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Posted by ブクログ
「武士の名誉を生きるためには、いつどこでも死を迎えることになるかも知れぬという覚悟を日々新たにすると同時に、生きて迎える一日一日を充実せしめたい、妻を愛し、家を愛する心を日々新たにしようという又右衛門の生き方なのであった」。
死が身近なこの時代は、こうした考えで生きていたのだろうが、東日本大震災や熊本地震など、実は身近な死を忘れている我々も、いつ愛する人を亡くしても、また自分が死を迎えても、後悔がないよう一日一日を充実させる姿勢が学ばれる。
江戸時代初期の武士・剣客であり、日本三大仇討ちの一つの「鍵屋の辻の決闘」で知られる荒木又右衛門の物語など、11編が収められている。
Posted by ブクログ
人間というものの不思議さ。そして、人生一寸先は闇、ちょっとしたことでどうなるか分からないという、人生の不思議さ。
この、2つの不思議さを、池波は冷徹かつ現実主義的な、悲観的目線で描く。池波の、人間や人生に対する「無常観」のようなものが現れている。
また、ときにはその人の人生を貫き通すひとつの信念であり、ときには訳の分からない動きをし、別のときには様々な顔を持つ―そのような人間の心の不思議を描く。
されど、読み手を考え込ませたり、読み終えてネガティブな気持ちにさせないのは、そのユーモラスな、人間の描き方、また、語り口で、面白く、小説を完成させているからであろう。
池波の描く、不思議な、しかし、人間や人生の本質をついているからであろう、全く別世界の話とも思われない、面白い小説でした。
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