あらすじ
高杉晋作は、幼い頃から文武に秀で、鬼才と呼ばれた。「脱藩」しては主家に戻り、たちまちにゆるされた。これは異例のことである。いかに彼の才能が頼まれていたかがわかる(「若き獅子」より)。ほかに浅野内匠頭、葛飾北斎、明治の逆賊・小栗忠順など、時代を動かした英雄たちの激烈な人生を描く短編集。
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最初の2篇が浅野内匠頭と吉良上野介、3つ目が北斎。続いて高杉晋作、河井継之助、松平容保、新選組、小栗忠順。個人的に北斎がマイブーム中だけど、後半5篇が、同じ時代を別の視線で切り取ってて、映画「羅生門」的面白さがあった。
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小栗上野介と勝海舟、どちらが歴史上の評価を得られるか…?
日本人的な判官贔屓では小栗になりそうだけど、朝敵逆賊扱いで小説の類いにならず、勝の勝ち?
想像するに小栗より勝の方が万人が話易い人物だったのでは…?
いつの世も入口の間口が広い人間の方が長く世間に重宝がられるもんです。
個人的には小栗が好きですが。
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それぞれの時代を動かし、生き抜いた英雄たちの強烈な人生を描いた短編集。表題作「若き獅子」での高杉晋作、斬新すぎた思想をもち余りに天才的であった彼の人生が描かれている。
「明治元年の逆賊」最期の幕臣、小栗上野介忠順、同じ幕臣で幕末に評価の高い勝海舟との対比、そして小栗の悲運。
さすが池波正太郎と」思わせる描き方です。
最後に高杉の辞世 「おもしろきこともなき世をおもしろく、住みなすものは心なりけり」
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高杉晋作は、幼い頃から文武に秀で、鬼才と呼ばれた。「脱藩」しては主家に戻り、たちまちゆるされた。これは異例のことである。いかに彼の才能が頼まれていたかがわかる(「若き獅子」より)。ほかに浅野内匠頭、葛飾北斎、明治の逆賊・小栗忠順など、時代を動かした英雄たちの激烈な人生を描く短編集。
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<目次>
略
<内容>
小説っぽい「河井継之助」や「松平容保」、エッセイっぽい「浅野内匠頭」や「吉良上野介」、その中間っぽいその他。でも未だに読み継がれる池波節が読める。
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幕末の長岡藩の河井継之助や幕府の小栗忠順など、この本で初めて知った。
二人とも幕府駆逐の流れに逆らえず命を落としているが、優秀な人材が、こうして変革の流れにむなしく飲まれていたのだ、ということが、革命だったり戦争だったり、宗教的あるいは盲目的洗脳状態の人々のエネルギーの恐ろしさだと感じた。
忠臣蔵のエピソードは、内匠頭がかんしゃく持ちで男色で、あまりいい大名ではなかったとか、大石内蔵助も単純に主君の恨みを果たすために仇討ちを行ったわけではなく、幕府への制度のおかしさを訴えるためでもあったとか、よくテレビでやってる定型では語られない話で面白かった。