池波正太郎のレビュー一覧

  • 真田太平記(十一)大坂夏の陣

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    大阪夏の陣。
    真田左衛門尉幸村が大阪方の総指揮官であったなら果たして家康は勝てたのであろうか、平和に向かった江戸幕府はあり得たのだろうか?
    豊臣方に無理矢理仕掛けたような喧嘩ではあったけれどその後の長い平和日本をもたらしたのだと思うと複雑な思いがある。
    真田幸村の戦上手、兵士たちからの信頼の厚さ、人間としての様々な魅力が描き出されているのであるけれど、ひとつ考えさせられるのは世の中の事、人々の暮らし、などなどよりはとてつもない「戦好き」だったのだろうという事。
    だとすれば徳川の安定した力のもと徳川家の安泰、つまりは日本全体の平和を1番に求めていた家康こそが正義なんだろうな。

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    2024年04月22日
  • 真田太平記(十)大坂入城

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    九度山を抜け出し、真田丸を築き、いよいよ幸村が世に出た巻でした。個人的には与助が惨めな死に方をした事に安堵した巻。いかに男が傲慢すぎる時代だったかを想像させる言動の数々が嫌い過ぎました。女からは奪うだけ奪っておきながら。お江、佐平次、佐助、角兵衛あたりの描写もなかなか読み応えありました。秀頼はきっと本当に有能だったんだろうな…周りが無能だとこうなるのか、ととても残念な気持ちになります。

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    2024年04月21日
  • 梅安冬時雨 仕掛人・藤枝梅安(七)

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    池波正太郎先生が亡くなり、梅安も途中で終わってしまい絶筆。

    残念ではありますが、梅安シリーズ中盤から最初の悪の生々しさが消えて、何か梅安自体も年齢を重ねて変わってくる感じもそれはそれでよかったように思います。

    しかし、この中の『襲撃』で、危機一髪の梅安がみせた、反射神経には笑ってしまいました。ここまでの反射神経とは。 まさに、「このことである」。

    このフレーズもこれで終わりですね。残念です。

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    2024年04月15日
  • 鬼平犯科帳[決定版](二)

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    独自の境地を拓き、瞠目のシリーズ第二巻は、平蔵ならずとも同心・木村忠吾から目が離せない。「蛇の眼」「谷中・いろは茶屋」「女掏摸お富」「妖盗葵小僧」「密偵」「お雪の乳房」「埋蔵金千両」の七篇を収録。
    鬼平犯科帳の面白さのひとつに、登場人物のバラエティさがある。密偵たちや火盗改方の与力・同心たちとこれまた個性の強い盗賊たち。そして彼ら全てを包み込む平蔵の人間力の壮大さが素晴らしい。

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    2024年04月06日
  • 剣客商売七 隠れ簑

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    秋山小兵衛のもとに、刀屋の嶋屋が情報をもってくる。愛弟子を殺害した浪人を江戸で見かけたというのだ「春愁」
    四谷の岡っ引き弥七の部下、傘屋の徳次郎は博打場で一人の男に声をかけられる。男は盗賊で相棒を探していた。目指す獲物は鐘ヶ淵に隠宅を構え若い女房と二人で住んでいるというのだ「徳どん、逃げろ」
    秋山大次郎は侍に斬られそうになっていた老僧を助ける。老僧は盲人の浪人の世話をして暮らしていた。逆恨みで老僧を付け狙う侍がいる事に気付いた秋山親子。盲人は仇を探していた「隠れ蓑」
    大次郎は二人目の弟子をとった。田沼家用人の推挙があった笹野新五郎だ。新五郎は旧師の死後は酒食に溺れていたが、大次郎の元で剣士の道

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    2024年04月04日
  • 天城峠

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    長編時代小説の作家だという印象が強いですが、短編小説もいいですね。
    それぞれの人生、思いが語られた、味わい深い小説です。

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    2024年03月30日
  • 真田太平記(十二)雲の峰

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    多分ラスト近くという気持ちの問題だと思うんだけど、この巻と次に読んだ「獅子」が一番面白かった。

    別段信之が好きという訳でも無いんだけど、猫田与助が居なくなってからのおもしろキャラとして彦四郎や梅春、そして最後まで久野にぶん回された角。

    なんだろうね。あまり各大名のゴタゴタじゃなく人間味の巻だったきがする。

    だからこそわかりやすくて面白く感じたのかな。

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    2024年03月25日
  • 剣客商売六 新妻

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    渡部甚之介は将棋好きの剣客。ある日、秋山小兵衛の家で将棋を指し続けて、果し合いの約定を失念してしまう「鷲鼻の武士」
    佐々木三冬は根岸の寮に帰るさなか、一人の女性を助ける。女性は絶命するが、抜荷の証拠を託した「品川お匙屋敷」
    秋山大次郎は佐々木三冬と無事結婚。小兵衛と三冬は親子となる。そんな中、小兵衛はかつて道場に来ていた美男子を町中で見かける「川越中納言」
    大阪へ、修行時代の恩師の墓参りに行った大次郎は帰途に同姓同名の人物に出会い、その苦境を救う為に尽力する「新妻」
    小兵衛が料理屋•元長で見かけたのは品の良い老人。老人は行方不明になった娘の行方を探していた「金貸し幸右衛門」
    植村友之助は、病を

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    2024年03月24日
  • 真田太平記(九)二条城

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    ほぼ全国は徳川の手に握られている様な現状で、それでも家康に屈したくはない淀君と秀頼の大阪方。
    対してなんとしても徳川政権を後顧の憂いなき様にと目論む家康。
    方広寺の梵鐘に刻まれた文字を反徳川とこじつけにして家康は力ずくで無理矢理の豊臣潰しにかかる。
    本巻は大坂冬の陣突入直前まで。

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    2024年03月16日
  • 剣客商売十五 二十番斬り

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    ネタバレ

    二十番斬りというタイトルから予測していたものの、小兵衛66歳にして、しかもたった一人で一度に19人斬りとは凄すぎる。果たして二十番目は?

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    2024年03月13日
  • 梅安蟻地獄 仕掛人・藤枝梅安(二)

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    鬼平に比べてずいぶんと短に感じる。弱きを救うからか。夜と雨の中、酒と肴の匂いに包まれながら、善と悪の間を揺れ動く人間。梅安のみならず、一介の庶民も欲望の前には、苦しむ。川や水の表現がこんなにも豊かだったとは思っても見なかった。

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    2024年03月12日
  • 剣客商売五 白い鬼

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    秋山小兵衛の弟子で高崎藩士の竜野庄蔵が討たれた。犯人は、藩内で陰惨な事件を起こしていた「白い鬼」
    佐々木三冬の住む寮に賊が侵入する。三冬がその日見かけた男女が事件のきっかけだった「西村屋お小夜」
    鰻売りの又六の情報を元に、小兵衛が無頼旗本や浪人たちを打ち倒す「手裏剣お秀」
    秋山大次郎が夜更けに出会った人斬り事件。犯人を差配していたのは大身旗本で槍の名手だった「暗殺」
    農具小屋で一人、雨宿りをすることになった小兵衛。そこに飛び込んで来たのは、かつての剣術試合の相手だった「雨避け小兵衛」
    女武芸者の佐々木三冬は老中•田沼意次の娘。父には、自分より強い相手以外とは結婚しないと申し入れてあるが「三冬の

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    2024年03月09日
  • 剣客商売四 天魔

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    秋山小兵衛の愛弟子•落合孫六が、かつて仕えた大名家で八百長試合をする。その審判になった小兵衛は意外な結末を見る「雷神」
    大次郎は、小兵衛のかつての同門•横川彦五郎の病気見舞いに箱根塔の沢温泉を訪れる。そこで出会った浪人は意外な過去をもっていた「箱根細工」
    大次郎の修行仲間•高野十太郎は仇を探す身。助太刀を申し出た稲田助九郎には『念友』山岸弥五七がいた「夫婦浪人」
    小兵衛のかつての門人の息子•笹目千代太郎が江戸に戻って来た。恐るべき修練を積み、小兵衛に打ち勝つ為に。「天魔」
    神田明神前に立札を立てた平内太兵衛には目的があった。近くに住むおちかという娘と、ある約定があったのだ。「約束金二十両」

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    2024年02月27日
  • 梅安冬時雨 仕掛人・藤枝梅安(七)

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    2024.02.24
    何がすごいかというと未完の遺稿が発表される作家であること。
    読者、編集者など関係者にそれだけ待ち焦がれられて亡くなることが作家の唯一の目標ではなかろうか。

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    2024年02月24日
  • にっぽん怪盗伝 新装版

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     江戸の世に蔓延る悪漢たちに焦点を当てた短編集です。

     読後に知ったものですが、こちらはドラマなどにもなった鬼平犯科帳の作者様が書いたものとのことで、鬼平(長谷川平蔵)を初めとする火付盗賊改方を敵方に置いた、悪漢やその周りの人々の視点で話が展開します。
     鬼平が登場するのは12編のうち1編のみです。
     作者本人もピカレスクと称するように、悪役・悪人の物語が詰まった一冊ですが、悪漢の視点で進む物語というのは、また正義の側から進む物語とは違う魅力があって、気付くとしっかり引き込まれてしまいました。
     悪漢には悪漢の考え方があり、流儀があり、ルールがあり、矜持があり、どうしようもない奴だと思う者も

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    2024年02月23日
  • 梅安影法師 仕掛人・藤枝梅安(六)

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    ▼「殺気の闇」「三人の仕掛人」「稲妻」「春雷」「逆襲」「菱屋の黒饅頭」

    ▼このあたり、もう完全に「連作短編」ではありません。要は流れで、「白子屋殺害」してしまった梅安が、狙われる。当然狙われる。殺し屋がじゃんじゃかやってくる。もう構造は完全に「カムイ外伝」。

    ▼なんだけど、カムイと違って梅安は「針医者」でもあるので、そしてその使命を全うしたいので、逃亡しない。当然、居場所がばれてるんだから次々に襲い掛かってくる殺し屋たち。

    ▼カムイ外伝と違うのは、やっぱり疑似恋愛ホモソーシャル的なバディ仲間が複数居ることですね。もはやその人間関係を描くことが主題なんではないか、というような。

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    2024年02月17日
  • 剣客商売十 春の嵐

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    ▼剣客商売シリーズを特に予備知識なく読んできまして。このシリーズは基本的に「連作短編」です。鬼平犯科帳もそうです。そうなんだけどこの十巻を読み始めてしばらくして、「あ、これ長編だ」。

    ▼いきなり壮大なネタバレを書きますが、








    要は
    ・秋山大治郎を名乗って次々に殺人を繰り返すヤツがいる。
    ・それも、秋山大治郎と田沼意次の関係を知ってか、わざわざ田沼の家来や、
    あるいは田沼と犬猿の仲の松平定信の家来を殺す。
    ・当然大治郎も疑われるし、いろいろガタガタしてくる。
    ・結局、黒幕は「徳川一橋家」だった。一橋家が、今権力者の田沼と、ライバルの定信の間を翻弄して、次期将軍の座を狙いたい・・・

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    2024年02月17日
  • 錯乱

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    1960年の直木賞受賞作品「錯乱」ほか4篇収録。読者を楽しませようという思いが伝わってくる受賞作がまず秀逸。他にも「基盤の首」「刺客」が面白かった。

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    2024年02月17日
  • 真田太平記(八)紀州九度山

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    真田家よりも草の者たちのシーンが面白くて、何度も読み返してしまう。草の者にも色んな感情があるんだな。人間だから当然の事なんだけど、もっと淡々と主の命令にのみ従うイメージだったので新鮮でした。昌幸の命が燃え尽きようとしている最後。次巻も楽しみ。

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    2024年02月05日
  • 剣客商売九 待ち伏せ

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    ▼収録作は以下▼待ち伏せ▼小さな茄子二つ▼ある日の小兵衛▼秘密▼討たれ庄三郎▼冬木立▼剣の命脈

    ▼「ある日の小兵衛」小兵衛が、幽霊を見る。厳密に言うと、旧知のヒトのマボロシを見る。ということは、相手は死んだと思いこむ。確かめに会いに行ってみる。ところが間違っていて、生きていた。相手は若き日に情を交わした女性で、色々思い出す。ちなみにその日いろんなことが起こる。

    ▼‥‥それだけの話。この、「間違う」ってところが気が利いてます。小粋なモノクロのフランス映画を見るようです。

    ▼悪い詐欺師をやっつけるんだけど、犯人が昔馴染みだったという「茄子二つ」。

    ▼死病にあえぎ、最期に大治郎と戦いたい剣士

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    2024年02月02日