よしもとばななのレビュー一覧
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ネタバレ「小さないじわる」…思い当たる節がありすぎて反省した。やられてきたからやり返す、それが大きないじわるに発展していくこと。私という細胞が変われば良い。それを突き通すだけの気持ちを私は今からでも持つことが出来るだろうか?
「慈悲の心と、論理性の共存」... あまり感情的にならず、正しい心を持つこと。感情は持ちすぎると偏見が含まれてくるのだという。私も正しい心を訓練する必要がありそうだ。
本書に出てくる出来事は些細なことだけど誰にでも経験があるはず。だからこそ、私は私に出来ることを、私が大切にしたいものを大切にする。『この人は私と違う、まあいっか』ではなく、『なんだか私と違うけれど、この人も細胞の一部分である』ということ。忘れないように長々と記すことにする。 -
Posted by ブクログ
北海道の出張で取材前に時間があり、イオンの本屋で購入。久しぶりに小説買ったかも。しかも、よしもとばななを読むのも久しぶり。
なんとなく合わなくなって読まなくなってたのだけど、ツイッターで見かけていたから思いついたのかもしれない。それと帯の「失うことが切ないなんて、なんと幸せなことだろう」という文章。
あとがきから読んだら、お父さんの吉本隆明さんが亡くなり悲しみに暮れているときにイタコのように書いた作品とのこと。なるほどなぁ・・・という感じ。
主人公の幹ちゃんは赤ちゃんのときに海辺に捨てられていて、だけども拾われた先の大平家でものすごく愛されて育った女性。
のっけから彼女の生い立ちと人生を楽しく生きる方法みたいなものが書いてあって、やや説明的だなぁと思ったものの、引き込まれました。
イギリスのグラストンベリーに似ているという富士山が見える村が舞台です。丘の上には誰かの古墳があり、おとぎ話の世界のように見えない力で結界が貼られているような。祖父が営んでいたB&Bを継ぐ幹ちゃん。自由にのびのび暮らす大平家の人々。ときどき幹ちゃんが思い出す祖父の教え。
ミステリー的な要素をはらんでいたので、先が気になりすいすい読めました。さすがばななさん。
そばにある邪悪に左右されずに自分の軸を持って生きるって、一見強い意思のような気がするかもしれないけれど、そうではなくて、やわらかく優しいものなんだよなっていうのがわかります。
大事な人を亡くしたらこの本を開くかもしれません。 -
Posted by ブクログ
生きていくうえで、大切なこと。それは、温度の合わない人と一緒にいるとうまく生きにくい、と肌で知ることだと思った。
心の闇は、だれかと分かち合うことで、前へ進めるようになることもある。一方で、だれかの明るさが重荷になることもある。。。けれどそのラインって、すごく僅差でむずかしい。
描かれているのは、児童専門のカウンセラーや気功士の独特の恋愛模様。人と密接にふれあう職業だからこそ、幼少時代の近しいトラウマを持つからこそ、分かり合えることがあるんだな。こんな繊細な作品は、よしもとばななにしか書けない。そういう所も含めて、とかげより「ひとかげ」の方が好き。すべてを受け入れられる人間になりたいなと思った。 -
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東京で18歳から8年間愛人として暮らし、
その終焉とともに故郷へ帰ってきたひとりの女性が、
その川の多い土地でおくる生活を綴った小説。
柔らかで優しい、再生への息吹きが感じられます。
彼女がこれを書いたのが37,8歳のころと思われるのですが、
今これを読んだぼくがそれくらいの年齢であることもあるのか、
語られる考え方や思想めいたものにすごく共鳴するところがあった。
そこのところを考えている、感じている、
とぼくが内に宿しているものが表現されていた。
そして、その表現されていてぼくと共鳴する部分は、
きっとぼくも表現できる手合いのもので、
レイテストのぼくの小説にもちょっと重なるところはあったように思うし、
ぼくが書きたい方向性としても、すごく似ていた。
つまりこれは、ほんとうに縁があって読んだ小説でした。
他方で、オカルトタッチ、スピリチュアルタッチが強い部分があるのだけれど、
そこはぼくとは方向性を異にするところです。
いや、まあ、もしかするとわざと(あるいは自然の流れで)
そういったカラーを使うことがあるかもしれない。
あとがきから、
弱っているひとが読んで、すこしでも寄りそえたらいいな、
というような感じを著者自身が再読して思ったようなのですが、
ぼくはとくに弱ってはいませんが、
同じような読者を想定して書きたいなあと思うことがあるので、
そこらへんで引き込まれたのかなあ、と思いました。
しかし、まったくの想像で、
東京暮らししかしたことのない著者が
こういう地方の物語をかけてしまうのはすごいなあ。
地方に住む僕が、すんなり読めてしまうもの。
また、相手役の男が精神的にどっしりしていて、
何か宗教やってるの?と訊かれますが、
ぼくもこないだ仕事仲間に「精神が安定している」と評されて、
はじめてそんなことを言われたけれど、
そういうリンクもあり、
やっぱり読むべくして読んだ縁のある作品だった気がします。
おもしろかった。
好きな小説がまたひとつ増えた。
(でもまあ、たいてい、読んだら好きになるんだよね・・・) -
Posted by ブクログ
ネタバレ久しぶりのばななさんタイム(笑)ばななさんの作る作品の世界観が本当に好き。共感したり、元気をもらえたり、考えさせられたり、本当に癒された。ほっこり♡
「人間は、毎日いろいろな気持ちがあって、いらいらしたり、変な人間に見えたり、でもよく見ると大丈夫だったりしているものじゃないか。一貫性はそれほど求められてないような気がする。だからこそ、底のところでは一貫性が絶対必要だけれど。でもそれだって、意識してあるものじゃないだろう。強い人がいつも強いっていうこともないよ。」
「昇一には深いところでわかっているんだ、彼も傷ついているんだ、と私は感じたわ。ほんとうに大丈夫な人なんて、いないのよ。ほんとうに健全な人もね。そうふるまっているだけで。でも、すごく体調が悪いときにはささいなことが大変に思えるのと同じ分量で、そういうふうに良きものとしてがんばってふるまう体力や気力ってものが、結局は人類の存続を支えてきたんじゃないかしら?」