池波正太郎のレビュー一覧
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剣客商売番外編下巻。
ものすごいスピード感のあるストーリー展開だった。
この番外編のタイトル「黒白」は、人の人生を示しているのだろうな。
善か悪か。
黒か白か。
ある一端を見れば、悪であり黒かもしれないが、その裏には善であり白かもある。
人の人生、人というものは、黒か白かをバッサリと分けることができない。
頭ではわかっているが、黒か白かをバッサリと切ったほうが、接することも、生きることも楽チンなので、やってしまうが、そんな簡単なものではないのだ。
波切八郎も、岡本弥助も、人に好かれる資質を持っていたと思う。
そして、2人とも、それぞれの苦悩を抱えていた。
辛い人生の道に翻弄された2人という気がする。
どこかで道が違っていたら、きっと、2人は出会わず、全く異なった人生を歩んだだろうなと。
ラスト、波切八郎が無事であったことを知ったとき、小兵衛さんではないが、嬉しくなった。
生きていてくれたと。
そして、その姿から、今は幸せなのだろうと想像して。
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Posted by ブクログ
池波正太郎(1923-1990)も没後三十年。時蠅は矢を好む。短篇集『仇討ち』の登場であります。テエマはそのものずばり「仇討ち」。
日本人は曽我兄弟の仇討(1193)や鍵屋辻の決闘(1634)、さらには忠臣蔵・赤穂事件(1703)など、仇討物語が好きであると言はれてゐますが、本当の所は分かりません。Wikipediaなら、「要出典」「誰によって?」などと書かれるかも。ただ、歴史上の事情が関係してゐるとは言へさうです。
仇討制度について、池波正太郎自身が、作中で解説してゐますので、引用しますと―
さむらいがさむらいを斬殺すれば、その場において、自分も腹を切る、自決する。これが武士の心得である。相手を殺して逃げたとあれば、殺された者の子か、弟妹かが敵討ちの旅にのぼらねばならない。/同時に殺した者の実家や身寄りの者にまで迷惑がかかる。/封建の時代(ころ)は、つまり日本がいくつもの国々にわかれてい、それぞれに大名がこれをおさめていたわけだから、A国で殺人を侵してB国へ逃げこんでしまえば、一応、A国の法律は適用されぬことになる。/ここに、武家の[敵討ち]がおこなわれる。/いわば法の〔代行〕ということだ。
迷惑な事です。仇討の旅立ちに当つては、親族一同から励まされ意気揚々として出立しても、簡単に仇は見つからず、見つかつても彼我の力量差から返り討ちに遭う事もあります。大概は仇は見つからず、かといつて里にも帰れず、放浪の旅になる事が多かつたやうです。
本書にも仇討に出ざるを得なくなつた物語が八篇収録されてゐます。例へば「うんぷてんぷ」は、長年の仇討の旅に疲れた男が、もう諦めて女と所帯を持たうとした途端に、嫉妬から斬つた男が仇だつたといふ、文字通り運否天賦の話。
例へば「仇討ち七之助」。仇が強すぎて敵はぬ相手で、逆に返り討ちが怖くて名を変へてゐたが、その名を借りた男が兇状持ちで、見知らぬ男から斬られるといふ理不尽な物語であります。
ほかに「顔」「仇討ち狂い」「金ちゃん弱虫」「熊田十兵衛の仇討ち」「あばた又十郎」「出刃打お玉」を収録。当時の宮仕へとは、現代のサラリーマン以上に悲哀を含んだものだ喃と感じた次第であります。 -
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剣客商売 十一
大治郎、三冬夫妻の息子・小太郎が誕生。小兵衛さんも初孫の顔を毎日のように見に行くほど可愛がっている様子が微笑ましいです。
さて、今回は「剣の師弟」「小判二十両」のように“昔の弟子がやらかす系”の話が印象に残りました。
とくに、切なく悲しかったのが「その日の三冬」。
三冬のかつての“弟弟子”にあたる、岩田勘助との思わぬ再会と彼の悲しい境遇がやるせない話です。過去に岩田が三冬へした“行為”は、彼が三冬のことをすごく、すごく好きだったのだろうな・・という想いがひしひしと伝わってきます。だから三冬も不快に思わなかったのでしょうね。
三冬が去った後、彼がどのような最期を迎えたか、大治郎が何気に話す世間話で知るというのが、何とも皮肉ですが上手いなぁと思います。 -
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剣客商売12作目。
おはると、小兵衛夫妻は、とってもよいコンビだなー。。。と思った「罪ほろぼし」(笑)
三冬と、大治郎夫妻は、共にかっこいいコンビ。そして、息もあっている。と改めて思った「浮寝鳥」。
「白い猫」は、駒形の元長にいったのか?
猫が気になる。。。
「浮寝鳥」は、おみよの行く末が気になる。。
「罪ほろぼし」は、「辻斬り」の続編。
でも、あまりに前に読んだので、「辻斬り」を忘れている。。。記憶力がないなー。。自分。。
でも、最後はほっこり。
久しぶりに、読んで幸せな気持ちになった。
剣客商売の最後って、寂しさや悲しさを覚えるものが多くてね。。。
白い猫
密通浪人
浮寝鳥
十番斬り
同門の酒
逃げる人
罪ほろぼし