まっている。
経歴からしても、お堅いお役所勤めをしていた池波さんの視点は実に面白い。
ビジネスマナーというよりは
男のマナーを教えてくれてい