Posted by ブクログ
2012年08月16日
「おめでたいカップルの、おめでたい女の子。好きよ。」
おとなが描く子どもは
やっぱり少しずるくておとな。
好きです、ばななさん。
この方の作風が今はしっくりくる。
好きだった男の子。
離れてしまった男の子。
テトラの家族。
珠彦の家族。
キルト。
ウクレレ。
そして、ハワ...続きを読むイ。
ハワイに行きたくなってしまう。
なんてことない毎日を
喪失を味わった人たちのその後を描いている。
一度離れてしまった二人は、
偶然なのか運命なのか。
珠彦のいちいちが、素敵だった。
それは私が重くてゆがんでるから??苦笑
ドラマでもマンガでも恋愛が成就するのなんて一瞬で、
その後はすぐライバルが登場したり、仲違いしたり。
幸せなのはすぐ去っちゃう。
この作品はそうぢゃなくて、
ゆるやかにしっかりと
空いたトコを埋めていくような。
ドキドキしてしまった。
好きだ。珠彦。笑
そして、
冒頭の夜逃げの場面。
キラキラしてドキドキして夜逃げなのに素敵だった。
「美しいものを集めて、たくさん集めて、ポケットに入れて、
こぼれるほど意地汚くぱんぱんにつめこんで
死んでいきたいと私は思っていた。」
「たわいなくてバカみたいだけれど、私は本気だった。
このままでいい、時間が過ぎたら困る、
だってきっと全てが変わってしまうから、
そういうふうに私は思ったのだ。」
読後が気持ちよかったです。