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Posted by ブクログ
上巻はどちらかというと、師の道場を守り抜く成子雪丸を中心に描いていたが、本巻は道場を出奔した白根岩蔵を中心に描かれている。
剣術大会で頭角を現し、一気に道場主まで任されることになった岩蔵。しかし、それを面白くないと感じていた人々に命を狙われることになる。そして、岩蔵に最大の危機が。そんな中、雪丸の出生の秘密も明らかになる。
上巻とは打って変わって流れが急になる下巻。人の思い、絆、裏切り、妬みなどがないまぜになった人間模様は現代にも通じるものがある。
著者は「剣客商売」や「鬼平犯科帳」のシリーズで有名だが、この作品はそのような大作に隠れた名作と言ってもよいと思う。語り口調も分かりやすく、時代小説をこれから読もうという人にもおススメである。
Posted by ブクログ
なるほど・・・池波最後の新聞小説〜岩蔵の預かった道場は狙われていた・・・と言うより,岩蔵の命を狙う旗本の部屋住みの取り巻きが,女を雇って毒殺を企て,女が岩蔵に鞍替えしてからは,下男を籠絡して手引きさせ,道場諸共焼き尽くそうとしたのだった。難を逃れ掛かった岩蔵は矢で射られ,駆けつけた雪丸に,師匠の秘伝書が白紙であったこと,仇を討とうと考えてくれるなと遺言してあの世へ旅立った。田沼の財政顧問とも云うべき島田九兵衛は独自の探索で黒幕を突き止め,雪丸は岩蔵の遺した八角棒で天誅を加える〜途中,眠ってしまうこと一度。新聞小説なので,先のことは作者も判らず,ブツブツ切れた感じになったのである。旨そうなものが出てこないのも作者が初入院をした直後の事だからかも知れない
Posted by ブクログ
「秘伝の声」は自分の中の自分が語りかけてくるのだろうか?
この本を初めて手にしたのは1993年4月29日と記録している。まだ独身で東京で研修を受けていた時に購入したものだ。
その時から32年。その間の人生はどうだったかな。
人生を歩む中で「自分の秘伝書」が自分の中で綴られていくのだろう。物事の優先順位、判断基準、価値観、好き嫌い。
人生はいつ終わるか誰にも分からない。だから毎日の生活・営みの中で「自分の秘伝書」を一行一行増やしていこう。
ラストの一文はそういうことを池波先生が言っているのだろう。
「うむ。このほうがよい。さと、酌をしてくれぬか」
「はい」
酌をしながら、うれしげに、さとがいった
「だんなさま、このような良い夜は、めったにございませぬな。」
そう、一日一日を大切に。「秘伝の声」に耳を傾けよう。
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