【感想・ネタバレ】サウスポイントのレビュー

あらすじ

かつて初恋の少年に送った手紙の一節が、ハワイアンの調べに乗って耳に届いた。「ひとの人生を縫い上げる」キルト作家となった私は、その歌い手とともに、空と海と大地が接するハワイ島最南端の地〈サウスポイント〉を訪ねるが……。世界の果ての、奇跡の恋――楽園の島を舞台に、満ち溢れる生命の輝きと、男と女そして家族の絆を描く。デビュー20周年を飾る感動の長篇。[写真・潮 千穂]

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感情タグBEST3

Posted by ブクログ

切なくも美しい人間の感情や思いが美しい言葉で描かれている一冊


自分にとって思い出の地であり、
幾度となく足を運び、
いつでも心のどこかに憧れと尊敬の念を抱いている島、「ハワイ島」

そんなハワイ島の情景が描かれており、
匂いや気候、空気までが思い出され、
懐かしい気持ちでいっぱいになった

あの島であの島の人々と静かなウクレレの曲を聴きながら、ラナイで過ごしたいと思ってしまった

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2025年08月12日

Posted by ブクログ

私は初期のよしもとばななさんの作品が好きだとばかり思っていたのに、だいすきになってしまったこの本の初版は2011年らしく驚いた。

主人公は破天荒で破滅的な家庭に育ち、なかなか気を休められなかった幼い頃に同じく破天荒な家の男の子と惹かれ合います。
しかし家の事情で離れ離れになり、懸命に大人になって自分の生活を手に入れた頃とある歌を聞くことになります。
そしてその歌は昔、自分が好きだった男の子に宛てた手紙が歌詞で‥というお話だった。



よしもとばななさんの作中に出てくる美しい人たちへの表現が好き。
艶艶な黒髪でとか、桜色の唇とか、透き通るような肌とか、まつ毛のびっしり生えた大きな瞳とか、そんなありきたりな容姿なんかを言及するんじゃなくて、内側から発光するような引力を文章にできるのがすごい。

そしていつものように美味しそうな食べ物たち。はちみつ(加熱しないはちみつなんて!白いなんて!)とかうるさそうに見えて裏手の森の音の聞こえる居酒屋のだし卵とか、丁寧に人のためにつくるパエリアとか。
ハワイの描写も美しくて、想像していてとてもたのしかった。あえて写真を検索しないで、ただいつか行きたいなあって思った。

周囲の人に気を取られがちだけど、早くに大人にならなくてはいけなかった主人公の、愛がなかったわけではないけど辛かった過去もじんわりと癒されていったのに安心した。

ひさびさに、よしもとばななさんの作品を読むとそのきらきらが体中に満ちる感じを味わって、とてもしあわせになった。



ところで主人公は"てとらちゃん"と言って、はじめはひらがなのぽてぽてしたこの名前に馴染めなかった。けれど物語を最後まで読んでこの子の名前がてとらであることにとっても納得した。
名前にすると、響きもとてもかわいい!

テトラポット:
消波ブロックは、海岸や河川などの護岸や水制を目的に設置するコンクリートブロック。
波消しブロックと呼ばれることもある。
Wikipediaより引用

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2024年05月12日

Posted by ブクログ

かなり好きな作品だった。よしもとさんらしい、素敵で癖のある登場人物。複雑な家庭で育った主人公たち。きれいな言葉と、きれいな時間と、うまく表現された淋しさと切なさと、悲しさ。
一語一句も読み逃してはいけない気がする、よしもとさんの言葉が、すっと入ってきた。

情熱的ではないけど、運命のような2人の愛が、ハワイという大らかな場所でまた実を結ぶあたりは、一気に読み進めてしまった。家族という存在の大きさも響いてくる作品だった。

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2023年05月30日

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ネタバレ

家庭環境には恵まれなかったテトラと珠彦。
二人の初恋と再会の物語。
素敵な、神秘的な物語に心洗われました!

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2022年12月01日

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そのときにそうだと思うことをしていけば、
ちゃんとつながっていくのだと思う。
日常の中のしあわせを見逃さずに、
味わって生活していきたい。

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2022年01月30日

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ネタバレ

ハワイ島もう一度訪れたい。

ばななさんの小説はわたしを癒す。
今回も心が静かに着地していく。
でも、
まだ、足りない、もっと読んでいたい。

p231
でも今は古くから見ていた夢の中でまどろんでいよう、そう思った。やがてその夢の力が私を支える日がくるだろう。そんなふうにこの島は、あの世とこの世がとても美しい結び目でつながっている不思議な場所なのだから。
私はあの日、サウスポイントではっきりとそれを見た。

p229
大丈夫、大人がふたりでいるだけなんだから。これから起こることは、全部自分のせいなんだから。もはや親のつごうではないんだから。

こんな、やわらかくも強い言葉が紡ぎ出される物語が私は好き。
たおやかさ。

退廃的な、うら寂しさを感じたヒロのまち。
日が傾いてて、日陰になった野っぱら公園にも人は少なかった。田舎の貧しさみたいなものもあったな。一度だけ行ったことがある。
ここは、その時の私には、必要ではない場所だった。

今の私が訪れたら
どんなふうに感じるのだろう。

もう、海外はいいや、って思っていたけど
ハワイに確かめに行きたいな。

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2018年05月09日

Posted by ブクログ

この設定、どこかで読んだと思ったら『ハチ公の最後の恋人』の続編ということでこちらも再読中。
宗教観・説教臭さが他の作品より薄くてすごく好きな1冊でした。
今の私の心に寄り添ってゆっくりゆっくり焦らずに良いんだと優しい元気をもらいました。

★2016年再読
やはり好きな本でした。

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2016年01月13日

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吉本ばなな作品はもういいやと思ってたのに発見してしまい、読みました。
主人公がいつも過酷な人生の試練に晒されるんだけど、苦しみ悲しみつつも割と淡々としていて、そういう主人公を熱烈に愛する誰かとスピリチュアルに導く誰かが出てきて…という点においては、いつものやつね!って感じだった。
でもハワイの空気感、ウクレレの存在などが不思議に心を癒すんですよね。ハワイ行ったことないから知らんけど(笑)
大きな感動とかは無かったけど、手元に置いて、折に触れまた読み返すのだろうという予感はあります。
そしてこれ、『ハチ公の最後の恋人』の続編らしいので、ハチ公〜もこれから読んでみようと思います。

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2025年11月30日

Posted by ブクログ

読む時の気分によって⭐︎3になったり⭐︎4になったりしそうな作品。
楽園の穏やかでキラキラした風や音や空気を求めているときにはさぁーっと心に染みてきて、求めていないときには「ふーん」って印象になるかもしれない。
それでも、やはりあのハワイが持つ独特の情緒は誰にとっても素敵なもので、「あの感じ」をたまに求めるくらいの気持ちの余裕は常に持っていたいものだなぁとも思った。

私は『ハチ公の最後の恋人』は未読なので、純粋にこの作品を一つの完結した物語として楽しんだ。
よしもとばなな作品に登場する女の子たちは、どの子もみんな傷つきやすくて、でもしなやかに強くて、何かを諦めてはいるけれど同時に明日を創り出そうとする強いダイヤの粒みたいなものを秘めていて、読んでいて力になることはあれ嫌な気持ちになることは全然無い。今回もそう。ひとりで色んなものを抱えこみながら、ハワイアンキルトを作るテトラちゃんはとても素敵だった。

生きることに前向きになれる、日常に潜む小さくて愛らしい出来事にちゃんと目を向けたくなる、陳腐な表現になってしまって我ながらナンだけど、実際ほんとにそうなんだよな。

特にドキッとした文章は、テトラちゃんの以下の言葉。

「人生はうんとはじめのころに至福のほとんどを知るものなの。人によって違うけれど、至福の鋳型はそのときに作られる。そしてその後はほとんどずっとそれを取りもどすための戦いなの。」

まさしく。
ドンピシャで正解。

こういう感覚を文字に起こせるなんて、ばななさんは、短歌も上手そうだなぁと感じる。

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2025年08月06日

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家族の風景。
みんな悲しみを抱えても、たとえ立ち止まっていても、いつかは前に進んでいく。そんな命を見守る大地が、あの世とこの世の結び目のハワイなんだな。
最近のスピリチュアルな筆者の傾向は、あまり登場しない。いわば、よしもとばななの映像美の前半期とスピリチュアルな後半期の結び目みたいな作品だった。

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2025年02月24日

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ネタバレ

ハワイ、人の死、神々しい場所と時間。
私の思うばななさんエッセンスがたくさんのお話で、
あぁーこれこれ、という感じでゆっくり浸れました。
で、
あとがきに「ハチ公の最後の恋人の後日談で、まぼろしハワイと対になる作品」と書かれていて
あーそれだ!そうだった!!と自分の中の既視感に答えをもらえました。(両方とも既読)
ハチ公の最後の恋人は読んでから時間がたちすぎているので、これを受けてまた読み返したいです。

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2024年11月19日

Posted by ブクログ

ハワイ行ったことないけど、椰子の木の合間から見える星、肌に感じる暖かい夜の空気、ビールとポテトの匂い、ベンチの質感までなぜか想像できてしまった
だけど愛する人を失ったマリコの心の痛みの全ては想像できなくて、いつか誰かを失った時に思い出すのかな、てちょっと思った

"変わらないから一生分かり合えないし、変わらないからこそ素晴らしい彼"、テトラちゃんでも、間違っているなあって思いながら悶々と暮らしていくのだろうって思うのなんか安心する 誰かを一生愛していくのってすごく難しいけどその人の変わらない部分を尊敬して、自分と違う部分を許して受け入れていけたらいい、重く考えないでそれでいいよねって思わせてくれた 
私の小説が好きな理由が詰まってるような本だった

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2024年11月02日

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" ママといっしょに寝ても、ママはだれよりも遠かったし、ママにおんぶされて寝ても受け止められている感じはなかったなあ。そんなことを思い出した。ママは私を愛しているけれど、たいていいつもそれどころではない。自分がハイでいられるかどうか、それがママの人生の最重要事項だった。それからママは自分以外にはほとんど興味がない。でも、優しいママなんていうのが幻想だっていうのももうわかっていた。例えばここの家の人たちだってきっと単にとことん空気が読めない人たちで、自分勝手。
パパは死ぬまで私の名前を呼んでいたけれど、お酒に酔ったような状態だったのは確かだ。自分に娘がいるという気持ちにも酔っていただろう。
人間なんてだいたいみんなそんなもの。だから人には夢のようなものやキルトがひつようなのだろう。たまにその中から甘い懐かしい豊かなものが立ち上がってきたときの思い出だけが。
ほんのわずかにしょげた私が窓から空を見上げると、おそろしい量のつぶつぶの星が夜空を満たしていた。すごい、と息を飲んで、首を出して上を見上げた。天の川が空を渡っている。向こうがこっちを見ているみたいな光だった。首が痛くなるころには気持ちは元に戻っていた。無数の星の光がこちらにせまってくるような感じのそのきもちわるさをみていると、あたりにも遠く多すぎるものに圧倒されていると、ただ感じのいいことだけなんて面白くもなんともないな、と思えてきて、救われる思いだった。 "

このひと文がすごく好きで何度も読みたいと思った。

" 「ここでインチキなことをするとほんとうに百倍になって天の雷が下るような気がする。そして美しい考えはよその百倍くらい身を結びやすいんだ。そして人々の悲しみはすばやくなぐさめられる。どうしてだかわからない、奇跡は簡単に起きて、あまりにも簡単すぎてみんな奇跡ということを忘れてしまうくらい。」 "

と珠彦くんがハワイのことを変なところなんだって住み始めてすぐに思ったって言ってた。吉本ばななさんが「ビッグアイランド」ハワイ島に恋をしているのがたくさん伝わってきて、自分もいつか住んでいる土地と思いを通じ合えるようなほんとうの意味で地に足をつけた暮らしをしていきたいと思った。

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2024年03月01日

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ーパンケーキ屋が終わって、甘い粉の匂いがする彼女が玄関に入ってきて、おふくろはまだアトリエにいて、じゃあごはんでも作りましょうってことになって、彼女が夕食のしたくを始めると、幸彦がウッドデッキに出てひたすらウクレレをひいて、まずポキが出てきて、みんなビールを飲み出して、その頃にはおふくろがアトリエから出てきて、何か温かいものができるのを待っている時間は、とてもいいものだったんだよ。ハワイにいるということのなかでもかなり上のほうに入る、いい時間だった。ー


わたしはばななさんの、日常のなかにあるまぶしくてあったかい、幸福を言語化してくれるところが強烈にすきで、それを見つけると、はっとしてそのことばたちをメモしてしまう。
思わず目を細めてその情景を想う。

今回は、初恋とハワイと、愛と死と祈りのキルトのおはなしだった。テトラちゃんと珠彦くんの。

マオという名前を聞いて、あれ?と思った。
インド、信仰宗教、スピリチュアル...。
なんだか既視感があると思ったら、何度も読んだ「ハチ公の最後の恋人」に出てくる、マオちゃんとハチの家族その後のおはなしだったので、ものすごく驚いた。
ふたりが、いっしょにいてよかった。

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2021年11月07日

Posted by ブクログ

家族のかたちはそれぞれ。
理想や憧れを持ちすぎてしまうと
自分が苦しくなってしまうものだと思った!
その面、珠彦の生き方はとても賢くまたどこか
切なさも感じる。
どのキャラクターも魅力的で素敵だったなあ

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2021年02月17日

Posted by ブクログ

再会の物語。
ハワイ島行きたい。

「でも、今を創ることが未来を創るのだ。そうなったらそのときの自分にたっぷり悲しんでもらえばいい。」

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2020年11月29日

Posted by ブクログ

あの本の続編だったとは知らず、読んでいる途中で気づく。
よかった。そして、あの本をもう一度読み直してから、もう一回読みたい。

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2018年12月24日

Posted by ブクログ

『本は読めないものだから心配するな』(管啓次郎)で紹介されていたからだけれど、やはり今年はハワイ島に行くとおもう。
吉本ばななだなぁと思った、久しぶり。恋愛と死がすぐそこにある感じがする。
あの頃の二人はもうどこにもいない、と歌ったのはユーミンだったかね、だからもういっしょに生きて行くことはできない、のではない、ここでは。
つぐみ、とか、キッチンとか、好きだったはずなのに本棚にない。

管さんも書いていたが、吉本ばななは立て続けに何冊も読めない、と。確かに。なんだろう何かが濃過ぎるのだ。

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2018年04月15日

Posted by ブクログ

素敵なお話でした。

なんで私たちは身の丈に合った以上の幸せを求めてしまうんだろう…そんなことを考えながら読んだ。
よしもとばななさんの本は、辛いことももちろんあるんだろうけど、いつも満ち足りている。

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2014年04月29日

Posted by ブクログ

よしもとばななさんの本って
読むとココロが癒される

これ読んでないなーと手にとったら
ハワイの話だった
ハワイ行ったことないけど
ギラギラする太陽の照り返しとか
読んでてカラダに感じるようだった

「ハチ公」の後日談だったんだね
また改めて読みたくなっちゃった。

最近、いろんなところでハワイと縁がある

やっぱ、呼ばれてるのかなーー(笑)

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2013年04月19日

Posted by ブクログ

繋がってる運命の男女の話。

なぜか出会う。
何か感じる。

またしてもハワイは綺麗な色合い。
行ったことないからわかんないけど。

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2013年03月17日

Posted by ブクログ

ネタバレ

珠彦くんとテトラの関係、珠彦くんのお母さんであるマオさんの強さに、とても癒されました。ばななさんの作中に出てくる人々の価値観って奇抜だけどあたたかくて好き。


”じっくりとあきらめていくのは、たまになにもかもが昔に戻ったような、これからなにもかも良くなっていくと錯覚させるような希望の瞬間があるぶん、急にあきらめることの何倍も悲しいということを私は知った。”

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2015年07月12日

Posted by ブクログ

とてもよかった。
登場人物それぞれがなんとか心にとどめている、きれいな感情もきたない感情が、ハワイのぎらぎらした光のせいで一つ残らずくっきりと浮き上がってしまう、そんな感じ。
よしもとばななのスピリチュアルな要素は、合わない時にはほんとに合わないんだけど、今回はとてもいい具合に設定に組み込まれていた気がします。
ハワイいきたいな~

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2013年01月24日

Posted by ブクログ

特に中盤以降感じていた、半音上にずれてるみたいな地に足つかないふわふわした感じ。

非現実的な人物やストーリーに、突然ブッ込まれる現実。
誇張はあるけど、意外にそんな矛盾が現実かも。

その違和感が

天国ってこんな感じなのかなぁ、ハワイが近いんじゃないか

の一文で救われた。

この違和感も意図して描いたものかな、とか冷静に思ってしまった。

2020.6.5

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2020年06月06日

Posted by ブクログ

ネタバレ

あらすじだけ読んだら何てことないんだよね~。小学生のころの初恋の相手に大きくなって再会したというはなし。
だけど、よしもとばななの文章はどうしてこんなに心に染み渡るんだろう。
平易で、優しい言葉で紡がれる、まさに紡ぐという言葉がピッタリの文章が、いつどんな気持ちで読んでも、その時の自分にちょうどいいかたちで寄り添ってくれる。
何か所かで涙し、何度も立ち止まり言葉を反芻しました。
やっぱり、ばななさん好きだわ~。

この作品全体に流れるウクレレの響き、ハワイの光と風に癒されました←聴いたことも行ったこともないけど。
ウクレレ弾いてみたくなったけど、ハワイの自然と溶け合う音と書かれていたから、日本で弾いてもダメダナ・・・

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2019年01月21日

Posted by ブクログ

ネタバレ

吉本ばななは、人間の細かい心情だけでなく、自然の繊細な美しさを描くのにも非常に長けていると実感した作品。まだ訪れたことのないハワイに行きたくて仕方なくなった。

現実はそんなうまくいかないよ、と突っ込みたくなるぐらいファンタジーな物語であるが、距離は遠く隔たっていて連絡もしていなくても、強い「念」には人と人をつなぐエネルギーがあるというくだりには、若干の勇気をもらった。

また、同じ状況であっても、不安を感じるテトラと、愛をまっすぐ信じる珠彦、という対比も、愛のよろこびと不安に対する男女の捉え方の違いを表している。

繰り返しになるが、確かに夢物語ではある。だが、いずれ思いを馳せる人と行きたい場所が増えたという意味で、未来に一抹の光をあたえてくれる作品だった。

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2016年02月26日

Posted by ブクログ

きっと主人公はこのまま幸せでいられるはずがないーって思いながらここにい続けるんじゃないだろうか。
ハワイ、きっといいところなんだろうなあ。行ってみたくなった。

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2014年09月22日

Posted by ブクログ

俗っぽいんだけど達観してる登場人物もふくめ、
なんでこんなに暗い話を明るく描けるのか、毎回不思議に思う。

癒される…のとは、少し違うかな。
心の中を優しく鷲掴みにされるような、ある種の恐怖感というか…。

流れることを自覚し、それを受け入れる、というかむしろ能動的に受け入れる価値観は作者自身のものかもしれないが、
それは出来そうで出来ないことかもなぁ、と思ったりもする。

まぁ何れにしても僕の境遇も僕の友人も、少なくとも今のところはここまでエキセントリックなものではないので、
こんなに突き抜けた暗い明るさと向かいあうことはないでしょう。

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2014年08月02日

Posted by ブクログ

『ハチ公の最後の恋人』の続編だったみたい。内容はやっぱりよしもとばななだな。ハワイの空気が伝わってくる。ハワイに行きたい、癒されたい。

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2013年09月24日

Posted by ブクログ

《本文より》
「ごめんね、急に行かなくてはいけなくなったの。
家のつごうに逆らえるほど大人じゃない自分の年齢が悲しい。
向こうから必ず電話するから。
あなたの人生にいっぱいいっぱいいいことがこれからも起こりますように。
もうお昼寝の時に手を握ってあげられないし、アイスコーヒーにミルクと蜂蜜をいっぱいいれてぐるぐる混ぜて飲みほすあのやり方もできない。
あなたは私のなんだったの?
自分じゃないのに自分みたいなあなた。
あなたの人生にいっぱいいいことがこれからも起こりますように。
満天の星のように、きれいな滝の水みたいにどんどんふりそそぎますように。
あなたにもあなたのママにも遠くにいるあなたのパパにもこのお祈りが届きますように。」

いろんな意味でありえないことだったのに、ものすごく好きになってしまっていた。彼はいちばんずるい角度から私の心にすとんと入ってきて、思いもよらない方法ですっかり私の心を奪っていた。

道徳的で真剣に考えているふうでも私の考えていることは自分を守ることばかりで、かたや死んだ弟のために自分の人生をいったんすっかり投げ出し、でも犠牲的にはならない珠彦くんのほうがよっぽどぶれていない。

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2013年06月14日

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