【感想・ネタバレ】王国―その4 アナザー・ワールド―のレビュー

あらすじ

透明な光が世界中を包み、等しく生きていることの不思議を思う。パパ、ママ、そしてパパ2。三人の親の魂をやどす娘・片岡ノニと、哀しみに沈む〈猫の女王様の家来〉キノ。引き寄せあう運命の絆が、滅びゆく大地を癒しで満たす。美しい島々を舞台に、受けつがれる生命の奇跡を謳う最新長篇小説。よしもとワールドの集大成!

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Posted by ブクログ

ネタバレ

あとがきに、【直感と本能を信じ、自分を保つことをたえず続けていけないと、生きていくのが困難になるのではないか】と思いが綴られていました。
直感と本能…大人になった今こそ大切にして、大きな選択をしていく必要があるのではないかと思いました。なんだか原点に帰らせてくれる本。
自分に自信がなくなった時、自分を雑に扱いそうになった時にはこの本を読んで、自分のこと・自然をまた信じたい。

P121.
人は人に捨てられたりなんかしない。
自分が自分を捨てることしかできないよ。

P122.
自分は自分のよしとすることを、静かに、もくもくとするしかないし、自分のよしとしないことが起きたら静かに離れればいい。

P157.
この人の何かをこの世に続けさせたい


P210
みんな、実はいろんなものに愛されたり、支えられたりしてるのに、ちっぽけな自分の悩みでいっぱいになっているのな。人間てほんとに贅沢なものだよ。

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2024年05月05日

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ネタバレ

王国シリーズのラスト。

1~3までのヒロイン雫石の娘が新たなヒロインとなっている。

よしもとばななの世界、ファンタスティックワールド。

好き嫌いくっきりする作家だよな~とおもう。

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2016年09月19日

Posted by ブクログ

ネタバレ

作中に出てきたキノとノニが出会った場所であるミコノス島。気になって調べてみると白を基調とした陸地と真っ青な海と空が印象的で、写真を見ただけでも素敵な場所だと伝わってきました。ばななさんの世界観に今回もとっても癒されました。

文章も映像も長編だからこそ描かれてるし伝わってくるものってあるから(短編は短編で、また味があるんだけど)長編にどっぷり浸かるのが個人的に好きな方なので、大好きな作家さんでそれができてしあわせだった(笑)

特にパパ2とノニのイルカウォッチングの場面でじーんときた。。


”私は、ああいうまとまり方よりも、完璧でないものが好き。動くものが好き。でこぼこして不器用なものが好き。あなたのパパや、あなたのパパを愛しすぎて体を壊したパパ2や、あなたを育ててヒスを起こしている私のほうが好き。そこには、私にとっての自由があった。そう思う。”

"だれもだれかを裏切ったり背いたりしないよ。だれも悪くない。時間が流れているだけだ”

”なにを滞っていたんだろう?なんでなにかを決めなくちゃいけないと思っていたんだろう。風も波頭も気持ちも遠くの緑のざわめきも、港に見える船も、全部がバランスよくそれぞれに動いているその世界の中で、私は自分のことをばかみたいと思った。何も欠けたものなんかないのに、自分だけ狭い気分になって深刻ぶることさえも、ゆるされているのだと。”

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2015年07月12日

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ネタバレ

王国シリーズのラスト。

はじめはなんの話?って感じでわからなかったけれど

よくよく読み進めるとみんな出てくる。

王国シリーズの中ではこの本が一番好きかなぁ。

今、自分が現実に抱えている焦りや自己否定感を

やさしく「いいよいいよ~」と受け止めてもらった気がする。

社会的なものや形式ばったものがどれだけ意味があるのかなって。

ある意味ぶっとんだ家族の形が織りなすストーリーを前に

自分ちっぽけだよなぁって痛感した。

自分がやりたいこと、やりたいように、あるがままでいいねんなぁ。

そう思う。

これ読み終わったら、「イルカ」「なんくるない」も読みたくなった。笑

貪欲~www

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2012年10月10日

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ネタバレ

3巻までで完成された物語だったと思うのだが
アナザーワールドということで書かれており納得がいった。

あれだけ印象深かった雫石が、娘の目から見ると
ちょっと不完全でとても変わったお母さんになっていて
それもまた見方の一面という気がして面白かった。

愛する人の忘れ形見であるノニに対して片岡さんが
が君を残してくれたし、今では君が楓の面影を残してくれている
と考えているのがとても素敵だと思ったし
そうして命というのは続いていくし
遺された者も悼み生きていくことが出来るのだと感じた。

世の中がどんどんおかしくなって
当り前のことがうまくいかないことも多いけれど
本当に本当のことを大切にしていくしかないのだと思う。

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2011年11月20日

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ネタバレ

視力の弱い占い師のパパ、薬草茶作りの達人のママ、そしてパパを愛するパパ2…。3人の親の愛を一身に浴びて育った片岡ノニは、陽光降るミコノス島で運命の出会いをした。その相手は、“猫の王国の女王様”と死に別れた哀しみの家来・キノだった。

その自信以外に、死ぬときに持っていけるものはなにもないんだよ。
あなたはとても優しい子に育ちました。優しい言葉しか言えないくらいに。
登場したときのカリスマ性があまりにもすごすぎて、私はあなたにすっかり夢中になってしまった。これからずっと、どんなに離れていてもきっといつでも心の底からあなたの人生がいいふうであるように、と思う。雨があたるときは少しでも優しく、風があるときにはいつもあたたかい部屋の中にいられるような、そんなふうになにかに包まれるような人生でありますように。最後の最後のお祈りだった。
もしかしたら永久にいなくなってしまうかもしれない、この淋しい世界で。

なんか3で最後だと思ってたから、彼らのその後が知れるのがすごくうれしくて思わず手に取ったけれど、雫石と楓の血を引いた女の子の目線で書かれていてとてもびっくりした。
けど、そこまで違和感も嫌悪感も感じずに普通のことのように受け止められた。
むしろこれまで通りの3人を書いていたらシリーズ化を狙ってるんだなとか考えてしまったかも。(それならそれでもちろん、うれしいのだけれど)
最後の王国1・2・3のあらすじに長編三部作って書いてあるのを見て、長編というより中篇だし3部作ってことはきっと雫石から見た視点で書かれてるのが3作目で終わったからだろうなって思った。
一瞬スターウォーズみたいにノニ編も3部作にするのかなって思って、それならおばあちゃん編・雫石偏・ノニ編ってしたらいいんじゃないかなとか考えた。
内容自体は吉本ばななはこんなかんじだったな~、でもやっぱり王国シリーズの雰囲気や人が吉本作品の中でダントツに好きだな~って感じで、前よりもよみやすくなってる気もした。
ただ、驚いて違和感やちょっと好きになれなかったのが雫石が奔放というか控えめさをなくしてたとこかな。
そんな感じの人ではなかったはずだ・・・と思ってしまった。

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2011年11月04日

Posted by ブクログ

ネタバレ

雫石、楓、片岡さん、3人のその後。
3人の娘ノニちゃんの視点です。
そっか、あの3人はこうなったのね~。幸せであってくれて良かった。

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2011年07月24日

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