池波正太郎のレビュー一覧

  • 西郷隆盛 新装版

    購入済み

    幕末維新

    様々な幕末維新の本を読んできたが、西郷隆盛をフューチャーしたものは、初めて読みました。
    無骨ながらも人望があり、最後は自分の意思とは違う結末になったと思いますが、人柄が心に染みる内容でした。

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    2020年07月01日
  • 鬼平犯科帳(二)

    購入済み

    意外性

    犯人を捜す、見つける手法がさまざまで非常に興味深く且つ、犯人の意外性がまさにこの小説の神髄のような気がする。まさかまさかの連続で読者を引き付け、最後は強力な強さと大胆さで物事を解決する快感さがたまらない。話しが多岐にわたり読者を飽きさせないのが魅力である。

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    2020年07月01日
  • 真田太平記(九)二条城

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    加藤清正が重用していた料理人、片山梅枝春。実は甲賀の忍ではあったが、計らずも自分の主人暗殺の指令が届くとは。この9巻は主要な人々が次々に旅立っていく。

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    2020年06月30日
  • 秘伝の声(下)

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     上巻はどちらかというと、師の道場を守り抜く成子雪丸を中心に描いていたが、本巻は道場を出奔した白根岩蔵を中心に描かれている。
     剣術大会で頭角を現し、一気に道場主まで任されることになった岩蔵。しかし、それを面白くないと感じていた人々に命を狙われることになる。そして、岩蔵に最大の危機が。そんな中、雪丸の出生の秘密も明らかになる。
     上巻とは打って変わって流れが急になる下巻。人の思い、絆、裏切り、妬みなどがないまぜになった人間模様は現代にも通じるものがある。
     著者は「剣客商売」や「鬼平犯科帳」のシリーズで有名だが、この作品はそのような大作に隠れた名作と言ってもよいと思う。語り口調も分かりやすく、

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    2020年06月30日
  • 秘伝の声(上)

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     昔の世も今の世も人間の性はあまり変わらないものだなと感じる。考え方も人それぞれなら、生き方もそれぞれ。どうすることがよくて、どうすることが悪いのか、全くもってよくわからない。
     本書では師の遺言を巡り、対照的な人生を歩むことになった二人の青年剣士の姿を描く。一人(成子雪丸)は遺言に従い日々を送る中で師の道場を引き継ぎ、町になくてはならない存在に。一方の一人(白根岩蔵)は、遺言に背き、秘伝の書を持ち逃げしたことで、自ら町を去る羽目に。しかし、その後の人生を見る限りは決して悪人というではなく、寧ろ人に好まれる性格の持ち主であったようだ。紆余曲折の人生であるが、最終的には剣術大会で引き抜かれた形で

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    2020年06月29日
  • 人斬り半次郎 幕末編

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    人斬り半次郎として恐れられた、中村半次郎。
    西郷吉之助との出会いが、半次郎の人生を変えることになる。
    剣客としての半次郎は、知っていた。
    だが、本書を通じて、人となりなど初めて知ることの方が多かった。
    ここまでは、前半生。
    後半生で、どのように成長していくのか楽しみだ。

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    2020年06月24日
  • 鬼平犯科帳(二十一)

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    鬼平犯科帳 (21)

    20巻で、探索方から勘定方に戻されてしまっていた細川同心が非番の日に手柄をたてる「泣き男」。めでたく探索方に戻ったはいいのですが、自分にとって都合の悪いことを隠すという悪いクセが治らず、鬼平さんに怒られていました。
    この細川同心と同じくダメっぷりを見せてくれるのが、「麻布一本松」での、木村忠吾さん(この人はもうお約束)。
    この二人のように、ある意味笑えるダメさ加減ならまだよいのですが、火盗改方の同心でも洒落にならない破滅をしてしまう人がいます。今回は「春の淡雪」で登場した、大島同心がのっぴきならないところまで追い詰められ、悲惨な末路になりました。
    色んな部下が居て、それ

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    2020年06月24日
  • 鬼平犯科帳(十四)

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    時代を超えて多くのファンに愛されるシリーズ第14作。「五月闇」「あごひげ三十両」「尻毛の長右衛門」「殿さま栄五郎」「浮世の顔」「さむらい松五郎」を収録。
    本巻の最も衝撃は、「五月闇」の伊三次の死。やんちゃさとスマートさを兼ね、そして仕事は堅実。置かれた立場上を考えると、いつ死んでもおかしくはないが、その無情さと無念さが伝わる傑作である。

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    2020年06月20日
  • 鬼平犯科帳(十一)

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    「男色一本饂飩」いきなり忠吾の受難。男色の盗賊のお頭に監禁されて忠吾貞操のピンチで笑い事ではないけど笑ってしまった。なるほど、忠吾は今でいうところの「マシュマロ男子……」なのである。(池波風)
    「穴」元盗賊のご隠居が隣の家からお金を盗んで人知れず返しに行く話。同じような粋ないたずらを鬼平さんにしかけた盗賊のじいちゃんがいたなぁと思い出した。
    「毒」で鬼平さんの最期がさらりと語られていてびっくりした。シリーズはまだまだ続くけど、いつかは終わってしまうんだなぁと思うと悲しくなった。

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    2020年06月19日
  • 鬼平犯科帳(十八)

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    鬼平犯科帳 (18)

    何ともやりきれない結末の「一寸の虫」。苦悩する密偵の仁三郎が“なあんだ、これでいいじゃねえか・・”と出した結論が哀しすぎて、彼がどれだけ精神的に追い詰められていたのかと思うと胸が痛みます。
    「馴馬の三蔵」でも密偵・粂八が苦しんでいました。彼ら密偵の方々は“過去”があるだけに辛い部分がありますよね。
    第一話「俄か雨」と第六話「草雲雀」はリンクしていて、どちらも細川同心が登場します。イマイチ頼りない彼が今後どのように成長するのか見守りたいです。

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    2020年06月11日
  • 鬼平犯科帳(十七)

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    鬼平犯科帳 (17)

    特別長篇「鬼火」。

    無愛想な夫婦が営む「権兵衛酒屋」。その居酒屋が突如襲撃されてしまい、店の女房は斬られ、亭主はいずこかへ逐電しています。
    居合わせた鬼平さんが捜査にあたりますが、捜査の行く先々で狙われたり事情を知る人が殺されてしまいます。
    さらに残虐な押し込み強盗まで発生し、またまた火盗改方に厳しい闘いの日々が・・。
    今回は、大身旗本の家事情が絡むだけあって、鬼平さんの上司・京極備前守様の理解と信頼が心強かったです。
    前回の特別長編「雲竜剣」では、きちんと仕事をしていた忠吾さんでしたが、なぜか今回は鬼平さんに叱られるような言動ばかりしていました。なかなか成長しないと

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    2020年06月09日
  • 鬼平犯科帳(十五)

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    鬼平犯科帳 (15)

    今回は特別長編「雲竜剣」という事で、読み応えばっちりのスペシャル版となっております。

    二夜続けて腕利きの同心が殺害され、その剣の手練は、半年前に鬼平さんを襲った凄腕の剣客を彷彿させるもので・・。
    正体不明の恐るべき強敵の前に、暗中模索の火盗改方の面々。まさに“総動員体制”で事にあたりますが、それでも手が足りず、鬼平さんの剣友・左馬之助さんも駆り出される始末です。
    手の付けようがない程の困惑状態から、絡んだ糸をほぐすように事を明らかにしていく過程に、自分も探索の一員になったような気持でページを繰りました。
    そして、鬼平さんはじめ火盗改方の与力、同心、密偵の皆さんが一丸と

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    2020年06月04日
  • 鬼平犯科帳(十四)

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    ネタバレ

    鬼平犯科帳 (14)

    ショック・・。
    「五月闇」で、ヤキモキして、「さむらい松五郎」の冒頭で“ああ・・。”と、がっかりしました。
    サブキャラの一人とはいえ、これだけ喪失感があるという事は、自分が密偵・伊三次というキャラに、愛着がわいていたのだなあと。
    そんな読者の寂しさを埋めるかのように、「さむらい松五郎」は“兎忠”こと木村忠吾さんが奮闘しています。イケメン先輩同心・小柳さんに“ひどく威張ったな・・”とチクチク言われて狼狽する忠吾さん。という場面があるのですが、何か笑えて、“伊三次ロス”の辛い気持ちが少し癒されました。

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    2020年06月03日
  • 池波正太郎の銀座日記[全]

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    池波正太郎 銀座日記

    グルメで映画好きの著者の日記風エッセイ。銀座百点 連載。

    とてもいい。銀座ブランドに 執着や特別な感情がなく、生活の中に自然に銀座、築地界隈がある感じ。著者の挿絵もいい


    著者の意外な日常と偏愛
    *映画の趣味が若い。インディジョーンズ、ターミネーター、ダイハード、エイリアンまで観る
    *映画の好き嫌いが はっきりしていて、脚本や演者まで 細かな評価をするのに、本の書評がほとんどない
    *「浄瑠璃素人講釈」「三岸節子 画集」は愛読書の様子
    *山の上ホテルで仕事して、天ぷら食べることが多い


    モンテーニュは、いつ読んでも、男らしくていいね「睡眠は死に似ているから、自

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    2020年05月28日
  • 鬼平犯科帳(十三)

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    守るべき三ヶ条を守らない盗賊を畜生盗めという。本巻の『一本眉』では掟を守り抜く真の盗賊が畜生盗めの一味を成敗する痛快譚。他に5編収録。
    新型コロナウイルスで自粛ムードの今日この頃、在宅ストレスの解消のひとつが『鬼平犯科帳』。鬼平の推理や采配に感心し、美味しそうな料理に脳内舌鼓を打つ。そして、存在感たっぷりの真の盗賊たち。その一人が『一本眉』である。

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    2020年05月23日
  • 鬼平犯科帳[決定版](三)

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    鬼平シリーズ第三作。

    今回は火盗改方を解任となった平蔵が、父の墓参のために京へ行くの巻。
    とはいえ、のんびりした旅になることはなく、行く先々で悪党に出会い、事件に遭遇し、時に命を狙われ危険な目に遭いながらも見事解決していく。

    このシリーズでは平蔵は度々火盗改方を解任されているが、平蔵の失敗があったわけではなく、時には政治的思惑があったり、今回のように大きな事件がなく休暇代わりの解任というのもある。

    先に書いたようにこの休暇を利用して、京にある父の墓参りに行くことにした平蔵がお供に選んだのは前回登場回数が多かった木村忠吾。
    危なっかしい忠吾だが、なんだかんだで平蔵は気に入っているようだ。

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    2020年05月14日
  • 鬼平犯科帳(十八)

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    馴馬の三蔵
    小房の粂八は盗賊だったとき恩のある馴馬の三蔵に逢う。世話になった三蔵を売ることは出来ぬ。迷う粂八。
    平蔵に隠したまま、三蔵の一人ばたらきを見守る粂八。しかし、結局、三蔵は死んでしまう。一件落着となった際、粂八に対し平蔵は、
    『お前と三蔵との間に何があったか、それは、知らぬ。なれど‥‥』
    『口に出しては、味ない、味ない』
    夕闇のなか、粂八は、男泣きに泣いている。
    何も聞かぬ平蔵。
    読んでいて、映像が浮かんでくるよう。グッとくるなぁ。

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    2020年05月12日
  • 真田太平記(二)秘密

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    戦国時代を1つのムービーのように眺めてられるのが楽しい。父子やその周りの人間模様、他国の武将との関わり合いなども生き生きと描写されていて、おもしろい。ラスト50頁から怒涛の展開で、次巻が気になる。

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    2020年05月10日
  • 真田太平記(十二)雲の峰

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    全ては、この十二巻の為に描かれてきた物語。
    信之は、父や弟、妻などに次々と先立たれ孤独になっていってしまう。
    真田家のため、天下泰平のために生きた信之。
    本当にこれで良かったのか。
    『おもしろいほどに、人の一生は呆気ないものじゃ』
    これこそが、本当の信之の本心であっただろう。

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    2020年05月06日
  • 映画を見ると得をする

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    池波さんの主観が映画のテクニカル的な要素を含めて説明してあって面白い・
    舞台演出とか映画を作る側の気持ちになって映画を見てみようと思えた

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    2020年04月27日