【感想・ネタバレ】ひとかげのレビュー

あらすじ

気功師のとかげと、児童専門の心のクリニックで働く私。ある夜、私がとかげに結婚を申し込むと、とかげは「秘密があるの。」と答えた――。語られるとかげの子ども時代の惨劇と、それによってもたらされた深い傷。そして、私もとかげと向き合い、心の闇をさらけ出す。叫びをあげるふたりの魂が希望をつかむまでを描く感動作!

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Posted by ブクログ

「とかげ」のリメイク。私は 「ひとかげ」の方がすきでした。

きっと主要人物の2人には、少し違うけれど同じなにかを持っていて、息苦しさを互いで誤魔化し合いながら生きていく様子が良かったと思います❁⃘*.゚

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2025年06月15日

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とかげなりに向ける主人公への愛には不純物がなく、とても素朴で優しさに溢れているなと感じた。少年少女の純愛も、傷も背負って生きるそっくりな二人の未来でも、ふたりの愛の核が変わりませんように。

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2022年04月25日

購入済み

陰から支える

三白眼の下着姿。腿の入れ墨。
それで読みたくなった。
トカゲは小さいくせに
何か存在感がある。
陰にいて全霊を費やす。
人を傷つけることの裏にある
責めきれない事情。
それを感じるとき、
自分を責めて、人に尽くす。
食い込むほど寄り添いたい人。
そういう相手をすら避けていた。
これが続くかは
わからなくて不安。
改作前のものはまだよく
読んでないが、トカゲの
最後の台詞は、今の方が、
具体的なイメージまであって
生き方への確信の強さが
感じられる。

#泣ける #切ない #深い

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2021年09月12日

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「とかげ」 の本人によるリメイク版
子どもの頃のいわゆるトラウマを抱えて生きる二人。お互いにだけしか、心を開けない・・・それもちょっとだけ・・・二人の姿は、子育てが終わり二人だけになった私たち夫婦の関わりに少しだけリンクする。
「とかげ」よりも、人のぬくもりが感じられて、なんだかホッとする。

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2018年03月18日

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随分昔、子どもの頃に読んで印象的だった「とかげ」がリメイクされていたと聞いて手に取りました。
併録されているとかげと読み比べると、うんうん、確かに本筋もところどころの描写もそのまま、仕事への取り組み方、人との関わり合い方、生きる事への姿勢がより深く描写されて「人」が彼らに落とす「影」の部分と、それにより浮かび上がる光がより感じられる物語が繰り広げられているな、と。
ぎゅっと削ぎ落とされた濃密な空気の詰まったとかげ、そこからより一歩深く闇と光が色鮮やかに見えてくるひとかげ、どちらからもよさが手に取るように伝わって心地よくやわらかに胸に落とされる光と影を感じました。

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2015年07月19日

Posted by ブクログ

「とかげ」のリメイク。
前作よりずっと優しく大らかな感じに仕上がっていてよかった。
針に触れるような尖った感じがなくて、親しみやすく、すっと入ることができた。

すでに発表した作品をリメイクしちゃうなんて勇気がすごい。
きっと、この作品に対する思い入れが強いのだと思うけど、ばななさんはやっぱりすごいです。

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2014年01月01日

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最後の一文が、好き。
暗さを抱えた2人の、少し寂しくて頼りないかもしれないけど、ほんのりと温かなこれからを願って。

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2025年04月10日

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神様は優しくなんかない、しいない。
悲しい世界でも、恋をする とかげと僕
おやすみを言える相手がいるの幸せだなと感じた

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2021年10月04日

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ずーっと昔に読んだ本。
改めてもう一度読んでみた。

惹かれるべくして惹かれたんだろう2人、淡々とした語りで語られる事実は壮絶で、でもその様子をイメージするにはちょうど良い語りに感じた。
昔に書かれたとかげをもう一度書き直されたひとかげ。
どちらを先に読むかでまた印象は変わるのだろうが、私は本の順に読み、ひとかげのほうがしっくりときた。

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2021年07月04日

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「とかげ」の本人によるリメイク。
年齢を重ねた作者の視点はやはりすばらしく、原作「とかげ」の尖ったところを削って温かさを増したような感じ。こちらの方が断然すきだ。
ふたりの過去も主人公の話し方もとかげの雰囲気も。こちらの方がしっくりくる。
ふたりの関係性が切なく胸に染みる作品。

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2021年03月30日

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買い漁つた吉本ばななさんの本の中の一冊。
最初前書きを読んだとき、もともとこれが『とかげ』として発売されてゐたものの書き直しだとは知らなかつた。さういふ点で、書き直したものと、書き直す以前のものを同時に載せるといふことは、吉本さん自身、再びかつての自分に出あふといふ過程を読者にも見せるといふ勇気のゐることではなかつたのではないかと思ふ。
とかげとひとかげを読んでみると、吉本さんが時間を経て濃縮したことばが蓄積されてゐつたのが感じられる。より人物に対する思考がひとかげでは色濃く出てゐる。とかげを書いたころは、おそらく、ひとが仕事をするといふことはどういふことか知らずに書いてゐたのだと思ふ。だからこそ、書けたものがあつたのは事実だ。けれど、生きていけば生きていくほど、つもり重なるものが出てくる。それらを無視してひとを書くといふことは、今までの自分の歩いてきたものをなかつたことにするのと同じことだ。当初書いたのと全く同じ気持ちで書くことなどできるわけがない。
昔のものと今のものを同時に載せることは、吉本さん自身、自分といふ存在の変わるものと変わらないものとに出会ふといふ大きな発見だつたのだと思ふ。

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2020年09月05日

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死の匂いがしみこんだ人にしかできない、ほんとうの思いやりを私はかぎわけていたのかもしれない。

買ったものの、表紙の絵がなんとなく怖くて読めてなかった。この人がとかげさんかな?

一瞬で読めてしもた、久しぶりに本読んだのに…

とかげもひとかげの後ろに載ってて、だいぶここ変わったなってとことかあってひとかげの表現の方が好きだなあってとこが結構あった。
最初によしもとばななさんのコメント?みたいなので書いてよかったって本人も言ってるけどうんうん!って思う

自分の中の子どもに気づいてる人が読むとちょっと泣きそうになる部分があるかもしれない、私はそうだった…

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2020年04月24日

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陰鬱な雰囲気を醸し出すとかげと自分の心を埋めるようにとかげと付き合う私。それぞれはどこかがおかしいのではなく、自分なりの正解で歩む姿が見える。明るい気分にはならないが、自分の暗い気持ちにそっと寄り添ってくれる、その情動を引き出してくれた時にほんの少しだけあったかくなれたりもする。そんな物語。

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2020年02月20日

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トカゲを昔に読んでいたのですが、正直あまり記憶になく、こちらの本を読んでも違いがあまりわかりませんでした…。

小説全体の暗い印象の中にも、登場人物たちのはっきりと輪郭のある性格に惚れ惚れしました。そんなわけで読んでいても安心感がありました。

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2018年10月30日

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生きていくうえで、大切なこと。それは、温度の合わない人と一緒にいるとうまく生きにくい、と肌で知ることだと思った。

心の闇は、だれかと分かち合うことで、前へ進めるようになることもある。一方で、だれかの明るさが重荷になることもある。。。けれどそのラインって、すごく僅差でむずかしい。

描かれているのは、児童専門のカウンセラーや気功士の独特の恋愛模様。人と密接にふれあう職業だからこそ、幼少時代の近しいトラウマを持つからこそ、分かり合えることがあるんだな。こんな繊細な作品は、よしもとばななにしか書けない。そういう所も含めて、とかげより「ひとかげ」の方が好き。すべてを受け入れられる人間になりたいなと思った。

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2017年07月16日

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「とかげ」よりも「ひとかげ」の方が好きだなー。
最初にひとかげを読んだからかな?

短くて軽く読めるけど、テーマは重い。
好きな作品。

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2012年09月11日

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「とかげ」のリメイク版。
「とかげ」はあっさりさらっとしていて登場人物たちがとても極端。
よしもとばなならしいのはこっちだと思う。

「ひとかげ」はよりリアルで落ち着いていて、ほんのり温かい。
二人が前向きに未来を見つめる描写が加えられていていいな、と思った。


「希望」という分かりやすい言葉が加えられていたの、わたしはすごくすき。

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2012年08月06日

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とかげのリメイク版。どっちもすごく好きだけど、うちは、よりやわらかくやさしく感じたひとかげの方が好きかな。

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2012年05月08日

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「とかげ」は原石で「ひとかげ」は「とかげ」の解説
な気がした。
よしもとばなな初期の作品が好きな人は「とかげ」のほうを好むかも。

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2015年02月01日

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昔の作品をリメイクし、その2つともが1冊にまとまっているというのはなかなかすごいことだなあと。変えた箇所が読者にはっきり知られてしまう。それでも載せてもらえて良かったと思う。温かみが増した、ひとかげが好みでした。

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2025年04月06日

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ネタバレ

「ひとかげ」の方が、文章に温かみが増して、情報量が増えており好きだった。とかげの自分の向いていないをやる(例えばエアロビクスのインストラクター)スタイルは斬新で面白いと思った。私もインストラクターの類は向いていないし、全くもってやりたいと思わないがあえて挑戦することによって自分の本当に苦手なことが見えてくるのかもなあと思った。もしかしたら私もインストラクターに向いているかもしれない。
とかげと主人公の閉塞的な空間は、すこし息が詰まりそうな感じもあったがそこがいいと感じた。
とかげが主人公としか話をしないのも、主人公が浮気をしたらとかげに呪われてもいいと思うところもいい意味で年齢にそぐわない思い恋愛感情を抱いていてよかった。

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2023年12月07日

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リメイクの表題作と元になった「とかげ」の二編。劇的な差は見つけられなかった。児童専門の心のクリニックで働く私と、彼の恋人で元エアロビクスのインストラクターで気功師なとかげの、密やかな日々と各々の過去の傷。相容れない瞬間のリアルが苦しい。親の中にいる子供や命懸けでシンクロを望む患者の存在にハッとした。

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2018年10月16日

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「人は好きな暗さの中で好きなように生きていいんだ。」(p.52)

「どんな悪意にも壊されないものはこの世にあるの」(p.60)

「どんなつらいことがあった子どもでも、それがしみのように生涯体から取れなくても、ふっと忘れてうまいものを食べておいしいと思ったり、天気のいい日にいい気分になったりする。少なくともそういうことは生きていたらある。恋をしたり、恋人と成田山に夜中に来たり、意外なことがいつだってある。大したことじゃないけれど。」(p.74)

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2016年02月06日

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「とかげ」のリメイク版。
比べて読んでみると、大きなストーリーは、変わらないけど、確かに細かいところが違うね。

とかげ♀と私♂。過去の事件がきっかけで、心に闇がある者同士、惹かれ合う。2人で次第に希望を見つけていく。若干、重いね。

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2015年04月29日

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ばなな作品は久しぶり。昔。ちょっと私にはわかりにくく敬遠していたので。本作はお若い頃の作品「とかげ」のリメイク版。「とかげ」も単行本に入っています。比較すると「とかげ」のほうがストレートで力があるがちょっとわかりにくい。本作品「ひとかげ」の方がわかりやすく柔らかく味わえる。逆に言葉で説明しすぎているともいえるが。私はこっちのほうが好き。テーマも不変なものをとりあげているので深かったしおもしろかった。

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2014年08月10日

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もともとは「とかげ」という小説だったのを、セルフリメイクした「ひとかげ」。
単行本だと、「ひとかげ」のあとに、中紙の色を変えて「とかげ」も収録されている。たのしい趣向だと思う。昔に読んだ本を、年取ってから再読するたのしみがあるように、作者の側で小説を編みなおすという試みもまた、年月の流れを感じてしみじみと面白い。

「とかげ」は読んでいなかったので、「ひとかげ」が最初、ということになったが、
このどこにもいけない閉塞感、からまり、もがき、何とかしようと思いながらも、過去と、知らぬ間に引き受けていた罪悪感は思うようには振り払えず、ずぶずぶと沈んでいく… というどうしようもなさに、とても惹かれた。
とかげのように重たい人間に惹かれてしまう「私」もまた、重たいものをおろすことができないまま、自分の中に取り込んでしまった人間で、そのふたりから目を離せなかったわたしも、きっと心のどこかにもう取り外し不可能な「おもたさ」を抱えているのだろう。

それから、「私」がとかげにひかれてゆくさまが、自分の身近にいる人間にとてもよく似ていたように感じた。
近いうちに本人にも勧めてみたい。

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2014年07月15日

Posted by ブクログ

人は悲しい。人は弱い。世界は悲しいし、世界はつらい。
でも、悪いことばかりではないし、悪い人ばかりでもない。
愛する人もいるし、愛しいこともある。
生きづらい世界の中で、それでもひっそりと生きていく私ととかげ。
この世界の片隅で。

「とかげ」も「ひとかげ」も、僕にとっては同じ印象。書き直した意味はさほど感じることができなかった。

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2013年11月08日

Posted by ブクログ

ひとかげ・とかげ両方読み比べて、文章の使い方で表現する内容、深さが大きく変わることを実感します。「少し泣いた」という終わり方なのに、希望を感じる。

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2013年08月18日

Posted by ブクログ

先に『ひとかげ』を読んで、その後で『とかげ』を読むことになるので、少し変な具合。

『ひとかげ』の方がなんとなく安定していて、大人な感じ。それは、作者が年を重ねた上で書いてることを知ってるからかもしれないけど。
『とかげ』は、2人とも危なっかしくて、語り手の男性もなんとなく尖っていて、体温が低い感じ

筋は一緒なのに、こうも印象が違うのかと、ちょっとした驚きを感じられた。

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2013年06月23日

Posted by ブクログ

『とかげ』より
深く色濃く丸くなった感じ。

心の傷をわかるのは難しい。
わかりあうのは大変だ。

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2013年03月06日

Posted by ブクログ

2010/02/18
よしもとばななは、読んでてすーっと入ってくる時期と、
なんかおなかがいっぱいで、すんなり受け入れられない時期があって、今は後者の時期だ。
きっといっぱいいっぱいの時には、ちゃんと読めない。
また気持ちが落ち着いているときに、ゆっくり味わいながら読もう。

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2012年04月11日

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