よしもとばななのレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
東京で18歳から8年間愛人として暮らし、
その終焉とともに故郷へ帰ってきたひとりの女性が、
その川の多い土地でおくる生活を綴った小説。
柔らかで優しい、再生への息吹きが感じられます。
彼女がこれを書いたのが37,8歳のころと思われるのですが、
今これを読んだぼくがそれくらいの年齢であることもあるのか、
語られる考え方や思想めいたものにすごく共鳴するところがあった。
そこのところを考えている、感じている、
とぼくが内に宿しているものが表現されていた。
そして、その表現されていてぼくと共鳴する部分は、
きっとぼくも表現できる手合いのもので、
レイテストのぼくの小説にもちょっと重なるところはあっ -
Posted by ブクログ
ネタバレ久しぶりのばななさんタイム(笑)ばななさんの作る作品の世界観が本当に好き。共感したり、元気をもらえたり、考えさせられたり、本当に癒された。ほっこり♡
「人間は、毎日いろいろな気持ちがあって、いらいらしたり、変な人間に見えたり、でもよく見ると大丈夫だったりしているものじゃないか。一貫性はそれほど求められてないような気がする。だからこそ、底のところでは一貫性が絶対必要だけれど。でもそれだって、意識してあるものじゃないだろう。強い人がいつも強いっていうこともないよ。」
「昇一には深いところでわかっているんだ、彼も傷ついているんだ、と私は感じたわ。ほんとうに大丈夫な人なんて、いないのよ。 -
Posted by ブクログ
王国1~4をまとめて。
ばななさんらしいスピリチュアルな小説だった。
でも、人間や環境についてのややお説教臭い雰囲気が
鼻について、他の作品よりは好きになれないかも…と思っていたが、
最終巻4巻のラストで、パパ2がノニに対して語る場面ですーっと氷が溶けるように
それまで物語にまとわりついていたぎこちなさが消えていった。
そして、あとがきのばななさんの言葉も素直に腑に落ちた。
「彼らの奇妙なライフスタイルをまねる必要はない」とあったけれど、
物語に登場する人たちは妖精の域に達しそうな超越ぶりなので、
読んだ瞬間に無理でしょ、と思わず苦笑いしてしまった。
そのあとに続く「ただ、自然とともに常