池波正太郎のレビュー一覧
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幕末維新
様々な幕末維新の本を読んできたが、西郷隆盛をフューチャーしたものは、初めて読みました。
無骨ながらも人望があり、最後は自分の意思とは違う結末になったと思いますが、人柄が心に染みる内容でした。 -
購入済み
意外性
犯人を捜す、見つける手法がさまざまで非常に興味深く且つ、犯人の意外性がまさにこの小説の神髄のような気がする。まさかまさかの連続で読者を引き付け、最後は強力な強さと大胆さで物事を解決する快感さがたまらない。話しが多岐にわたり読者を飽きさせないのが魅力である。
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上巻はどちらかというと、師の道場を守り抜く成子雪丸を中心に描いていたが、本巻は道場を出奔した白根岩蔵を中心に描かれている。
剣術大会で頭角を現し、一気に道場主まで任されることになった岩蔵。しかし、それを面白くないと感じていた人々に命を狙われることになる。そして、岩蔵に最大の危機が。そんな中、雪丸の出生の秘密も明らかになる。
上巻とは打って変わって流れが急になる下巻。人の思い、絆、裏切り、妬みなどがないまぜになった人間模様は現代にも通じるものがある。
著者は「剣客商売」や「鬼平犯科帳」のシリーズで有名だが、この作品はそのような大作に隠れた名作と言ってもよいと思う。語り口調も分かりやすく、 -
Posted by ブクログ
昔の世も今の世も人間の性はあまり変わらないものだなと感じる。考え方も人それぞれなら、生き方もそれぞれ。どうすることがよくて、どうすることが悪いのか、全くもってよくわからない。
本書では師の遺言を巡り、対照的な人生を歩むことになった二人の青年剣士の姿を描く。一人(成子雪丸)は遺言に従い日々を送る中で師の道場を引き継ぎ、町になくてはならない存在に。一方の一人(白根岩蔵)は、遺言に背き、秘伝の書を持ち逃げしたことで、自ら町を去る羽目に。しかし、その後の人生を見る限りは決して悪人というではなく、寧ろ人に好まれる性格の持ち主であったようだ。紆余曲折の人生であるが、最終的には剣術大会で引き抜かれた形で -
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鬼平犯科帳 (21)
20巻で、探索方から勘定方に戻されてしまっていた細川同心が非番の日に手柄をたてる「泣き男」。めでたく探索方に戻ったはいいのですが、自分にとって都合の悪いことを隠すという悪いクセが治らず、鬼平さんに怒られていました。
この細川同心と同じくダメっぷりを見せてくれるのが、「麻布一本松」での、木村忠吾さん(この人はもうお約束)。
この二人のように、ある意味笑えるダメさ加減ならまだよいのですが、火盗改方の同心でも洒落にならない破滅をしてしまう人がいます。今回は「春の淡雪」で登場した、大島同心がのっぴきならないところまで追い詰められ、悲惨な末路になりました。
色んな部下が居て、それ -
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鬼平犯科帳 (17)
特別長篇「鬼火」。
無愛想な夫婦が営む「権兵衛酒屋」。その居酒屋が突如襲撃されてしまい、店の女房は斬られ、亭主はいずこかへ逐電しています。
居合わせた鬼平さんが捜査にあたりますが、捜査の行く先々で狙われたり事情を知る人が殺されてしまいます。
さらに残虐な押し込み強盗まで発生し、またまた火盗改方に厳しい闘いの日々が・・。
今回は、大身旗本の家事情が絡むだけあって、鬼平さんの上司・京極備前守様の理解と信頼が心強かったです。
前回の特別長編「雲竜剣」では、きちんと仕事をしていた忠吾さんでしたが、なぜか今回は鬼平さんに叱られるような言動ばかりしていました。なかなか成長しないと -
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鬼平犯科帳 (15)
今回は特別長編「雲竜剣」という事で、読み応えばっちりのスペシャル版となっております。
二夜続けて腕利きの同心が殺害され、その剣の手練は、半年前に鬼平さんを襲った凄腕の剣客を彷彿させるもので・・。
正体不明の恐るべき強敵の前に、暗中模索の火盗改方の面々。まさに“総動員体制”で事にあたりますが、それでも手が足りず、鬼平さんの剣友・左馬之助さんも駆り出される始末です。
手の付けようがない程の困惑状態から、絡んだ糸をほぐすように事を明らかにしていく過程に、自分も探索の一員になったような気持でページを繰りました。
そして、鬼平さんはじめ火盗改方の与力、同心、密偵の皆さんが一丸と -
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池波正太郎 銀座日記
グルメで映画好きの著者の日記風エッセイ。銀座百点 連載。
とてもいい。銀座ブランドに 執着や特別な感情がなく、生活の中に自然に銀座、築地界隈がある感じ。著者の挿絵もいい
著者の意外な日常と偏愛
*映画の趣味が若い。インディジョーンズ、ターミネーター、ダイハード、エイリアンまで観る
*映画の好き嫌いが はっきりしていて、脚本や演者まで 細かな評価をするのに、本の書評がほとんどない
*「浄瑠璃素人講釈」「三岸節子 画集」は愛読書の様子
*山の上ホテルで仕事して、天ぷら食べることが多い
モンテーニュは、いつ読んでも、男らしくていいね「睡眠は死に似ているから、自 -
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鬼平シリーズ第三作。
今回は火盗改方を解任となった平蔵が、父の墓参のために京へ行くの巻。
とはいえ、のんびりした旅になることはなく、行く先々で悪党に出会い、事件に遭遇し、時に命を狙われ危険な目に遭いながらも見事解決していく。
このシリーズでは平蔵は度々火盗改方を解任されているが、平蔵の失敗があったわけではなく、時には政治的思惑があったり、今回のように大きな事件がなく休暇代わりの解任というのもある。
先に書いたようにこの休暇を利用して、京にある父の墓参りに行くことにした平蔵がお供に選んだのは前回登場回数が多かった木村忠吾。
危なっかしい忠吾だが、なんだかんだで平蔵は気に入っているようだ。