池波正太郎のレビュー一覧

  • 真田太平記(十二)雲の峰

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    ネタバレ

    幸村が死んだのに、まだ話は続くのかと驚きを持って読んだ。主人公は一人というわけではなく、真田一族と草の者の物語のような印象を受けた。この書き方は珍しい。

    作者は9年間もかけてこの本を連載したという。それにしては、物語の繋がりの破綻もなく、伏線もあったりして、よく出来ているなと思った。

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    2020年01月28日
  • むかしの味

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    著者が気に入っている飲食店とそれにまつわるエピソードを紹介したエッセイ。

    東京近辺をメインに、京都や横浜、長野のお店が紹介されている。
    著者自ら描いた挿し絵も味がある。

    本エッセイを書かれた昭和末期に、既に老舗と呼ばれていたお店が、今日まで残っているのは驚き。
    読んでてお腹がすく。

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    2020年01月25日
  • 剣客商売 1巻

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    久しぶりに漫画を読んだ。原作の小説が面白かったので、どれくらいその世界が再現されているのだろうと思って手に取った。読んでみると、とても読みやすい。よくその世界観が表現されていると思う。

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    2020年01月19日
  • 真田太平記(二)秘密

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    小国である真田家にとっては、大国に付いて領土を守り抜くしか道は無い。
    四方八方から領土を狙われ、息付く暇もない中での上田築城。
    真田昌幸の、何としても領土を守り抜くという、プライドの表れであろう。
    どこと敵対し、どこと同盟するか、ひとつでも間違えれば喰われるのは己の領土。
    まさに戦国の世。

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    2020年01月18日
  • 真田太平記(一)天魔の夏

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    戦国時代を主家を転々とし、しぶとく生き残った真田家。
    この巻は、仕えていた武田家が滅びるところから始まる。
    どのように主家に取り入り、戦国の世を生き延びてきたのか。
    これから十二巻。
    やはり、始まりの巻はワクワクする。

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    2020年01月04日
  • 真田太平記(五)秀頼誕生

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    秀頼誕生から関ヶ原前夜までというところ。

    話が急展開している感があるが、実際、秀吉の死から2年後に関ヶ原が起きていることから、それを反映しているともいえるだろう。

    豊臣政権に大きな影響を与えたであろう秀次事件も出てくるが、当事者視点ではなく真田の忍び同士の会話に語らせている。真田がこの事件の当事者でないことは事実なので、それを強調するために、大事件であるにも関わらず忍びの会話を通じて語らせた池波の描写は見事だと思う。

    秀吉が加藤清正へ謹慎を命じた一連のくだりは、情報を鵜呑みにしてはいけないという著者のメッセージでもあろう。情報過多の現在では一層顕著である。

    有力政治家の死が政局に大きく

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    2020年01月03日
  • 真田太平記(四)甲賀問答

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    『真田太平記』は、表と裏の話が同時進行する、というスタイルであるが、本巻は裏、つまり忍び同士の闘いが中心。

    物語で描かれているような、いわゆる“忍び”の術が事実であるかどうかは知る由もないが、忍び同士の闘いは、手に汗握るような感じで読み進められる。池波の表現力が見事なのだろう。

    もちろん、表の話も展開されているが、メインは朝鮮出兵のうちの文禄の役。このあたりから、豊臣政権に綻びの兆しが出始めてくる。

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    2019年12月31日
  • 真田太平記(三)上田攻め

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    前半は第一次上田合戦、中盤から後半は秀吉の小田原攻め、終盤は朝鮮出兵前夜まで。

    特に印象に残ったのは、千利休の事件について真田信幸が思いを巡らせている終盤のところ。

    天下人となった秀吉は全てを思いのままにできるはずが、利休だけは秀吉の意のままにならなかった。そのためあのような事件が起きた(もっとも諸説あって直接の原因は定かではない)。

    この事件について真田信幸があれこれ思い巡らせているわけだが、これは信幸の口を通した著者からのメッセージだろう。

    つまり、成功を掴んだからといって決して思い上がってはいけない。謙虚たるべきだということだ。

    事実、秀吉はその後の朝鮮出兵や英次事件などがきっ

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    2019年12月29日
  • 真田太平記(二)秘密

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    歴史小説の面白いところの一つは、現在についても描かれていることである。つまり、「今ここには何があってこうなっている」というものだ。

    もっとも、物語が書かれた時点での“現在”なので、必ずしも今現在を反映しているわけではない。それでも、ここではかつてこういう出来事があったのかということを想像しながら読めるところに、歴史小説の面白さがある。

    本巻では後半に、徳川、北条、上杉という大勢力に囲まれた真田昌幸がどうやって乗り切るかが描かれている。

    この攻防はさらに続くが、大河ドラマ「真田丸」でも描かれた攻防と駆け引きが、この物語でも見事に表現されており、スリルを感じながら読み進めることができる。

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    2019年12月27日
  • 真田太平記(一)天魔の夏

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    歴史小説には、主人公がはじめのうちは登場しないものが少ない。

    この物語もそうで、真田昌幸が登場するのは話が少し進んでからである。もっとも、この物語の主人公は“真田一族”であり、特定の人物ではない。その意味で、群像劇の様相が強い。

    本巻のハイライトは2つ、すなわちはじめの甲斐武田氏の滅亡と、本巻の締めくくりである本能寺の変であろう。いずれの事件も、その後の真田家に大きな影響を与えたからだ。

    なお、武田氏の滅亡とは対照的に、本能寺の変は織田信長の視点ではなく、真田家の忍びであるお江の視点で描かれている。この書き方の方が、リアリティを感じさせ、また真田家に待ち受ける運命をより強く暗示させるから

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    2019年12月25日
  • その男(一)

    購入済み

    わくわく

    久しぶりに、わくわく出来る読み物でした。

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    2019年12月11日
  • 幕末新選組 新装版

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    新撰組二番隊隊長だった永倉新八の、幕末から明治維新を経て北海道で死去するまでの生涯を描いたもの。幕末の動乱が永倉目線で語られているのだが、生粋の江戸っ子であり、どこか客観的・他人事というか、屋根の上から物事を眺めているような視点での語り口がさっぱりしていて面白い。彼に言わせると明治維新とは、「徳川から薩長への単なる政権交代」であり、諸外国の侵入を許さなかったのは、「バカも多いが賢い奴もいる。国民が偉かったからだ。」ということらしい。最晩年に小樽の芝居小屋で数人のヤクザに絡まれた時、ひと睨みでこれを撃退したという逸話は、さすが元新撰組。

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    2019年11月03日
  • 梅安乱れ雲 仕掛人・藤枝梅安(五)

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    ネタバレ

    大坂・白子屋から放たれた刺客・北山と田島の二人が東海道を江戸へ下る。梅安は、白子屋を斬ろうと東海道を上って行ったであろう小杉を追って藤枝宿までやって来た。ここで刺客の一人・田島と梅安が妙な出会いをしてしまい、これが後々梅安の命を救うことになるのだが……さらに白子屋が大坂から江戸へ下向する。もうこうなると上を下への大騒ぎの様相だ。梅安への別の刺客がおせき婆さんを傷つけたことから、梅安の怒りに火が付き、単身白子屋へ乗り込むが、音羽の元締が3年前から用意周到に準備した舞台が生かされることになった。たいしたものだ。

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    2019年09月21日
  • 梅安針供養 仕掛人・藤枝梅安(四)

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    彦さん宅から出て石浜神明宮の辺りで血みどろの若侍と行き会ってしまった梅安。当然、捨て置けぬことになったのが、長編となる本巻の幕開けである。そして、大身旗本のお家騒動と三百両の仕掛けが重なるのは、このシリーズの定番とも言える流れだ。さらに大坂・白子屋も梅安殺害に動き出す。なんとも大風呂敷を広げるように事象が連結・拡大していくが、さすが大御所。風呂敷の畳み方が巧い!

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    2019年09月21日
  • 鬼平犯科帳(十)

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    ぽつぽつ読んでいる鬼平シリーズももう10冊目。
    「犬神の権三」鬼平が見込んで密偵に加えた雨引きの文五郎の裏切り。義理人情に駆られ、捕らえられた元盗賊仲間を脱獄させた文五郎だが…何ともやりきれない結末だった。
    「鬼の平蔵」が「本所の銕」に戻る瞬間が好き。おまささんとおしげさんの百合シーン(?)もあったりで、鬼平犯科帳に死角なし。
    「むかしなじみ」も同じようなストーリーで、彦十お前もか…!となったけど、こちらは密偵たちが一丸となり、未遂に終わる。よかった。
    「消えた男」生真面目な佐嶋のキャラが良い。高松繁太郎も鬼平という理想の上司の元で密偵として腕を振るってくれることを期待したのにあっさり殺されて

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    2019年09月20日
  • 梅安蟻地獄 仕掛人・藤枝梅安(二)

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    久しぶりの池波正太郎、そして仕掛人。最近は女流作家の時代小説を多く読んできたが、それらにはない大御所の味がある。札掛の吉兵衛から依頼される仕掛けと、ひょんなことから梅安と出会った者の遺恨が重なる定番の構図に惹き込まれてしまう。この巻では東海道を下る場面が描かれており、旅の気分を味わわせてくれるのも良かった。

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    2019年09月16日
  • 真田騒動―恩田木工―

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    戦国末期から江戸幕府期の真田家のサバイブについて。どの時代も生きづらく、だがしたたかに生き延びる。真田家のありようは成長期と成熟期の企業のようであり、外様大名の多くが直面したであろう苦労はサラリーマンにとって、共感できる。

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    2019年08月17日
  • 鬼平犯科帳[決定版](二十一)

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    決定版鬼平も終盤に突入。ちょしゃが鬼平ベスト5に選んだ「瓶割り小僧」収録。他に平蔵が自身の悲しみを吐露する「春の淡雪」など全6編を収録。

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    2019年08月16日
  • 真田太平記(一)天魔の夏

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    寝る前に寝床で読む本。長い小説がいいかなあと思い、積ん読本の中からチョイス。巻1は武田家の滅亡から本能寺の変まで。地元浜松の川や地名が出てきて、親近感を覚えました。

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    2019年08月11日
  • 雲霧仁左衛門(後)

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    火付盗賊改の黎明期ともいえる時代の捕り物。面白い!登場人物がなかなか良い!!仁左衛門のその後の話がないのが物足りなくもあり、またそこが良いところでもあるかな。

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    2019年07月24日