池波正太郎のレビュー一覧

  • 真田太平記(二)秘密

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    歴史小説の面白いところの一つは、現在についても描かれていることである。つまり、「今ここには何があってこうなっている」というものだ。

    もっとも、物語が書かれた時点での“現在”なので、必ずしも今現在を反映しているわけではない。それでも、ここではかつてこういう出来事があったのかということを想像しながら読めるところに、歴史小説の面白さがある。

    本巻では後半に、徳川、北条、上杉という大勢力に囲まれた真田昌幸がどうやって乗り切るかが描かれている。

    この攻防はさらに続くが、大河ドラマ「真田丸」でも描かれた攻防と駆け引きが、この物語でも見事に表現されており、スリルを感じながら読み進めることができる。

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    2019年12月27日
  • 真田太平記(一)天魔の夏

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    歴史小説には、主人公がはじめのうちは登場しないものが少ない。

    この物語もそうで、真田昌幸が登場するのは話が少し進んでからである。もっとも、この物語の主人公は“真田一族”であり、特定の人物ではない。その意味で、群像劇の様相が強い。

    本巻のハイライトは2つ、すなわちはじめの甲斐武田氏の滅亡と、本巻の締めくくりである本能寺の変であろう。いずれの事件も、その後の真田家に大きな影響を与えたからだ。

    なお、武田氏の滅亡とは対照的に、本能寺の変は織田信長の視点ではなく、真田家の忍びであるお江の視点で描かれている。この書き方の方が、リアリティを感じさせ、また真田家に待ち受ける運命をより強く暗示させるから

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    2019年12月25日
  • その男(一)

    購入済み

    わくわく

    久しぶりに、わくわく出来る読み物でした。

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    2019年12月11日
  • 幕末新選組 新装版

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    新撰組二番隊隊長だった永倉新八の、幕末から明治維新を経て北海道で死去するまでの生涯を描いたもの。幕末の動乱が永倉目線で語られているのだが、生粋の江戸っ子であり、どこか客観的・他人事というか、屋根の上から物事を眺めているような視点での語り口がさっぱりしていて面白い。彼に言わせると明治維新とは、「徳川から薩長への単なる政権交代」であり、諸外国の侵入を許さなかったのは、「バカも多いが賢い奴もいる。国民が偉かったからだ。」ということらしい。最晩年に小樽の芝居小屋で数人のヤクザに絡まれた時、ひと睨みでこれを撃退したという逸話は、さすが元新撰組。

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    2019年11月03日
  • 梅安乱れ雲 仕掛人・藤枝梅安(五)

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    ネタバレ

    大坂・白子屋から放たれた刺客・北山と田島の二人が東海道を江戸へ下る。梅安は、白子屋を斬ろうと東海道を上って行ったであろう小杉を追って藤枝宿までやって来た。ここで刺客の一人・田島と梅安が妙な出会いをしてしまい、これが後々梅安の命を救うことになるのだが……さらに白子屋が大坂から江戸へ下向する。もうこうなると上を下への大騒ぎの様相だ。梅安への別の刺客がおせき婆さんを傷つけたことから、梅安の怒りに火が付き、単身白子屋へ乗り込むが、音羽の元締が3年前から用意周到に準備した舞台が生かされることになった。たいしたものだ。

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    2019年09月21日
  • 梅安針供養 仕掛人・藤枝梅安(四)

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    彦さん宅から出て石浜神明宮の辺りで血みどろの若侍と行き会ってしまった梅安。当然、捨て置けぬことになったのが、長編となる本巻の幕開けである。そして、大身旗本のお家騒動と三百両の仕掛けが重なるのは、このシリーズの定番とも言える流れだ。さらに大坂・白子屋も梅安殺害に動き出す。なんとも大風呂敷を広げるように事象が連結・拡大していくが、さすが大御所。風呂敷の畳み方が巧い!

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    2019年09月21日
  • 鬼平犯科帳(十)

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    ぽつぽつ読んでいる鬼平シリーズももう10冊目。
    「犬神の権三」鬼平が見込んで密偵に加えた雨引きの文五郎の裏切り。義理人情に駆られ、捕らえられた元盗賊仲間を脱獄させた文五郎だが…何ともやりきれない結末だった。
    「鬼の平蔵」が「本所の銕」に戻る瞬間が好き。おまささんとおしげさんの百合シーン(?)もあったりで、鬼平犯科帳に死角なし。
    「むかしなじみ」も同じようなストーリーで、彦十お前もか…!となったけど、こちらは密偵たちが一丸となり、未遂に終わる。よかった。
    「消えた男」生真面目な佐嶋のキャラが良い。高松繁太郎も鬼平という理想の上司の元で密偵として腕を振るってくれることを期待したのにあっさり殺されて

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    2019年09月20日
  • 梅安蟻地獄 仕掛人・藤枝梅安(二)

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    久しぶりの池波正太郎、そして仕掛人。最近は女流作家の時代小説を多く読んできたが、それらにはない大御所の味がある。札掛の吉兵衛から依頼される仕掛けと、ひょんなことから梅安と出会った者の遺恨が重なる定番の構図に惹き込まれてしまう。この巻では東海道を下る場面が描かれており、旅の気分を味わわせてくれるのも良かった。

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    2019年09月16日
  • 真田騒動―恩田木工―

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    戦国末期から江戸幕府期の真田家のサバイブについて。どの時代も生きづらく、だがしたたかに生き延びる。真田家のありようは成長期と成熟期の企業のようであり、外様大名の多くが直面したであろう苦労はサラリーマンにとって、共感できる。

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    2019年08月17日
  • 鬼平犯科帳[決定版](二十一)

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    決定版鬼平も終盤に突入。ちょしゃが鬼平ベスト5に選んだ「瓶割り小僧」収録。他に平蔵が自身の悲しみを吐露する「春の淡雪」など全6編を収録。

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    2019年08月16日
  • 真田太平記(一)天魔の夏

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    寝る前に寝床で読む本。長い小説がいいかなあと思い、積ん読本の中からチョイス。巻1は武田家の滅亡から本能寺の変まで。地元浜松の川や地名が出てきて、親近感を覚えました。

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    2019年08月11日
  • 雲霧仁左衛門(後)

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    火付盗賊改の黎明期ともいえる時代の捕り物。面白い!登場人物がなかなか良い!!仁左衛門のその後の話がないのが物足りなくもあり、またそこが良いところでもあるかな。

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    2019年07月24日
  • 鬼平犯科帳[決定版](二十)

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    肴は豆腐一品のみの、味も素っ気も無い居酒屋、店の亭主は以前、火付盗賊改方同「心をつとめていた金三郎。の「おしま金三郎」ほか、「二度ある事は」、「顔」、「怨恨」、「高萩の捨五郎」、「助太刀」そして、「当代、まれに見る名人であった。」と平蔵の会話にあの「剣客商売」の秋山小兵衛を登場させたりと、著者の遊び心が随所にうかがえる。

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    2019年07月09日
  • 鬼平犯科帳(七)

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    寒月六間堀より
    つまりは、人間というもの、生きていくにもっとも大事なことは‥‥たとえば、今朝の飯のうまさはどうだったとか、今日はひとつ、なんとか暇をみつけて、半刻か一刻を、ぶらりとおのれの好きな場所に出かけ、好きな食物でも食べ、ぼんやりと酒など酌みながら‥‥さて、今日の夕餉には、何を食おうかなどと、そのようなことを考え、夜は一合の寝酒をのんびりとのみ、疲れた躰を床に伸ばして、無心にねむりこける。このことにつきるな。

    鬼平の言葉は味わい深く、身に染みます。常に場面が目に浮かび、映画的でもあります。

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    2019年07月07日
  • 散歩のとき何か食べたくなって

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    各地の名店ズラリ
    池波正太郎は、行きつけの店についてエッセイで結構書いています。これまで読んだものでは、都内の行きつけや大阪・京都などの関西方面が中心でしたが、本書ではそれにとどまらず横浜や名古屋、滋賀、信州など幅広く書かれています。

    作家さんて部屋に篭ってずーっと原稿用紙と向き合っているイメージが強かったのですが、池波正太郎は本当に色んな所に出かけていて、それで作品を書き上げるというのは凄いなぁと思いました。
    いや、色んな所に出かけるからこそ、刺激を受け作品が生まれる、のかもしれませんね。

    江戸時代の残り香
    本当に色んな所で色んな店に入っていますが、共通しているのは昔の香りが残っているお

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    2019年07月06日
  • 鬼平犯科帳(六)

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    大川の隠居
    平蔵は風邪を患い寝込んでいるところ、亡父・宣雄の遺愛の品の携帯用の銀煙管を盗まれてしまう。盗んだのは、密偵粂八の盗みの師匠ともいう友五郎。
    平蔵、粂八、友五郎の掛け合いが、また面白い。

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    2019年06月26日
  • 鬼平犯科帳[決定版](十九)

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    女密偵おまさは、万年橋から川面を見つめている女に気づく。以前、同じお頭の許で「引き込み」をつとめた女賊のお元であった。お元は男とお盗めの間で逡巡する。その他全6編を収録。

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    2019年06月25日
  • 仕掛人 藤枝梅安 35巻

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    仕掛之百三十五 梅安鳥人伝説
    仕掛之百三十六 梅安札の辻
    仕掛之百三十七 梅安松之廊下
    仕掛之百三十八 垂乳根有情
    仕掛之百三十九 梅安忍び針
    仕掛之百四十 梅安仕掛けの掟

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    2019年06月24日
  • 仕掛人 藤枝梅安 34巻

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    「仕掛之百三十 梅安毒消売」
    「仕掛之百三十一 二人梅安」
    「仕掛之百三十二 噂屋と瓦版屋」
    「仕掛之百三十三 血桜絶唱」
    「仕掛之百三十四 相対死に」

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    2019年06月24日
  • 鬼平犯科帳[決定版](十七) 特別長篇 鬼火

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    駒込のはずれにある老夫婦の営む名も無き居酒屋。「権兵衛酒屋」と呼ばれるその店が襲われ、女房が斬りつけられる。長谷川平蔵がそんな窮地を救うと、亭主の姿が消えていた。そして、ついに平蔵にも刺客の刃が襲い掛かる・・・。謎が謎を呼ぶ長編「鬼火」登場。

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    2019年05月24日