あらすじ
透明な光が世界中を包み、等しく生きていることの不思議を思う。パパ、ママ、そしてパパ2。三人の親の魂をやどす娘・片岡ノニと、哀しみに沈む〈猫の女王様の家来〉キノ。引き寄せあう運命の絆が、滅びゆく大地を癒しで満たす。美しい島々を舞台に、受けつがれる生命の奇跡を謳う最新長篇小説。よしもとワールドの集大成!
...続きを読む感情タグBEST3
Posted by ブクログ
あとがきに、【直感と本能を信じ、自分を保つことをたえず続けていけないと、生きていくのが困難になるのではないか】と思いが綴られていました。
直感と本能…大人になった今こそ大切にして、大きな選択をしていく必要があるのではないかと思いました。なんだか原点に帰らせてくれる本。
自分に自信がなくなった時、自分を雑に扱いそうになった時にはこの本を読んで、自分のこと・自然をまた信じたい。
P121.
人は人に捨てられたりなんかしない。
自分が自分を捨てることしかできないよ。
P122.
自分は自分のよしとすることを、静かに、もくもくとするしかないし、自分のよしとしないことが起きたら静かに離れればいい。
P157.
この人の何かをこの世に続けさせたい
P210
みんな、実はいろんなものに愛されたり、支えられたりしてるのに、ちっぽけな自分の悩みでいっぱいになっているのな。人間てほんとに贅沢なものだよ。
Posted by ブクログ
やっと読めた一冊。
これは私にとってすごくすごく大切な一冊になりました。
私は私のままで生きていっていいんだと、心を捩曲げて抑えて「しなければならない、すべきだ」という呪いから自由に生きる事を許してもらった様な一冊でした。
王国シリーズは私が生きにくくなったり、無意識に自分を閉じ込めてしまった時には、本当にすごい解毒剤を積んだ船になるだろうなぁ。
Posted by ブクログ
王国シリーズの最後の一冊。
時は流れて、雫石の娘であるノニが主人公に。物語の集大成とも言えるんだけど、単なる終わりとはまた違って、書かれていないだけで登場人物たちの人生は続いていくんだろうなぁ、なんて思わせられる。
温かい感情が自然と沸いてくるような、やさしい気持ちになれる小説です。今年の終わりに読めて良かった。
Posted by ブクログ
『サウスポイント』と似た感じのアプローチでできた作品かなという印象を受けましたが、本書の方がより深い場所へ潜った愛についての文章であったように思います。本編に当たる三部作のときよりも切れ味は鋭くなってる。ラストの片岡さんの台詞群は鼻水流しながら読んでました。ここしばらくで読んだ(と言っても最近は離れていましたが)ばなな作品の中ではいちばんのヒットでした。2012年最初の小説にいいものを読むことができて嬉しいです。
Posted by ブクログ
4巻も読んでよかった。人の中、心の奥にあるものに向き合った気がする。ここまで自分を、生きるってことを大切にできないけど、大きな時間の流れの中でちゃんと生きていきたい。
Posted by ブクログ
最近のよしもとばななではまったものってあまりなく、王国シリーズは寧ろ嫌いだったのに最後にきてこの面白さはなに?!うたかたや白河夜船、アムリタに感動した中学時代を思い出しました。近年ではハゴロモ以来のヒットではないでしょうか。王国シリーズ読み返してみようかな。
Posted by ブクログ
王国、念願の続編です
雫石と楓、片岡にこどもができてます。片岡ノニ。
石の魔法が使える子。そのノニの目線で物語りは進んでいきます
ノニから語られる雫石はほんとうにどうしようもない母親で植物馬鹿でがさつで、やっぱりでもママってすごいみたいな感じ。だから最初戸惑いました。シリーズ通して雫石の成長を見ていたわたしとしてはそれが雫石ではないようで。むしろノニが雫石のようで。
真一郎くんのことも、真一郎と別れるきっかけになったあの女性のことも、雫石から語る感じでは美しい感じなのに、実際はやっぱ腹黒いこと考えてたんだなーって
ノニが旅先で出会う猫の女王の家来であったキノ。
キノに出会ったことでノニ自身も成長していく
出生の秘密
そして片岡さんのことば。涙があふれるあふれる
いつだって片岡さんは冷たくて、きついけど、だけど愛で溢れてるんだ。ひとつひとつの言葉が重たくて、楓をほんとうにほんとうに愛していたことがありありと分かるその情景が、ことばにならない。そしてノニを愛していて、雫石を愛していて、とにかく愛であふれている一冊です
王国シリーズ、きっと終わりね。終わりにふさわしいと出来です
Posted by ブクログ
王国シリーズのラスト。
1~3までのヒロイン雫石の娘が新たなヒロインとなっている。
よしもとばななの世界、ファンタスティックワールド。
好き嫌いくっきりする作家だよな~とおもう。
Posted by ブクログ
王国1~4をまとめて。
ばななさんらしいスピリチュアルな小説だった。
でも、人間や環境についてのややお説教臭い雰囲気が
鼻について、他の作品よりは好きになれないかも…と思っていたが、
最終巻4巻のラストで、パパ2がノニに対して語る場面ですーっと氷が溶けるように
それまで物語にまとわりついていたぎこちなさが消えていった。
そして、あとがきのばななさんの言葉も素直に腑に落ちた。
「彼らの奇妙なライフスタイルをまねる必要はない」とあったけれど、
物語に登場する人たちは妖精の域に達しそうな超越ぶりなので、
読んだ瞬間に無理でしょ、と思わず苦笑いしてしまった。
そのあとに続く「ただ、自然とともに常にゆれている心、そこだけ読んでもらえれば。」という言葉には素直に共感できたけれど。
「これからしばらくは大変な時代が続くだろう。
直感と本能を信じ、自分を保つことをたえず続けていかないと、
生きていくのが困難になるのではないか」
というあとがきの言葉は2010年春に書かれたもの。
そのばななさんの慧眼にぞくりとしたが、
どんな状況でも人は適応して生きていくんだと思う。
そのときに必要なのが物語なんだと、実感できる小説だった。
Posted by ブクログ
キズキが死んで直子は生きていくことができなかったけれど、
楓が死んでも雫石は生きていくことができた。
片岡さんと結婚までして、法律上も家族になって、
中心に楓をおいてなお生きていけている。
生きていくことが怖くなくなる最終巻。
Posted by ブクログ
王国シリーズの完結に相応しいお話でした
なんとも言えないな~
よしもとばななさんの作品は優しくて不思議で近くて遠い世界
綺麗すぎてびっくりする世界
こんな心の人がいるなんて驚きだな
Posted by ブクログ
作中に出てきたキノとノニが出会った場所であるミコノス島。気になって調べてみると白を基調とした陸地と真っ青な海と空が印象的で、写真を見ただけでも素敵な場所だと伝わってきました。ばななさんの世界観に今回もとっても癒されました。
文章も映像も長編だからこそ描かれてるし伝わってくるものってあるから(短編は短編で、また味があるんだけど)長編にどっぷり浸かるのが個人的に好きな方なので、大好きな作家さんでそれができてしあわせだった(笑)
特にパパ2とノニのイルカウォッチングの場面でじーんときた。。
”私は、ああいうまとまり方よりも、完璧でないものが好き。動くものが好き。でこぼこして不器用なものが好き。あなたのパパや、あなたのパパを愛しすぎて体を壊したパパ2や、あなたを育ててヒスを起こしている私のほうが好き。そこには、私にとっての自由があった。そう思う。”
"だれもだれかを裏切ったり背いたりしないよ。だれも悪くない。時間が流れているだけだ”
”なにを滞っていたんだろう?なんでなにかを決めなくちゃいけないと思っていたんだろう。風も波頭も気持ちも遠くの緑のざわめきも、港に見える船も、全部がバランスよくそれぞれに動いているその世界の中で、私は自分のことをばかみたいと思った。何も欠けたものなんかないのに、自分だけ狭い気分になって深刻ぶることさえも、ゆるされているのだと。”
Posted by ブクログ
王国シリーズのラスト。
はじめはなんの話?って感じでわからなかったけれど
よくよく読み進めるとみんな出てくる。
王国シリーズの中ではこの本が一番好きかなぁ。
今、自分が現実に抱えている焦りや自己否定感を
やさしく「いいよいいよ~」と受け止めてもらった気がする。
社会的なものや形式ばったものがどれだけ意味があるのかなって。
ある意味ぶっとんだ家族の形が織りなすストーリーを前に
自分ちっぽけだよなぁって痛感した。
自分がやりたいこと、やりたいように、あるがままでいいねんなぁ。
そう思う。
これ読み終わったら、「イルカ」「なんくるない」も読みたくなった。笑
貪欲~www
Posted by ブクログ
『みんな、実はいろんなものに
愛されたり
支えられたりしてるのに、
ちっぽけな自分の悩みで
いっぱいになっているのな。
人間ってほんと贅沢なものだよ。』
Posted by ブクログ
この物語の植物と人間のかかわり方にとても憧れてしまう。
ひとつの仕事を一生懸命にすること。
恋は落ちるものなので後で考えると何故と首を傾げるような
相手であっても、暴力的な激しさで落ちてしまうこと。
ここに存在することは物凄い奇跡であること。
人間って怖くて凄い。
私も傷ついているときに精霊に手を貸してもらえるような
生き方ができるといいなと、半ば本気で思う。
Posted by ブクログ
2012.1.7 読破
太陽を嫌ったらだめだよ。
宇宙一のお医者さんなんだからね。
世界に通じる秘密の扉はおのれの中にしかない
ほんとにこわいことは、たったひとつ、自分の魂を自分がおろそかにすることだけなんだ
とわかった今では、こわいことはもうなくなった。
いろんな価値観の人がいるからなあ。それはいいんだよ、戦うことはない。自分の世界を壊そうとしないかぎりは。でも、今回はちょっと壊れそうだったんだろう?そうしたら、ゆずれないことがなんだかわかってきただろう?
みんな、実はいろんなものに愛されたり支えられたりしてるのに、ちっぽけな自分の悩みでいっぱいになっているのな。人間ってほんと贅沢なものだよ。
決めたことをできる強さと余裕
嘘をついて生きてると、心も体もおかしくなってくるよ。そんな時間はないだろう。
視界を広げるには目に力が入ってはいけない、見ようとして力が入ると狭くなってしまう。
Posted by ブクログ
3巻までで完成された物語だったと思うのだが
アナザーワールドということで書かれており納得がいった。
あれだけ印象深かった雫石が、娘の目から見ると
ちょっと不完全でとても変わったお母さんになっていて
それもまた見方の一面という気がして面白かった。
愛する人の忘れ形見であるノニに対して片岡さんが
楓が君を残してくれたし、今では君が楓の面影を残してくれている
と考えているのがとても素敵だと思ったし
そうして命というのは続いていくし
遺された者も悼み生きていくことが出来るのだと感じた。
世の中がどんどんおかしくなって
当り前のことがうまくいかないことも多いけれど
本当に本当のことを大切にしていくしかないのだと思う。
Posted by ブクログ
王国シリーズで一番好きな人はやっぱり片岡さん。
もちろん楓も雫石も、素敵な人たちだと思う。
ノニ目線で、三人の絆の強さ(っていうと少し曖昧で小さい気がする)を再確認するような感じ。
よしもとばななさん本は、こういう、幸福な感じがすきです。
「彼女について」は怖かった記憶があります。
Posted by ブクログ
視力の弱い占い師のパパ、薬草茶作りの達人のママ、そしてパパを愛するパパ2…。3人の親の愛を一身に浴びて育った片岡ノニは、陽光降るミコノス島で運命の出会いをした。その相手は、“猫の王国の女王様”と死に別れた哀しみの家来・キノだった。
その自信以外に、死ぬときに持っていけるものはなにもないんだよ。
あなたはとても優しい子に育ちました。優しい言葉しか言えないくらいに。
登場したときのカリスマ性があまりにもすごすぎて、私はあなたにすっかり夢中になってしまった。これからずっと、どんなに離れていてもきっといつでも心の底からあなたの人生がいいふうであるように、と思う。雨があたるときは少しでも優しく、風があるときにはいつもあたたかい部屋の中にいられるような、そんなふうになにかに包まれるような人生でありますように。最後の最後のお祈りだった。
もしかしたら永久にいなくなってしまうかもしれない、この淋しい世界で。
なんか3で最後だと思ってたから、彼らのその後が知れるのがすごくうれしくて思わず手に取ったけれど、雫石と楓の血を引いた女の子の目線で書かれていてとてもびっくりした。
けど、そこまで違和感も嫌悪感も感じずに普通のことのように受け止められた。
むしろこれまで通りの3人を書いていたらシリーズ化を狙ってるんだなとか考えてしまったかも。(それならそれでもちろん、うれしいのだけれど)
最後の王国1・2・3のあらすじに長編三部作って書いてあるのを見て、長編というより中篇だし3部作ってことはきっと雫石から見た視点で書かれてるのが3作目で終わったからだろうなって思った。
一瞬スターウォーズみたいにノニ編も3部作にするのかなって思って、それならおばあちゃん編・雫石偏・ノニ編ってしたらいいんじゃないかなとか考えた。
内容自体は吉本ばななはこんなかんじだったな~、でもやっぱり王国シリーズの雰囲気や人が吉本作品の中でダントツに好きだな~って感じで、前よりもよみやすくなってる気もした。
ただ、驚いて違和感やちょっと好きになれなかったのが雫石が奔放というか控えめさをなくしてたとこかな。
そんな感じの人ではなかったはずだ・・・と思ってしまった。
Posted by ブクログ
恋愛と家族と人生、つまり、人間個体で言えば、全てのこと。
普通じゃない人を偏愛してるとまでに思われる作者は、時に、普通じゃない家庭を上手く見せる。
ゲイのカップルに、飛び込んだ田舎娘とその娘の家庭は、普通じゃないのに、自分の育ってきた家庭を思い起こさせ、自分よりもずっと、品良く育った娘の家族への思いに共感した。
失恋が意味するものと、そこからの回復が意味するもの、私には作者が、同じこと考えてやしないかとさえ、思わせた。
それを表現する言葉の加減には、引っかかるところが多くある。ラストのシュチュエーションは素敵だが、ストレートに物思う作中人物に長々引っ張らせすぎで、作者の人生論を押し付けられたように思う読者も多いだろう。ばなな教信者の私でも、あのシュチュエーションを満喫できなかった。
よしもとばななが鼻にかかる人は、世の中に多い。私小説的なあまり、ばなな作品に寄り添える人はある特定の人だろう。
だけれども、私は、久しぶりに、作者の作品で、楽しめたので、アンチばなな派にこの作品をぶつくさ言われたくないなぁと。
だから、嫌いな人は、読まないでください(^_-)
Posted by ブクログ
読書中、苦しくて苦しくて、たまらなかった。
でも、読まずにはいられなかった。
どこ、とは区切れない。本全体に、惹きつけられた。おそらくそれは、自身の体験とリンクするのだと思う。
こんこんと、静かな希望が湧き出続けてくれた本。
ほんの少しならまだ、世界に留まっていていい、と許されているような。
王国シリーズの中で、もっとも好きだ。
けれどもここもまた、人生の航海の中では途中。ただ丹念にひとつずつ、人は積み重ねていくこと、は続く。
Posted by ブクログ
雫石、楓、片岡さん、3人のその後。
3人の娘ノニちゃんの視点です。
そっか、あの3人はこうなったのね~。幸せであってくれて良かった。
Posted by ブクログ
よしもとばななのファンではないと思う。でも、よしもとばななを読んでいる時は、その特別な世界に浸れるようでうれしい。王国シリーズでは、呪術の力を持つ女性の言葉で語られる。その4になって、娘から見たこれまでの歴史が再認識できる。あ〜、物語は脈々と流れて行っていたのだ。パパとママとパパ2と呼ばれている彼らが、それぞれ誰であるかに想い至り、来し方を思えば感慨深い。雫石と片岡と楓の微妙なバランスのトライアングルが、雫石の娘ノニの存在で均衡を保ち、つながりを深めていった様子。これまでの時代のいろんなことが、今を迎える必然のように思われる。いろんなつらい事、悲しい事のある人生でも、自分を偽らず乗り越えていけば、いずれ振り返ってしみじみできるような時も来るのだと。登場人物の中で、私は以前から、毒舌でもえげつなくても片岡が気に入っていた。やっぱり、いいやつだし、素敵に歳をとった彼の言葉が聞けてうれしい。
Posted by ブクログ
続きものなんだけど、たぶん3巻までは読んでいるはず。と思って4を読んでみたが
さっぱり覚えていない。
でも、やっぱりばなな先生の言葉の表現の仕方が好きだなぁ。と感じた。
なんか癒されました。
Posted by ブクログ
王国の続き。楓の子どもの話。
設定は突飛すぎる!
猫の女王の妻に先立たれ、猫探し業をする絵描き。
楓の子どもはレズで失恋してるし。
まぁでも相変わらず心地よい感覚はたくさん。
あぁ、あの場所で、あの人と過ごした、あの時間はなんて素敵な時間だったのだろう。
自分は自分のよしとすることを、静かに、もくもくとするしかないし、自分のよしとしない事が起きたら、静かに離れればいい。
ただ自然の様子を眺める時間を人生に取り入れようか。
あの人のことが好きなのは、あたしに何かを与えてくれるからじゃなくって、あの人の生き方そのものが好きだからなんだよなぁ。
Posted by ブクログ
やはり、昔みたいに120%共感してのめり込むことはないけれど。
ひたすら自分の信じる素敵なものだけ語るんじゃなくて、違うものを言い訳してる感じが、すっ飛ばしたくなっちゃうけど。
覚悟とか、信念とか、そういうものを感じさせる。
Posted by ブクログ
ごくごく自然に、自分の大切なものを軸に生きていく人たちが
好きだなと本気で愛おしく思えた
目に見えないものを感じて
全てを信じるわけでも、疑うわけでもなくって
そういう風にして生きていくのはなかなか難しい
Posted by ブクログ
途中でもう読まずに返却してしまおうかと何度か思った。けれど読み終えた今はおだやかな気持ちでいる。あとがきがさりげなくいい。余韻に浸っている。今回は文章や人物の行動や気持ちに入っていく事ができなかった。読んでいて自分が置き去りにされていくような気分だった。所々、自分にしみてくる気づきの言葉があってちょこちょこ救われるのだけれど、お話にはついてゆけなかったかな。別世界で遠いなぁというかんじ。ノニが自分の死ぬ時の事を思い浮かべるシーンが好きだ。自分も心の中にそれまで見た光景をたくさん思い浮かべながら死にたいな。それから「今日は今日の光だけを見て、精一杯身体も心も動かして、とにかくただ生きるんだよ。」っていうパパ2の言葉も好きだ。