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Posted by ブクログ
池波正太郎といえば、すぐに思い浮かべるのが『鬼平犯科帳』『剣客商売』『仕掛人・藤枝梅安』など、戦国・江戸時代を舞台にした時代劇ドラマ。
なので池波正太郎は「読む」よりは「見る」という印象が強かった。
いずれのドラマも大好きで、特に土曜日の午後とか、深夜遅く再放送されているのを見るのが好きだった。
あえてそうしてあるのか、画面の作り方が一昔前のフィルムという感じがして、それがまた郷愁を誘ったものだ。
いや、テレビの時代劇の話ではなく、これは池波作品では珍しい現代小説。
浅草に生まれ育った池波本人のおそらく自伝的小説ではないかしらと思いながら読んだが、開発という名の下に次第に消えつつある下町の情景を、一線を退いた主人公の劇作家の心理描写とともに、細やかに描いてある。
確かに私たちが子どもの頃にはあちこちに原っぱがあった。
そこは天下の遊び場だった。
私たちには原っぱの思い出がある。
でも、今の子どもたちには「原っぱ」の意味さえもわからないかもしれない。
昨今話題になっている昭和ノスタルジーの映画に通じるものがあるように思えた。
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