【感想・ネタバレ】幕末新選組 新装版のレビュー

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激熱、武士男物語であった。

自分が知っている新撰組って、近藤、土方、永倉、沖田っていう人がいた程度のものだったんだけど、この本でその成り立ちが良く分かった。

大政奉還や明治維新、鳥羽伏見の戦いなどの事も、すごいよく分かった。教科書では言葉として覚えただけだったのに、興味を持って読むと、こんなに理解できるんだな。

先日、薩摩村田新八の本を読んで、幕末にハマりそうだ。

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2023年09月18日

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明治維新とは民衆の革命とか正義の革命とかではなく、単なる武士階級の政権交代であるということが、よくわかる。芹沢鴨とか藤堂平助とか原田佐之助とかがどんな人だったかもよく書けてる。
まあ、ちょっと淡々としてるけど。もっと長編にして深く書いたらもっと面白かったかも。

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2023年07月03日

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ネタバレ

燃えよ剣より好き。永倉新八のカラッとした江戸っ子な性格が気持ちいい。本当に小樽に住んでいたとは。ゴールデンカムイと繋がって自分的に盛り上がった。

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2021年05月19日

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『近藤勇白書』でも主役(近藤勇)を食う勢いで大きな存在感を見せていた、思い定めれば一直線の剣術バカ:永倉新八を主人公に据えた新選組ストーリー。最初から最後まで、政治的野心とは無縁に、己の信ずる清い道を進まんとする新八の気勢が爽やかに描かれている。「日本人を見損なっちゃいけねえな、藤堂さん??徳川にしろ薩長にしろ、互いに喧嘩はしていても、外国に色眼をつかいすぎて、ドジをふむようなまねはしないよ」。

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2018年01月08日

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やっぱりおもしろい、新選組
永倉 新八の視点から書かれた新選組
時代は変わっても組織というのは変わらないものだと思った。最後までぶれなかった新八が、77歳まで生きて時代の変化を見届けたのもまた運命だろうか

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2017年06月04日

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新選組と言えば近藤、土方、沖田を思い浮かべる。
この小説は「永倉新八」の目線で、新選組のこと、幕末の様子、そして明治初期のころの日本の様子が描かれている。
時代的にも興味深い時期であり、永倉の目線で書かれていることから、非常に時代背景もあまり難しいと思うことも少なく読み進められました。新選組に興味あるなら、この本から!と言いたい作品だと感じました。

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2017年03月26日

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これこそ時代モノの痛快さ、杏がお気に入りだと聞いて読んだが、たいそう面白かった。

永倉新八個人の目線で、明治維新の起こり始めから時代が変わりきるところまでが描かれて、その波に新八が乗っかって流されて漂着する起伏が、単なる英雄伝じゃなくて親近感湧いた。

池波正太郎をあまり読んだことなかったが、また読みたいなぁ、でも鬼平犯科帳は長すぎるなぁ。そのボリュームの意味でもこの本はちょうどよかった。

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2015年04月29日

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流石は池波正太郎先生!!!
と言っても過言ではない新選組の話。
主人公として、永倉新八を取り上げてるのも
また面白いなと。
近藤勇、土方歳三、沖田総司、藤堂平助などなど
新選組といえば〜な人々ももちろん出てくるのだけども
ここは敢えての永倉新八。
知らなかった生涯を淡々と。
江戸での若かりし日々、京都での生活、そしてまた江戸
最後は蝦夷へ。
それでも最後まで剣を捨てない男。
いろんな場所へ転々としながらも、もっと強く!という葛藤や
色恋沙汰もあり、明治維新までどう生きたのか?何を思ったりしたのか?を
代弁しているような。
終わり方も爽やかすぎて、なんとも言えない爽快感。

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2015年03月04日

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この本で永倉新八を知り、新選組の見えなかった部分も知ることができた。
燃えよ剣、にて新選組の本を初めて読みはじめたけども、この幕末新選組の方が圧倒的に分かりやすくて読みやすい。
また、燃えよ剣よりも正確だろうと予想する。

読み終えた後には爽やかさが残り、この本を読んで本当に良かったと思う。

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2014年06月03日

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自分にとっての新選組像に一番近いもの。
永倉新八を主人公においており、新選組ものでありながら一歩、新選組から離れた目線で描かれているものだと思っている。
自分は藤堂平助が歴史上の人物で最も尊敬しているのだが、藤堂平助と永倉新八の遣り取りが、本当に楽しい。人間くさい。

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2012年09月23日

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ネタバレ

はっきりいっておもしろい!これを見て永倉が好きになりました。土方はあまり出てこなかった。原田がよくでてた。永倉は最後新撰組が本当に好きなんだなと思った。沖田が池田屋で血を吐かなかった。

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2012年01月10日

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わくわくしました。芹沢鴨の評価は、そこまでの性格異常者でないってものもあるらしいけど。永倉新八の明治以降の人生も感慨深いよね。

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2023年05月30日

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「池波正太郎」の長篇時代小説『新装版 幕末新選組』を読みました。

『人斬り半次郎 幕末編』に続き、「池波正太郎」作品です。

-----story-------------
血しぶく時代を生一本に生き、七十七年の天寿を全うした新選組隊士「永倉新八」の軌跡

松前藩士の息子で、いたずら好きの腕白小僧「永倉栄治」。
ひたすら剣術の稽古に明け暮れ、めきめき腕を上げて十八歳で本目録を受ける。
我が子を松前藩の能吏にと夢見ていた父もとうとうあきらめ、息子を元服させ、名も「新八」と改めさせる。
折しも幕末の動乱期、剣術ひとすじに生きたいと願った「永倉新八」は、新選組隊士になる。
一剣をもって己の信ずる道を歩む。
これしか生き方を知らない「新八」は、出会った男によって、出会った女によって、少しずつ自分を磨いて行く。
女には弱いが、剣をとっては「近藤勇」以上と噂された「新八」の、維新後におよぶ生涯を、江戸っ子の著者が共感をこめてさわやかに描ききった長篇。
解説「佐藤隆介」
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幕末動乱期を生き抜いた新選組隊士「永倉新八」の成長の軌跡、生き様を描いた作品… 同じ幕末を舞台とした作品ですが、薩摩藩士(官軍)の立場から描いた『人斬り半次郎 幕末編』と、新選組隊士(賊軍)の立場から描いた本作品の両方を読むことで、それぞれの立場がより理解できた感じがしますね、、、

結局、明治維新って本当の意味での民衆の革命ではなく、武士階級の政権交代だったってことなんでしょうね… まっ、全てが真実ではないんでしょうが、実際も似たような状況だったんだと思います。


「なあに、明治維新なんてえものはね、つまり薩長たち雄藩と徳川との争いさ。
いまのような文明開化の世が来たのも、そいつは時勢というやつでね。
つまりは日本国民がえらいのだよ──」

いたずら好きの腕白小僧が、父の意に反しひたすら剣術の稽古にあけ暮れて十年… 折しも幕末の動乱期、「永倉新八」は剣道の快感に没入した青春の血汐をそのまま新選組に投じた、、、

女には弱いが、剣をとっては「近藤勇」以上と噂された「新八」の、さばさばした江戸っ子気質や、維新後におよぶ壮快な人生を、さわやかに描ききってありましたね… 気障で嫌みなライバル役「藤堂平助」との確執や、「原田左之助」との友情、「近藤勇」への敬愛と反発、「芹沢鴨」との奇妙な親交、妻や娘への愛情、両親への敬慕等、「新八」の人間性を表現しているエピソードが巧く織り込まれており、少しずつ「新八」に感情移入しながら読み進めることができました。

函館で穏やかに生活していた晩年、72歳になった「新八」が孫を守るためにやくざ者に立ち向かう場面がカッコ良くて、印象に残りましたね… 幕末史って、あまり詳しくないんですよね、、、

『人斬り半次郎 幕末編』と本作品を読んで、ちょっと興味が湧いてきました。

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2023年03月28日

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永倉新八を主人公に据えた新選組の活躍と衰退。
まず、とても読みやすく躍動感があるので終始楽しく読めました。
悲惨な結末を辿る新選組を題材とした物語も、カラリとした好人物、新八目線となると印象がかなり変わってみえる。主要な志士は勤王派に斃されてしまうが新八は生を全うするところも主人公として嬉しいところ。その晩年の新八(おそらくご子息の本による真実であろう)のえびも痛快です。倒幕と明治維新の複雑な人間模様、多くの役者達の物語はとても興味をそそるが、歴史の表、結論だけを見ると今日の日本を形作る正義の戦いと捉えがちだが、人物達をみると勤王派の徳川方に対する執拗さが際立つ。この時代では将来の反逆の芽を摘み取る思考があったか。それにしてもこの小説ではチョイ役の坂本龍馬の暗殺がとても残念でならない。

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2022年12月18日

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新選組あるある読本。
いまいち影の薄い永倉新八にスポットを当て
池波センセイの池波節を炸裂させた一品。

新選組関連の本を読んだ人なら、
主人公が地味なのと、何度も読んだことのある事件で
構成されているせいか、目新しさはない。
でも全体的にこの本読みやすいんだな。すごく。

サラッと読めるので、これから本読むぞ!って気張る人には
ちょっと物足りないと思うかもしれない。

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2020年07月22日

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新撰組二番隊隊長だった永倉新八の、幕末から明治維新を経て北海道で死去するまでの生涯を描いたもの。幕末の動乱が永倉目線で語られているのだが、生粋の江戸っ子であり、どこか客観的・他人事というか、屋根の上から物事を眺めているような視点での語り口がさっぱりしていて面白い。彼に言わせると明治維新とは、「徳川から薩長への単なる政権交代」であり、諸外国の侵入を許さなかったのは、「バカも多いが賢い奴もいる。国民が偉かったからだ。」ということらしい。最晩年に小樽の芝居小屋で数人のヤクザに絡まれた時、ひと睨みでこれを撃退したという逸話は、さすが元新撰組。

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2019年11月03日

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永倉新八の目線で新選組の興亡を見る。手の付けられない悪戯者の新八が剣術に目覚めた時、時代は幕末の激動期に入ってしまった。近藤勇に付き従い壬生浪と半ば蔑まれても、幕府のために京の治安維持に没入する。『竜馬がゆく』を読めば新選組に悪印象を抱くが、当然彼等も日本を良くしたいという思いがあったことが伝わってくる。新八が鳥羽伏見、甲府、会津と動乱の中を転戦していったにも関わらずに生き抜き、明治から大正を生きて天寿を全うできたことは奇跡的だ。

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2017年08月16日

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久しぶりに読み直してしまった。池波正太郎氏のこの新選組の長編は近藤でも土方や沖田ではなく、主人公に永倉新八をおき明治維新を語らせている。
「明治維新とは何だったのか?」を読むほどに感じられる作品です。

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2016年04月14日

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ネタバレ

新撰組二番隊隊長永倉新八の生涯を描いた作品。
歴史小説というより伝記小説かなあ。

史実にも当然ふれているけど、全然難しいところがなく、さらさらと引っかかりなく読むことができました。
永倉さんは戦場で命を落とすことなく、長生きして天寿を全うされた方なので、悲しい気持ちにならずに読み終えられるのが良い

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2016年04月06日

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やっぱり幕末は面白い
司馬遼の燃えよ剣を読んだ時も思ったけどね
ただ、永倉新八を主人公にしているのはちょっと変わってるかな?

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2013年07月19日

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幕末の動乱を永倉新八の生涯を中心に据えて描いた作品。いたずら小僧が剣の道に目覚め、国のために立ち上がり、命を懸けて戦う。完全無欠の英雄かというとそうではない、藤堂に思い人を掠め取られて怒り、その藤堂の危機に「ここで見捨ててしまえば」という思いがよぎる。しかし永倉は藤堂を守る。女に押しが弱く、どうにも器用ではないが、純粋朴訥、信念のとおりに生き、戦い、そして家族を思い、そのために泣いた人間味あふれる永倉に惹かれながら読んだ。

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2012年11月24日

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作者の文章が好みなので新撰組にも手を出してみました。
この作品は永倉さんが主役。彼が長寿で虫歯が原因でなくなったことは知ってたけど、それまでの解釈はわりといろいろあったと思うのですが、「江戸っ子」を押し出した作品で、彼なりの気質を見せてもらったと思います。
池波さんが永倉さんが一番好きだっていうのが目に見えてくる。甘いといえば甘いし、切るところは切る。ある程度妥協で生きているような印象も受けますが、人間味があるのはわかる。藤堂さんとの関係性がね~。私の頭はある程度勝手な解釈をしているので、そういう目線での解釈もあるのかと。時代物が史実は一つなのに、人であるがゆえに目線を変えれば全く変わります。なのでいろいろな作家の解釈を読むのが面白いと思います。

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2012年08月18日

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考えてみたらテレビ番組でしか「新撰組」を知りませんでしたね。
しかも記憶にあるのは近藤勇、土方歳三、沖田総司くらいで、永倉新八はこの本を読むまで知りませんでした。

凄い時代に生きたお人でしたね。
激しい戦いを生き抜いて、明治維新から大正という時代まで。
想像もつかない変動の時。

昨年まで観ていた「龍馬伝」を頭になるほどと実に面白く読んでしまいました。
永倉新八がチャキチャキの江戸っ子で、実に魅力的な人物ですっかりファンになっちゃいました。

今までテレビドラマでしか知らなかった近藤勇や土方歳三の人物像も初めて知りました。

生粋の侍であった永倉新八が最期につぶやいた言葉「悔いはない」
私もそう逝って人生の幕を引きたいものです。

でも、今の日本を見たらきっと新八さんは「なんてこったい!あぁ情けねぇ」って嘆かれるでしょうね。

すまないねぇ・・・新八さん!
今じゃおまえさんみたいなお侍さんがいませんの・・

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2011年12月07日

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ネタバレ

永倉新八が主人公の新撰組の物語。
新撰組初心者でもさくさく読めて頭に入ってきて読みやすい。
もう少し他の隊員とかにも話がいったら更によかったかな。
それでも池波正太郎が好きだという永倉新八が好きになれた作品です。

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2011年12月01日

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 引きずり込まれるように読んだ。著者のあとがきをみると昭和39年の作品のようだ。それを2004年に再び出すわけがよくわかる。それほど心躍る、素晴らしい作品だった。本書は永倉新八を主人公とした新撰組物語。珍しい。永倉新八は、松前伊豆守の江戸屋敷に仕える定府取次役永倉勘次の一人息子。堅苦しい屋敷づとめなどできるわけの無い腕白小僧だった。好きで堪らない剣に生きるべく家を出奔、近藤勇の道場に出入りし、「新撰組」に加わる。幕末の動乱期を戦い、生きぬき、維新後市井に暮らし、小樽に没するまでの生涯が描かれている。池波さんの筆はやはりいい。特にこの作品の主人公、新八の伸び伸びとした性格は気持ちよかった。威張らない、気どらない、飾らない、ムキにならない、成り上がりを拝する、率直で淡白、思いやりがある、自分の流儀や価値観を他に押しつけない、そして時としていたずらっ気を持つ、と解説にあったが、まさにその通り。新八の姿が実に飄々と清々しく映った。登場人物の魅力だけでなく、彼らの日常生活、家族愛、友情、恋愛、心の充足感などが丁寧に描写され、作品に奥深さを与えているのはいつも通り。読むべきところはそこここにある。意図したわけではなかったが、前日に読み終わった『彫残二人』と時代がうまく繋がり、より楽しかった。

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2011年09月30日

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歴史まったくわからないのに楽しめました。
わりと資料っぽいのに面白いとかずるい。
出版年だけ見て古めかしいかなーと思っていたらかなり読みやすい。山田風太郎ほどエンタメ寄りではないけど。
大局や歴史的事項の説明が入るのが、逆に背景として読みやすくなってる。
戦闘シーンまでが遠い。でもいいやって思える。この読みやすさ、なんだろうなー。読み直してもよくわからない。
近藤さんうんざりだぜ、ってシーンが多すぎる。笑
原田さんがちょっと便利役すぎる。
それぞれの立場、背景、考え方の幅が広がった。
歴史の教科書だけ読んで歴史苦手って言ってる学生に読ませたいけど性的な話に潔癖だと衝撃受けそう。

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2019年01月07日

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歴史小説好きなのだが、池波氏の小説は合うのが無く、新撰組であればと手に取る。永倉新八(江戸っ子剣士、新撰組の中では一番長生きした人でしたっけ?)が主人公になっているものは読んだことが無いので興味深くは読むが、物語としては池波氏の味付けがあまり感じられず、(私が読みとれないだけか?、いや現代の派手小説が好きだから、多少誇張されてないと駄目なのか?)物足りない。

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2018年11月06日

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「会津藩御預新選組副長助勤 永倉新八」に焦点を当てた本書。
少年の頃の新八、後年の新八改め杉村翁のエピソードは面白かったが、肝心の京都部分でちょっと中弛みしてしまった。
池波先生が描かれている永倉像が圧倒的に正確であることは分かっているのだけど、新選組隊士に対しては私の勝手な隊士像があるため(ほぼ燃えよ剣で作られてる)、その相違部分にもやっとしてしまった。

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2016年01月03日

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ネタバレ

永倉新八メインの物語どした。
まあ、読みやすくて良かったんではないかと。

童顔だの小太りだの・・ってところが、私が持ってる永倉のイメージとは違って多少違和感はありました。
あと、平助が「永倉氏」などと呼ぶのがなんか笑えた(笑)

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2014年02月25日

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 剣術一つで身を立てる。そんな望み。 そんな漢はどれだけいたのか。   近藤の情熱。土方の謀略。芹沢の野望。 たくさんの思い、それぞれの考え。 新選組は決して一つの同じ方向にベクトルが向いていたわけではないのは、これまでも感じてはいたが、幹部達ではない一介の隊士の思い。そんな脇の方から見た新選組と幕末。 ある程度新選組についての本を読んでいたつもりだが、新八については正直あまり記憶になかった。そんな中心から少し外れた人間から見た組織。時代。 我々が所属する会社であっても、あるいは何かの集団であっても、決してメンバーのベクトルが完全に一致することは有り得まい。それでもどこか集団の目的地へ向かっていく。 まっしぐらにか、フラフラと迷走しながらか。 力強いリーダーが、無理に引っ張っていくのか。 その時々のメンバーの総意が迷走を招くのか。 あるいは更に大きな時代というベクトルに抗う術もなく、流されるのか。 リーダーは何とかして、集団の目的地へ皆のベクトルを集中して進む先導役となりたいのだろうが、本作でも近藤は隊士たちのベクトルの方向性を見誤った漢として描かれる。 中間管理職から見た社長の想いか。 どちらから見てもすれ違うのは必至なのかもしれない。 すれ違うのが当たり前なのかもしれない。 社長の想い。幹部の考え。中間管理職の迷い。平社員の気持ち。 同じはずがなく、同じではいけない。 だが、それをどうまとめていくのか。 近藤は本当に勘違いしてしまったのか。だとするとそこには参謀である土方の責任もありそうだ。  それにしても池波描く登場人物はどれも独特の雰囲気を持っている。 生き生きとしていると言えばよくある表現だが、解説によれば江戸っ子らしさとか。 セリフなのか。汗が見えるように思える時がある。

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2017年08月16日

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