池波正太郎のレビュー一覧

  • 鬼平犯科帳[決定版](二十)

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    肴は豆腐一品のみの、味も素っ気も無い居酒屋、店の亭主は以前、火付盗賊改方同「心をつとめていた金三郎。の「おしま金三郎」ほか、「二度ある事は」、「顔」、「怨恨」、「高萩の捨五郎」、「助太刀」そして、「当代、まれに見る名人であった。」と平蔵の会話にあの「剣客商売」の秋山小兵衛を登場させたりと、著者の遊び心が随所にうかがえる。

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    2019年07月09日
  • 鬼平犯科帳(七)

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    寒月六間堀より
    つまりは、人間というもの、生きていくにもっとも大事なことは‥‥たとえば、今朝の飯のうまさはどうだったとか、今日はひとつ、なんとか暇をみつけて、半刻か一刻を、ぶらりとおのれの好きな場所に出かけ、好きな食物でも食べ、ぼんやりと酒など酌みながら‥‥さて、今日の夕餉には、何を食おうかなどと、そのようなことを考え、夜は一合の寝酒をのんびりとのみ、疲れた躰を床に伸ばして、無心にねむりこける。このことにつきるな。

    鬼平の言葉は味わい深く、身に染みます。常に場面が目に浮かび、映画的でもあります。

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    2019年07月07日
  • 散歩のとき何か食べたくなって

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    各地の名店ズラリ
    池波正太郎は、行きつけの店についてエッセイで結構書いています。これまで読んだものでは、都内の行きつけや大阪・京都などの関西方面が中心でしたが、本書ではそれにとどまらず横浜や名古屋、滋賀、信州など幅広く書かれています。

    作家さんて部屋に篭ってずーっと原稿用紙と向き合っているイメージが強かったのですが、池波正太郎は本当に色んな所に出かけていて、それで作品を書き上げるというのは凄いなぁと思いました。
    いや、色んな所に出かけるからこそ、刺激を受け作品が生まれる、のかもしれませんね。

    江戸時代の残り香
    本当に色んな所で色んな店に入っていますが、共通しているのは昔の香りが残っているお

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    2019年07月06日
  • 鬼平犯科帳(六)

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    大川の隠居
    平蔵は風邪を患い寝込んでいるところ、亡父・宣雄の遺愛の品の携帯用の銀煙管を盗まれてしまう。盗んだのは、密偵粂八の盗みの師匠ともいう友五郎。
    平蔵、粂八、友五郎の掛け合いが、また面白い。

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    2019年06月26日
  • 鬼平犯科帳[決定版](十九)

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    女密偵おまさは、万年橋から川面を見つめている女に気づく。以前、同じお頭の許で「引き込み」をつとめた女賊のお元であった。お元は男とお盗めの間で逡巡する。その他全6編を収録。

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    2019年06月25日
  • 仕掛人 藤枝梅安 35巻

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    仕掛之百三十五 梅安鳥人伝説
    仕掛之百三十六 梅安札の辻
    仕掛之百三十七 梅安松之廊下
    仕掛之百三十八 垂乳根有情
    仕掛之百三十九 梅安忍び針
    仕掛之百四十 梅安仕掛けの掟

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    2019年06月24日
  • 仕掛人 藤枝梅安 34巻

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    「仕掛之百三十 梅安毒消売」
    「仕掛之百三十一 二人梅安」
    「仕掛之百三十二 噂屋と瓦版屋」
    「仕掛之百三十三 血桜絶唱」
    「仕掛之百三十四 相対死に」

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    2019年06月24日
  • 鬼平犯科帳[決定版](十七) 特別長篇 鬼火

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    駒込のはずれにある老夫婦の営む名も無き居酒屋。「権兵衛酒屋」と呼ばれるその店が襲われ、女房が斬りつけられる。長谷川平蔵がそんな窮地を救うと、亭主の姿が消えていた。そして、ついに平蔵にも刺客の刃が襲い掛かる・・・。謎が謎を呼ぶ長編「鬼火」登場。

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    2019年05月24日
  • 食卓の情景

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    ネタバレ

    どんどん焼きから高級料亭での懐石料理、東大寺の結解料理、池波正太郎の全国食べ歩きと交友録、家庭で美味しい手料理を食べるところの勘所を書き記したもの。

    祖母や母、祖父などの思い出話に古き良き江戸っ子の情景が浮かぶ。
    「食べてすぐ寝ると牛になるよ」
    「町田の牛てん買って来ておくれ」
     「喧嘩しちゃあいけないよ」
    愛猫のシャム猫フロが清酒をねだりに夜の書斎にやってきたり、当時の映画の講評をしたり楽しい。

    いせ源 あんこう鍋
    三条 松鮨
    京都 志る幸
    村上開進堂 好事福蘆
    本牧 隣花苑

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    2019年05月19日
  • 鬼平犯科帳(二十三)

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    シリーズの中でも好きな作品。
    お園とお夏、どちらも隠し子なんだけど
    対照的。

    池波正太郎の人間観がうかがわれる。

    おまさとの「つなぎ」(連絡)のつけ方で
    平蔵たちが悩むくだりは、
    スマホ時代から見ると新鮮(笑)

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    2019年05月04日
  • まぼろしの城

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    ストーリー的には何故金子がそこまで有能になったのか、ちょっと疑問に思わなくもないが……沼田の内紛を面白く描いたという意味では流石だな。沼田顕泰の色ぼけがなかったら悲劇はなかったんじゃないかという気もするが。

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    2019年04月21日
  • 鬼平犯科帳[決定版](十五) 特別長篇 雲竜剣

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    火付盗賊改の二人の同心が殺害される。その太刀筋は約半年前にお頭・平蔵を襲った兇刀に似ている。その太刀筋こそ「雲竜剣」。忍び寄る恐怖と敵に立ち向かう迫力の特別長編が初登場。

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    2019年04月01日
  • 剣客商売一 剣客商売

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    再読。やはり面白い。昔、シリーズの途中(たしか11巻)まで読んでます。改めて、シリーズ読破を目指すことにしました

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    2019年03月30日
  • 真田騒動―恩田木工―

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    信州松代藩--五代目・真田信安のもと、政治の実験を握り放縦な生活に走った原八郎五郎を倒し、窮乏の極にある藩の財政改革に尽力した恩田木工を描く表題作。
    関が原の戦い以来、父昌幸、弟幸村と敵対する宿命を担った真田信幸の行き方を探る『信濃大名記』。ほかに直木賞受賞作『錯乱』など、大河小説『真田太平記』の先駆を成し、著者の小説世界の本質を示す''真田もの''5編を収録。


    どこの藩、家でもお家騒動はあったかと思いますが、信州松代藩(真田家)の騒動を取り上げた『真田騒動』が特に興味をひかれました。
    藩の財政再建に関わる話なのですが、家老の恩田木工が抜擢される前の

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    2019年03月29日
  • 日曜日の万年筆

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    ネタバレ

    池波正太郎は小説の他に数多くのエッセイも書いていますが、その中から食に関するエッセイを集めたのが本書です。「食の歳時記」と称して1月から12月までの各月の美味しいものや、東京の下町で過ごした子供時代のエピソード、はたまた小説における食事シーンについてなどが書かれています。
    本書に登場する食べ物は、活字にも関わらず本当においしそうで、一編一編が短いので、夜のリラックスタイムに読むことが多いのですが、お腹がすいてしまうこともしばしば。
    料理屋で食べるのもそうですが、自身で料理して食べることもあり、食へのこだわりが強く感じられました。

    >人間は、生まれると同時に、確実に[死]へ向かって歩みはじめる

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    2019年03月09日
  • 夜明けのブランデー

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    『夜明けのブランデー』は、『江戸前 通の歳時記』や『日曜日の万年筆』によく書かれていた子供の頃や青年の頃の思い出話よりも”今”のことが多いです。
    当時ハマっていた気学のこと、フランス旅行のこと、絵画のこと、様々な映画(洋画)のこと、気管支炎を患い入院したことなどなと。

    池波正太郎先生は、還暦過ぎに気管支炎を患って初めて入院したそうで、それ以前は日付が変わった後から仕事していましたが、退院後は早く寝るようになり、仕事を始めていた時間帯には就寝するようになったそうです。
    長年真夜中に仕事をしていたようですけど、お年のせいか、病後の体力低下のせいか、生活リズムはかなり変わったようです。

    気学やフ

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    2019年03月09日
  • 鬼平犯科帳[決定版](十三)

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    「熱海みやげの宝物」、「殺しの波紋」、「夜針の音松」、「墨つぼの孫八」、「春雪」、「一本眉」の全六編。同心・松永弥四郎が自身の奇妙な性癖を平蔵の息子・辰蔵に知られ、戦々恐々の日々を送る「夜針の・・・」と「一本眉」での木村忠吾もイイ。

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    2019年03月07日
  • 剣客商売番外編 ないしょ ないしょ

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    主人公の周りの人情が厚い人達の優しさがとても伝わってきます。主人公には波乱もありましたが、本当に仕合わせと感じた一生だったと思います。
    物語のテンポが良く、とても読みやすかったです。

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    2019年03月04日
  • 散歩のとき何か食べたくなって

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    時代小説を書く著者が散歩のときに求めていたのは、江戸と少年の頃の戦前の風情を残す町並み、そして散策時に立ち寄る老舗の味だった。

    名曲も名画も、現代でも素晴らしいものとして残っているものには、時代を超えて人の心を揺さぶる何かがある。味も同じだろう。けれど、「古い」だけでは駄目だ。
    このエッセイが書かれたのは昭和56年。果たして、平成の今、ここで紹介されている名店のどれだけが残っているのか。
    この本を片手に、私も散歩をしてみたくなった。

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    2019年02月22日
  • 鬼平犯科帳[決定版](一)

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    ドラマにもなった鬼の平蔵の原作。数年ぶりに読んでみたけれどやっぱり人情ドラマでじんとくる。時代に関係なく読める物語は良いものですね。

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    2019年01月12日