よしもとばななのレビュー一覧
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ネタバレ吉本ばななの紡ぐ世界はいつも優しくて理解のある人たちが溢れていて、ちょっと非日常な状況でも主人公の考えそのものはあまり突拍子のないものじゃなく、ただただ「ああ、そうかもなあ」と思わされる。そして最後に無理矢理じゃなく、それなりの穏やかなエンディングが待っている。そういうところが好きです。下北沢って一度行ったことあるくらいだけど美味しいものがたくさんありそうだなあという印象。そこにキッチン感はある、かも?
ただ、最後本当にちゃんとお母さん、家にいたのかな…?っていうよく分かんない不安が…。
尚、序盤で共感できないお母さんのご意見がありました。
「一日の時間の流れって、夕方になる前にぐうっと長くな -
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ネタバレよしもとばななさん、初めてよみました。
有名な方なのに なんとなく御縁がなかったのか、特に避けていたわけでもなく、食わず嫌いのような感じだった…のかなぁ?不思議。それがいま、こうして触れているのも不思議です。
たまたま、10年くらい前の雑誌のインタビューをみて、そのまま流れるように読んでみました。
自分であること、そこには世界があること、誰のものでもなくて、急かされていなくて、卑屈になることはなくて、大事なものを大事にしていられるしあわせ。
生き方、言葉にならない寂しさ、仕事をするということ、自分とも重なったり違ったり、悩みながら生きている人はどこかしらにひっかかるところがあるのではと感じ -
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突然の交通事故で最愛の婚約者を失った女性が、臨死体験から恢復し、周囲から見守られ周囲を見守りながら、「大切なひとを失った自分」を受け入れ、自らの生を肯定していく、というストーリー。
作者お得意の「喪失→再生」もの。ここまで千篇一律に同じテーマを繰り返していること自体に敬服させられる。視点人物がこの世界の輝きと人間のあたたかさを改めて見出していく様子を描く表現はほとんど職人芸的で、掛け値なしで「うまいな」と思わせられる。欠落を抱えた人物どうしが出会い、スピリチュアルなものも含めて交歓を経て、互いが互いをケアしあっている様子をさりげなく描き取っていくさまもさすがの筆づかいである。
問題 -
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ネタバレ双子の母親を持ちいとこ同士の昇一と由美子が、昇一の母の遺言をもとに双子である母たちにまつわる過去の悲惨な思い出をひとつずつ紐解いてまわる物語(夢の中の話で、由美子はその事件の時にすでに死んでいた)
はじめてよしもとばななの小説を読んだ。ここの登場人物の感性がよしもとさんの内側から生まれ出てきたものならば、少年少女時代の感性をここまで緻密に言葉で表現できるものだろうかと驚嘆した。自分自身の原体験を再現するには、記憶の鮮明さだけではなく、子供時代の少ない語彙では言葉にできなかった感情を、あらためて言語化して、可能な限り自然に適合する言葉を選ばなければならない。その際にかかるフィルターはきっと、年 -
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ネタバレダライ・ラマも、素晴らしいのではないかとは思うけど、私にはよくわからない。それよりも印象に残ったのは、よしもとばななの人間観。
以下、引用。
人ひとりひとりは、歯車ではなく細胞のひとつひとつと考えるといいのではないか。人間ひとりひとりが細胞で、皆で大きなな「人類」という人間を、作っているのだと思うと、いろんなことがよくわかるようになります。
髪の毛の細胞の人、お尻の細胞の人、まぶたの人、唇の人、心臓の人、各部位の人にそれぞれ不満があり、それぞれの自負心があります。自分の部署でない機能に対して憧れを抱いたり、妬んだり、自分の部署の仕事をおろそかにしたり、それもすべてそんなふうに説明できると思い