池波正太郎のレビュー一覧
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池波正太郎の短篇時代小説集『剣客商売(四) 天魔』を読みました。
池波正太郎の作品は『谷中・首ふり坂』以来なので約2年振りですね。
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老剣客・秋山小兵衛とその息子・大治郎が悪に挑む!
累計2400万部突破の大人気シリーズ。
音もなく小兵衛の前に現れ、「秋山先生に勝つために」、八年ぶりに帰ってきたとうそぶく役者のような若侍の正体は?
次々と道場を襲い相手を一撃のもとに殺していく魔性の天才剣士と秋山父子との死闘を描く表題作。
愛弟子に〔なれ合い試合〕の許しを求められ、苦衷を察して許可を与えた小兵衛が、皮肉にもその試合の審判を引き受けることにな -
Posted by ブクログ
昭和52年刊行とのことなので、いまから45年も前。作中の池波氏は戦前の味の記憶に思いを馳せるので、こちらとしては、二重の想像が必要になる。
戦後の高度成長の大量生産大量消費は日本に富をもたらせたものの、環境と食文化の破壊を招いた。これは、初期の美味しんぼでも言及されている。
やがてバブルは弾け富への幻想が消えたとき、人間性を取り戻すため、志しの高い生産者や料理人を中心に、古き良き食文化の復興、レジスタンスは続いている。
街中はチェーン店で溢れているけれど、志ある名店が必ずみつかるはず。散歩のとき何か食べたくなって、の後につながるのは、まかり間違ってもMやKやSのはずはない。 -
購入済み
原作の雰囲気をよく表現している
絵柄が大変しっかりしていて池波正太郎の原作の雰囲気をよく表現している。ストーリー展開は原作にほぼ忠実なので文句のつけようがない。ただこのような名作 大作のコミカライズにつきものの説明文が長くなったり 長台詞になるなどの欠点がどうしても目立つ。
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Posted by ブクログ
本当は『鬼平犯科帳』とかメジャーな作品から攻めなきゃダメなんだろうけど、タイトルの茶目っ気ぶりにしてやられた。
一番にお金をかけるべきは食だという考えにシフトしつつある。お金があればまずは美味いものでも食いに行くというのが理想だけど、写真にでも残さない限り食べたものの記憶は簡単に残ってくれないのが現状。最近食べたなかで一番美味しかったものですら即座に出てこない…
その点池波さんの食の記憶は味も思い出も鮮明で、話だけで空腹になってくる。鮮明なのは時代的なものもあると思うけど、食べるとは本来噛み締めることなんだと実感した。
プロの料理人との対談は勉強になるし食べるということへの教訓にもなる。