池波正太郎のレビュー一覧

  • 鬼平犯科帳[決定版](九)

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    「鬼平犯科帳」に登場する盗賊には、急ぎ働き、畜生働きをする悪人がいる一方で、本格派や義侠心に富む者もいる。彼らもまた人間なのだ。「雨引きの文五郎」「鯉肝のお里」「本門寺暮雪」「白い粉」などを収録。

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    2017年07月30日
  • 鬼平犯科帳[決定版](八)

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    「鬼平犯科帳」の最大の魅力は、苦労人である長谷川平蔵の、酸いも甘いもかみ分けた人情あふれる沙汰と鮮やかな剣の腕前である。「用心棒」「あきれた奴」「流星」「あきらめきれずに」などを収録。

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    2017年07月30日
  • 鬼平犯科帳[決定版](七)

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    家族、友人も大切な登場人物である。しっかり者の妻の久栄、ちょっと頼りない息子の辰蔵、養子のお順、友人で剣豪の岸井左馬之助など。「隠居金七百両」「はさみ撃ち」「掻堀のおけい」「泥鰌の和助始末」などを収録。

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    2017年07月30日
  • 鬼平犯科帳[決定版](六)

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    魅力的な密偵たちの名を挙げると、小房の粂八、おまさ、伊三治、相模の彦十、大滝の五郎蔵、舟形の宗平など。「礼金二百両」「狐火」「大川の隠居」などを収録。

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    2017年07月30日
  • 鬼平犯科帳[決定版](五)

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    脇役たちの魅力は、密偵に尽きる。善も悪も知ったうえで鬼平と世の平穏に尽くす。しかし、かつての仲間を売る彼らの心境は複雑だろう。「乞食坊主」「兇賊」「山吹屋お勝」などを収録。

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    2017年07月30日
  • 鬼平犯科帳[決定版](四)

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    「鬼平犯科帳」の魅力は、個性豊かな脇役たちにある。頼りになる寄力の佐嶋忠介、剣の達人沢田小平治、うさぎの忠吾など。「五年目の客」「血闘」「敵」「夜鷹殺し」などを収録。

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    2017年07月30日
  • 鬼平犯科帳[決定版](三)

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    男も女も、時に道に迷う。そんな時に救いになるのは、親子の絆、友の情け、そして男と女の愛。「盗法秘伝」「兇剣」「むかしの男」などを収録。

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    2017年07月30日
  • 鬼平犯科帳[決定版](二)

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    鬼平の世界では、男は欲深で女好き、女も妖艶で色好みだ。人間の欲望を肯定し、その中で人生の機微を味わう。「谷中・いろは茶屋」「女掏摸お富」「妖盗葵小僧」「お雪の乳房」などを収録。

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    2017年07月30日
  • 鬼平犯科帳(二)

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    読んでいる間は、時間の経つのを忘れることができる。一話ごとの長さも、負担にならないので、エンターテインメントとして秀逸。

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    2018年10月14日
  • 男振

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    ネタバレ

    コンプレックスを言い訳にしないこと、身体を張って生きることの格好良さを教えてくれる本。

    もっとも、それができる人は往々にしてこの本のように人には恵まれているんだけどね。

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    2017年07月11日
  • さむらい劇場

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    『上泉の殿、わたくしは間もなく國峰へと嫁ぎます。そして、来年の夏が来る頃、子を産みまする。そのお子は殿のお子にございます。』

    (中略)我から愛する男の子供を身ごもってのちに、別の男へと嫁いで行く。

    自分一人で結婚する相手を決められなかった戦国時代、こうした選択で自分に許される範囲で思いを遂げる女の覚悟のすざましさを感じる一節。

    剣法の新陰流の始祖である上泉伊勢守秀綱という実在の武将が主人公の物語。
    (有名な柳生新陰流は、新陰流の門下の柳生石舟斎宗厳(むねよし)の流派。)

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    2017年09月18日
  • あほうがらす

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    「武士の名誉を生きるためには、いつどこでも死を迎えることになるかも知れぬという覚悟を日々新たにすると同時に、生きて迎える一日一日を充実せしめたい、妻を愛し、家を愛する心を日々新たにしようという又右衛門の生き方なのであった」。

    死が身近なこの時代は、こうした考えで生きていたのだろうが、東日本大震災や熊本地震など、実は身近な死を忘れている我々も、いつ愛する人を亡くしても、また自分が死を迎えても、後悔がないよう一日一日を充実させる姿勢が学ばれる。

    江戸時代初期の武士・剣客であり、日本三大仇討ちの一つの「鍵屋の辻の決闘」で知られる荒木又右衛門の物語など、11編が収められている。

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    2017年09月11日
  • むかしの味

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    著者池波氏の思い出の食べものやお店が、その思い出とともに綴られている。
    昭和63年刊行のため、現在はないお店も多く登場するが、そんなお店があったのだということを知るだけでも面白い。当時の時代の雰囲気がとてもよく分かるのも、面白かった。
    巻頭に料理の写真が載っているのもよかった。
    機会があったら、本書に登場するお店に行ってみたい。

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    2017年07月02日
  • 真田騒動―恩田木工―

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    「うぬぼれは怖いものだな。ちゃんと顔に出るものらしい。それをまた女房がちゃんと見抜いてな。『旦那様、原に顔が似てまいりました』などと、やられたものだ」

    身近に、このようなことを言ってくれる人がいるのはいいものだ。

    信州松代藩の五代目・真田信安のもと、政治の実権を握り放縦な生活をした原八郎五郎を倒し、窮乏の極にある藩の財政改が革に尽力した恩田木工を描いた物語。

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    2017年09月11日
  • 上意討ち

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    「成熟した男と女が、出会いの度に何も彼も忘れて、楽しみ合うのが色事というものだ」

    「男女の心底にひそむものは、言葉や態度に出さずとも『色事』のうちに判然とにじみ出てしまうものだ」

    収蔵の「色」(土方歳三の話)の一節。以前、元カノとの色事の中で「今日はどうしたんだろう?」というほどの時があったが、後から振り返ると結婚をする気のない私から離れ、他の男と結婚することを決めた上での最後の色事があの時だったのだと気づく・・。

    その他にも、表題作以外にも剣豪・塚原卜伝を描いた「卜伝最後の旅」などを収蔵。

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    2017年09月11日
  • 男振

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    「男にとって、女との出会いほど大きな影響をもたらすものはない。男は女によって、どうにでも変わる生きものである。それだけに女は素晴らしく、また恐ろしい」

    若くして頭髪が抜け落ちる奇病を主君の嗣子(跡継ぎ)に、侮蔑された主人公の源太郎は、乱暴を働き監禁されるが、別人の名を名のり生きることが許される。

    そのような容貌の源太郎を、普通の人として見てくれる「お順」という女性と出会い、市井の人として生きる道を拓いていく。しかし、実は主君の血筋をひいていたことから、お家騒動にまきこまれていく。この主人公の爽やかな生涯を描く物語。

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    2017年09月11日
  • 鬼平犯科帳(二十三)

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    鬼平シリーズ23巻。平蔵の異母妹・お園が初登場する短編「隠し子」と特別長編「炎の色」の2作品。「炎の色」ではおまさが旧知の盗賊・峰山の初蔵に声をかけられ助けばたらきを依頼される。

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    2017年06月12日
  • 鬼平犯科帳(二十一)

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    いよいよ鬼平シリーズも後半戦に。21巻は「泣き男」「瓶割り小僧」「麻布一本松」「討ち入り市兵衛」「春の淡雪」「男の隠れ家」の6短編から成る。この六話は個性的な登場人物が登場し楽しめる。

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    2017年05月25日
  • さむらい劇場

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    先日古本屋で見つけた池波正太郎の「さむらい劇場」(新潮文庫)を読みました。
    読み始めて間もなく、これまで登場していない女性が突然現れました。
    それも、前後の関係が全く無く、さもこれまで登場したふうなことが書かれているのです。
    おかしいなと思い、前のページを繰り返し調べましたがやはり彼女の名前は出てきません。
    で、よく調べると、何と33ページも飛んで製本されているではありませんか!
    仕方なく翌日本屋に行って飛んでいる部分を読み、筋書きをのみこんだ上で再び読みはじました。

    勧善懲悪的な筋立てで、主人公だけが家族や友人をさしおいて、するすると駆け上がってしまう。
    その点少し気になりました。
    でも、

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    2017年05月13日
  • 鬼平犯科帳(二十一)

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    ネタバレ

    心に沁み入る話が多かったです。手柄を立て再び探索方に戻れることになった細川の話『泣き男』をはじめ、盗賊の頭が部下の仇討を果たす『討ち入り市兵衛』、道を踏み外し戻れなくなった同心の話『春の淡雪』等々。益々、円熟味を増しているのに、もうすぐこのシリーズも読み終わってしまうと思うと寂しい・・。

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    2017年04月25日