池波正太郎のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
「武士の名誉を生きるためには、いつどこでも死を迎えることになるかも知れぬという覚悟を日々新たにすると同時に、生きて迎える一日一日を充実せしめたい、妻を愛し、家を愛する心を日々新たにしようという又右衛門の生き方なのであった」。
死が身近なこの時代は、こうした考えで生きていたのだろうが、東日本大震災や熊本地震など、実は身近な死を忘れている我々も、いつ愛する人を亡くしても、また自分が死を迎えても、後悔がないよう一日一日を充実させる姿勢が学ばれる。
江戸時代初期の武士・剣客であり、日本三大仇討ちの一つの「鍵屋の辻の決闘」で知られる荒木又右衛門の物語など、11編が収められている。 -
Posted by ブクログ
先日古本屋で見つけた池波正太郎の「さむらい劇場」(新潮文庫)を読みました。
読み始めて間もなく、これまで登場していない女性が突然現れました。
それも、前後の関係が全く無く、さもこれまで登場したふうなことが書かれているのです。
おかしいなと思い、前のページを繰り返し調べましたがやはり彼女の名前は出てきません。
で、よく調べると、何と33ページも飛んで製本されているではありませんか!
仕方なく翌日本屋に行って飛んでいる部分を読み、筋書きをのみこんだ上で再び読みはじました。
勧善懲悪的な筋立てで、主人公だけが家族や友人をさしおいて、するすると駆け上がってしまう。
その点少し気になりました。
でも、