あらすじ
「あんたは山を降りなさい」。薬草のお茶で身体の悪い人を癒してきた祖母の言葉が、十八歳になった雫石の人生を動かす。自給自足の山の生活を離れ、慣れぬ都会で待っていたのは、目の不自由な占い師の男・楓との運命的な出会い。そしてサボテンが縁を結んだ野林真一郎との、不倫の恋だった。大きな愛情の輪に包まれた、特別な力を受け継ぐ女の子の物語。ライフワーク長編の幕が開く。
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雫石が、森から都会へと環境が変わって行くと同時に心も変化し、色々なことを学んでいく。
TVに中毒になって気づかないうちに、自分の目の前にある事から逃れていたり、人の感情がその空気にまで伝わって周りを変えてしまうことを学んだり、私も雫石と一緒にこの本から沢山学ぶ事が多かった。そして真一郎との関係も気になって早く続きが読みたいと思ってしまう。
最近好きになった吉本ばなな。どんどんハマってしまう。凄い私よりも周りを敏感に観察していて、そこから感じ取ったことを本に吐き出しているのではと思う。物語なんだけど為になることが多すぎる。学校の先生にオススメされただけある作品だった。
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“なくなったものを惜しんでいるばかりで、得たものを考える余裕がなかった。ちょうど、閉じられたドアの前でじたばたして悲しんでいたら、新しいドアがすぐそこにあったというような気持ちだった。何かが終われば必ず何かがはじまっている。それを見るかみないかだけが私の自由なのだ。ドアが開いた匂い、新しい匂いの中で、私はあせらずにゆっくり立ち上がり、少しずつ歩きながら、何かを探し続けよう。”
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・大切なものを離さないよあにぎゅっとつかむのではなくて、お互いが気持ちいいと思えるくらいの力加減
・今しかないから出し惜しみなく生きていく
この2つのようなことが書かれている部分に深く共感し、胸が熱くなりました。
そして、植物を愛でたくなり、家にある観葉植物に話しかけるようになりました。
優しい言葉で温かい物語なのに、なぜか言葉が心にくる、、。王国シリーズは私のお気に入りになりました。
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私は人が好きです。
人という心や色、繋がりは、触れると奇跡を見る様に涙が出そうになる。
だけどその前に、大前提として、イマの自分がいる。私はどんな色でどんな風にページをめくっていきたいのだろう。
大切なものは見失いたくない。
楓からみた私は何色なんだろうなぁと思いながら、自分で見つめて、育んでいかないとなと思います。
そして存在する全てと繋がっているのなら、丁寧に丁寧に暮らしていかないとなぁ。
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おばあちゃんの最後のメール、涙が出ました。。。
雫石を思う気持ち、みんなが同じように持っている。。。
男でも女でもなく、人間としての愛の物語。。。
不安も悩みも孤独もみんな、意味があったんだ。。。
そこから救ってくれたのは、みんなの愛と、それを感じる雫石自身の心。
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好きだ~。文章を読むというより、その雰囲気・空気・心を感じて
自分もその空間の近くにいるような気持ちになる。
『人間』の話なのに、果てしない広い宇宙・自然を感じる。癒されます。
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「退屈」それが魔物の本当の正体なんだな、と私は気づいていて、でもじっとやりすごしていた。私に与えたえられているのは今このとき、今日一日だけ。そういうふうに。
ばななさんのこうゆう言い回しがとても好き
最後のおばあちゃんからの手紙が一番泣ける
マルタ島に行ってヴィーナスをあたしもみたい。
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1とは雰囲気が少し異なっている。どちらも好き。
人間の弱さ。焦る気持ち。コミュニケーションの暖かさ。そんなものがぎゅっと詰め込まれているのが2じゃないかなぁ。
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再読。
2度目で、ストーリーも知っているのに、読み終わってしまうのが惜しくて、まるで子どもが大好きなジュースをちょびちょび飲むかのように、ちょびちょび読んだ。
「とにかくひとつのことをやるときにはそのことだけをやること。」このおばあちゃんのことばは、生活をあるべき場所に丁寧に戻してくれる魔法。
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この巻はとにかく人生、雫石ちゃん(主人公)が人生を語る巻ですね。
人が生きるってこうだなぁ、ほんと。
と思いました。
その1もそうでしたが、読み終わると心に明るい光が広がるような、そんなお話です。
続きも楽しみ。(積読してます)
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商店街の描写良すぎ〜!!!
旅行先で必ず私も商店街に行く。地元じゃないのにホッとする。
あまりにも人智を超えたことが多くて、ちょっとうーんとなってしまったけど、最後のおばあちゃんの手紙にあるように「幸せで楽だった人たちが、占いなんていう職業につくことはありえないですから」ってことかも。
現実が辛くてどうしようもなかったら、そういう目に見えないものに人はすがりつくしかないのかもしれない。
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やっぱりよしもとばななの小説の良さは人と人とが関わる様なのかもしれない
雫石とその周りの人たちの関係性がとても丁寧で、みんなそれぞれに違う形でお互いを思い合っていて、素敵だった
TVのくだりがとても印象に残っている
私も丁寧に物に触れようと思った、すぐに忘れてしまうのかもしれないけど
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雫石とおばあちゃん、雫石と楓、雫石と片岡さん、雫石と真一郎くん、その全ての関係が美しくて読んでいて幸せな気持ちになる。
雫石がそれぞれのことを、それぞれに愛しているのが分かる。
一つとして同じ関係も同じ愛情もない。
人との関係って本当に代わりのないものなんだ。
そのことが本当には解ってなかったなと反省。
そして雫石がテレビを見て発見したこと。
「あんなよどみを、あんなくささを飲み込んでもびくともしないなんて、そしてあの人たちが夜に光るコケ類のようにちゃんとそれぞれの美しさを持って生きることを許されているなんて、世界とはなんと包容力があって、すごい浄化作用を持っているのだろう。」
「私はただここで小さく輝いて、消えていくだけ。小さな小さな物語を作って。それでいい。」
この発見に私も許された気がした。
ここで生きていることを。
私のことも飲み込んでいるこの世界に。
そしてその世界で一緒に生きている人(雫石のような)に。
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山ではどんな小さなものも必ず何か仕事を持って生まれてきていた。
そしてものすごく複雑な仕組みで補い合って生きていた。
川の流れをせきとめたり少し変えただけで
山は致命的に変化した。
恋愛とか病気の治癒と同じで
ものごとは正しい時間をかけて
順当な道をたどって変えていかなくては絶対に収まるところに落ち着くことはない。
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こういう恋愛って素敵だな。
"ふたりのあいだで恋愛という植物を育てているような気がした。こっちが伸びたらあっちをちょっと切って、雨が続けば晴れたときよけいに陽にあてて、どちらかが水をやり忘れたら、もう一方がしばらくまめに水やりをして、お互いに力を出し合って、ちょっとずつ、大きく育てていく…。"
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ありのままを受け入れて、物事を否定するわけでなく、でも、ちゃんと自分を持っている。読んでいると優しい気持ちになれる本。
ところどころに出てくるおばあちゃんの言葉がすごい。
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王国シリーズ第二作目。
日々、追われるように過ぎていく時間を、見つめ直そうと思えた。
押し付けでもなく義務でもなく、自然にしたくなる。そういう力のある物語。
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雫石が新しい世界に戸惑っている自分に気づき、それでも自分を取り戻し、新しい世界に馴染みつつある自分にも気付き、人との繋がりを感じていくところは力強い。
雑に開けてしまったテレビの話は納得。もっと日々の生活、丁寧に送らなければと思った。
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「王国」第2部。前作からはそれぞれの登場人物の住む環境が異なり、それによってどのような変化がもたらされるのかが描かれている。
新しい環境というのは、本人が思っている以上に心に負荷がかかることであり、今まで上手くできていたことが急にできなくなったりすることも珍しくない。そして、環境の変化は人間関係にも変化をもたらす。それが自分にとってよい方向に向かうのか、それとも悪い方向に向かうのかは想像できない。しかし、周囲の人には案外その景色が見えたりしていることもある。その言葉に救われた経験は誰しもが持っているのではないだろうか。そんなことを思い出させてくれる作品。
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祖母と暮らしてた山を下りて、都会で生活することにした雫石。
住んでいた家を火事で失い、雇い主の楓も海外に行ってしまい、1人で留守番をすることになった。
慣れない都会の環境に戸惑い
たまたま抽選で当たったテレビに依存してしまったけれど
楓に片岡さん、恋人の真一郎、居酒屋の夫婦に祖母と
自分の周りにいる人たちによって、新しい環境での生活に馴染んで行くまで。
片岡さんの正論?がもっともだった。
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人との交わりに困惑をして、拒絶をしていた雫石が楓、片岡、真一郎、おばあちゃん、そしてサボテンを通して本当のあり方に目覚めていく巻。感想は次巻にて
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(18.09.05)
イタリアに渡った楓と片岡。楓の家を守りながら二人の帰りを待つ雫石。真一郎に支えられ、遠く離れた二人や祖母の優しさに触れながら、失意のどん底から少しずつ回復していく。
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はじめは、いまの私はよしもとばななを受けつけないな思いながら、ただ字を追うだけの読書だった。つまらないなー。早く終わらないかなーと。ものすごくよしもとばななの話にはいりこめるときとまったく受け付けないときがある。いまは後者だなと。
ところが読み進めるうちに、ばななワールドにどっぷりでした。ああこんなことってあるのね。だめだと思ってたのにすっかりばななワールド。雫石とおなじように光につつまれているような感覚。(お風呂にはいってきもちよく半身浴中ってのも効果的だったかしら?)人はひとりでは生きていないのですね。いろんな人とのつながりが感じられてハッピーになった。でも自分の現在をおもって暗くなる私。王国3に進もうか。
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「なくなったものを惜しんでいるばかりで、得たものを考える余裕がなかった。ちょうど、閉じられたドアの前でじたばたして悲しんでいたら、新しいドアがすぐそこにあったというような気持ちだった。
何かが終われば必ず何かがはじまっている。それを見るか見ないかだけが私の自由なのだ。
ドアが開いた匂い、新しい匂いの中で、私はあせらずにゆっくり立ち上がり、少しずつ歩きながら、何かを探し続けよう」
ゆったりした、痛みと再生の物語。
ある分のエネルギーを使い果たして一日を終えてこそ、明日再び満タンのエネルギーに満ちる。
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成長の過程の苦しいところ。
でも通らなくてはならない道。
それを乗り越えて、振り返り、また先を見据えて自分が固まっていく。
そのとき見守ってくれる人、支えてくれる人、慰めてくれる人、
そんな人がいるといいな。
でもきっと自分に必要な時、必要な人がいるはず。
それが縁だと思う。
必要がなくなると去っていく人もいる。
そしてまた、別の人と出会う。
その時はわからないけど、しばらく経つとそうだったのかなと思う。
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アンドロメダ・ハイツよりは大きな事件もなく、全体的に穏やか。雫石の心の葛藤が興味深かったです。楓好きな私としては、少し物足りなかったかな・・・。
相変わらずよしもとさんを読むと妙なノルスタジーにひたっちゃってせつなくなる。
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両親世代からぽつりぽつり明かされる、大切な忠告をよむこころもち。
人生を、生きる上での呼吸みたいな。
まだわからない箇所はたくさんあるけど、頭の隅に置いとく。最悪になるまえに、思い返せたらいいけど。