あらすじ
気功師のとかげと、児童専門の心のクリニックで働く私。ある夜、私がとかげに結婚を申し込むと、とかげは「秘密があるの。」と答えた――。語られるとかげの子ども時代の惨劇と、それによってもたらされた深い傷。そして、私もとかげと向き合い、心の闇をさらけ出す。叫びをあげるふたりの魂が希望をつかむまでを描く感動作!
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Posted by ブクログ
子供の頃よく読んでいた本の小説家さんのうちの1人がよしもとばなな先生であった。15年ほど経ち、大人になった今、ふと、よしもとばなな先生の本が読みたくなり、表紙で選んだのがこの本である。
私は前身となる「とかげ」は読まずにこの本を読んだ。最初の方からとかげに何か訳ありな感じがしている。主人公ととかげはある意味では同じ仕事をしている点が、主人公がとかげに惹かれる芯のところであると書かれているが、とかげもそう思っていただろうか。その後、主人公が職場の内装の雰囲気について指摘したところ、2人それぞれの治療に対する考え方が異なっていることが明確になってしまった。お互い言葉にしなくても感じ取る部分があっただろうが、明確にさせたことによって明らかな亀裂が走ったように感じた。
別れの危機だったが、何だかんだでとかげは家に帰ってくる。話し合いを経て、散歩をして、とかげの提案で山に行くことになる。
ここからが大好きな箇所なのだが、
まず、深夜における風景や人物の描写がありありと浮かんできて、私はそういう夜が好きなのもあって何回も読み返した。
そして、2人の会話において、結構色んな人が何となく考えたことがあるであろう内容が出てくる。
私はそういうことを考えても口に出すことは滅多にないので、ふたりが会話しているのが印象的だったし、ふたりの絆が強く見えた。
最後は主人公が2人の子供時代のために涙を流す。人になかなか話せない過去を共有したことによって、普段は閉じていた記憶が開いたのかもしれない。
子供の頃抱えていた感情が蘇ったり、大人になった今分かるものがあったり、あの頃の自分がまだ心の中から消えてなかったりしたのかもしれない、と想像した。
Posted by ブクログ
「ひとかげ」の方が、文章に温かみが増して、情報量が増えており好きだった。とかげの自分の向いていないをやる(例えばエアロビクスのインストラクター)スタイルは斬新で面白いと思った。私もインストラクターの類は向いていないし、全くもってやりたいと思わないがあえて挑戦することによって自分の本当に苦手なことが見えてくるのかもなあと思った。もしかしたら私もインストラクターに向いているかもしれない。
とかげと主人公の閉塞的な空間は、すこし息が詰まりそうな感じもあったがそこがいいと感じた。
とかげが主人公としか話をしないのも、主人公が浮気をしたらとかげに呪われてもいいと思うところもいい意味で年齢にそぐわない思い恋愛感情を抱いていてよかった。