池波正太郎のレビュー一覧

  • 鬼平犯科帳(十五)

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    二日続けて火盗改方の同心が何者かに殺害される。非道な火盗改方への挑戦に、長官・長谷川平蔵の怒りと闘志が湧き上がる。恐るべき敵に立ち向かう平蔵の縦横の活躍を描く長編作品。
    久しぶりに堪能した池波作品、そして鬼平犯科帳。長編作品なので登場人物も多彩かつ個性的であり、何よりあの忠吾が人として同心として大きく成長した姿を見せてくれるのがうれしい。

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    2020年04月21日
  • 江戸前 通の歳時記

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    食べることは、空腹を満たすための手段でしかなく、どこにでもある店、コンビニで何も考えずに、腹を満たしてきた貧相な食生活の私にとって、本書は、読み進めるごとに非常に色あざやかに感じられた。季節の移り変わりとともにある旬な食べもの、どうたべるのが旨いのか。今まで気にも留めていなかった食することへのこだわりが、心底カッコいいと感じた。大袈裟だけど、食べることの意味を考えさせられます。

    以下引用
    人間は、生まれると同時に、確実に死へ向かって歩みを始める。
    その死への道程をつつがなく歩みきるために、動物は食べねばならぬ。

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    2020年04月19日
  • その男(一)

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    一連の幕末物語で、前回読んだ幕末遊撃隊の主人公「伊庭八郎」も重要な役割で出てきます。
    まあとにかく色んな人が登場し、それがどれも幕末期の誰でも知ってる重要な人物なので頭が混乱します。
    「仁-jin」なんかとも混乱しますし。。。

    勝てば官軍という言葉がありますが、幕末期の徳川が封建制度の中心で悪者、倒幕側は西郷、坂本龍馬・・・等が正義のようなイメージを持っていましたが、それぞれの立場、考え方、人柄・・・そんな簡単に白黒つけられる物ではないという事がよくわかります。
    私もどちらかと言えば社会科は嫌いな方で、この辺の史実は教科書ぐらいしか知りませんでしたが大変勉強になりました。

    この物語に出てく

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    2020年04月16日
  • 真田太平記(十)大坂入城

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    徳川幕府と豊臣家の全面戦争。
    大坂冬の陣。
    豊臣家の無策ぶりばかりが目立つ。
    その中で、真田幸村は孤軍奮闘するが.......
    遂に、幸村の念願叶った、家康との対決。
    幸村は、父である昌幸の夢を叶えることができるのか。

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    2020年04月12日
  • 鬼平犯科帳(十六)

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    池波正太郎の小説の世界には、読むだけですぐに、季節を感じ、風の寒さ、鍋の暖かさ、鴨の味、江戸の世界観が一気に広がっていく。実に不思議であり、素晴らしい。

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    2020年04月09日
  • 真田太平記(八)紀州九度山

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    真田昌幸・幸村父子、九度山へ蟄居。
    前巻の関ヶ原が、動だとすれば、この巻は静だろう。
    天下に平和が訪れ、太平が保たれている。
    だが、真田家の草の者は、次を見すえて動き続けている。
    真田父子が夢見る、徳川家康を倒す日は訪れるのだろうか。

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    2020年03月27日
  • 江戸前 通の歳時記

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    池波正太郎の食に関するエッセイは、読んでいるうちに、口に唾が溜まる。そして、試したくなる。通い詰めた店は、今は無い所も多そうだが、思わず、食べログとかで調べたくなる。

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    2020年03月20日
  • 鬼平犯科帳[決定版](十五) 特別長篇 雲竜剣

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    一冊まるごとの長編。雲竜剣。平蔵が黒々とした大鴉のような黒い敵に斬られる夢をみる。二夜続けて腕利きの同心が殺害される。
    短編にはない、息をもつかさぬ展開。密偵も同心もオールキャストで、長編ならではの面白さですね。

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    2020年03月15日
  • 鬼平犯科帳[決定版](十四)

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    人が何か仕出かす事は、必ず、何らかの結果をまねくことなのだ。当たり前のことだがね。
    その当たり前のことを、人という生きものは、なかなかに、のみこめぬものなのさ、このおれもそうだが

    ひとこと、ひとことが身に染みる。

    それにしても、五月闇で、密偵伊三次が亡くなったのは、残念ではある。

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    2020年03月14日
  • 真田太平記(六)家康東下

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    豊臣家を間に挟み、徳川家康と石田三成が対峙する。
    ここまでは、家康と三成の人間性の差がまざまざと表れている。
    どちらの大義が成り立つのか。
    そして、真田家では、父子が敵と味方に分かれる。
    どちらが敗れても、真田家の名は残るが、血で血を洗う真田家の戦いはいかに……

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    2020年03月08日
  • 真田太平記(五)秀頼誕生

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    豊臣秀吉亡き後、真田家が取る道とは。
    豊臣秀頼か。
    徳川家康か。
    ここで、真田家の運命が決まってしまうのか。
    巻を追うごとに、面白さが増していく。
    次巻も期待大。

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    2020年02月25日
  • 鬼平犯科帳(三)

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    鬼平犯科帳 (3)

    一時的に火付盗賊改方の長官を解任された鬼平さんは、亡父の墓参りも兼ねて京都に旅立ちます。
    一応プライベート旅行のはずなのに、行く先々で盗賊達の捕縛に尽力してしまう事になる鬼平さん。
    お供の忠吾(うさぎ)さんも、とんだ“色模様”で、間抜けなようで結果的に事件に一役買ってしまう所がご愛嬌です。
    一方、鬼平さんが留守の長谷川家にちょっとしたピンチが襲いますが(第六話「むかしの男」)、佐嶋与力をはじめ、頼もしい部下軍団がしっかり守ってくれて心強い限りです。

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    2020年02月19日
  • 真田太平記(四)甲賀問答

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    この巻では、忍びの者が暗躍。
    現代でいう、いわゆるスパイ。
    人間離れした、忍び同士の壮絶なしのぎあい。
    歴史の表には出てこない、裏の顔が垣間見える。

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    2020年02月11日
  • 鬼平犯科帳(十二)

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    密偵たちの宴。
    四つほどの重箱には、軍鶏を酒と醤油で煮つけたものや、蕨の胡麻あえや、豆腐の木の芽田楽などが詰めてあり、大皿には鯛の刺身がもりつけてあった。
    なにげない料理のシーンにも、心惹かれるのが、また鬼平の魅力でもある。

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    2020年02月08日
  • 真田騒動―恩田木工―

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    幕藩体制下の武士、特に政客の生き様が描かれる。創業は易く守成は難し。真田家はまさにそのような立ち位置である。2020.2.8

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    2020年02月08日
  • 鬼平犯科帳(十一)

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    雨隠れの鶴吉。引き込みの鶴吉が、乞食坊主の井関緑之助に語った言葉も、身に染みます。
    「物事には、いちいち理屈をつけるものではない。人間という生きものは理屈とは全く無縁のものなのに‥‥どうも、得てして理づめに生きたがるのがおかしい、とね」
    池波正太郎先生からの奥深いメッセージが感じられて、グッときますね。
    鬼平ワールドはいい。たまに帰ってきたくなります。

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    2020年02月08日
  • 真田太平記(十)大坂入城

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    大坂冬の陣。

    もし自分が大坂方だったら、大野治長や淀殿の無策ぶりに絶望感を感じ、さっさと脱出しただろう。

    それだけ池波の描写は見事。

    本巻で書かれていることは、時間的にはおそらく同時並行で進んでいる。どの出来事を先に持ってきてどれを後に持っていくかは著者が決めることだが、このような著者の意図を読んでいくことも歴史小説の醍醐味である。

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    2020年02月06日
  • 鬼平犯科帳[決定版](二十四) 特別長篇 誘拐

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    ●読んで得たもの
     長谷川平蔵の人間性

    ●感想
     登場人物が多いため頭の中で整理しながら読んだ。
     ストーリーはとても面白い。
     平蔵と彼の部下達が各々の役割を果たしており、組織として機能している。
     何ともうらやましい、こんな職場で仕事をしたい。

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    2020年02月05日
  • 真田太平記(八)紀州九度山

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    九度山で蟄居中の時期だからか、忍びの場面が多い。

    ただ、この巻から登場する小野お通にはなんとも言えない不気味さを感じる。「真田丸」ではそういう人物ではなかったはずだが。

    それから、この巻から淀殿もちょちょく登場するようになる。こちらはこれから最重要人物の一人になるのだろう。

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    2020年02月02日
  • 真田太平記(三)上田攻め

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    北条家の高慢ぶりが、読んでいてイライラさせられた。
    池波正太郎の術中にハマっているのか。
    過去の栄光に縋っているだけでは、生き抜けない厳しい戦国の世。
    その中で、真田家はどう生き抜いていくのか。
    昌幸親子の運が試される。

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    2020年01月31日