感情タグBEST3
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小説の中に自分のよく知る街や人の名前がたくさん出てくると恥ずかしくなってしまうので、この本を敬遠していたけど、
こんなに素敵な本ならもっと早く読めばよかった。
よっちゃんの聡明さ、それによってはっきりしてしまう残酷さはスリリングだった。
父親が知らん女と心中してしまったことへの悲しみや慟哭は一体どこに行き着くんだろうとか、新しい生活へと動き出したお母さんはどうするんだろうとか、
物語に対する興味はもちろんあるんだけど、
それ以上によっちゃんの悲しみそのものが美しかった。
よっちゃんはずっとずっと誠実に悲しみ続けて、ついには悲しみを抱き締める術を得た。
これは小説だけど、よっちゃんなんて本当はどこにもいないのかもしれないんだけど、
本当に感動した。
よっちゃんはすごいし、だいすきだと思った。
あっという間に読んでしまって残念だった。
もっとよっちゃんの言葉を聞きたいと思った。
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下北沢は、大好きなばななさんや清水ミチコさんがよく出没する
憧れの地ではあるのですが、全然道が把握できない 涙
いつ行っても、ぐるぐる迷ってはあはあして駅にたどり着きます
とても重たい事件に巻き込まれた女性たちが、それぞれのやり方で
その悲しみを味わい、乗り越えていこうとする小説です。
主人公が異なるタイプの男性と短期間にセックスをするところが
私は好きなんです。その描写が好き!
下北沢は再開発によって大きく街が変わろうとしているようです。
そのおかげで、なくなるお店もたくさんあるのでしょう。
主人公が働くお店「レ・リヤン」もそのひとつです。
(このお店は閉店後、幡ヶ谷で営業しているようです)
国や企業がやることに対して「それどういうこと?どうしてそんなことを?」
という思いを、私たちはぐちることしかできないけど
芸術家は作品に残せるんですね。
この本に出てくるお店、いくつか行きましたが
さすがの美味しさです。
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初めて一人暮らしをした街は、下町でごちゃごちゃしていて、手押し車で商店街を歩くおばあちゃんも、柄の悪いおっちゃんも、派手な若者も、みんな根付いて暮らしていて、最初は居心地が悪かったのに、気が付けば土地や空気が作り出してる色をとても身近に心地良く感じてて、「住めば都だなぁ」と思った事を思い出しました。
毎日を懸命に丁寧に暮らすと、見えなかった色や粒が見えてきて、気がつくとちょっと成長してたりする。
そんな世界観がすごく好きだなぁと思って、憧れるけど、なかなか出来ないんだよなぁ。
あたしはまだまだ子どもで、経験も浅くて、よっちゃんの感じること、まんまは感じられなくて少し淋しいけど、あと何年かしてもう一度この本を読んだら、分かることはたくさんあるのかなぁ。
そんな自分であれたらなぁ。と憧れる。
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よしもとばななやっぱり好きだ!
突然亡くなったお父さんを忘れて生活するために
下北沢に移り住んできた主人公の話
母と娘の不思議な関係がいいなって思う
あのレストランってどの辺だろう?
下北にひさしぶりに行きたくなった
あと、「食堂かたつむり」とか
「かもめ食堂」「南極料理人」もだけど、
ご飯がおいしそうな小説って流行ってるのかな
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◼作品内容にあるような知らない女の心中してしまったお父さん。お母さんと新しい生活を下北沢で始めようと思った。
っていう内容を知らずして読んで、すごく、すごく感情がわかる内容だったので最近のばなな作品で飛び抜けて好きです。お店とか地図が頭におこるほど下北を把握してないけど、近い人を亡くして、そこからの再生の感じはとてもわかった。
ランチのアッコちゃんに続き食べ物系の話が続いたのも縁感じたり。
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茄子おやじ、私も大好き!
読むほどに下北に行きたくなった。
赤ちゃんが小さいので当分むりだけど、
お気に入りのカフェでゆっくりしたいなぁ。としみじみ思った。
きちんと生きなきゃと思いすぎなくていいよ、気楽に行こうよ。
というメッセージが心の奥に沁みた。
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下北沢って町に行きたくなる。。
せつなくて遠い遠い記憶を
たぐり寄せながら生きる主人公の女の子が
けなげで。。
遥かなとても懐かしいような気持ちを
思いだしました。
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山崎さんさんすてきです。やわらかいタオルみたいな人。彼のような人といたら楽なんだろうな。読み終わったあとふだんなにもかんじなかった自分の街がきらきらしてみえた。
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ばななさんの新刊。
ひさしぶりに、すーーーごいイイ!って思った。
恋愛込みだったからかな?
てか、ばななさんの小説って読んでるだけですーごい癒される文体なん。
それがさらに癒し度UPしてるって感じ。
恋愛がよかった。
気になったぶぶんは非公開メモに。
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とても良かったです。家族小説であり、恋愛小説であり、お仕事小説であり、タウンガイドでもあり、盛りだくさんで楽しめました。舞台である下北沢は大好きです。でも私の愛する自由が丘はちょっと気取った冷たい街に描かれています。そして茨城県は寄り付きたくないくらいに怖い場所になってしまいました。登場するお店はみんな実在していて、作家の藤谷治さんがこんな素敵な本屋さんを経営されているとは知りませんでした。
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読み終わった後、とてもやさしい気持ちになりました。
人生って日常と非日常は表裏一体で、明日は何が起こるのか全くわからないし、明日、自分が全く違う考えを持つようになっているのかもしれない。それでも、恐れることなく、ただ、淡々と生き続けることしかできない。けれど、その中に人と触れ合うことでしか得られない嬉しさや喜びがある。そんなことを再認識させてくれるお話。
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「何か新しいことを始めると、最初は濁っている。だが、やがてそれは清流になり、自然な運動の中で静かに営まれていく。」
見ず知らずの女と心中をしてお父さんを亡くした主人公よしえが、何回も観て、暗記したことばの一部。読み終えた今でも、この冒頭の一言がすごく印象に残っている。
これは、よしえの心が濁流から清流になっていくまでの物語なのかなと。
個人的は、よしえが「よっちゃん」と作中で色んな人から呼ばれていて、自分が呼ばれているみたいで感情移入した。
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吉本ばななの紡ぐ世界はいつも優しくて理解のある人たちが溢れていて、ちょっと非日常な状況でも主人公の考えそのものはあまり突拍子のないものじゃなく、ただただ「ああ、そうかもなあ」と思わされる。そして最後に無理矢理じゃなく、それなりの穏やかなエンディングが待っている。そういうところが好きです。下北沢って一度行ったことあるくらいだけど美味しいものがたくさんありそうだなあという印象。そこにキッチン感はある、かも?
ただ、最後本当にちゃんとお母さん、家にいたのかな…?っていうよく分かんない不安が…。
尚、序盤で共感できないお母さんのご意見がありました。
「一日の時間の流れって、夕方になる前にぐうっと長くなって、日が沈むと急に早くなるじゃない?」(p.53)とのことですが、どっちかというと私は逆。夕方が一番時間の流れが早い。この人、ちゃんと主婦としての活動してたのかな?っていうw私だけかな…?
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久しぶりによしもとばななを読んだけど、センスが絶妙に好きでよかった。
仕事で疲れて頭が考えごとでいっぱいでも、寝る前に少し読むと驚くほど意識が小説世界に集中して助かった。
お母さんの最初の強引さをたまったものじゃないと思いながら断りきれない感じ、
お母さんと徐々に関係が良くなるけど、嫌だったことも忘れない感じ、
最近仲良くなった男性と立て続けに一度ずつ寝てみる感じ、
接しやすい男を「こいつはモテてきたな」と判じる感じ、
どれもしっくり共感できる。
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無理心中に巻き込まれて死んだ父。残された妻と娘のよっちゃんの悲しみや怒りが生々しい。
関東圏に住んだことがないので下北沢という場所の土地柄みたいなものがさっぱり分からず残念だけど、どん底の2人にとっては下北沢で口にした麦のサラダや甘い茄子カレーが救われるきっかけになった。人間、美味しく食べられるうちはまだ大丈夫だ。
心中って殺人なんだな、と再認識。かの太宰治氏も何度か心中しようとして、女性だけ死なせちゃったりしてたな…自分が死ぬまで他人を巻き込み続ける人は怖いなぁ。自殺にしたって、周りの残された人々はもしもワールドの中で取り返しのつかないことを悔やみ続けるのだし。
新谷くんと慎重に距離を詰めて気持ちも確かめて、でも結局なんか違ったーってなるのは悲しいけど仕方ない。でも山崎さんと…っていうのは正直よく分からないや。
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主人公は少しのことで感動したり、悲観的になったり、かなり感傷的な人でした。先の事なんてわからないっていいながら誰かと出会う度に未来のことを想像してしてしまうまだまだ悟りの境地にはいけてない主人公。大人になったつもりだけど、まだまだおかあさーん!と言いたくなるところなど子どものところもあって共感するところもたくさんありました。よしもとばななが好きじゃない人はつまらないかもしれませんが、わたしは面白かったです
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大切な人をなくした悲しみが、新しい街の生活の中で癒されていくお話。というと、ありがちな感じだけど、場所と人の関係が丁寧に描かれていて、よかったです。主人公はフレンチのお店で働いてて、お店の仕事のことやお客さんとの関係、仕事に身体が慣れていく感じも書かれてて面白かった。旅するみたいに、一年ほどどこかに住んでみたい気持ちになるお話かも。
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YOASOBI夜に駆けるの原作小説を想起させる展開があった。父の死にけじめをつけていくことの苦難だったり、それに関わる人間関係の複雑な絡みがとても面白かった。
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下北沢に引っ越してきた主人公よしえ。なんでもない日常を送りながら、亡くなった父親との記憶の呪縛を解き、子どもからの脱却を志す物語。
下北沢の文化的だけれども都会的ではない洗練された感じが良かった。それが心の暗さとの対比のように感じることもあったが、下北沢に行ってみたくなった。
二十歳過ぎの女の子に、なんで[よしえ]なんておばあちゃんみたいな名前を付けたんだろうか。もし若いよしえさんがいたら、すみません。
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昨年度は何回か下北沢、略してシモキタ散策をしました。
南口方面には、小劇場などもいっぱいあり、
北口方面は、古着屋やカフェなどが立ち並ぶ商店街がメイン。
やたらと学生っぽい若者が多く、
それだけ活気のある町でした。
この作品はそのシモキタに移り住む母娘の物語。
主人公、よしえの父親は
浮気相手の女の心中の道連れにされて死んでしまいます。
傷心の母とよしえはそれまで住んでいた自由ヶ丘の家を出て
自由で癒される雰囲気のある
下北沢の貸部屋で生活するようになります。
心中で亡くなった父への複雑な想いを胸にいだき、
よしえは、新谷という若者と
父の古くからの知り合いの山?氏とに
淡い恋心をいだき、揺れ動きます・・・。
詳しいあらすじは
こたろうどんがレポをあげていらっしゃいますので、
そちらをどうぞ。
下北沢の魅力を
余すところなく書いたという感じの作品です。
傷心の乙女心を奮い立たせる、
元気の源のような魔力を持っている町。
それが、作者の好きな下北沢なのでしょう。
作者がこの作品を書いてからもう7年。
私が散策したときも
レトロ感が残る商店街でしたから、
下北沢というところは、
あまり変化していないのかもしれません。
この作品を読んだら、また訪ねてみたくなりました。
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愛人と心中した父、下北沢に一人暮らしする娘のもとに転がり込んできた母。家族をはじめとする失った喪失感を素敵な街と人間関係で徐々に癒されていく話。軽い感じで読みやすくて面白かった。たぶん下北沢に詳しい人が読むと二倍くらい楽しく読めるのでは。
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好きな街が舞台だったので引き込まれた。
(最初の方のお母さんとの会話がちょっとくどかったけど)
変わりゆく街への著者の愛が感じられる作品だった。
久々に下北沢をぶらぶらしてみようと思う。
Posted by ブクログ
読後に下北沢に行きたくなりました。
おいしいサラダとかき氷と、カレーのお店に行きたい!
最後のほうの予想外の展開が
自分としては少しびっくりしたけど、
主人公と母親が再出発のために
丁寧に毎日の生活を送っていて、
だんだんと立ち直っていくのがよかった。
毎日の生活って、
ただただ過ぎて行ってしまうけど、
その過ぎて行ってしまう一瞬一瞬が
後から考えると大事だったりするんだよなーと
しみじみ思いながら読みました。
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ステンドグラスのようなイラストがとても好きです。表紙をめくっていくとデザインっぽい2枚のイラスト。白黒の扉とカラフルな色に囲まれた女性。なんか良いなぁと思いました。
よしもとばななの男女関係って独特の性的な厭らしさがなくてそこが好きです。行動が感覚的。女性の本能での感覚じゃなくて、人間の本能としての感覚で恋愛をしている感じがします。
でもやっぱり不倫は不倫であって、主人公がお父さんのことを大好きだということは伝わってくるのですが、どうしても作品に入り込めなかったのはこの不倫の果ての心中だからだと思いました。それが無理心中だとしても。よっちゃんが新谷くんから山崎さんへという流れは唐突のような気がしますが、これだけのファザコンならありえない話でもないですよね。
この物語は家族の物語でもあると思うのですが、あたしの中では母と娘の再生の物語だと思いました。お話が始まった時からすでにお父さんはいないわけですし、理由はどうあれ妻と娘を置いて死んでしまったわけですからね。娘のところへ転がり込んできたのは母なのに、自分の方が弱っていたということに気づくよっちゃんのシーンが好きです。
読後感爽やかで、やっぱりよしもと作品ってなんかいいなって思います。
Posted by ブクログ
父親が突然いなくなったら、子供はどう思うのか、凄くよくわかったかも。
女性の立場からは、憎しみで時間をやり過ごす中でどうにかなっていっても、子供は違うんだよね。
いずれは理解できる時がくるかもしれないけどwww
私も子供に寂しい思いをさせる日がこないように、精進しよう。