池波正太郎のレビュー一覧

  • 鬼平犯科帳[決定版](五)

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    鬼平誕生50年を記念してより読みやすい文字の決定版として登場。後年、池波氏が著者自身の鬼平ベスト5に選んだ「山吹屋お勝」ほか全7編を収録。

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    2018年08月06日
  • 剣客商売十六 浮沈

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    2010年以降、読み進めてきた剣客商売シリーズも本書でラスト(番外編はあるけれど)。シリーズ全16巻は、どれも気軽に読み進められるとともに、一定以上のクオリティを常に保ち続けた素晴らしい作品群でした。

    本書は最終巻を意図して刊行されたわけではないようですが、解説でも述べられていたように最終巻として相応しい印象を受けます。それは、小兵衛をはじめ一部の登場人物が歿する年齢が作中で明記されているだけではありません。ひとつは、小兵衛や大治郎のよき庇護者といえた田沼意次の没落がついに訪れたため、小兵衛を取り巻く環境の変容が予期されること。ふたつめは、仇討が当たり前の物語において、あえてその道を選択しない平松伊太郎の存在が一連の物語にひとつの区切りを設けたと感じられること。これまでのシリーズを支えてきた安心感(これは、小兵衛が悪を討つという不変のコンセプトに由来するものかと)が大きく変化せざるを得ないかもしれない、そんな前途に何か不安を覚える作品だからこそ、最終巻でよかったと思えるのかもしれません。

    いずれにせよ、とても楽しませていただいたシリーズ。次は著者の違う作品も少しずつ読んでみよう。

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    2018年08月03日
  • 鬼平梅安 江戸暮らし

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    池波正太郎の数冊のエッセイをぐうっと縮めたような小冊子。いくつか見たものもあったかもしらないが、どのみち、忘れているから、十二分に愉しめた。

    これが書かれた頃、藤沢周平は「普通の人」を意識して東京(江戸)の郊外でひっそりと暮らしていた。池波正太郎は東京オリンピック辺りから急速に無くなった江戸の名残を「嘆き」ながら、それでも江戸の粋を残した食を愉しみ、きちんとしたホテルに泊まって次々と名作を書いた。

    池波正太郎は最近の時代小説に時々見られるような、あからさまに時代の薀蓄を語るようなことは決してしない。むしろ彼があえて描かないものの中に、真に江戸を知っている者の「教養」があったと思う。

    ・天ぷら屋なんて、当時はまだない。ちゃんと店をかまえているような天ぷら屋はね。梅安の時代は屋台だよ。鮨もそうだ。握り鮨はないことはないけど、コハダの鮨ぐらい、あとはいなり寿司。
    ・それから道でもね雨が降ったら歩けないんです、ぬかるみになっちゃって。だから、ぬかるみの中をちゃんと歩くようにして書かなくちゃいけないわけだ。ぼくは、前の晩に雨が降ったときは、必ず読者に納得が行くように書いていますよ。どれを読んでもらってもわかる。

    今更ながら、鬼平の〈引込み〉や〈火盗改め〉、〈急ぎ盗(ばたらき)〉などは造語なんだと知ったし、長谷川平蔵の私邸を本来の目白台から機動性を考えて清水門外に小説用に移したと知った。小説には書いていないらしいが、使い道がなかった梅安の報酬は1部はおもんに行ったが、大部分は梅安の貧乏な患者にやっちゃうという風に決めていたらしい。梅安は、必殺仕掛け人としてたった一両で毎週のように人殺しをしていたわけでは無いのである。

    編者の高丘卓氏の巻末解題がきちんと読ませるエッセイだった。私は、鬼平も梅安もまだ数冊未読の巻を残している。初老に近づいた今、読み始める時期が来ているのかもしれない。

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    2018年08月02日
  • 鬼平梅安 江戸暮らし

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    「鬼平」の味、「梅安」の暮らし、その粋と醍醐味!時代小説の人気キャラクターが生きる江戸の風物や食文化が蘇る、名エッセイ集である。

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    2018年07月25日
  • 鬼平犯科帳[決定版](二)

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    ネタバレ

    「一の悪のために十の善がほろびることは見逃せぬ」
    「悪を知らぬものが悪を取りしまれるか」

    ……と、大江戸の悪党をガンガン始末しまくる鬼の平蔵さんとその仲間たち。

    この巻に出てきた『妖盗葵小僧』は、今の時代だったら、こんな解決はできないと思えるお話でした。

    顔も性格も悪くて女性にモテない大馬鹿野郎が、美女のいる良家ばかりを狙って、その女性たちをキズモノにしていく。
    しかも、旦那さんや親の目の前で。

    それを正統なルートで裁くとなると、被害者である彼女たちがまた世間という魔物によって更なる被害を受けてしまう。
    それを苦に自殺を図る夫婦も出ちゃった。

    性根の腐ったコンプレックスの塊オトコは、捕まった途端、今まで自分が犯してきた女性たちの名前をぺらぺらと話し、事件を裁く過程で被害を隠してきた彼女たちを公儀が調査することで、わざと再び彼女たちを傷つけようとした。

    それに気づいた鬼平さんは、さくっとダメくず男をその日のうちに殺しちゃったんだよね。
    で、上には余罪を一切報告しなかった。

    これ、今の司法制度じゃできないよね。
    なんか、まさに「一の悪のために十の善がほろびることは見逃せぬ」だよね。

    犯罪はキレイごとじゃないからね。
    頭でっかちすぎてもダメだよね。

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    2020年05月07日
  • 鬼平犯科帳(一)

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    名前は聞いたことがあるけれど、実はよく知らなかった鬼平さんの世界。

    短いお話が進むにつれて、大きなお話がわかっていく構造で、これはハマるかも…。

    せっかく東京に住んでいるんだから、舞台にあるあたりを涼しくなったら散策してみたいな。

    今の司法と比べて悪人を証拠がなくても逮捕できるし、あっさりと処刑できるのがスゴイね。

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    2018年07月22日
  • 近藤勇白書

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    近藤勇の後半生は、幕府のため、新選組のためにあったと言っても過言ではない。
    強いところも弱いところも、驕り高ぶったところ、女に溺れたところも、全てをひっくるめて人間味溢れる近藤勇が描かれている。

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    2018年07月05日
  • 鬼平犯科帳<番外編> 乳房

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    ネタバレ

    「まるで不作の生大根をかじっているようだ」と初めての男に、もてあそばれ捨てられたお松。ある日偶然見かけて、お松はその男を絞殺してしまいます。男のその言葉が頭から離れないお松は自分に自信が持てず、危機を救ってくれた長次郎の勧めで“倉ヶ野の旦那”の世話になることにします。並行して話は鬼平と呼ばれる前の平蔵に移ります。平蔵はお松の話を耳にし興味を持ちます。そして勘蔵を殺したのはお松だと気付くのですが…。

    お松が捕まってしまうのか、平蔵がどうするのか気になりましたが、落ち着くところに落ち着きました。
    大店の後添えや医者の養女に、と望まれるお松は謙虚であり、罪を犯した分償いのため何事も一生懸命やる姿勢が幸せを呼び込んだのかもしれません。
    お松は“倉ケ野の旦那”の正体も行く末も知りません。
    火盗になりたての鬼平が如何にして自分の配下を心酔させたか。お松の話と並行して平蔵の活躍も見られて面白かったです。

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    2018年06月17日
  • 鬼平犯科帳[決定版](三)

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    決定版・「鬼平」第三巻。火付盗賊改方と役職を一度解任された長谷川平蔵は亡き父の眠る京都へ出かけるが、そこで・・・・?

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    2018年06月05日
  • 鬼平犯科帳[決定版](二)

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    鬼平誕生50年を記念して刊行された”決定版”。なかでも同心・木村忠吾(兎忠)から目が離せない「谷中・いろは茶屋」は特筆。

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    2018年05月31日
  • 殺しの四人 仕掛人・藤枝梅安(一)

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    時代小説を読むのは苦手で、例えば○馬遼太郎氏の作品あたりは全く合わないのだが、池波正太郎作品はその軽妙な語り口と魅力的な登場人物のゆえに大好きである。
    女はうそが人の形をしている、なんて登場人物のセリフにしれっと書いてあるあたりが何とも憎い。
    鮮やかにクールに仕事を終え、女を抱き、パートナーに慕われ…。そんな藤枝梅安は素直にかっこいいと感じる。
    それと、実に特異な仕事をする仕掛け人の日常に登場し、場面を彩る食事の数々…。読んでいておなかが減ってくる。

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    2018年04月28日
  • 鬼平犯科帳[決定版](一)

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    ドラマを見ていたクチ
    アニメ化で決定版を知り手に取る。
    ど定番のなかに、人情味と非情さを持つ
    鬼平の色気を堪能
    歳をとってきたんか俺…

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    2018年03月17日
  • 池波正太郎短編コレクション2夢の茶屋 暗黒時代小説集

    購入済み

    短いのを沢山は要らないと思います。

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    2018年03月17日
  • むかしの味

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    粋な本である。如何にも旨そうな料理の描写と池波正太郎氏のむかしの挿話が各店を訪ねたい気にさせる。・・・と現代の技術を使ってグルメサイト検索すると何れも高評価なお店ばかり。さすがは食通として名高い文豪である。しかし大切なのは味ばかりではない。丁稚奉公から文豪となった氏が語る料理への思い出は最高の調味料として効いている。回顧主義に走るのではなく、江戸っ子らしい感覚で「よいものはよい」とむかしの味と記憶を紡ぐ物語はなんだかほっこりさせられてしまう。

    余談ながら東京下町の老舗にお邪魔すると池波正太郎氏の写真がちょくちょく飾られている。自分の足で色んな店を訪ね歩き、気さくに写真に応じる氏の表情が浮かぶようである。

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    2018年03月14日
  • 人斬り半次郎 賊将編

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    薩摩の極貧武士の幕末、維新の活躍と凋落を通して、この激動の時代の流れを感じ、雰囲気を垣間見れる、とても面白い作品。
    今の大河ドラマでやってる西郷どんと被る所があるので、より一層面白く感じます。
    西郷隆盛はその人望の厚さが納得できるくらい、度量の大きい人なんだなと思いました。

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    2018年02月15日
  • 近藤勇白書

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    新選組局長・近藤勇が辿る、栄枯盛衰のドラマを綴った大長編。池波正太郎ならではの豊かな人物描写で、近藤勇、土方歳三、永倉新八、原田左之助ら隊士達が「本当にこういう人だったのかもなぁ」と思わせる。後半、薩長が台頭し幕府が瓦解していく時代の中で、新選組の積み上げてきた栄光がガリガリと削り取られていく様は辛い。どんなに偉くて格好いい人でも、しょせんは歴史の流れに乗って消えていく、小さい泡沫に過ぎんのであるなぁ……

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    2018年01月08日
  • 鬼平犯科帳(九)

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    鬼平シリーズは、出勤のバスの中で読むのにちょうど良くて重宝している。
    「鯉肝のお里」前巻の左馬之助に続き、おまささんと五郎蔵が夫婦に。鬼平犯科帳寿ラッシュである。おまささんの気持ちを知りながらも、鬼平さんはこいつならって五郎蔵さんをおまささんに添わせたんだろうな。
    「本門寺暮雪」凄い奴との死闘。平蔵のピンチを救った柴犬のクマが平蔵家の子に。クマ可愛い。忠吾より有能かも??
    「狐雨」はまさかの妖怪話という変化球。
    今回も面白かった。

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    2018年01月19日
  • 新装版 娼婦の眼

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    池波正太郎記念館へ行った際に興味本位で買った本。真田太平記は読んだことがあったが、娼婦を題材にした作品があったとは。舞台は昭和30年代で、お金の価値観も今とは違うが、今読んでも読み応えがあった。

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    2017年12月11日
  • 鬼平犯科帳(二十四)

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    ネタバレ

    ああ、とうとう読み終わってしまいました…。
    『女密偵女賊』『ふたり五郎蔵』と大切に読み、『誘拐』はこれからというところで未完のまま終わり、続きは想像するしかなくなりました。おまさが無事に戻るのか、はらはらさせたまま終わりだなんて。本当に寂しい。もっともっと鬼平の活躍を見たかったです。

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    2017年12月10日
  • 新装版 若き獅子

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    ネタバレ

    最初の2篇が浅野内匠頭と吉良上野介、3つ目が北斎。続いて高杉晋作、河井継之助、松平容保、新選組、小栗忠順。個人的に北斎がマイブーム中だけど、後半5篇が、同じ時代を別の視線で切り取ってて、映画「羅生門」的面白さがあった。

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    2018年10月15日