池波正太郎のレビュー一覧
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秋山小兵衛の弟子で高崎藩士の竜野庄蔵が討たれた。犯人は、藩内で陰惨な事件を起こしていた「白い鬼」
佐々木三冬の住む寮に賊が侵入する。三冬がその日見かけた男女が事件のきっかけだった「西村屋お小夜」
鰻売りの又六の情報を元に、小兵衛が無頼旗本や浪人たちを打ち倒す「手裏剣お秀」
秋山大次郎が夜更けに出会った人斬り事件。犯人を差配していたのは大身旗本で槍の名手だった「暗殺」
農具小屋で一人、雨宿りをすることになった小兵衛。そこに飛び込んで来たのは、かつての剣術試合の相手だった「雨避け小兵衛」
女武芸者の佐々木三冬は老中•田沼意次の娘。父には、自分より強い相手以外とは結婚しないと申し入れてあるが「三冬の -
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秋山小兵衛の愛弟子•落合孫六が、かつて仕えた大名家で八百長試合をする。その審判になった小兵衛は意外な結末を見る「雷神」
大次郎は、小兵衛のかつての同門•横川彦五郎の病気見舞いに箱根塔の沢温泉を訪れる。そこで出会った浪人は意外な過去をもっていた「箱根細工」
大次郎の修行仲間•高野十太郎は仇を探す身。助太刀を申し出た稲田助九郎には『念友』山岸弥五七がいた「夫婦浪人」
小兵衛のかつての門人の息子•笹目千代太郎が江戸に戻って来た。恐るべき修練を積み、小兵衛に打ち勝つ為に。「天魔」
神田明神前に立札を立てた平内太兵衛には目的があった。近くに住むおちかという娘と、ある約定があったのだ。「約束金二十両」
大 -
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江戸の世に蔓延る悪漢たちに焦点を当てた短編集です。
読後に知ったものですが、こちらはドラマなどにもなった鬼平犯科帳の作者様が書いたものとのことで、鬼平(長谷川平蔵)を初めとする火付盗賊改方を敵方に置いた、悪漢やその周りの人々の視点で話が展開します。
鬼平が登場するのは12編のうち1編のみです。
作者本人もピカレスクと称するように、悪役・悪人の物語が詰まった一冊ですが、悪漢の視点で進む物語というのは、また正義の側から進む物語とは違う魅力があって、気付くとしっかり引き込まれてしまいました。
悪漢には悪漢の考え方があり、流儀があり、ルールがあり、矜持があり、どうしようもない奴だと思う者も -
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▼「殺気の闇」「三人の仕掛人」「稲妻」「春雷」「逆襲」「菱屋の黒饅頭」
▼このあたり、もう完全に「連作短編」ではありません。要は流れで、「白子屋殺害」してしまった梅安が、狙われる。当然狙われる。殺し屋がじゃんじゃかやってくる。もう構造は完全に「カムイ外伝」。
▼なんだけど、カムイと違って梅安は「針医者」でもあるので、そしてその使命を全うしたいので、逃亡しない。当然、居場所がばれてるんだから次々に襲い掛かってくる殺し屋たち。
▼カムイ外伝と違うのは、やっぱり疑似恋愛ホモソーシャル的なバディ仲間が複数居ることですね。もはやその人間関係を描くことが主題なんではないか、というような。 -
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▼剣客商売シリーズを特に予備知識なく読んできまして。このシリーズは基本的に「連作短編」です。鬼平犯科帳もそうです。そうなんだけどこの十巻を読み始めてしばらくして、「あ、これ長編だ」。
▼いきなり壮大なネタバレを書きますが、
要は
・秋山大治郎を名乗って次々に殺人を繰り返すヤツがいる。
・それも、秋山大治郎と田沼意次の関係を知ってか、わざわざ田沼の家来や、
あるいは田沼と犬猿の仲の松平定信の家来を殺す。
・当然大治郎も疑われるし、いろいろガタガタしてくる。
・結局、黒幕は「徳川一橋家」だった。一橋家が、今権力者の田沼と、ライバルの定信の間を翻弄して、次期将軍の座を狙いたい・・・ -
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▼収録作は以下▼待ち伏せ▼小さな茄子二つ▼ある日の小兵衛▼秘密▼討たれ庄三郎▼冬木立▼剣の命脈
▼「ある日の小兵衛」小兵衛が、幽霊を見る。厳密に言うと、旧知のヒトのマボロシを見る。ということは、相手は死んだと思いこむ。確かめに会いに行ってみる。ところが間違っていて、生きていた。相手は若き日に情を交わした女性で、色々思い出す。ちなみにその日いろんなことが起こる。
▼‥‥それだけの話。この、「間違う」ってところが気が利いてます。小粋なモノクロのフランス映画を見るようです。
▼悪い詐欺師をやっつけるんだけど、犯人が昔馴染みだったという「茄子二つ」。
▼死病にあえぎ、最期に大治郎と戦いたい剣士 -
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あまり歴史に明るくない人からしたら、一番最初に出てくる登場人物「向井佐平次」でまず「誰だよ!!」とスタートします。
物語は急に負傷した足軽の救出劇から始まるのだが、それだけでも「なぜ足軽を?」とかの疑問で結構引力ある。そこに、最初から色気があるものだから気になってしょうがない。物語が盛り上がるのはやはりあの銭湯界隈だとは思われる。そして、この巻の最後はあの時代の区切りで区切られる。
私は池波正太郎を初めて読ませてもらったが凄く親切な書き方だ。歴史小説を読む時に登場人物の多さと普段目にしない言葉のオンパレードでストーリーより人物や読み方や意味の方が気になる事が多いが、この本はほぼほぼ無かった