よしもとばななのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ大好きなハワイを舞台にした3つの短編集。
目を閉じれば波の音、甘い風の匂いが漂ってきそうなほど、著者の選ぶ言葉たちに酔いしれた。
表題作「まぼろしハワイ」は、大切な家族を亡くし残された娘と年の近い義母の二人旅。
「姉さんと僕」は、両親の死と引き換えに生を受けた僕と、そんな彼に青春の全てを捧げて育てた姉の旅。
「銀の月の下で」は、両親の離婚以来人との距離感がわからなくて、何か痞えたまま生きているような女性の旅。
ハワイの空は、そんな彼らを、いやどんな人をも優しく包んで、生きることのうつくしさを教えてくれているようだ。
大切な人を亡くしても、石鹸が小さくなっていくように過ぎていく生き -
Posted by ブクログ
あっという間にその3まで終わっちゃった。
何かちょっと痛かった。
それまで通じ合えてた(それが錯覚だとしても)誰かとの関係が、思いも寄らないきっかけで壊れてしまうということ。
一旦壊れてしまうともう、何を言っても話し合っても元には戻らないということ。
それまでは大好きで、少し話せば解るような関係だったはずが、どう頑張っても解り合えなくなってしまう…という経験が私も何度かあるけれど、それはきっと関係にひびが入ってしまった瞬間に、相手への信頼とか愛情が揺らいでしまうせいなのだと思う。
人は変わらないのにそうなってしまうのはやはり、心の内側の問題だ。
…なんてことを考えながら読んだ。
悲しくな -
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Posted by ブクログ
交通事故に遭い死の淵から生還した小夜子だったが、恋人は喪ってしまった。体は大きく損傷し、魂もすり減った。私が死んでいたらよかったのに……しかも事故の後遺症で幽霊が見えるようになってしまった。そんな小夜子はある日、アパートでずっと微笑んでいる女性の幽霊を見かけ―ー京都を舞台に、日常の中で命の輝きを見出し、ゆっくりしかし確実に再生の道をたどる物語。
前に借りようと思ったけどなかったもの(代わりにどんぐり姉妹読んだ)冒頭がいきなりショッキングな書き出しだったのでなんかサスペンスなにおい! と思ったけど全然そんなことはなく。何を期待していたんだ。
京都が舞台だった。ここんとこ、というかばななさんの作 -
Posted by ブクログ
「『自分は自分だけだし、自分だからこそいいこともあるんだし』と自分だけはせめて思ってあげてください」(p96) 今の自分の状況ともよく重なって、勇気をいただいたことばでした。
女性の社会進出の苦労を問われた質問で、「てきとうでワイルドになっても、いいと思うのです」と言ってのける懐の大きさがあるかと思えば、包み込むような優しさもあって、救われたエッセイでした。嘘偽りのない、着飾りのないことばに心の汚れが落とされる感じがしました。
ダメな自分も受け入れて、前に進んでいけるような人間になりたいと思います。考え方自体で、人生をもっと得できる気がする!