【感想・ネタバレ】どんぐり姉妹のレビュー

あらすじ

活動的な姉・どん子と、引きこもりの妹・ぐり子は、両親を失い、都会の片隅で助け合って生きている。二人は、「だれかにメールしたいけれど、知っている人にはしたくないというときにちょうどいい存在」というゆるい理念を掲げ、無料の相談サイト「どんぐり姉妹」を立ち上げた。そこで交わされる他愛のない会話は、情報の渦の中で疲れた人々の心を優しく包み込んでくれる。そんな中、ぐり子は初恋の人、麦君の夢を何度も見るようになりーー。混沌としたこの世界を生きるための示唆に富んだ小説。

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感情タグBEST3

Posted by ブクログ

すうっと心の中に文字が入り込んでくるような感じ。
気づいたら大事にじっくり読んでいた。
なにか大切なものを失った経験が少ないからか、共感は少なかったけど、何気ない日常を大切にしている感じがとても好き。

「人々はたわいない会話がどんなに命を支えているかに無自覚すぎるのだ。」p55

こんな言葉をいつか自分や周りの人に自然に伝えられるようになりたい。

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2025年04月25日

Posted by ブクログ

久しぶりに小説を読んだ。
たぶん10年ぶりに読んだ。
それがこの一冊で良かった。

日常のふとした連鎖への意味、
小さな感覚を研ぎ澄まし、
その自分の感覚を信じることの大切さ。

そんなことへの認知が爆上がりする一冊。
さすがよしもとばななさん!

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2025年01月08日

Posted by ブクログ

よしもとばななの中で一番好きなのがこの本。
どん子さんとぐり子さんの姉妹が人の気持ちに寄り添って寄り添われてそっと生きてる感じがすごく好き。

お姉さんのどん子さんは恋愛の始まるときの「息をしているだけでも楽しい」時期が大好きで、それを何度も何度も繰り返してるちょっと不思議な人なんだけど
それを

「私はその思い出を全部持ってお墓に入るのが楽しみなの。老後はこれまでの彼氏をひとりひとり思い出して、ぽわんとして過ごしたいの」

ってまるで宝物のコレクションを眺めるみたいにちょっと俯瞰して見ている感じがすごくよくて、わたしもこの話を読んでから、元気で体が動くうちは楽しいこともうれしいことも悲しいことも嫌なことも、とにかくたくさん体験して覚えていて、老後にそれらを思い出して咀嚼していく生き方をしたいって思っているのよね。

考えることとか感じることって自分の中で完結するからいつどこで何をしていてもできるでしょ。
そういうのを愉しめるような人生を送りたいなって思える大切なお話です。

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2024年10月16日

Posted by ブクログ

35 合わないところで、少しずつ心の中のものをすり減らしていくと、人は病気になるんだ、と思って、人の強さそして弱さに驚いた。

36 人間ってそんなにわかりやすくできていて、ごはん以外のものも毎日食べているんだ。
雰囲気とか、考え方とかそういうものまで。

61 これまでにちょっとくらいショックを受けた経験があっても、私の魂の芯が圧迫されたわけではない。
そしてちょっとくらい考え方がおかしくなっていても、こだわっていなければ、やがて傷はふさがり、幸せはどこからでもにゅるにゅる出てくる。
それは多分生命力とイコールなのだと思う。

62 何よりも自分の芯を磨いて、あたためて、優しく包んで、もう一回芯としての地位を与えることだった。

63 両親が私にはじめにいっぱいくれたきらきらしたものを、一生かけて発酵させていくことに決めた。

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2024年01月16日

Posted by ブクログ

わたしも夢と現が混じり合った旅みたいな生活ができるようにする!いろんな人がくれた愛とかキラキラしたものを、一生かけて発酵させる!うらやましがらせるためじゃなくて、きれいな景色を共有するために写真を送ったりしたい!

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2023年11月09日

Posted by ブクログ

これまでに読んだよしもとばななのなかで、いちばん明るく、ほのかにきらきらして、やさしい、と思った。死んだ人がそこここにいて、語り手はやや引きこもりがちなのだけれど、どこか閉じていない。文章がどこを読んでもきれいで、すうっと入ってくる。

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2018年09月12日

Posted by ブクログ

読んでると
悲痛ってことばが出るとしかめたくなるくらいに
はいりこめます。
どんぐり姉妹は手紙をよむと、すくない文字数でしっかり感動できてお得。

よみおわっちゃった。。

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2015年07月07日

Posted by ブクログ

久々にばななさん読んだ。つぐみや哀しい予感に出会った当時の衝撃を思い出すような、素晴らしい作品でした。少なくとも、わたしには、一文一文が心に響いて、読み進めるたびに微笑んだり感極まったり心臓を掴まれたりしました。よしもとばななさま、わたしの気持ちを代弁してくださって、いつもいつもありがとうございます

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2014年11月10日

Posted by ブクログ

どんぐり姉妹の姉・どん子が、恋愛の初めの頃がだいすきで、その時期だけの甘く刹那な記憶をたくさん持って棺桶に入るんだ、というようなことを言っていたのがとっても印象的で、そんな楽しみ方もあるんだなあと少し羨ましく思った。いろいろなひとと恋愛が出来たなら、じぶんはどんな顔をしてどう変わっていくんだろう…

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2025年11月07日

Posted by ブクログ

文章がきれいでとても読みやすかった。今生きてるこの日常を大事にしていかなきゃなって思える作品でした。

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2025年02月10日

Posted by ブクログ

よしもとばなな、文体から登場人物のキャラクターまで全部好き。この本をきっかけにしばらくばななフィーバーになる予感。

◆辛い時にどう生き過ごすか
よしもとばななの本からは「辛い時にどう生き過ごすか」、この選択肢の多さに気付かされることが多々。だまってじーっとやりすごしてあたふたしない。とにかく行動、自傷に近い衝動でもとにかく行動。なんか、人によってやり過ごし方は色々あるなぁと思う。

◆妹について
あと私も妹がいるから、表立って描かれてはいないけど姉の気持ちを想像してしまった。うんうん、こうやって姉って強く?逞しく?ガサツに?なっていくのよねと…
仲良い姉妹はいいね。私も末長く妹と仲良くしよう。

◆思い出は思い出のままで
ぐり子ちゃんの初恋の相手、麦くん(名前もいい)とは、夢の中でこそ会うけれど大人になってから会うことはなく、でも確かに2人の間に愛情はあった。私は綺麗な思い出を引っ掻き回して空っぽにしてしまったり、汚してしまうタイプだったので、すごくいいなと思った

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2024年03月06日

Posted by ブクログ

じんわり。ほんわか。温かい空気感。
約2年、産育休で家事育児だけやってた毎日から、仕事復帰して、こうやって合間に読書もできるようになってきた。まだまだ、頭の中は育児でいっぱいだけど、一歩ずつ自分を取り戻す作業を始めた感じ。その一歩目が、よしもとばななさんの本で良かった。もちろん、あえて、選んだんだけど。あえて選べる安心感というか。作者としての信頼感というか。私の中では、こういう心の機微のようなものの描き方はばななさんに絶大な信頼を寄せている。期待を裏切らない本だった。

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2020年06月29日

Posted by ブクログ

よしもとばななさんの小説を読むの結構久しぶりかも。読みやすいし染みるなぁと改めて思いました。
この本はとくに短めだしわりと平坦というか、大きな事件はあまり起きない内容で、だけど大切な人の死と多少のオカルト的な要素というばななワールドは確かに存在していて、人が死ぬ小説とかオカルト的なものは嫌いという人も多いから好き嫌いは分かれると思うけれど、それだからこそ唯一無二の世界観なのだろうか、と考えたりした。
痛いからこそ傷ついている人に優しいし、登場人物たちも当然完璧ではないから作中でもがいたり苦しんだりしていて、それを読みながら読み手も再生していける感覚があるのだと思う。

幼い頃に両親をなくした姉妹は預けられた先で苦しい思いをしながら育ち、とくに妹のぐり子は思春期に死にかけるほどのどん底を味わったのだけど、大人になった2人を見るとより闇が深そうなのは姉のどん子かもなと思う。
すべて見て感じて落ちる時は落ちる妹と比べて、姉は見えていても感じないように紛らわすような生き方をしている。すべてにおいて、予防線を張っているので、恋愛も多くするわりにいつも最後を見ていて刹那的だ。
最初妹のぐり子は自分には姉という存在が必要だと思っていたけれど、もしかしたら逆なのでは?と気づくくだりにとても頷いた。
経験から受けた対処の仕方はそれぞれだ、と思う。似たような経験をしていても、全く違う風に出てしまう。

どんぐり姉妹という相談サイトを開設して、人からのメールを受けて返信をするという日々。内容はたわいのないものから、重たいものまで様々。
感受性の強いぐり子は読んだメールから影響を受けておかしな夢を見たりもするけれど、これもまた彼女の再生のための大切な要素なのだろうと思う。
よしもとばななさんの小説には「再生」というキーワードが欠かせない。だから優しいのだと、改めて感じた。

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2020年02月15日

Posted by ブクログ

子供の頃に両親を亡くし、苦労したにもかかわらず、なんとなくほわんとした姉妹。タイプは違うけど、二人のバランスが好きです。
よしもとばななの世界。

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2017年04月29日

Posted by ブクログ

じんわり。
口にするものだけでなく、私たちはいろんなものを食べているんだということが腑に落ちる。
雰囲気や、考え方。
環境をよくしたり、空気を停滞させないようにするって大切だな。

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2016年09月02日

Posted by ブクログ

よしもとばななの世界でした。
死。
成長期の境遇がいかにその後の人生を左右するのか。
目に見えない繋がり、直感、魂。
人は動かない時と動く時を繰り返して生きている。
心が落ち込んだ時、がむしゃらに動き回るタイプと
引きこもって落ち着いて考えたいタイプとに別れることに非常に共感。
短いお話にぎゅっと詰まっていました。

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2015年12月30日

Posted by ブクログ

何が起きたかよりどう感じたかが中心のような、感覚的な小説なんだけど、その言葉のあてがい方が絶妙。

起きることをそのまま受け止めること、波に抗わずちゃんと流されること、自分なりに心のけじめをつけていくことにより前にすすめることなどが表現されてて、安心できる。

そして旅に出たくなる。

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2015年11月15日

Posted by ブクログ

どん子とぐり子という姉妹が
両親の突然の事故死の後
親戚の家を転々とし
最後に祖父を看取ったあとに
ふたりで`どんぐり姉妹´というネームで
相談サイトを開設する話。
もう少し その相談のやり取りを
読みたかったですが
ばななさんのいつもながらの
ゆったりとした優しい時間が流れる
物語が心地よかったです。

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2015年08月23日

Posted by ブクログ

高校時代に、好んで読んでた
よしもとばなな。

最近は幻想的過ぎて
遠のいていたけど、
久しぶりに読むとやはり
表現が詩的で素敵。

傷ついた心を再生していく。
ゆっくりと前向きな作品。

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2014年12月16日

Posted by ブクログ

小さい頃に両親を失ったどん子とぐり子が、
WEBに、メールの返事をする、他愛のないやりとりがテーマのサイトを作るお話。

わりとふんわりとしていて、
もちろん、ばななさんらしい切なさも混じっている小説。

日々、生活する中で、そのスピード感に合わせて、
擦り減っていったり、破壊されていったり、異次元に葬られたりする、
でも、実は大事な他愛のない会話やこころごとに支えられている、こころの部分。
それって生きていくうえでの、その人の豊かさに関係している。

気の利いた冗談やウィットに富んだ話ができるわけじゃなくても、
その人の心の中に息づくいろいろなきらきらしていたりどろどろしていたりする記憶が、
その人自身の厚みを作りだしていて、それが豊かさだったりする。

何も書かないでテレビにもでないで、まったく世に出なかった人が、
その内面にいろいろ宿したまま旅立っていくことだって、美しいじゃないかと
著者は本書の中で言っています。
美しさ、豊かさのそういう捉え方って僕は好きですし、
本書を読んだがために本書から言葉を得て「僕もそう思ってた!」と言えるのですが、
とても共感できるところが多かったです。
集合無意識なのでしょうか、そういうものを描写するところもありましたが、
それってきっとユングと考えを一にするイメージがあるからなのかもしれないです。
よしもとさんは河合隼雄さんとも対談されてましたし。

心が、生活に触れている感覚器であるところが、
じゅわーっと充電できるような作品です。

共通して「教育」や「推薦図書」についての訊いていますが、
そのインタビュイーに合わせた質問を多数していて、彼らの専門の世界が垣間見られます。
とくに、トム・レイトンさんのいるインターネットの裏側の話は、
まるで詳細に聞いたことが無かったので、とても興味深かったです。
数学にとことん強くて才能もあれば、アカマイ社に入ってネットの裏側で頑張りたかったかもしれない。

また、同じような質問に対しても、答えが人によって違ったりもして、
各々が自分なりの答えを持っているわけで、
正解が世界に転がっているわけでもないのだよな、
ということを改めて感じさせられました。

チョムスキーさんの章では、アメリカがやってきた、
権力を維持するための支配的で利己的な行動についての言及があって、
そういうのを歯に衣着せぬ言いようで言い放つ彼の正義感と勇気には、
それによって逆に、そんなことは露知らない、
あるいは知っていても、臆病さゆえにそれを隠す現代人は
牙の抜けた虎のようになってしまっていることを
感じさせられました。

ほんとねぇ、毒づいてしまうけれども、
個人の知的探究心や好奇心が弱まり、エンタテイメントの享受などにばかり走って、
肉体的には肥満でっていう国民が増えているアメリカや日本を
俯瞰的に眺めてみるとどうですか。
家畜だって思えてしまうきらいはないでしょうか。
僕もとりあえずは肥満を解消したいところだなぁ…。

また、あとがきで教えられましたが、
気配り上手さんがなぜ気配りにがんじがらめなのか。
それは、多くの人が個人の違いを認め合っていないのを知っているから、
ということなんですよね。
はっとしました。

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2025年06月25日

Posted by ブクログ

感性が豊かすぎてどう捉えたらいいかわからない部分もありました。でも悲しみや喜びの感情を重ねやすくて切ない気持ちに浸れる小説。

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2020年12月21日

Posted by ブクログ

10年程度前に書かれた本。ブログを1つの舞台として選んでいるので、その頃の感覚で読み進めれば違和感ない。小説にするのだから、ごくありふれた内容では話にならないだろうが、現実にありそうな設定の組み合わせで面白く読ませるのは流石だと素直に感じた。

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2020年11月23日

Posted by ブクログ

いつもと少しだけ雰囲気のちがう、それでもやっぱり吉本ばななさんっぽい小説。
自分をみつめて生きよう、と思えた。停滞していてもいいから、生きていようと、思えた。

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2020年07月21日

Posted by ブクログ

まだ数冊しか読んでいませんが、よしもとばななの世界は心の奥に眠っているもやがかかった感情が引っ張られる、そんな感じがします。
「両親が私にはじめにくれたきらきらしたものを、一生かけて発酵させていくことに決めた。」
発酵、という表現がしっくりきました。

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2020年04月22日

Posted by ブクログ

世界が自分にはどのように見えているのか、再認識したくなるような作品。

他のレビュワーさんを見ても思うけど、
思わず書き留めて置きたくなるような素敵な言葉がたくさん綴られている。

個人的に凄いなあと思うのは、風景描写なんかほとんどなく、読者のイメージに委ね、共感度合いを高めているところ。
文中に
"それでも、こんな風に美しい夕方に~"
とあるけれど、具体的な景色の描写はまったくない。

それぞれ読者が十人十色の夕方の風景を思い浮かべ、登場人物と自分を重ね合わせてゆく。

日記のように身近な小説、とでも言うべきか。

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2016年02月20日

Posted by ブクログ

「先がなくてもいいよ。一分でも一秒でも、いっしょにいられるだけいっしょにいよう。しっかりと暮らそう。もしそれが積み重なって一日でも二日でも多くいっしょにいられれば、それでいい。」

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2015年09月04日

Posted by ブクログ

姉妹のお話。アンバランスなバランスが、優しい気持ちと少し寂しい気持ちを連れてくる。
2015/7/13

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2015年07月13日

Posted by ブクログ

昔から割と好きな小説家:よしもとばななさんの作品はいくつか読んだことがあるのだけど、ちょっと違うけどなんとなくスピリチュアルな世界もあって「アムリタ」を思い出した。

『どんぐり姉妹』の世界観はまるでインディペント映画でイメージが画になるようだった。

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2015年05月18日

Posted by ブクログ

どん子とぐり子という、冗談みたいな名前の姉妹の物語。誰かの役に立ちながら、自分たちの生活もそれなりに満喫している。悲しみを経験した二人の人生が最終的には良い方向に向かって良かった。

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2015年01月02日

Posted by ブクログ

ネタバレ

静かで時折寂しくなるおはなし。
お姉ちゃんパワフルだなぁ。どことなく危ういのだけれど。
逆に危ういような妹さんの方がじんわりどっしりしてて、なんだかんだ絶妙なバランスの姉妹なのかも。

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2025年05月28日

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