池波正太郎のレビュー一覧
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各地の名店ズラリ
池波正太郎は、行きつけの店についてエッセイで結構書いています。これまで読んだものでは、都内の行きつけや大阪・京都などの関西方面が中心でしたが、本書ではそれにとどまらず横浜や名古屋、滋賀、信州など幅広く書かれています。
作家さんて部屋に篭ってずーっと原稿用紙と向き合っているイメージが強かったのですが、池波正太郎は本当に色んな所に出かけていて、それで作品を書き上げるというのは凄いなぁと思いました。
いや、色んな所に出かけるからこそ、刺激を受け作品が生まれる、のかもしれませんね。
江戸時代の残り香
本当に色んな所で色んな店に入っていますが、共通しているのは昔の香りが残っているお -
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信州松代藩--五代目・真田信安のもと、政治の実験を握り放縦な生活に走った原八郎五郎を倒し、窮乏の極にある藩の財政改革に尽力した恩田木工を描く表題作。
関が原の戦い以来、父昌幸、弟幸村と敵対する宿命を担った真田信幸の行き方を探る『信濃大名記』。ほかに直木賞受賞作『錯乱』など、大河小説『真田太平記』の先駆を成し、著者の小説世界の本質を示す''真田もの''5編を収録。
どこの藩、家でもお家騒動はあったかと思いますが、信州松代藩(真田家)の騒動を取り上げた『真田騒動』が特に興味をひかれました。
藩の財政再建に関わる話なのですが、家老の恩田木工が抜擢される前の -
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ネタバレ池波正太郎は小説の他に数多くのエッセイも書いていますが、その中から食に関するエッセイを集めたのが本書です。「食の歳時記」と称して1月から12月までの各月の美味しいものや、東京の下町で過ごした子供時代のエピソード、はたまた小説における食事シーンについてなどが書かれています。
本書に登場する食べ物は、活字にも関わらず本当においしそうで、一編一編が短いので、夜のリラックスタイムに読むことが多いのですが、お腹がすいてしまうこともしばしば。
料理屋で食べるのもそうですが、自身で料理して食べることもあり、食へのこだわりが強く感じられました。
>人間は、生まれると同時に、確実に[死]へ向かって歩みはじめる -
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『夜明けのブランデー』は、『江戸前 通の歳時記』や『日曜日の万年筆』によく書かれていた子供の頃や青年の頃の思い出話よりも”今”のことが多いです。
当時ハマっていた気学のこと、フランス旅行のこと、絵画のこと、様々な映画(洋画)のこと、気管支炎を患い入院したことなどなと。
池波正太郎先生は、還暦過ぎに気管支炎を患って初めて入院したそうで、それ以前は日付が変わった後から仕事していましたが、退院後は早く寝るようになり、仕事を始めていた時間帯には就寝するようになったそうです。
長年真夜中に仕事をしていたようですけど、お年のせいか、病後の体力低下のせいか、生活リズムはかなり変わったようです。
気学やフ