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Posted by ブクログ
私は初期のよしもとばななさんの作品が好きだとばかり思っていたのに、だいすきになってしまったこの本の初版は2011年らしく驚いた。
主人公は破天荒で破滅的な家庭に育ち、なかなか気を休められなかった幼い頃に同じく破天荒な家の男の子と惹かれ合います。
しかし家の事情で離れ離れになり、懸命に大人になって自分の生活を手に入れた頃とある歌を聞くことになります。
そしてその歌は昔、自分が好きだった男の子に宛てた手紙が歌詞で‥というお話だった。
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よしもとばななさんの作中に出てくる美しい人たちへの表現が好き。
艶艶な黒髪でとか、桜色の唇とか、透き通るような肌とか、まつ毛のびっしり生えた大きな瞳とか、そんなありきたりな容姿なんかを言及するんじゃなくて、内側から発光するような引力を文章にできるのがすごい。
そしていつものように美味しそうな食べ物たち。はちみつ(加熱しないはちみつなんて!白いなんて!)とかうるさそうに見えて裏手の森の音の聞こえる居酒屋のだし卵とか、丁寧に人のためにつくるパエリアとか。
ハワイの描写も美しくて、想像していてとてもたのしかった。あえて写真を検索しないで、ただいつか行きたいなあって思った。
周囲の人に気を取られがちだけど、早くに大人にならなくてはいけなかった主人公の、愛がなかったわけではないけど辛かった過去もじんわりと癒されていったのに安心した。
ひさびさに、よしもとばななさんの作品を読むとそのきらきらが体中に満ちる感じを味わって、とてもしあわせになった。
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ところで主人公は"てとらちゃん"と言って、はじめはひらがなのぽてぽてしたこの名前に馴染めなかった。けれど物語を最後まで読んでこの子の名前がてとらであることにとっても納得した。
名前にすると、響きもとてもかわいい!
テトラポット:
消波ブロックは、海岸や河川などの護岸や水制を目的に設置するコンクリートブロック。
波消しブロックと呼ばれることもある。
Wikipediaより引用
Posted by ブクログ
吉本ばなな作品はもういいやと思ってたのに発見してしまい、読みました。
主人公がいつも過酷な人生の試練に晒されるんだけど、苦しみ悲しみつつも割と淡々としていて、そういう主人公を熱烈に愛する誰かとスピリチュアルに導く誰かが出てきて…という点においては、いつものやつね!って感じだった。
でもハワイの空気感、ウクレレの存在などが不思議に心を癒すんですよね。ハワイ行ったことないから知らんけど(笑)
大きな感動とかは無かったけど、手元に置いて、折に触れまた読み返すのだろうという予感はあります。
そしてこれ、『ハチ公の最後の恋人』の続編らしいので、ハチ公〜もこれから読んでみようと思います。
Posted by ブクログ
読む時の気分によって⭐︎3になったり⭐︎4になったりしそうな作品。
楽園の穏やかでキラキラした風や音や空気を求めているときにはさぁーっと心に染みてきて、求めていないときには「ふーん」って印象になるかもしれない。
それでも、やはりあのハワイが持つ独特の情緒は誰にとっても素敵なもので、「あの感じ」をたまに求めるくらいの気持ちの余裕は常に持っていたいものだなぁとも思った。
私は『ハチ公の最後の恋人』は未読なので、純粋にこの作品を一つの完結した物語として楽しんだ。
よしもとばなな作品に登場する女の子たちは、どの子もみんな傷つきやすくて、でもしなやかに強くて、何かを諦めてはいるけれど同時に明日を創り出そうとする強いダイヤの粒みたいなものを秘めていて、読んでいて力になることはあれ嫌な気持ちになることは全然無い。今回もそう。ひとりで色んなものを抱えこみながら、ハワイアンキルトを作るテトラちゃんはとても素敵だった。
生きることに前向きになれる、日常に潜む小さくて愛らしい出来事にちゃんと目を向けたくなる、陳腐な表現になってしまって我ながらナンだけど、実際ほんとにそうなんだよな。
特にドキッとした文章は、テトラちゃんの以下の言葉。
「人生はうんとはじめのころに至福のほとんどを知るものなの。人によって違うけれど、至福の鋳型はそのときに作られる。そしてその後はほとんどずっとそれを取りもどすための戦いなの。」
まさしく。
ドンピシャで正解。
こういう感覚を文字に起こせるなんて、ばななさんは、短歌も上手そうだなぁと感じる。
Posted by ブクログ
ハワイ行ったことないけど、椰子の木の合間から見える星、肌に感じる暖かい夜の空気、ビールとポテトの匂い、ベンチの質感までなぜか想像できてしまった
だけど愛する人を失ったマリコの心の痛みの全ては想像できなくて、いつか誰かを失った時に思い出すのかな、てちょっと思った
"変わらないから一生分かり合えないし、変わらないからこそ素晴らしい彼"、テトラちゃんでも、間違っているなあって思いながら悶々と暮らしていくのだろうって思うのなんか安心する 誰かを一生愛していくのってすごく難しいけどその人の変わらない部分を尊敬して、自分と違う部分を許して受け入れていけたらいい、重く考えないでそれでいいよねって思わせてくれた
私の小説が好きな理由が詰まってるような本だった
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