よしもとばななのレビュー一覧

  • 王国―その3 ひみつの花園―

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    あっという間にその3まで終わっちゃった。

    何かちょっと痛かった。
    それまで通じ合えてた(それが錯覚だとしても)誰かとの関係が、思いも寄らないきっかけで壊れてしまうということ。
    一旦壊れてしまうともう、何を言っても話し合っても元には戻らないということ。

    それまでは大好きで、少し話せば解るような関係だったはずが、どう頑張っても解り合えなくなってしまう…という経験が私も何度かあるけれど、それはきっと関係にひびが入ってしまった瞬間に、相手への信頼とか愛情が揺らいでしまうせいなのだと思う。
    人は変わらないのにそうなってしまうのはやはり、心の内側の問題だ。

    …なんてことを考えながら読んだ。
    悲しくな

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    2015年06月20日
  • イタリアンばなな 生活人新書セレクション

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    他の書籍で紹介されているアレちゃんの本。翻訳の難しさってこういうことなのね。ヨーロッパの人の階層、TPOにここでも触れていてなるほどと思った。ばななさんの書く目的が初めてわかりました。

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    2015年06月13日
  • スウィート・ヒアアフター

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    交通事故に遭い死の淵から生還した小夜子だったが、恋人は喪ってしまった。体は大きく損傷し、魂もすり減った。私が死んでいたらよかったのに……しかも事故の後遺症で幽霊が見えるようになってしまった。そんな小夜子はある日、アパートでずっと微笑んでいる女性の幽霊を見かけ―ー京都を舞台に、日常の中で命の輝きを見出し、ゆっくりしかし確実に再生の道をたどる物語。

    前に借りようと思ったけどなかったもの(代わりにどんぐり姉妹読んだ)冒頭がいきなりショッキングな書き出しだったのでなんかサスペンスなにおい! と思ったけど全然そんなことはなく。何を期待していたんだ。
    京都が舞台だった。ここんとこ、というかばななさんの作

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    2015年05月10日
  • 日々の考え

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    物凄いパワーを持った人はなんとなくすごい豪快なイメージがあるのだけれどそんなことはなく、どんどん繊細になっていくものらしい。瞬間の判断を細心の注意を払って決して怠りなくし続けて生きているのだ。

    武道のすごい人もどんどん小心になり、いつでも自分より上の人がいることを意識し続けるようになるというから、万事がそういうものだろうと思う。

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    2015年04月26日
  • High and dry (はつ恋)

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    すごく深く、じっくり、ゆっくりと恋をしているなあと思った。主人公とキュウくんの話はいつも深いところで会話をしていて、ましてや主人公の夕子ちゃんは中学生なのに本当に落ち着いていて大人だなあと思った。

    ばななさんの作品は〜だったり、とたくさん例をあげてるから想像がしやすいです。

    途中途中にカラフルでかわいいイラストもあってこころがぽかぽかします。

    読んでいて、心地よい気分になります。

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    2015年04月18日
  • Q人生って?

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     「『自分は自分だけだし、自分だからこそいいこともあるんだし』と自分だけはせめて思ってあげてください」(p96) 今の自分の状況ともよく重なって、勇気をいただいたことばでした。

     女性の社会進出の苦労を問われた質問で、「てきとうでワイルドになっても、いいと思うのです」と言ってのける懐の大きさがあるかと思えば、包み込むような優しさもあって、救われたエッセイでした。嘘偽りのない、着飾りのないことばに心の汚れが落とされる感じがしました。

     ダメな自分も受け入れて、前に進んでいけるような人間になりたいと思います。考え方自体で、人生をもっと得できる気がする!

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    2015年04月09日
  • 彼女について

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    どんどん読み進んで、空気が変わる瞬間にぞくっとした。現実の結末とは遠い場所にあるふたりの世界がせつない。

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    2015年03月24日
  • 小さないじわるを消すだけで

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    自分に余裕がないときに「小さないじわる」をしてしまう。
    そして、後で振り返って、とても恥ずかしく思う。
    自分の疲れなんて、温かいごはんとお風呂、ひと晩眠れば解消される程度。
    後悔でぐちぐち悩む方がよっぽど疲れる。
    「親切をする」より、「いじわるを消す」。
    一つずつでも消していこうと思う。

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    2015年03月19日
  • みずうみ

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    ネタバレ

    中島くんの深刻で厳しい体験と心の傷。
    みずうみのそばの友人。

    どこかはかなげな感じの彼ら。
    そのせいなのかそれともばななさんのタッチによるのか、深い悲しみも刺々しく突き刺すようなものではなく、薄いベールを通しているかのような感じで伝わってきた。

    ちひろと中島くんの距離感。
    無理をしないさせない感じがいい。

    地面から少し足が浮いてるようなちょっと浮遊したような感覚もあって、なんだか気になる作品だった。

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    2015年03月02日
  • Q健康って?

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    るみさんのがん闘病記では、こんなにも強く意思をもって病と真正面から戦っている人がいるということに驚いた。まわりへの愛と感謝にあふれ、最終的には行ってしまった彼女だが、こんなに人として美しい死を遂げた人がいるのだ。読んでいるだけでその強さに感動するくらいだから、回りの人はさぞかし彼女からもらったものは大きいのだろうな。

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    2015年02月11日
  • チエちゃんと私

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    主人公がほんとうに自分自身への愛のリハビリをしたように

    わたしもなんだかすっきりした気持ちになった

    これまでわたしが受け取ってきた
    愛情をもう一度、すべて、
    受け取りなおすことが出来たような気がした

    愛情をかみしめる、ってとてもいい表現だと思う

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    2015年02月10日
  • 王国―その3 ひみつの花園―

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    そうかぁ。こういうことになるのか。
    その2を読んでいた時にはこの展開は予想できなかった。
    でもそういうこともあるなと、諦めにも似た感覚もある。
    自分を冷静に客観的に見ることはなんて難しいのだろう。
    何かに執着してしまって、意固地になっている自分の強がりをどうやって見抜いて脱力させればいいのか。
    打ちのめされた後、どう生きるのか。
    雫石はすごいなぁと思う。
    とても柔軟で清らかだ。
    楓も片岡さんも、おばあちゃんも、みんな柔らかい。

    やはりこの物語はとても優しい。
    力を入れすぎてガチガチになった心と身体をほぐしてくれる。
    力んでいたなと気付かせてくれる本だと思う。

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    2015年02月08日
  • 王国―その2 痛み、失われたものの影、そして魔法―

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    雫石とおばあちゃん、雫石と楓、雫石と片岡さん、雫石と真一郎くん、その全ての関係が美しくて読んでいて幸せな気持ちになる。
    雫石がそれぞれのことを、それぞれに愛しているのが分かる。
    一つとして同じ関係も同じ愛情もない。
    人との関係って本当に代わりのないものなんだ。
    そのことが本当には解ってなかったなと反省。

    そして雫石がテレビを見て発見したこと。
    「あんなよどみを、あんなくささを飲み込んでもびくともしないなんて、そしてあの人たちが夜に光るコケ類のようにちゃんとそれぞれの美しさを持って生きることを許されているなんて、世界とはなんと包容力があって、すごい浄化作用を持っているのだろう。」
    「私はただこ

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    2015年02月05日
  • スウィート・ヒアアフター

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    あとがきに書かれているように3・11で亡くなった人たちからも、感謝のメール(?)が届いていると思う。

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    2015年02月05日
  • 王国―その1 アンドロメダ・ハイツ―

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    「つまりはちょっとゆがんたおとぎ話だ。」
    このお話のことを雫石は本の冒頭でこう称した。
    ゆがんでいる?
    私にはそうは思えなかったけど、2冊目、3冊目と読み進めていくと印象が変わるのだろうか。
    でも、この物語は優しい。
    優しいと感じるのはもしかしたらゆがんでいるからなのかもしれない。
    逆にゆがんでいないものって何だろう?
    きっと触れたら痛いんだろうな。

    物語の中のサボテンの描写に懐かしい気持ちになった。
    少しの間一緒にいてくれたあの子のことを思い出して。
    ひどいことをしてしまった。本当にごめんなさい。

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    2015年02月03日
  • ジュージュー

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    著者が文庫版のあとがきのなかで、
    「なんちゅー悲しい話を書いてしまったんだ」と
    読み返しながら思ったと書いていましたが、
    読んでみた僕としては、そんなにすごく悲しい話には思えないんですよ。
    そりゃ、登場人物たちは人生のなんやかやに縛られて自由ではない。
    でも、自由ではないなりに、
    そのなかでの自由を獲得できているように読み受けました。

    与えられたカードはよくなくても、
    それをどう使っていくかというのは比較的できている人たちが主要人物でした。
    著者は、登場人物たちの持って生まれた星周りというか、
    やっぱり与えられたカードというか、
    そういうのに対して「悲しい話」と言っているのではないかなと

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    2015年01月29日
  • 小さないじわるを消すだけで

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    タイトル、装丁、文字の大きさがぜんぶ、やさしさを感じさせる。
    このなかでよしもとばななさんが書いてる「小さないじわる」が、ああこれあるよなぁ、とすごく共感。
    ほんとうに、ひとにやさしくすることってちょっとしたことなはずやねんなぁ。でも、それがとてもむずかしいんだ。

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    2014年12月31日
  • 小さないじわるを消すだけで

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    小さないじわる、誰にも思い当たることだろう。考え方を早速かえていこうと思いました。シンプルな内容で、無理なく焦点が絞れて良かったです。30分位でざっと読めました。

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    2014年12月24日
  • スウィート・ヒアアフター

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    読み終えてあとがきを見てわかったのだけど、これは3.11の震災のことを思って書かれた小説なのだそうです。
    よく「死と隣り合わせ」と言うけれど、そうじゃない状態で生きている人なんてこの世の中にはひとりもいないと思う。
    事故にあって1時間後に死ぬかもしれない、急病で明日死ぬかもしれない、だけどそのときはそんなことを少しも考えずに生きている。
    みんな同じ条件で生きていて、特別な人間がいるわけではないと思う。

    この小説は、冒頭で大切な人をなくした主人公が、自分も死の淵から生還したあと、半分生きていて半分死んでいるような人間に生まれ変わって、少しずつ自分を取り戻して再生していく物語。
    でも、それを経

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    2014年12月24日
  • どんぐり姉妹

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    高校時代に、好んで読んでた
    よしもとばなな。

    最近は幻想的過ぎて
    遠のいていたけど、
    久しぶりに読むとやはり
    表現が詩的で素敵。

    傷ついた心を再生していく。
    ゆっくりと前向きな作品。

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    2014年12月16日